今回の話は個人的に好きだったので入れました!阿求さんも少し無理やり感がありますが登場しています!
高評価、お気に入り登録ありがとうございます!
一すねこすり一
危険度…低
友好度…極高
出没地域…岡山県
見た目はモフモフしている小型の猫や犬の容姿をしている。
雨が降る夜に現れ夜道を歩く人々の足の間を名前の通りこすりながら通り過ぎる妖怪。こすられた人は精々歩きにくくなった程度で害もほとんど無い。
比較的安全な妖怪の為、人間に危害を加える必要も無い為存分に愛でてもいいと思う。私も愛でたい!
その為、すねこすりに会っても襲われることも無いため放置した方がいだろう。
幻想縁起より抜粋
稗田阿求
◆
日本は現在少子高齢化により若者の数が減少しているのはご存知だと思う。それに伴って地域の若者が田舎から都会へと流れていき、日本の田舎は過疎化が進みつつある。
さて、軽く前置きをしたが日本のどこにでもある過疎化が進む村…その村で事件は起こっていた。
日本ではよく見られる過疎化が進んだ村の一つに三毛猫を飼っているお婆さんが一軒家で暮らしていた。この村では年々老人がどんどん年老いていき最終的にミイラの様に干からびて亡くなっている怪死事件が年々起きていた。
そんな村に住んでいたお婆さんは息子がいたが息子は都会に出ていってる為、三毛猫との生活をしていた。
このお婆さん、名をマサエと言う。マサエは飼い猫である三毛猫に『シロ』と名を付けて可愛がっていた。
そのマサエはは縁側に座布団を敷きその上に正座してお茶を飲んでいた。するとマサエの近くに鈴の音が響いた。
マサエはゆっくりと鈴の音の方を見ると飼い猫である『シロ』がマサエの膝近くに頭を擦り付けに来ていた。
「あらシロや。どうしたんだい?」
「にゃ~」
マサエはシロと幸せな一時を過ごしていた。しかし、ここ最近マサエの体調が悪化しつつある為、今日は彼女の息子であるショウが東京から帰って来るのだがマサエはショウに怒っており家に残ってもらえるように言うつもりでいる。
ピンポ~ン
チャイムが鳴りショウが帰ってきたと思ったマサエは座布団を立ち玄関に向かった。
玄関に行くと機嫌の悪そうなショウが立っていた。
「………帰ってきたぞ」
「……おかえり」
母子共に余り口数が増えることなく2人は家のリビングにある椅子に座っていた。シロはお婆さんの足近くで座っていた。そしてマサエは本題を切り出した。
「……明日には東京に行くのかい?」
「ああ」
マサエの願いをを孕んだ問いにショウは即答した。当然マサエの求める答えでは無いので何とか引き止めようとマサエは口を開いた。
「…頼むから村に残ってくれないかい?」
「嫌だ」
マサエは若干頭を下げて頼むがショウはマサエには目もくれずスマホを触っていた。その事実にマサエは怒鳴った。
「勝手に東京行ってふらっと戻ってきて又直ぐに東京に行く!今この村は人手が足りないから残ってくれと頼んでるのに何だい?!その態度は!」
「人手が無いからだよ!ここにいたって碌な仕事は無いしここで土いじりでもしろって言うのかよ!」
このやり取りを気に2人の口論はヒートアップしていった。そして堪忍袋の緒が切れたマサエはショウに対して…
「もう良いよ!東京でも大阪でも好きにしな!」
「ああ!そうしてやるよ!」
そう言ってショウは荷物を持って玄関に行き外に出ていってしまった。
2人のやり取りをシロが不機嫌そうな目で見ていることをこの時2人は知らなかった。
◆
ショウが家からバス停に向かう途中、近所のお婆さんに会って軽く立ち話をする羽目になった。ショウとしては早くバス停に行きたかったが話の中で気になる話があった。
「この前、ショウ君も知ってると思うけど田中さんとこのお爺さんいるでしょ?あの人が急死したのよ。しかもミイラみたいに干からびた状態で…」
近所のお婆さんの話にショウは引っ掛かる物を感じた。お婆さんによると田中のお爺さんは亡くなる前から咳や体調不良を長期間患っており医者に見せても原因不明で分からなかったとの事。思い返せば彼の母であるマサエも知らない内に飼っていた猫が近づく度に咳をしていた様な…と何の根拠のない考えに薄ら寒いものを感じた。
