今回は本編の続きとなります。それといつも読んで下さる皆さんありがとうございます。
「ルーク、という名前は素敵ですね。古代イスパニア語で聖なる焔の光という意味になりますから」
「だろ? 俺も気に入ってるんだ」
そんな雑談を交わしながら三人でエンゲーブに戻る。俺達はどうやら友達になれた様だ。これは俺の狙い通りである。イオンは俺がティアにしている様に礼儀正しく、儀礼的に接してくる人物に慣れている。原作において原作ルークとイオンが仲良くなれたのは、原作ルークのあけすけな態度が大きな要因だと思っている。なので俺は最初から少しばかり厚かましいくらいの態度でイオンと接する事にしたという訳だ。
そうして歩いていると――
「あーっ!! イオン様ーっ!!」
歩いている先、エンゲーブ方面から青いマルクト軍服を着たジェイドと
「ご無事でしたか、イオン様。……おや、貴方達は」
「どうも。昨日ぶりですね。マルクト軍の……カーティス大佐でしたか。導師イオンは食料盗難事件についてチーグルの森へ行こうとしていました。そこに目撃情報を聞いた私たちが追いついてお止めしたという訳です。」
「そうでしたか……それはありがとうございます」
こんな平原の真ん中で立ち話しているのもアレなので。会話もそこそこにエンゲーブへ戻ることにした。魔物が出る可能性があるので、タタル渓谷でティアと話し合った様に戦闘関連についてお互いの能力などは話し合った。これが地味に重要。ジェイドに俺とティアの2人が
出てきた魔物を(ジェイドの放つ下級譜術であっさりと)倒しつつゆっくり歩いているとエンゲーブについた。エンゲーブに到着した俺達二人とイオン達三人は別れる事となった。
「じゃあ、俺達はこれで。宿に戻るよ。実は朝食もまだなんだ」
「あ、はい。それではここで。ルーク、色々とありがとうございました」
いいって事よ。俺は軽くイオンに向けて手を振りその場を後にした。
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宿屋に戻り事情を話して朝食を出して貰う。ティアと二人、テーブルに座って食べる事にした。食べながら先ほど戻ってくる間の会話を思い出す。イオンは親書が届いたのですか、と言っていたな。とするとジェイド達は今日にでもエンゲーブを立つ事になるだろう。となればやってくるのはこの後かな。
「どうかしたの? ルーク」
「……ん。結局イオンに何故行方不明となっているのか。マルクト軍と行動を共にしているのか聞けなかったからな。」
確かにそうね。と答えながらティアも気になっている様だ。まあ自分の所属する組織の最高権力者の事だからな。気になるのも当然だろう。
それはそれとして、原作知識の通りイオンがエンゲーブから北の道にいてくれて助かった。これには大きな意味がある。まず原作知識を活用してイオンの命を助けられたと言う事だ。護衛を置いてきてしまっていたのだ、冗談抜きであそこでイオンが死んでいた未来もありえた。それを回避できたのは非常に嬉しい。次にイオンに原作通りダアト式譜術を使わせなかったこと。原作において、イオンはチーグルの森の入り口で、ダアト式譜術を使ってぶっ倒れるのだ。それを防げたのも大きい。ダアト式譜術は文字通りイオンの命を削る。それを一回分とはいえ防げたのも良かった。
次に俺の持つ原作知識の通りに出来事が起きた事。これが一番の収穫だった。俺は今まで、屋敷の中での生活で原作知識の通りに振る舞ってきた。それは俺の外側にある全ての事も原作通りに事が起きると想定してのものだ。同じ様に、屋敷の外でも、ティアと超振動を起こして出た外でも原作知識が通用する。これの確信を得られたのは俺の人生にとっても大げさでなくプラスになり得る。今後の全ての出来事も原作知識通りに事が運ぶ可能性がグンと増したからな。
そう言えばチーグルはどうなるかな。イオンがマルクト軍に対応してくれる様頼むだろうからそんなに心配はしてないが。そんな事を思っていると宿屋のドアが開いてマルクトの兵士達が一斉に入って来た。先頭に居るのはやはりジェイド・カーティスだ。
