高等技術である
とある女神がある男にちょっかいをかけるためというとても迷惑な理由だ。
その際に女神の思惑とは何の関係もないモンスターが現れた。
極彩色の魔石を持つ食人花型のモンスター。Lv.3はある大型級。深層よりの下層でお目にかかるような怪物との戦闘の際、アイズはレンタル品である剣を壊してしまい弁償の為にお金を集めなくてはならなくなった。
最初にティオナがついてくると言い出し、レフィーヤとティオネが加わりティオネがついてくる条件として誘ったフィン、その際一緒にいたリヴェリアとなかなかバランスのいいパーティーとなった一団は18階層まで危うげもなくたどり着き…………
「さっむぅ!?」
18階層が凍てついていた。アマゾネスらしく薄着のティオネとティオナはガチガチと歯を鳴らす。
触れれば痛みを感じるほどの冷たさの氷が階層中を覆い、さながら冥府に存在するという
「階層全体に及ぶ超大規模魔法…………こんな事ができるのは、クロノか」
見れば森の一角に氷の建物があり、その周りを蠢くモンスターの死骸がウロウロと蠢いていた。冥府の王の住処があるとするなら、或はあんな場所なのだろう。
「……………うっ」
蠢く死体はクロノの魔法が周囲に飛んでいる証。漏れ出たLv.7の膨大な魔力にレフィーヤが思わず身を震わせる。
「こんにちはディムナ氏」
「「「!?」」」
全員が何かあると警戒するもその警戒をあっさりすり抜け何時の間にかクロノがすぐ近くに立っていた。
「やあ、クロノ」
「将来的に娘と婚約するのですから、お義父さんと呼んでくれてもかまいませんよ」
「ああん!?」
ビキリとティオネが眉間にシワを刻み額に血管を浮かばせる。
「大きくなって、君がその気になってくれたら、とあの子に伝えただけだよ」
「そうですね。あの子は今のところ貴方と婚約するくらいなら腹割いて子宮を燃やすと言ってますが、頑張って口説いてください。面白そうなので」
具体的には勇者の婚約を大々的に宣伝しようとした結婚式に乱入してくるであろう玩具にしていいアマゾネスとかティオネとか【
「勝手なこと言ってんじゃねえ! 団長は私のものなんだよ! なぁにが婚約だ、一方的に決めつけてんじゃねえ!」
「ティオネ・ヒリュテ氏、鏡を知っていますか? 便利なので毎朝その台詞を鏡に向かって言うと良いですよ」
「ぶっ殺す!!」
氷の義手の指先が一瞬で爪のように鋭くなり、迫るティオネの片乳でも抉り取ろうとした時フィンが割り込む。
「だ、団長!?」
「やめよう、ティオネ。いきなり襲いかかるのは不味いよ」
「でも、此奴が!」
「彼の娘がお嫁さん候補なのは本当だしね。将来的には純血の子供を産まなくちゃならないからね」
「は? すいません。よく聞こえませんでした…………皆も聞こえなかったわよねえ?」
ティオネは現実を受け入れないようだ。
クロノはフィンを眺める。
自分の私情を捨て一族の為に光になろうとしている求道者と勘違いし、自分で棘を巻いた道を進むことを茨の道を歩くと思い込んでいるくせに、その苦難を実の子に歩ませようとしている子供の夢を捨てられない初老。
彼の子供はきっとフィンが無理やり歩ませる気はないとか言いながらも周りがフィンの後を追う事を、フィンの作った道を進むことを押し付けるのだろう。
此奴はそれを心の底では気付きながら自分すら騙して気づかないふりをして、『それが君の意思なら』と子供を鍛えるのだろう。
その子供が歪み、やがて父を恨み邪神の甘言に乗った時荒れるオラリオを想像すれば、なんだかこんなジジイでも可愛く見える。
ニコリと笑みを向ける。路上で英雄ごっこをする子供を眺める大人のような笑みだ。クロノが笑顔ということは何か良くないことが起きる前兆だろうかとフィンは親指の疼きを確かめた。
「それでこの砦は一体…………」
「昨夜、ダンジョンの採取物を狙う強盗に会いまして。それに強く執着しているようなので、こうしてリヴィラに迷惑をかけぬよう私一人で迎え撃とうかと」
「君相手に強盗? それは…………」
余程の世間知らずか、相当自信があるのか。
いや、そもそもクロノが回収したものに執着している?
クロノはその性癖こそ泥沼を捏ねて熱してより濃くしたような最悪な性癖だが、ギルド職員としてオラリオやウラノスの為に動く。そんな彼が回収し狙われる………
「僕らも全くの無関係ということにならない気がするなあ」
「でしょうね。事が事だけに表向きに情報を開示するかはともかく、確実にオラリオ、ひいては下界全土を巻き込む事件になるでしょう」
厳密には事件はオラリオ内で収まるかもしれないが、解決出来なければ下界に広がる………つまりはオラリオの崩壊を意味している。
「であるなら、僕等も手伝わせてもらおう」
「そうですか? 助かります」
と、その時だった。氷漬けの木々を破壊しながら食人花の群れが氷の砦へと激突する。悲鳴を上げながら
「では、彼女を守ってあげてくださいね」
「え、貴方は?」
「そろそろ帰らないと会議に遅れるので」
え、とレフィーヤが困惑する。クロノは【ロキ・ファミリア】のメンツを見てまあ問題ないだろうと、本当に帰った。
【ロキ・ファミリア】を育てる経験値として使うと決めた以上、関わりすぎると遊べないストレスが溜まると判断したのだろう。仕事はストレスが溜まらないように熟すのがクロノの信条である。
この後お前がアリアかしたり胎児が進化したり概ね原作通りになり、ただしリヴィラではなく森の中なのでレヴィスは逃げるのに苦労してフィンの投擲で槍が腹に刺さったりした