今作ですが、伸び悩んでいる事から今回で話を一端止めて、別作品を作りたいと考えています。その為今回で連載を一旦止めたいと考えます。ご理解宜しくお願いします。
―かわうそ―
危険度…中
人間友好度…中
出没地域…川辺や沼地
ニホンカワウソの顔をした二足歩行の妖怪。主に東アジアで確認されており、タヌキや狐と同様に人を化かす存在となっている。水中で自在に魚を捕ることから漁師になぞらえた話もある。
和名は【カワオソ】が転訛したもの。川に住む恐ろしい動物の意味があると考えられている。石川県能都地方には、20代の美女や碁盤縞の着物姿の子供に化けて、人間なら【オラヤ】と答える所を【アラヤ】と答え、何処から来た者か尋ねられると【カワイ】などと意味不明な回答をするものから、石川県加賀では、城の堀に住むかわうそが女に化け、寄って来た男を食い殺した危険な話もある。
江戸時代には、【裏見寒話】*1や【太平百物語】*2、【四不語録】*3などの怪談や随筆、物語作品でもかわうその怪異が語られている。前述した石川県加賀のような美女に化けたかわうそが男を殺す話もある。
安芸国安佐郡沼田町*4の伝説では「
青森県津軽地方は人間に憑くものと考えられ、かわうそに憑かれた者は精魂が抜け、元気がなくなるといわれる。また、生首に化け、川の漁の網にかかって化かすともいわれる。
近年判明した事だが、かわうそは日本含め、中国や朝鮮、ベトナム果ては北米大陸でも確認されている。中でも、朝鮮とベトナムでは異類婚姻譚があり、朝鮮ではかわうそと人間のハーフが後の後金…清王朝初代皇帝ヌルハチとなった話やベトナムでは丁王朝初代国王
総じて、かわうそとは危険な物から悪戯をするものまで多種多様だが、人間をからかっており襲う物はごく少数だ。川辺を避けて怪しい女性に注意すべきだろう。
◆
―ゲゲゲの森―
鬼太郎と目玉の親父はここ最近困惑していた。何故なら、毎日ゲゲゲハウスの前に新鮮な野菜が置かれているのだ。正体不明の人物からの食物などを食べるのは褒められた物ではない。
「誰からの物でしょうか?妖気の気配も有りませんから、普通の野菜ですよ」
「う〜む。分からぬな…」
2人が首を傾げているとそこに猫娘がやって来た。
「2人ともどうしたの?」
「あぁ、猫娘か。実はここ最近野菜が置かれてるんだよ。差出人も書かれてない野菜を食べても良いものかと思ってね」
話を聞いた猫娘は少し頬を赤らめていった。
「別にただの野菜でしょ。もらっておけば良いんじゃない?」
「…それもそうだな。猫娘、持っていくかい?」
「え?それ鬼太郎宛でしょ?」
「そうだけど…今まで貰った野菜が残ってるんだ。これ以上持っていたら腐っちゃうよ」
「いいわよ!私、今ダイエット中だし!」
猫娘は顔を先程より赤らめて拒否した。そして、猫娘はゲゲゲの森を後にした。
◆
真名は犬山家が所有する別荘で阿求と共に楽しんでいた。もっとも、体が弱い阿求は少し動いたら疲れて幻想縁起の編纂もとい、修正をしていたが…
「真名さん?この本が気になりますか?」
「うん。何?この本…」
「これは、幻想縁起という私がかれこれ千年以上編纂を続けている妖怪について纏めた本ですよ」
「千年以上?!どういう事?阿求ちゃんも妖怪とか?」
「いえ、人間ですよ。ただ、閻魔様ともツテがありますが…」
「え…」
若干驚いている真名を見て雰囲気が悪くなったと感じた阿求は話題を変える。
「真名は妖怪で好きな妖怪はいますか?」
「猫姉さん!」
「相変わらずですね…」
「勿論だよ!だって…」
(猫姉さんはいつも素敵で、綺麗で、かっこよく、強くて、優しくて、とってもスタイリッシュな憧れの女性なんだから!)