ふと大きな気配を感じてスマホから目を離すと目の前に巨大な猫が毛並みを逆立てながらショウの方にゆっくりとしかし、着実にやって来ていた。恐怖で尻もちをついてしまったショウは背を向けて逃げた。幸いにもその猫は来ることは無かったので彼は心底安堵した。
後日、彼は妖怪ポストに手紙を出した。彼はオカルト話に興味があった為である。そして鬼太郎と何故かねずみ男と阿求が来るのはこの数日後の事である。
◆
一ゲゲゲハウス一
妖怪ポスト…それは鬼太郎達に人間が連絡を取れる唯一の手段である(真名の様に猫娘のスマホを通して連絡を取るのは一部の例外)
そんな殆ど来ることはない妖怪ポストに手紙が入っていることを化けカラスが教えてくれた。
鬼太郎は妖怪ポストから手紙を取り出すと差出人は『ショウ』と書かれていた。
「何々…母が妖怪に取り憑かれている可能性がある?」
「その話俺にも詳しく!」
鬼太郎の呟きに反応した声にため息をつきながら鬼太郎は後ろを向いた。
「で、聞いてどうするんだ?ねずみ男」
「勿論!解決したら報酬を貰うんだよ!」
「そんなことだろうと思った」
鬼太郎は2度目のため息をついた。
「その話、お聞かせしてもらっても?」
突如、ゲゲゲの森では聞き慣れない声がしたので声のした方を見ると人間である筈の稗田阿求がゲゲゲの森にやって来ていた。
鬼太郎は警戒しながら阿求に質問を投げかける
「妖怪しか入れないここに何で君が?」
「親父さんから聞いているのでは?稗田家は千年以上を幻想縁起編纂に心血を注ぎ閻魔様にもツテがある一族ですよ。そんな我が家が此処に来れるのは自然なのでは?」
その問いに淡々と答える阿求だがそれを聞いたねずみ男と鬼太郎は驚いた。人間がゲゲゲの森に偶発的に来ることは百年に一度あるかないかだが自分の意志で来るものなど無いに等しいし、閻魔様にツテがあると言う彼女には目玉のおやじの話以上のナニかがあると鬼太郎は感じた。
「どうして此処がわかった?」
「まなさんに教えて頂きました」
そうやってニコッと笑う阿求に鬼太郎は三度目のため息をついた。
◆
後日に鬼太郎、ねずみ男、そして阿求の三人は稗田が所有する車で目的地に向かっていた。
「へぇ〜高級感溢れる車だね〜」
ねずみ男がさも感心した様に零した言葉に阿求は反応した。
「ええ、この車は皇室専用車の型落ちモデルですから」
その言葉に目玉のおやじ含め三人は旋律した。皇室専用車の型落ちとは言え同じモデルなんて何でものを持ってるんだ!と
(三人は車について詳しくないのでリムジンとかの皇族車両について知らない)
そんな事を露とも知らない(ホントは知ってるかも知れないが)阿求は目的地まで景色を見ながら時間を潰しようやく着いたのでサッと外に出て体を伸ばした。
「此処が原因の村ですね」
「どうじゃ鬼太郎?」
「妖怪の気配はしませんが…」
目玉のおやじは早速妖怪を探そうと鬼太郎の妖怪アンテナを頼みにするが反応はなかった。これは妖気を隠されていたら余り意味がないので気にせず依頼人のところに行くことにした。
少し歩くと依頼人であるショウと合流した鬼太郎達は依頼内容を詳しく聞くことにした。
「詳しくって言っても俺も近所のお婆さんから聞いたんだが、ここいらで人がミイラみたいに干からびた状態で亡くなっているって事くらいだ。」
「それなら人間の医者に見せたほうが早いんじゃないか?」
その言葉にショウは頷いた。しかし…と付け加えて言った。
「いや、医者に見せても原因が分からなかったそうだ」
鬼太郎は納得した。ショウは話を続ける。
「その話を聞いた後で東京に戻ろうとバス停に居たら並の動物よりも大きい猫が毛並みを逆立ちさせてたんだ」
「猫の妖怪じゃと?」
鬼太郎の髪の中で話を聞いていた目玉のおやじは鬼太郎の髪の中からひょこっと顔を出すとショウはまだ同様に尻餅をついた。
「猫の妖怪と言ったら猫仙人あたりじゃろうしかし、奴に猫を操る事は出来ても猫を巨大化させることなど…」