「朝食中に失礼します。騒がせてしまってすみませんね。主人」
ジェイドは俺達二人と宿屋の主人であるケリーさんに声をかける。ティアは自分達を取り囲んだマルクト兵士に対して立ち上がり警戒をあらわにしている。
「失礼と分かっているなら遠慮して貰いたいものですね。それで? マルクト軍が私達二人にどんなご用です?」
なるべく周囲のマルクト兵を刺激しない様にジェイドへ問いかける。それに対するジェイドの答えは厳しい口調の命令だった。
「そこの二人を捕らえなさい。正体不明の
その時、宿屋の入り口からマルクト兵を押しのけてイオンが入って来た。
「ジェイド! 二人に乱暴な事は……」
「ご安心下さい。イオン様。何も殺そうというわけではありませんから……二人が暴れなければ」
そのジェイドの言葉に対し、俺は背中に吊してある剣を鞘ごと取り外すと、剣を手に取った事で更に警戒を強めた相手に無造作に放り投げた。
「そちらこそ安心して下さい。こちらには抵抗するつもりなど全くありませんよ。ティアさん。貴方も自分の持っている武器をマルクト軍に渡して下さい。……それで、カーティス大佐、二つ程お願いがあるのです」
「お願い……ですか。一体どの様な?」
「何、難しい事じゃない。まず一つ目はこの目の前の残っている朝食を最後まで食べさせて欲しいという事。二つ目は、拘束されて連行されるなら、既に支払ってしまっている1ヶ月分の宿代を無駄にしない様に57日分の宿代を返却して貰うのでそれまで待っていて欲しいってだけですよ」
そう言うと俺はテーブルに置かれたフォークを持ち食事を再開した。ティアもジェイドも兵士に囲まれながら平然と食事を再開した俺を奇妙なものを見る目で見ている。
それからしばらくの間。黙々と食事を取り続ける二人と、それを取り囲む多数のマルクト軍兵士というシュールな絵面が村の宿屋で繰り広げられたのだった。
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さて、所変わってタルタロスの中である。俺とティアの二人は一室に連行された。今は二人並んで椅子に腰掛けている。手錠などの拘束はされていない。
「第七音素の超振動はキムラスカ・ランバルディア王国王都方面から発生。マルクト帝国領土タタル渓谷付近にて収束しました。超振動の発生源があなた方なら、不正に国境を越え侵入してきたことになりますね。又、ティアが
んん、と軽く咳払いをして改めて名乗る。
「ルーク・フォン・ファブレ。キムラスカ・ランバルディア王国において最高位の爵位である公爵位にあるファブレ公爵家が長子だ。まだ成人していないので私自身は爵位を授けられていませんが。更に言うのなら、貴方達が誘拐に失敗したルーク・フォン・ファブレでもありますね」
予想はしていたのだろうが、ジェイドは軽く目を見張った。
「キムラスカ王室と姻戚関係にある、あのファブレ公爵のご子息……という訳ですか」
「公爵……♥ 素敵ぃ……♥」
アニスがハートを飛ばしながら身悶えている。実際に見るとかなりうっとうしいな、コレ。
「何故マルクト帝国へ? それに誘拐などと……。穏やかではありませんね」
「色々話さなければいけない事がありますね。まずは順を追って説明しましょうか。何故マルクトへ飛ばされてきたか……ですね」
そこで俺は自分も話したそうにしているティアを制した。
「ティアさん。貴方は黙っていて下さい。加害者である貴方が説明すると無意識に自分を擁護する様な内容になりかねませんから」
ティアは少し不満がある様子だったが、俺の言葉が正しいと思ったのか何とか収めてくれた。
「それじゃあまずは屋敷の中で起きた事から……」
少しばかり長い話になったが、ティアが屋敷を襲撃し、その際に振り上げた杖と俺の木刀が接触した事。超振動が起きて望まぬ移動によってタタル渓谷に飛ばされた事。首都行きの辻馬車を乗り間違ってエンゲーブへ辿り着いた事。等々細かく話した。
