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―鏡爺―
危険度…中
人間友好度…中
出没地域…日本全国或いは世界全体でも出没する可能性あり
鏡の中を住処とする妖怪。鏡の中を住処とする妖怪の為歴史が長く弥生時代前期の約2200年前にまで遡る。古代中国からの銅鏡が日本における鏡の始まりであり、現在のような主に砂等から出来た鏡の前身は戦国時代の南蛮から持ち込まれたとされる。
鏡爺のルーツは諸説あり百々爺と混同される事もあるが百々爺からの派生系が鏡爺とされている。だが、銅鏡から鏡爺のルーツがあるのなら日本にいる妖怪の中でも古参の妖怪にあたるだろう。
鏡爺は女性、主に10代から20代の女性を連れ去ったりする事件が報告されている。
光を反射する物があれば移動は自由自在のため逃れるのは非常に難しい。その為、密閉空間に逃れるのが一番効果的だろう。また、鏡爺の根本的対策として彼が住処としている本命の鏡を破壊すれば退治可能だろう。だが、現在日本には鏡が山程ある為古い鏡を探せば可能性はあるが探し出せる可能性は低いだろう。その為、前述した密閉空間に隠れるのを強く推奨する。
幻想縁起より抜粋
稗田阿求
◆
とある田舎の村、そこに若い男女の学生が集まっていた。その中には妖怪である鬼太郎と関わりがあり妖怪の事件にも巻き込まれている犬山真名の姿もあった。
彼女が通う中学校では社会科体験として田舎の村での生活を体験学習しているのだ。(ドームの見学から社会科体験までのスパンが短いと感じたのは筆者だけだろうか?)
真名の所属するグループはとある民家に住む老婆の家の掃除を行っていた。真名のグループにいる男子2人はブツクサと文句を垂らしながらも掃除を行っていた。そんな彼らを笑いながらも真名は古い三面鏡を拭き掃除していた。
そこに家主である老婆がやって来た。老婆は三面鏡を掃除している真名に近づいてお礼を言った。
「ありがとねぇ。掃除してくれて…」
「いえいえ、気にしないでください!」
そう言った真名に老婆は独り言でも言うかのように呟いた。
「この三面鏡は私の母の代から使っている嫁入り道具でね…毎日この鏡で化粧をしたもんさ…あぁ、つまらない話をしたね…」
「いえ!お話もっと聞かせてください!」
真名は老婆の話に聞き入っていた。だが、他の女子は興味がなく男子に至っては外で悪巫山戯をしていた。
「こらー!ちゃんと掃除しなさい!すみませんお婆さん、注意してきます」
「元気でいいねぇ」
老婆の言葉を聞き流し、真名は靴を履いて外にいる男子に注意しに行った。
「ちょっと!掃除ちゃんとしてよね!」
「お前がつまんない話をばーさんとしてるからだろ?」
「そうだそうだ!」
真名は2人を注意したが男子は気にもとめず真名から逃げ始めた。真名は2人を追い掛けていると男子の一人が道端にある石碑を倒してしまった。男子は気にもせずに逃げたが真名は石碑の前にしゃがみ石碑を元に戻した。その後直ぐに真名は男子を追いかけていった。
こんな小さなハプニングがあった社会科体験は無事に終わった。だが、この小さなハプニングが大きな事件になる事を真名は知らない…
◆
社会科体験から数日が経過した。真名には1つ悩み…と言うより心配事があった。仲の良い男子2人が学校を休んでいる事だ。休む事自体は普段は心配すべき物でも無いのだが、問題は体調を崩した2人が入院している点だ。当初は直ぐに治るだろうと楽観視していたが原因不明で治す糸口も見つからないと聞いて不安になっていた。しかも、寝たきりだと言うから余計にだ。
だが、普通の1中学生に出来ることがある訳でも無いため、真名は心配しながらも学校を過ごしていた。
そんな日々を過ごしていたある日、真名は悩んでいた。
ストーカーの様なものだ。