「父さん?その猫仙人と言うのは?」
鬼太郎の問いに目玉のおやじはウムと頷くと説明した。
一曰く猫を操る
―曰く不老長寿
―曰く人を猫に変身させる
―曰く手足を伸ばせる
「聞いた限りだと今回の猫とは共通点は無さそうだな」
「阿求殿はどう見るかね?」
目玉のおやじの問いに阿求はただ一言
「ええ、私もその様な認識です」
「じゃあ目的の猫妖怪は別か…」
鬼太郎達が悩んでいるとショウが恐る恐る言った。
「俺の気のせいかも知れないがお袋が飼ってた猫がその巨大な猫の模様に似ててよ…もしかして…」
「ここで悩んでても仕方ねーし取り敢えず行こうぜ!」
ねずみ男の言葉に皆は賛同してマサエの家に行くことになった。
◆
ショウは内心お袋の家に行くことを躊躇っていた。口論で半ば家出の様な扱いの自分が一ヶ月もしない内に戻って来るのだから自分の自尊心がそれを許そうとしないからだ。
とは言え、鬼太郎達を呼んで置いて説明してハイ。サヨウナラと他人任せにする程無責任でも無い。
とまぁそんな事を考えてる内に一行はマサエの家に着いた。
縁側ではマサエが一人でお茶を飲んでいたが怪しい猫はいなかった。マサエはこの前追い出した息子が知らない人達を連れてきて驚いた。嫌味の1つや2つ言ってやろうかと思ったけどお客の前で言うのは憚れた。
「ショウ、どちら様だい?その方たちは?」
「鬼太郎さん達だ」
マサエはショウの言葉がピンと来なかった。まあ、当然だろう。
「ちょっと調べ物をしてまして、ショウさんから聞いたんですが飼われてる猫…どこにいるか分かりますか?」
「う〜ん、あの子は自由奔放なのよね〜けど夕方頃には帰ってくるわよ」
「そうですか…少し探してみます」
そう言うと鬼太郎達は来た道を戻って猫を探した。
「どこだ~い?猫ちゃ~ん?」
ねずみ男が通った民家(空き家)の近くの雑草が生い茂った庭で縁側の下を覗き込んだりしてみたが効果なしだった。
少しした頃ショウが口を開いた。
「俺はもう帰っていいか?」
「まだ見つけてないが…」
「いや、あの妖怪が出て来て俺が何かの役に立つとは思えないからな」
ショウは尤もらしい理由を付けて村を離れるつもりだった。鬼太郎ものびあがりの時の様に真名を守るために吸血樹になってしまった経験が有るのでショウの言い分に納得して引き止めなかった。
ショウがバス停に引き返していった後、鬼太郎達は猫を探し続けていた。
「阿求殿、問題の猫を見つけるいい方法はないかのう?」
「……猫娘さんの様な二足歩行の猫妖怪ではないのでマタタビ等が案外効くのではないでしょうか?」
鬼太郎は阿求の言葉通り猫を見つけるついでにマタタビも探そうと思った矢先だった。頭の妖怪アンテナが反応したのだ。
「父さん!」
「鬼太郎!急ぐんじゃ!」
その様子をワンテンポ遅れて意味を理解した阿求とねずみ男は鬼太郎を追い掛けた。
鬼太郎は妖気を感じる所に向かうとそこには子猫がいた。
小さな猫妖怪はショウに悪意を持って近づいていたので鬼太郎は迷わずリモコン下駄を放った。しかし、猫妖怪はその見た目通りに華麗な身の熟しを披露して下駄を躱すどころか前足で叩き落としてしまった。だが、鬼太郎の意志で動く下駄である以上鬼太郎の命令が届くので落下中に進路を変えて鬼太郎の下に戻ってきた。
鬼太郎が下駄を慣れた手つきで履くと猫妖怪も着地したのかズドンと音がした。顔を顔を上げるとそこには体調が1メートル以上は有りそうな像より少し小さいくらいの大きさの猫が毛並みを逆立てて鬼太郎を威嚇していた。
そこに遅れてやって来ていた阿求が声を上げた。
「…猫妖怪…ハァハァ…干からびる…ハァハァ…元は小さい猫…ハァハァ…まさかとは思いますがすねこすりですか?!」
阿求の知的好奇心がくすぐられたのか目をキラキラと言うよりギラギラさせた様子に常識を一番持ってると自負するねずみ男でも少し引いた。
「しかし…すねこすりに人間を干からびさせる力は無いはず…」
「生命力の吸収ですよ」
阿求は目玉のおやじの疑問に断言する口調で言い放った。