「……とまあ、そういう事情で俺達はエンゲーブに滞在する事となった訳です。まあ一日で引き払う事になりましたが。そして今に至るまで事件の当事者であり加害者である彼女は事件を起こした理由を頑なに話そうとはしませんでした。よければ導師イオンからも言ってあげてくれませんか? 何故わざわざ他人の屋敷で、兄である主席総長を暗殺しようとしたのかを」
言葉を切り、イオンを見る。ジェイドを含めこの部屋にいる人間はみなティアに厳しい視線を向けていた。当のティアは責められる様な視線を前に縮こまっている。
「ティア……何故その様な事を」
イオンが詰問する。
「それは……あの、私の故郷に関わる事です。彼やイオン様を巻き込みたくは」
まーだそんな事言ってるよ。この人は。
「今の段階で充分に巻き込まれているんですけどね。……まあ屋敷の襲撃事件とティアさんに関してはこれくらいでいいでしょう。次は私の誘拐事件に関してですね。今から七年前、私が10歳の時です。私は何者かに誘拐されたそうです。キムラスカではマルクトの仕業なのでは? と疑われていますが、七年経った今でも犯人は検挙されていません」
そこで言葉を切って、ジェイドへ目を向ける。
「少なくとも私は知りません。先帝時代の事でしょうか」
「まあ真相は闇の中って所ですね。そして……この誘拐事件によって私は記憶喪失になりました。それも普通の記憶喪失ではありません。両親の名前も自分の名前も、それどころか話し方や歩き方まで忘れてしまい、私は赤ん坊と同じ様な状態になってしまいました」
今回連行された事に直接は関係ないが、この事はジェイドとイオンの二人には是非聞いておいて貰いたかった事なのでついでに話した。案の定二人とも、可哀想、などと呟いているアニスとは明らかに違った反応を見せている。さすがに記憶喪失になったというだけでは俺がレプリカであるとまでは思わないだろうが、5%くらいは可能性として考えた筈だ。今はそれでいい。
「ま、誘拐の事はともかく、今回の事件は私とティアさんの第七音素が超振動を引き起こしただけです。マルクトへの敵対行動では断じてありません。」
「大佐、ルークの言う通りでしょう。彼らに敵意は感じられません」
イオンが俺達の間を取り持つ様にフォローする。
「……まあ、その様ですね。温室育ちの様ですから。世界情勢には疎い様ですし」
アホか。……まさか原作とは違い柔らかい物腰で話している俺に向けて原作と同じ様に小馬鹿にしてくるとは思わなかった。思わず口をついて出そうになったぜ。アホかこいつ。イオンが再び間を取り持つ様に言葉を口にする。
「ここはむしろ、協力をお願いしませんか?」
それに対してジェイドは少し考えるそぶりを見せたが、やがて口を開いた。
「我々は、マルクト帝国皇帝ピオニー九世陛下の勅命によって、キムラスカ王国へ向かっています」
知ってる。なので先手を打って話を進めた。
「和平の申し込みですか。お二人とも大変ですね」
こちらの言葉によってジェイドとイオンの顔が引き締まった。
「現在キムラスカとマルクトは、16年前のホド戦争以来の緊張状態に陥っていると聞き及んでおります。その状態で皇帝の勅命によってマルクトからの使者と平和の象徴である導師が同行している……どう考えてもその目的は和平以外にはありえないでしょう」
「はわわぁ……大佐ぁ。どうします? 私達の目的ばっちり知られちゃってますよぉ」
「アニス、不用意に喋ってはいけませんね」
ジェイドがアニスを制するが、もう既に手遅れだろう。ジェイドはこちらに向き直ると俺に向かって言葉を放った。
「これからあなた方を解放します。軍事機密に関わる場所以外は全て立ち入りを許可しましょう。まず私達を知って下さい。その上で信じられると思えたら力を貸して欲しいのです。――戦争を起こさせない為に」
「協力して欲しいのなら、今ここで詳しい話をしてくれればいいでしょう?」
