稗田阿求の幻想縁起   作:味八木

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日本征服!八百八狸軍団!前編

 

 

 

―八百八狸―

 

 

出没地域…愛媛県松山市を中心とした四国地方

危険度…高

人間友好度…低〜高

 

隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)を長とする四国の狸の総称。

 

隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)は日本三大狸話の1つ松山騒動八百八狸物語*1に登場する著名な変化狸である。

 

『刑部狸』や『伊予の刑部』と呼ばれる事もある。太三郎狸や金長狸と共に四国三名狸と称される。

 

いぬがみぎょうぶと読むが犬神とは無関係であり刑部とは松前城主に貰った位である。

 

飛鳥時代から生きており化け狸どころか日本妖怪でも相当の地位におり松前では巨大な霊力と神通力を兼ね備えた松前の守護と繁栄に欠かせない存在である。松山城や松山地域の守護神であり民に広く愛された八百八狸の長。八百八狸は全員が彼と彼の奥方の子孫である。

 

狐一族の四国上陸を阻止し狐一族による被害を受けなかったとされる。

 

 

 

八百八狸は文字通り八百八匹存在するが人間に友好的な個体が多いため、彼らを崇めれば襲われる心配はないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

雷雨が鳴り響き雨が振り続けるとある四国の山奥、その中に不気味な黒いオーラを漂わせ、全身黒ずくめの衣装を纏った死神の様な姿の幽霊?らしき者がいた。その者は人間に忘れ去られた祠の前に立つと人差し指を祠に向けた。

 

すると祠に貼ってあった札がとれてしまった。それを見た幽霊はスッーっと消えてしまった。その祠から妖気が漏れ出していくのを知るものはいない。

 

 

 

 

―東京都―

 

ある夜、首相官邸、その中では閣僚が右や左の大騒ぎが起こっていた。

 

閣僚達の前には巨大なスクリーンがありそこに映るのは黄色く光る月と、その横に存在する2つ目の月があった。女性首相は自衛隊上層部の話を聞いていた。

 

「今回、新たに出現した月をこれ以降『第二の月』と呼称します。第二の月の大きさは月より小さいですが第二の月は距離が縮まっておりこのままの落下速度と方向で行くと数日以内には東京に墜落するものと思われます」

 

その言葉を聞いた閣僚が聞いた。

 

「対応策は?」

「現在、航空自衛隊の戦闘機によるミサイル攻撃や巡洋艦の艦砲射撃と言った指向性の兵器で東京墜落を阻止、海に撃墜する方針です」

 

それを聞いた首相はひとまず安心し、ため息をついた…がそうは問屋が卸さなかった。

 

「首相!大変です!」

「何事ですか!?」

「これを見て下さい!」

 

そう言って対策会議室に入ってきた男がスクリーンを操作するとあるテレビ番組にかわりそこには狸が大勢映っていた。

 

沢山いる狸の中でも一際目立つ大きさで、高位の僧がきる紫の法衣を纏い数珠を身に着けている狸が口を開いた。

 

『我々は八百八狸軍団である。我々は日本政府に宣戦布告し日本政府の乗っ取りを宣言する!あの第二の月は我々からの警告である。逆らえばさらに恐ろしい事態が日本を襲うだろう!』

 

その言葉に閣僚は荒れた。

 

「どなたが責任を取るのですか?!」

 

総理が声を荒げた。

 

「妖怪ですよ」

 

比較的高齢な閣僚達の中に似つかわしくない少女の声が響いた。閣僚達が声の主の方を見る。そこには何故ここにはいるか分からない着物姿の少女がいた。

 

「私、専門家として参上した稗田阿求と申します」

 

首相以下閣僚も部外者を見る目をしているが阿求は気にすることもなく話を続ける。

 

「あの第二の月は特殊な卵です。撃墜するのは反対です。孵化した場合、ゴ●ラの様な怪物になる妖怪です」

 

淡々と述べる少女を見た閣僚は笑いを堪えきれず大笑いした。荒唐無稽な事をさも淡々と本当かの様に語る姿にである。やがて警備員によって阿求は部屋から追い出されてしまった。外には小鈴が待っており小鈴は阿求に近寄った。

 

「説得できましたか?」

「いえ、出来るとは思ってません。今回は義理です。しかし、放置と言う訳にも参りません。あの人にも連絡しておきましょう」

 