「西洋においては吸血鬼が有名ですね。彼ら彼女らは人の生き血を生命力として吸い取りますから」
阿求の例えに目玉のおやじは反論した。
「じゃが、わしはすねこすりが生命力を吸い取る等聞いたことが無いぞ?」
「すねこすりは体が小さいですから吸い取る量は然程多くないですし問題なかったのでしょう。しかし、この村の現状を見るに人が少なく御老体ばかり…その様な場所にいたから問題が表面化したのでしょう」
阿求の仮説に目玉のおやじは少々唸った。阿求の仮説の意味を咀嚼して理解し、反論出来る証拠も無いため目玉のおやじは特に何も言わなかった。
だが、すねこすりはそうはいかない。マサエが最近咳き込む回数が増えて心配していたがその原因が自分にあると知りもうマサエの下にはいられない。そう考えた。でも、マサエに会いたいと思いすねこすりは体を小さくして急ぎ足でに家に帰っていった。
「これで依頼完了ですね?」
ねずみ男がショウに向かって空気の読めない発言があったがさらっと無視されたとか…
◆
結局、すねこすりは居なくなったのでショウは不安事項も無くなり東京に帰ることにした。そして鬼太郎達も阿求の車で帰ることにした。
ショウは暗くなって行く村を振り返って何の感慨もなくバスを待つことにした。そうこうしないうちに雨が降ってきた。まるで親子の仲が冷たくなるようなそんな気がした。
◆
すねこすりは家に帰ってきた。家の中に入るとマサエがご飯を用意していた。
「あらシロ、帰ってきたのかい?」
そう言ってマサエはタオルを持ってくるそしてタオルをシロに当て、雨水を拭き取っていた。
「もう、こんなに濡れちゃって…ゴホッ、ゴホッ」
すねこすりはマサエを心配そうに見つめた。鬼太郎達が言っていた事が本当だった。すねこすりが近づく度にマサエは咳をする、その事にすねこすりはショックを受けた。
すねこすりはマサエに気付かれないように雨が降る外に出ていった。
◆
雨雲が村を覆い、雨を降らせている中マサエは飼い猫であるシロを心配していた。猫である以上雨水は嫌いであり雨の日には必ず帰ってきたシロが今日に限って帰ってきてから居なくなったからだ。それに今日はシロの事を探していた自分の息子と息子の知り合いと思われる三人組が来ていた。マサエは自分の息子とご友人らしき人達を疑いたくは無いがショウがシロに何かしたのかと考えると居ても立っても居られなかった。
マサエは咳が悪化するのを覚悟して雨の中、シロを探しに行った。シロと呼びかけたり家を一軒一軒周って見ていないか確認していた。そんな中、マサエは村の一人から山の中に入っていったと言う話を受けた。村人は「暗い中山の中に入るなんて!」と止めたがマサエの思いに折れて山の中に入ることを伝えて山の中に入っていった。
森は危険だ。言わずもがな森は危険な生物が生息しているのに加えて自分の現在位置が分からなくなりかねない危険性を孕んでいる。これは森に限った話では無いが人の手が加わっていない森や川は総じて妖怪の住処になりやすい。又、その地に住まう神の怒りを買う可能性ががる以上不用意に立ち入ることは推奨すべきでは無い。
つまり何が言いたいかというと、森を含めた自然は人間にとっては危険な場所である、と言うことだ。それが薄暗い日だと余計に周囲が確認できたくなり昼間以上に危険である。
そんな雨の中薄暗い日に森の中に入るなどしっかりとした知識を持たない者以外は自殺志願者と言われても文句は言えない。それ程までに森等は危険なのである。
マサエはそんな魔境に薄暗く雨が降る中シロを探していた。あの猫は元々野良猫だったが手間を掛けないいい子だった。それに、亡き夫と東京に行った息子がいない家で一人でいるのは寂しいのである。そんな状態なので寂しさをマサエはシロで紛らわしていたのである。
そんな理由もありマサエはショウに残ってほしかった。村の人手が足りないのも事実だがそれ以上に人のぬくもりを求めていた。だが、母としてのつまらないプライドが邪魔をしてしまった。ショウとは一緒に住むのは現実的ではないためシロとの生活を取り戻したくマサエは雨が降る中シロを探しに山の中を探索していた。