もう俺は目的を察しているのだから話しても問題は無い筈だ。
「説明してなお、ご協力いただけない場合、あなた方を軟禁しなければなりません。事は国家機密です。ですからその前に決心を促しているのですよ」
アホか。もう一度言おうか? ……アホか。こいつ本当に和平する気あるのかよ。戦争をふっかけたくてうずうずしてるって言われた方が余程信じられるぞ。
俺はよろしくお願いします、とか言いつつ船室を出ようとしているジェイドを引き留めた。
「カーティス大佐! 待って下さい。艦内を見て回ったり考えたりする必要はありません。協力します。いえ、是非協力させて下さい!」
ジェイド達は驚いた顔をしながら、ゆっくりとこちらに向き直った。
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再び向き合ったジェイドが説明を始める。
「昨今局地的な小競り合いが頻発しています。恐らく近いうちに大規模な戦争が始まるでしょう」
続きをイオンが引き継ぐ。
「そこでピオニー陛下は平和条約締結を提案した親書を送ることにしたのです。僕は中立の立場から使者として協力を要請されました」
「それが本当なら、何故バチカルに導師が行方不明という一報が届いたんです? ヴァン
俺が疑問を口にするとイオンは軽くうつむいた。
「それにはローレライ教団の内部事情が影響しているんです」
今度は逆にジェイドが言葉を引き継ぐ。
「ローレライ教団は、イオン様を中心とする改革的な導師派と、大詠師モースを中心とする保守的な大詠師派とで派閥抗争を繰り広げています」
「モースは戦争が起きるのを望んでいるんです。僕はマルクト軍の力を借りて、モースの軟禁から逃げ出してきました」
「導師イオン! 何かの間違いです。大詠師モースがそんなことを望んでいるはずがありません」
自分の上司の名前が出ると、ティアが強く反論した。一応俺も言っておくか。
「ティアさんちょっと落ち着いて。目の前に居るのは導師イオン。貴方の組織の最高責任者ですよ。大詠師モースよりも偉い人に口答えするのはさすがに……。それに何より、導師イオン本人が軟禁されていたと言っているんです。貴方は導師イオンを嘘つき呼ばわりするつもりですか?」
ちょっとキツめに言っておく。ティアって普段は導師を敬っている様に見せて自分の価値観と合わなかったら遠慮無く反論とかしちゃうんだもんな。もちろんYESマンばかりじゃ組織は駄目になるけどさ、今回は本人であるイオンが軟禁されていたって言っているんだから信じてやれよ。
「ティアさんは大詠師派なんですね。ショックですぅ……」
更にアニスが追い打ちをかける。
「わ、私は中立よ。ユリアの
イオンの意向が大事だって言っているなら(以下略。
「教団の実情はともかく、僕らは親書をキムラスカへ運ばなければなりません」
「しかし我々は敵国の兵士。いくら和平の使者といっても、すんなり国境を超えるのは難しい。ぐずぐずしていては大詠師派の邪魔が入ります。その為には貴方の力……いえ、地位が必要です」
いい加減にしろと言いたい。……いや、言うべきか。
「カーティス大佐。その問いに答える前に二つ程確認しておきたい事があります。まずは……現マルクト皇帝に子供はいらっしゃらない様ですが、もしピオニー陛下にご子息がいらっしゃったと仮定しましょう」
ジェイドは突然全く別の事を話し始めた俺に、一体何を話すのか、という目を向けてくる。
「そのご子息が住んでいる屋敷に突然賊が押し入ってきて賊との間に疑似超振動が発生しキムラスカへ飛ばされてしまいました。そして、飛ばされたその先でキムラスカの軍人に出会ったとします。キムラスカの兵士はご子息を、不法に国境を越えてきた罪人として連行します。その先でとても平和的とは言いづらい対応をされたと仮定します。
『温室育ちの様ですから。世界情勢には疎い様ですし』
『説明してなお、ご協力いただけない場合、あなた方を軟禁しなければなりません』