言うだけ言って阿求は首相官邸を後にするべく足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八百八狸軍団は電波ジャックを行い首都一帯を電波が使えなくなってしまった。真名はレイン(ライン)を使って猫娘に連絡しようとするも、八百八狸軍団の電波ジャックで連絡出来なかった。その為、真名は万年筆で手紙を書いた。妖怪ポストは電波とは関係ないからだ。手紙を書き終えた真名は夜の町を出て妖怪ポストに向かった。

 

妖怪ポストのある所につくとそこにはねずみ男がいた。

 

「真名ちゃんじゃないの。どうしたの?こんな夜に」

「妖怪ポストに手紙を出すの」

「へぇ………こっちですよ〜!」

 

真名はねずみ男の言葉に疑問符を浮かべるが直に氷解した。狸がやって来ていたのだ。真名は狸にねずみ男が裏切ったのだと分かった。が、分かったところでどうしようもない。真名は抵抗するも狸達に捕まってしまったがその様子を見ていた黒猫が手紙を奪い狸達の追跡から逃れてしまった。 

 

黒猫はねずみやカラスと言った動物リレーで鬼太郎に手紙を届けた。鬼太郎が手紙を読み、人間界では八百八狸が現れた事を知った。目玉のおやじはその手紙を読んで不思議に思った。

 

「八百八狸はかつて四国を支配していた妖怪じゃ。じゃが二百年程前に封印されたはず…」

「とにかく、行ってみましょう」

 

そう言って鬼太郎はゲゲゲハウスを後にした。

 

鬼太郎は猫娘と共に東京に来ていた。東京上空には普段の月とは別に紅色の丸い月のような物があった。

 

「あれは、第二の月…となると不味いぞ」

「どういうことですか?」

 

鬼太郎の問いに目玉のおやじは言った。

 

「第二の月は妖怪獣の卵なのじゃ」

「妖怪獣?」

 

猫娘の疑問に目玉のおやじは「うむ」と言ったうえで続けた。

 

「700年の時を生きた蛇が蜃気楼の中で卵を産むのじゃ。そこから数百年を地中でくらし、その後天に昇るとされておる」

 

「!ってことはあの卵落としたらどうなるの?」

「羽化してしまうじゃろう、じゃが儂はあの卵を落とす方法など知らん…」

「と言うことは余り考えなくても良さそうです」

「今考え込んでも仕方あるまい。とにかく今は真名ちゃんと合流じゃ」

「はい。父さん」

 

真名が攫われたのを目撃した黒猫を猫娘が見つけ出し黒猫と会話した所、とある所に隠れ家があることが判明した。黒猫の案内で目的の場所に行くと特徴的な岩があった。岩をどかしてみると地下へと続く道が有るのを発見した。鬼太郎達は真名を探して地下に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

地下は秘密基地と言うより一種の町の様な広さになっていた。道中で狸達に出会うも木っ端の狸である為鬼太郎の『髪の毛針』や『リモコン下駄』と言った技でさっさと最深部を目指した。

 

最深部に行くとそこには沢山の狸がひしめき合っていた。中でも異彩を放っているのは4体、一番体が大きく偉い僧しか着ることが許されない紫の法衣を着た狸、シルクハットとタキシードを着た狸(二百年以上前にタキシードとシルクハットなんて日本に有るのか?)女物の着物姿をした狸、ちゃんちゃんこを着た比較的露出の多い狸がいた。

 

「刑部狸!真名を返せ!」

「そう言われてやすやすと返すものか。コヤツは貴様らと関係が有ると言っていたな?ねずみ男よ」

「はいはい!そのとおりです!」

 

鬼太郎達はねずみ男がいつもの如く寝返っている事にため息をついた。

 

「またあんたね!ねずみ男!顔引っ掻いてやるわ!」

「へん!出来るもんならやってみろってんだ!」

「あまりあやつらを刺激するでない」

 

ねずみ男と猫娘のやりとりを見ていた目玉のおやじは真名がいる状況での挑発は不味いと猫娘を咎めた。

 

「刑部狸!お前たちは何が狙いだ!」

「人間達にも言ったように日本政府の乗っ取りだ。だが、貴様が返して欲しいこの娘は条件を飲むなら返そう」

「なんだ?」

「貴様は他の妖怪達に我々の支配下になるように働くのだ」

 

真名の解放条件に鬼太郎は反発しようとしたが目玉のおやじに止められた。親父さんによると

 