だが、先程も述べたように山は危険な場所である。妖怪はひっそりといる程度で危険は昔より格段に少ないが野生動物は存在する以上まだまだ危険である。
しばらく捜索しているとマサエの前に熊が現れた。マサエは恐怖のあまり叫んだ。だが、マサエは薄暗い山の中一人で入り込んだ為助けに来る者もおらず絶対絶命だった。腰を抜かしたせいで自分より弱い生き物とみなしたのが熊はマサエに向かっていく。マサエの目の前にくると熊は前足をマサエ目掛けて振り下ろした。
マサエは死を覚悟し目を閉じた。しかし、いつまでたっても痛みが来ないため恐る恐る目を開けるとそこには上半身の1部が熊の爪でえぐられたのか黒い靄を傷口から出している大きな猫だった。
それを見たマサエは一言呟いた。
「シロ…なのかい?」
◆
すねこすりは雨が降る暗い山の中を彷徨っていた。自分が妖怪であったこと、生命力を吸い取っていたこと、マサエお婆ちゃんと言う飼い主の命を奪い続けていたことはお婆ちゃんの下から去る事はすねこすりにとって当たり前の事であった。しかし、行く当ても無いのもまた事実。すねこすりは途方に暮れていた。
だが、不意に山の中に叫び声が響いた。すねこすりは長年付き添っていたマサエの悲鳴であると気付いた。マサエに何かあったと感じて、すねこすりは大型形態になり全力疾走した。するとそこには今にも熊に襲われそうになっているマサエの姿があった。
すねこすりは今の自分の姿など関係なしと言わんばかりにマサエの前に滑り込み熊の攻撃からマサエを守った。
熊は目の前に立つ存在が自分が敵わない異質な存在であると本能が感じ取り山の奥へ逃げていった。
すねこすりが安心した束の間マサエが呟いた。
「シロ…なのかい?」
その言葉はすねこすりに届き毛並みが一瞬逆立った気がした。後ろを向くとマサエが怪我をしながらも安心したかのような目を向けていた。
すねこすりは今の自分の姿なら喋れる為、マサエに別れの挨拶をしようとした時だった。
「良かった。心配したんだよ…」
マサエが立ち上がりながら安堵の声を漏らした。そしてシロに近づき熊に受けた傷跡を撫でたのだ。すねこすり…いや、シロはマサエがいつも撫でてくれる感触を心地よいと感じてしまった。自分はマサエとは生きられない。だけど、この温もりをもっと受けていたい。そんな背反する感情が入り乱れた。だが、運命は許さないのかマサエはすねこすりに近づいたせいで咳を込み倒れてしまった。
慌てて体勢を楽にしようとする所に怒声が飛んだ。
「まてよ!バケモノ!お袋に手を出すな!」
そう言って腰を抜かしているマサエの前に両手を広げて立ったのは彼女の息子であるショウだった。彼は鬼太郎達と一緒にマサエを追ってきたのである。
すねこすりは何を思ったのかショウに事の顛末を聞かせた。
「俺は人間の生命力を吸い取るんだ。お前の母親を騙しているのは簡単だったよ。」
すねこすりは悪役が吐きそうなセリフを言った。鬼太郎達はすねこすりに聞かせた反応と言っていることが違うと首を傾げた。が、そんなのはお構い無しに直接喰らってやると言わんばかりにショウに飛びかかった。だが、ショウのパンチがすねこすりの体に直撃。熊の攻撃を受けて妖気を漏らしていたすねこすりは分が悪いと判断して雨が降る中の山奥に走り去っていった。
そんなすねこすりにはマサエの呟きがハッキリと聞こえた。
「ありがとねぇ…シロ…」
◆
すねこすりは体を小さくして雨が降る中の山道を通っていた。しかし、顔は下を向いて時折後を向いてはぎこちなく歩いている。
すねこすりは泣いた。大好きなマサエとの別れを…妖気が漏れてもお構いなく泣いた。だが、その泣き声は雨の中にスッ〜と残酷に消えていった。
阿求さんのコネクションに執筆しててビビった作者氏
私の執筆能力では本来は感動話だけど涙が全く出なかった。スマぬ
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