なぜかと言うと少数で行動していると視線を必ずと言っていい程感じるからだ。だが、大多数でいる時は余り被害はなかった。ストーカーかと思ったのだが家の中にまで感じていた為、違うと直感的にそう思った。
真名は心配になって昨夜、猫娘に連絡をとった。『視線を四六時中感じる…』と猫娘はストーカーと言う物だと思ったのだが真名が言うには家でカーテン等をしても視線を感じると言うのだ。人間にそんな事が出来るとは思えないため猫娘は真名に何かあったら連絡する様に伝えた。その御蔭で真名はいつもよりは心が軽くなった。
それからも真名は学校から家までストーカー被害に遭っていたのは変わらなかった。逆に数日間被害を受けて分かったことは学校や家ではトイレや自室と言った場所で視線を感じるのに対して通学路では一定の間隔で視線を感じることに違和感を覚えた。普通、ストーカーをするなら家や学校の中は避けるはずだ。何故なら不特定多数の目がある学校や侵入しづらい家より外の通学路の方がよっぽど簡単だからだ。
だが、分かったところで武術などの自衛手段を持ち合わせていない真名は警察に今の推論を話したがストーカーは後手に回りやすいため警察は余り当てにならず解決にはならなかった。
そんな不安な日々を過ごしていたある日のことだった。
真名は未だに目が覚めない2人の男子が今日も学校に来なかったが仕方ないと思い学校を終えた夕暮れ時、一人で下校していた。真名としてはストーカーらしき人物がいる可能性がある為友達と帰りたかったが用事があって一人で下校することになった。
今までは2人以上と行動していたが今回真名は一人で下校しているので視線を一段と感じていた。だが、今日は何かが擦れる様な音を何回も感じていた。頼れる友人がおらず怖くなった真名は走って家に向かった。
真名が走り始めると何かが擦れる音も一段と早くなり真名は早く帰りたくなった。何とか無事に真名は家のなかに帰ってきた。両親は不在だったが家に帰ってきた安心感が心を和らげてくれた。真名は自室に戻り制服を私服に着替えようと鏡の前に立つと鏡から皺が目立つ腕が出て来た。
真名は直ぐに逃げようとしたが謎の腕の方が早く真名の顔を捕まえて鏡の中に引き釣り込んでしまった。だが、真名は引きずり込まれる前に猫娘にメールを送っていた事を犯人は気付かなかった。
◆
―ゲゲゲハウス―
鬼太郎が住むこの家に猫娘が訪れていた。猫娘は先程真名が送ってきた連絡を受けて鬼太郎や目玉のおやじと相談した。そして当然のごとくお茶を飲む阿求を尻目に…
「猫娘?どうしたんだ?」
「真名からメールがあったんだけどさっきの連絡を最後に連絡が取れないのよ」
そう言って猫娘は鬼太郎にスマホ画面を見せる。そこには『鏡』とだけ書かれたメールがあった。そして、最近真名がストーカーらしき被害を受けていると相談されている事を話した。今回の事に関係が有るのか分からないので鬼太郎に相談した次第である。
「親父さんは何か知らない?」
「う〜む。鏡と言ったら鏡爺じゃろう」
「鏡爺?何ですか父さん?」
鬼太郎の質問に目玉のおやじは答えた。
「鏡爺は鏡を住処としている妖怪じゃ。だが、儂が知る限り奴はそんな事をする様な者ではない。そうじゃろ?砂かけ婆、子泣き爺や」
話を振られた砂かけ婆は考え込み、子泣き爺は酒を飲む手を止めて考え込んだ。
直に2人は顔を上げて鏡爺の印象について話し始めた。
「あいつはそんな事をするやつじゃないよ」
「よく酒を飲んでるからな〜まあ、最後に会って300年近く経ってるから変わってなければだけどな」
そんな会話を聞いていた阿求は補足をした。
「鏡の起源は弥生時代の銅鏡にまで遡りますからその頃から生きているのであれば長い時を生きている事になりますから…どういう考えかは分かりかねますが用心したほうがよろしいかと…」
皆の話を聞いた鬼太郎は穏便に済ませられるならそれに越したことは無いと考え、真名を探すことにした。
◆