真名の中では妄想が溢れ続けて、阿求が置いてけぼりにされた。見かねた阿求に注意されたのだが、それは関係のない話である。
一方その頃、同日の夕方、池のほとりを歩いていると釣りをしている子どもを猫娘は見つけた。しかし、彼はフラフラで放っておける様な状態では無かった。事情を聞いてみると母は死に、父は遊び呆けている為に自分が食料を集めて妹に食べさせてやる必要があるとの事だった。猫娘は可哀想に思い、男の子に持っていた収穫した新鮮な野菜を手渡した。
「妹さんだけじゃなくて、あなたもしっかり食べてちょうだい」
男の子は猫娘に感謝の意味を込めて手を振りながら野菜を大事そうにもって帰っていった。
◆
次の日、猫娘はさつまいもの収穫をしていた。何故なら彼女が恋する鬼太郎がさつまいもが欲しいと漏らしていたからだ。
猫娘はさつまいもを試しに収穫してみるも、まだ小さくて、とてもではないが食べれる大きさではない。猫娘は溜息をついた。
一方、犬山家の別荘では真名が阿求を伴って散歩に出る所だった。
「阿求ちゃんと一緒に散歩に行ってきてもいい?」
「お父さんもついて行ってもいいかい?」
と、お父さんが娘について行くと言い出した。年頃の女の子なら拒否する所だが、真名は少し顔を顰めたものの一緒に行くことを許可した。
「良いよ。お父さん」
「ありがとよ〜真名!」
「良いわね〜でも良いの?お父さん。この辺には妖怪が出るって噂よ〜」
真名のお母さんは顔を怖くして脅す。お母さんとしては友達と水入らずで友好を深めて欲しいのだ。そこに邪魔になるお父さんは抜けてもらおうとしたのだ。これは、真名の父親が怖い物が苦手だから通用する戦法だろう。だが、妖怪と聞いて彼女が反応しない筈がない。
「妖怪?!この地域には妖怪が出るんですか?!教えてください!なんて名前のどんな逸話があるのか知りたいです!早く焦らさないで教えてください!」
グイグイ迫ってくる阿求に真名の母は困惑した。無理もない。妖怪の話でここまで饒舌になるのは彼女位だろう。結局、真名の母は阿求を落ち着かせる為に話込んでしまい、真名一人で散歩に出ることになった。
◆
真名が一人で道を歩いていると畑道が出てきた。山の中にある小さな集落の近くの畑で1人の女性が農作業をしていた。真名は何の気なしに挨拶をする。
「こんにちわ〜」
「こんにちわ」
真名は振り向かずに挨拶を返してくれた女性の声に聞き覚えがあった。
「真名じゃない!」
「やっぱり!猫姉さんだ!」
真名は猫娘の格好を見て思わず呟いた。
「猫姉さん、その格好ってイメチェン?」
「イメチェンじゃないわ。農作業する為の作業服よ。この格好の方が一番動きやすいのよ」
しばらく雑談をしていると真名は前から疑問に思った事を口にした。
「ところで、猫姉さんは何で農業なんてしてるの?」
「普通最初にそれを聞くでしょ…まあいいわ。前にこの近くを通りかかったらこの畑の持ち主のおじいさんが倒れててね。事情を聞いてみたら崖から落ちて怪我したみたいで、私が怪我が完治するまで畑の世話をしてるってわけ」
また、おじいさん同様におばあさんも崖から転落したらしく、現在も行方不明なのだという。
そこから夕方になるまで猫娘と真名は会話を楽しんだ。猫娘は真名に言った。
「この事は鬼太郎には内緒よ」
そう言って猫娘は去っていった。去った猫娘は昨日会った男の子と遭遇した。
「あ!昨日のお姉さん!昨日はどうもありがとう!」
「どういたしまして。貴方は今日も食料調達?」
「うん!弟の食事を用意しなきゃだからな!」
話を聞いた猫娘は鬼太郎の為に用意したさつまいもをあげることにした。
「いいの?お姉さん?」
「ええ。一番必要としている人に私の作った物を食べて欲しいから」
「ありがとう!きっと弟も喜ぶよ!」
そう言って、猫娘は鬼太郎にあげる筈だったさつまいもを男の子にあげてしまったのだった。
◆
次の日、猫娘は真名と阿求と共に一緒にスイカを収穫していた。
「へぇ〜スイカってこんな形してるんだ!」
「え?真名さんはスイカを知らないんですか?」
「そうよ。スイカ位知ってるでしょ?」
「ううん。私、スイカが丸々実ってるのを初めて見たの。丸ごと持ったことも無いし…」
阿求は真名の言葉に根っからの都会っ子だったな…と思った。すると、真名が悲鳴をあげた。
「どうしました?真名さん?」
「阿求ちゃん。助けて!虫!虫がいる!」
虫を見て悲鳴をあげる真名に対してケロッとしている猫娘と阿求。猫娘の指先に虫がとまった。その様子を見て猫娘は言った。
「いい。真名?虫がいるから花粉が運ばれて実がなるの。そして、大地が豊かになるのよ。木も花も虫も、獣も人も妖怪も、どれも同じ自然を形作る要素でしかないの。最近の人間は、この事実を忘れがちなようだけど」