「一旦要求を飲み、隙を見計らって倒せばよいのじゃ」

 

と説得された為であった。

 

「分かった要求を飲む」

「良かろう。では裏切り防止の術を付けさせてもらう」

 

そう言った刑部狸は真名の頬にキスをしようとしたが察知した真名に手で顔を勢いよく払い除けた。刑部狸は頬にキスするのを諦めたのか手の甲にキスをした。鬼太郎達はその様子を不思議に思い見ていたが刑部狸の声が現実に引き戻した。

 

「鬼太郎。貴様が約束を破るとこの娘が狸妖怪になる呪をかけた。裏切り防止だ。では私共はここで失礼する」

 

そう言って狸たちは消えてなくなった。

 

「どうしましょうか?父さん」

「うむ。真名ちゃんは家に帰った方がいいだろう。猫娘、真名ちゃんを頼めるかの?」

 

真名は猫娘に連れられて地下空間から脱出する為に帰っていったが、鬼太郎は要石を探していた。目玉のおやじは要石が八百八狸の力の源と知っていた。

 

要石は八百八狸達の力の源である為大量の妖気を含んでいる。妖怪レーダーを使って八百八狸が見張りをしている部屋の中に大量の妖気を見つけた。鬼太郎は見張りの狸2体をリモコン下駄で気絶させ奥に存在する要石の前にたどり着いた。

 

「この石が要石じゃ!」

「確かにこの石から強い妖力を感じます」

 

鬼太郎は目玉のおやじの言葉を信じてちゃんちゃんこを手に巻きつける。

 

「《零毛ちゃんちゃんこ》!」

 

そう言って鬼太郎は要石に触れる。すると鬼太郎は手から凄い速度で石になりあっという間に石になってしまった。

 

「これは石化の呪か?!」

 

目玉のおやじは鬼太郎のお陰で石化せずに済んだが、息子である鬼太郎が石化してしまったことに父親としての悔しさが込み上げてきた。

 

「すまんのぅ…鬼太郎…」

 

目玉のおやじの声は地下に響いて消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃日本政府は地域住民を退避させた上で『第二の月』迎撃作戦を開始した。

 

航空防衛隊の戦闘機によるミサイル攻撃や海上防衛隊の巡洋艦による艦砲射撃やミサイル攻撃で第二の月を攻撃。第二の月を海に撃墜させた。

 

その時の衝撃で海水が持ち上げられ水しぶきが発生し周りが見えなくなった。海水により周囲が見えなかったが晴れてくると防衛隊及び首脳陣は凍りついた。

 

第二の月を撃墜した所からサーチライトのように爛々と光る皿のような巨大な目と鋭く長い牙が並ぶ大きく裂けた口を備えた頭が全身の大部分を占めているそんな等身が一等身から二等身程度のズングリした怪物が出て来た。

 

航空防衛隊はミサイル等で攻撃するが効果は見られない。

 

首相官邸はこのゴジラの如き存在について忠告してもらったが無視した事を後悔したが、もう遅かった。首脳陣の目が怪獣に向いている隙に狸達は首相官邸に乗り込んできた。最低限の警備しか無く、妖術や呪を使う狸達に抗うすべはなく首脳陣は全員拘束された。

 

狸たちの統率者であるタキシードにシルクハットを着た団一郎が首脳に迫って言った。

 

「あの怪獣に襲われたくなければ我々八百八狸に政権を移譲しろ。」

 

自己保身第一の首相と閣僚はその提案を受諾。政権を移譲され国民も日本政府陥落の事実を数時間後知ることになる。

 

 

*1
『享保の大飢饉』による松山藩の御家騒動に巻き込まれ、上代家老の奥平久兵衛率いる謀反側に利用された。狸の天敵の狼に育てられたとされる後藤小源太、宇佐八幡大菩薩 から賜った神杖や山内与兵衛の霊を宿す霊刀菊一文字という聖遺物を持った妖怪キラーである稲生武太夫の因縁も始まり、八百八狸は本来の拠点である久万山の岩屋に封じられてしまった。だが、八百八狸を悪事に利用した奥平久兵衛は倒され、御家騒動が終息した。と言う話






小説書き初心者ですのでアドバイスあればどしどしくれると嬉しいです!

次回は東方キャラも出すつもりです!時間がかかるかもですけどお楽しみに!

尚、鬼太郎ワールドだとラインをレインと呼び、自衛隊を防衛隊と呼ぶそうです。

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