真名を探すとは言っても肝心の居場所が分からないでいたが、目玉のおやじによると鏡爺の住む本命の鏡があるらしくそこからなら鏡の世界に入ることが可能との事で鏡を探すことにした。
猫娘は真名とのラインで社会科体験で古い民家で掃除をしたこと、三面鏡が古くからある物だと言うことを思い出した。その事を聞いた阿求と目玉のおやじはお婆さんのお母さんの時代からあるのなら鏡爺が住処としている可能性は十分にあると考え問題の村に行くことにした。
今回は急ぎと言うことで阿求の車で行くわけにはいかずカラスヘリコプターで行くことになった。
尚、阿求が高さと安全性の低さにビクビクしていたのは触れないでおく…
◆
問題の村に着いた鬼太郎一行だが広い田舎の村だからか家と家との間が長く探すのが億劫になるほどだった。その為、問題の三面鏡があると思われる家を探すのも一苦労だ。
鬼太郎達が家を一軒一軒巡ろうかと考えたが今は夜中では無いとはいえそれなりに夜は更けている時間のため迷惑ではないかと悩んだ。その間に一匹の黒猫が猫娘かの近くにやって来た。猫娘が猫語で話している。だが、皆には「にゃーん、ニャ!ニャニャ〜」と言った事しか分からなかった。
〜以下猫娘と黒猫の会話〜
「(ねぇ?この辺に三面鏡を持ってる家知らない?)」
「(うん、知ってるよ。ついておいで)」
そう言って猫娘と話を進める黒猫の姿に猫娘以外は見ていると面白いと思った。
そうしている内に黒猫は軽く走って行くのを見て鬼太郎達は走っていくと大きな民家があった。
そこは真名が掃除をしていた家だった。
鬼太郎達は老婆に無理を言って中に入れてもらい三面鏡の前に来ていた。
「どうじゃ鬼太郎?」
「はい、僅かにですが妖気をこの鏡から感じます」
鬼太郎は僅かな妖気の残滓からこの三面鏡が鏡爺の住処であることは間違いない。しかし、入り方が分からなかった。どうしようかと悩んでいると阿求が口を開いた。
「こういったものは一定以上の妖力や霊力を纏った者であれば入れるのでは?」
そう指摘された鬼太郎は手に妖力を纏って鏡を触った。すると、手は鏡をすり抜けて手の周りの鏡が水面の様に揺れていた。これを見た鬼太郎は猫娘達に目配せして鏡の中に順番に入っていった。
だが、阿求だけは鏡の中に入らず家で老婆と他愛のない話をするのだが、この話は割愛する。
◆
時は真名が鏡爺に攫われた直後に遡る。
鏡爺によって鏡の世界に連れてこられた真名は自分が何らかの妖怪によって連れてこられた事を理解した。周りを見渡しても人っ子一人おらず周りは殺風景な岩石が点在する場所だった。これからのことをどうしようかと悩んでいると後から声がした。
「お~い!お~い!」
その声の方に向くと岩山の影から出て来た杖を持ったおじいちゃんだった。だが、こんな場所に人間が来れるはずが無いのでこのおじいちゃんこそが真名を鏡の中に連れ去ったのだと理解した。だが、理性がそう訴えかけても体は正直だ。人間は未知なものや不思議なものに恐怖を抱く以上鏡爺は人間には敵わない。強いと本能が感じ取った真名は悲鳴を上げて鏡爺から離れようとする。
「お~い!こっちへこ~い!」
この呼びかけが人間に一層の恐怖を渡してくれるのを彼自身は知らない。
こうしている内に真名は鏡爺から逃げ続けて数分…鬼太郎達は何とか鏡の世界に入ることが出来た。
鬼太郎達は鏡の世界に入ると妖怪アンテナで妖気の反応がある方向に走って向かった。するとそこにはあたりを見渡している鏡爺の姿があった。
鬼太郎達は鏡爺の周りを取り囲んだ。
「鏡爺!真名を返せ!」
「早くしなさい!」
「どうしたんだい?こんな事して…」
「旧友の好じゃ話は聞いてやるぞ…」
鬼太郎、猫娘、砂かけ婆、子泣き爺がそれぞれ鏡爺を問い詰めると鏡爺は声が出ず、自暴自棄になったのか鏡を使って攻撃をしてきたが、鬼太郎がすかさず《リモコン下駄》を使い鏡を割った。
鏡爺は万策が尽きたと思いどうしようかと悩んでいると不意に真名の悲鳴が聞こえてきたり妖怪アンテナにも事実、大きな妖気が観測できた。