「その通りですね。人間は妖怪の存在を否定し自然を我が物顔に使ってます。まあ、何年も生きていながら現状を変えられていない私が言えた義理はないのですが…」
阿求の言葉を受けて猫娘は更に続けた。
「ほんの小さな種を、土が食べ物に育てる。その偉大な力をそばで感じられる農作業は、喜びの大きい仕事だと思うわ」
阿求はそんな猫娘の意見に賛成しているのか首を縦に振っていた。
そして、収穫したスイカを3人で食べる事になった。真名はスイカの種をプププとタネマシンガンの様に飛ばそうとするが上手くいかなかった。しかし、阿求は種を一つ一つ丁寧な仕草で取り除いていった。しかし、彼女らに近づく影があった。
猫娘は近づく影に驚きいち早く隠れた。その影とは鬼太郎であった。猫娘は鬼太郎に農作業服が見られたいと隠れたのだ。
「あ!鬼太郎!」
「ご無沙汰してます」
そう言って2人は鬼太郎に挨拶した。
「ああ、スイカ美味しそうだね」
「お食べになりますか?」
阿求は恋する乙女、猫娘が作ったスイカを勧める。しかし…
「別にいいよ。それより真名、この近くに【かわうそ】っていう妖怪がいてね。オベベ沼という近くに出没するんだけど、最近悪さをしているらしいんだ。かわうそは人間の子供に化けて両親がいないとか、弟、妹を食わせなきゃいけないって言っていろんな物を騙しとっているんだ。もし、そんな奴を見かけたら教えてくれ」
「うん!」
「是非とも会ってみたいですね」
「相変わらずだね…」
そんな会話が聞こえてきたが、猫娘にはどうでもよかった。問題なのはかわうその話だった。あの男の子の言っていることが鬼太郎が話していた内容そっくりだからだ。猫娘は気になってその場をコッソリと離脱、男の子の所に向かった。
◆
早速、問題の男の子の場所に行ってみると昨日と変わらず男の子がいた。猫娘は怒りを出さない様に優しく問いかける。
「昨日のさつまいもはどうだった?」
「うん!病気の母ちゃんも喜んでいた!」
猫娘は男の子の言葉をゆっくりと咀嚼して…凍てつくような声で指定した。
「…ねぇ…お母さんは亡くなったんじゃなかったけ…」
「え…」
「やっぱりあんたは、オベベ沼のかわうそね!」
そう言って爪があり得ない程伸び、目は見開いた。猫の特徴を色濃くだしたのだ。今にもかわうそに斬りかかろうとした所に乱入者が現れた。
「何してるんだ?猫娘。それに、その格好はなんだ?」
その声を聞いて猫娘はゆっくりと声のする方向を見ると鬼太郎と真名、阿求がいた。猫娘は恥ずかしくなり麦わら帽子を手前に持ってきて、顔を半分隠して顔が赤くなっているのを隠す。
「鬼太郎にバレたのはあんたのせいよ!」
ついに、気が動転してしまった猫娘は猫化もせぬまま、かわうそを追いかけ回した。その様子を見て鬼太郎は首を傾げ、真名と阿求、目玉の親父はやれやれ…といった様子で見ていた。
◆
猫娘がかわうそを追いかけ回していた時だった。
「あれ?此処らでは見ない方ですね」
阿求が不意にそんな事を言った。その言葉に釣られて鬼太郎や真名、猫娘がその方向を見るとヨロヨロと歩いてくるおばあさんの姿があった。
「え!おばあさんじゃない!」
猫娘が驚いているとおばあさんは向かいからやって来ていたおじいさんとの再会を喜んでいた。おじいさんはかわうそと猫娘の争い声を聞いて何の騒ぎかと様子を見に来たとのこと。
「ばあさん。よく無事で…」
おじいさんが涙を流しながら言うとおばあさんは言った。
「かわうそのお陰で助かったの」
その言葉に皆の視線がかわうそに集中した。何でも、かわうそが動けなかったおばあさんに食料を分けていたとのこと。
「ふん!そこのばあさんが俺の食残しを食べてただけだ」
かわうそのツンデレに真名と阿求は温かい視線を向けた。しかし、かわうそはションボリした様子で続ける。
「最近は山の人が減っててよ…脅かす人間がいなくて…」
「じゃあゲゲゲの森にくる?淋しくないわよ」
かわうその言葉を遮って猫娘が言った。かわうそは遠慮しがちに言った。
「けど、オイラはお前を騙したのに…」
「何のこと?もう忘れたわ」
猫娘は頬を赤らめながら明後日の方向に目線を逸らして言った。
「やっぱり猫姉さんってかっこいい!どんな格好をしても猫姉さんは猫姉さんなんだ!」
(真名さんは猫娘さんが好きなんですね)
(そうだよ!猫姉さんの事ならなんでもね!)
そんなコソコソ話をしている阿求と真名だが、その横で鬼太郎は猫娘に質問していた。
「僕の家に野菜を届けたのは猫娘じゃないのか?」
「私じゃないわよ!」
その言葉を聞いておじいさん夫婦と阿求は生暖かい目で見つめていた。
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