『その為には貴方の力……いえ、地位が必要です』
これらの言葉によって深く傷ついたご子息はマルクトに帰還された後、父親である皇帝陛下、及びマルクト上層部である議会などに全て洗いざらい話したとします。……キムラスカの軍人に馬鹿にされた。軟禁すると言われた。酷い侮辱を受けた。……これらの事を聞いたマルクト皇帝や議会、話が広まったマルクト市民などはどう思うでしょうね?」
ここまで言った所で、ジェイドと、ついでにイオンの顔色が悪くなった。だがまだ追撃の手は緩めない。
「もう一度名乗り直しましょうか。私の名前はルーク・フォン・ファブレ。現国王インゴベルト六世陛下の甥である。父親にして公爵のクリムゾン・ヘアツォーク・フォン・ファブレはキムラスカ軍の元帥でもある。母親は王妹にして第二王位継承者のシュザンヌ・フォン・ファブレ。そして婚約者に国王の愛娘にして第一王位継承者のナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディア。……私は事情があってキムラスカ国内の貴族や王族にはあまり知己がいないが、バチカルに帰還したあかつきにはこれらの人物に旅路の道程を話す事になるだろうな」
もう一度言葉を切り、今度はジェイドの目をのぞき込みながら話す。
「カーティス大佐、先ほど貴方は皇帝の勅命で動いていると言いました。勅命とは臣民ならば絶対に叶えなければならない命令だ。であるならば、貴方は偶然出会ったキムラスカの要人に対しては、誰に言われなくても、自発的に、最上位の敬意を持って接しなければいけない筈だ。……それで? 私の地位が……どうしたって?」
俺の言葉によってすっかり顔色を無くしたジェイドはゆっくりとこちらに歩いてくると片膝をついて頭を垂れた。
「大変、大変失礼を致しました。ルーク様。どうかわたくし共にお力をお貸し下さい」
ようやっと、自分の立場が分かった様だな。自分の立場と言っても俺の下だとかそう言う話じゃない。ジェイドは皇帝の勅命を受けているのだ。ならば自発的に俺に対しては敬意を持って接しなければいけなかったのだ。それを今までのあの態度である。俺で無くても「こいつ本気で和平する気あるの?」と疑問を抱くっちゅーねん。
まあこれ以上ジェイドを責めても仕方がない。俺は両手を開くとパン、と柏手を打った。
「さて、既に終わった事は無しにしましょうか。カーティス大佐は私に無礼な態度など一切取らなかった。私も自分の権威をひけらかして大佐を責めなかった。そういう事でよろしいですね?」
柏手を打った両手をこすり合わせながら語りかける。つまり今までの事は水に流そうという訳だ。
「……よろしいので?」
ジェイドが聞いてくるが知った事ではない。
「何がですか? 大佐は私に何も言わなかったし、私も大佐に何も言わなかった。それでいいじゃありませんか。……そうそう。力を貸してくれとの事でしたね。もちろんいいですよ。ただし一つだけ条件があります。先ほども話したとおり私とティアさんは何の準備もなくマルクトに放り出される形となって領内を彷徨っていました。もし貴方達が私を保護してくれてキムラスカまで送り届けてくれるのなら、私も出来うる限りの力を尽くして和平に協力する事をお約束しましょう」
――こうして俺はジェイドとイオンの和平工作に協力する事になったのだ。
あ、ついでに記憶喪失後に七年間屋敷に軟禁されていた事も説明しておいた。帰国後に自分に近しい人達に和平への口利きをしてくれる様頼むのだが、自分は軟禁されていたので限られた人物にしか働きかけ出来ないぞ、という意味で。
発売当時に初めてゲームをプレイした時、ジェイドが和平活動をするつもりだとは全く思えませんでした。むしろ戦争をふっかけに行こうとしてるんじゃねーの? と思いました。その後に
それと、最新型の陸上装甲艦の中を見て回る事が何故世界情勢を知る事になるかもわかりません。ジェイドもティアもここら辺制作者の都合であまりにアホになってる気がします。