鬼太郎は急いで向かうとそこには巨大な白い骨からなる巨人と襲われている真名の姿があった。
「あ奴はがしゃどくろ?!なぜ此処に?!」
「あれが真名ちゃんを狙ってたんだ!」
鏡爺は独り言を饒舌に語った。そんな鏡爺を置いて鬼太郎は真名の目の前に現れると真名を逃がしてがしゃどくろと対峙する。
「《髪の毛針》!」
《髪の毛針》をがしゃどくろの骨に突き刺さった。だが、そこで勢いが止まってしまいダメージを与えるには至らなかった。そこで鬼太郎は《リモコン下駄》を放つ。
下駄はがしゃどくろの頭蓋骨を狙ったががしゃどくろにはたき落とされてしまった。
がしゃどくろの目がより一層赤く色付いていく、その光景に悪い予感がしたのか鬼太郎達は今いる場所から避けた。するとそこにがしゃどくろが放ったレーザーらしき光線が鬼太郎達がいた場所を通り爆発を起こした。
「何あの技?!巨●兵みたい!」
真名が某有名映画のキャラを挙げたが鬼太郎達には何の事かさっぱり分からず困惑していた。
そんな真名を置いて鬼太郎達は攻撃をする。猫娘は爪で攻撃をするが骨に少し爪痕が残った程度で効果なし。
砂かけ婆は除霊に効く砂を掛けるが砂のかかった面積が狭く怯む程度だった。
子泣き爺は石になって押し潰したが、足止めをする程度で致命傷には至らなかった。
鬼太郎達はがしゃどくろの
大ダメージを受けたのか、がしゃどくろは動きが止まり手を目に当てて苦しんでいる。
「鬼太郎!いまじゃ!」
目玉のおやじの言葉で大きな隙が出来た事を理解した鬼太郎は動きを止めて、指先に妖力を集めていく…
妖力が十分に集まった時、鬼太郎は自分が持てる最大威力の技を放った。
「《指鉄砲》!」
高濃度の妖気ががしゃどくろの頭蓋骨を撃ち抜いた。がしゃどくろは叫び声をあげながら消滅していった。
◆
がしゃどくろを討伐した鬼太郎達は鏡の世界から出て、阿求がいる村に戻ってきた。
「ところで鏡爺は何故真名を狙ったんだ?」
鬼太郎が思い出したかのように疑問を口にした。すると鏡爺はモジモジさせながら若干小声で言った。
「だって…初恋の人に似てたから…」
その言葉に鏡爺以外の皆が言葉を失った。特に年若い真名と猫娘は本気で引き顔になっている。
「こやつ…もしやただの女好きか?」
目玉のおやじの小さな呟きが鏡爺の性質を物語っていた。尚、がしゃどくろに真名が襲われた理由だが、家の前にあった石碑を倒してしまった事が原因だと考えられる。(なぜ封印の石碑を民家の前に置いたのかは作者は疑問とする所であるが…)
その後、真名は阿求と共に鏡爺に家に送ってもらいゲゲゲの森の中で鏡爺は子泣き爺と酒盛りをしていた。
鏡爺は真名に振られた(当然だと思う)のでやけ酒をしていた。そして、子泣き爺と共に酔っ払った。その結果、猫娘に絡んでウザがられたりする鏡爺と子泣き爺の様子を見た目玉のおやじは一言鬼太郎に言った。
「鬼太郎…ああはなってくれるなよ」
「はい、父さん」
と言う会話があったとか…
◆
―がしゃどくろ―
人間友好度…低
危険度…高
出現場所…日本全国
戦死者や野垂れ死んだ人の遺体が埋葬されない死者や骸骨の怨念が集まって妖怪になったもの。それ故、しっかりと供養をすれば永遠に大人しいが、供養されないと怨念となって襲いかかってくる。
夜中にガチガチと骨を擦るような音をしながら歩き、生者を見つけると握りつぶして食べるなどの被害が見受けられる。
がしゃどくろは民間伝承等から生まれた妖怪ではなく、昭和中期に生まれた妖怪である。
がしゃどくろの原型となった「
対策として、死者の怨念であるためしっかりとした供養を行うことで鎮める事ができるが、供養を邪魔したりすると襲いかかってくる可能性が高い為気を付けるべきだろう。
幻想縁起より抜粋
稗田阿求
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