歌が終わると広間にいた全員が拍手喝采した。銀時と土方はキョロキョロ辺りを見渡した。
((え?何?何これ?拍手しないとダメ?ダメな空気なの?))
二人は同じことを考えているようだ。しばらくすると拍手は止まり、四つのテーブルにそれぞれお辞儀をして帽子は静かになった。
完全に辺りが静かになるとマクゴナガル先生が長い羊皮紙の巻紙を手に持ち前へと進み出た。
「名前が呼ばれたら、帽子を被って椅子に座り、組み分けを受けてください」
マクゴナガル先生は組み分けの簡単な説明をすると1年生たちと名前を呼び出す。そして一人一人と生徒たちの組み分けが決まっていく。
「オキタ・ソウゴ」
しばらくすると知り合いの名前が呼ばれた。前を見てみると沖田が椅子に座り帽子を被っていた。
「フムフム」
沖田は被ってる帽子から低い声が聞こえ眉を寄せた。
「さて、初の異世界入学者。フムッ、どこに入れようかな。ん?目的のためには手段は選ばない……か」
ブツブツと呟く帽子。それを聞きながら沖田はうるせぇな、この帽子燃やしてやりましょうかっと思っていた。
「スリザリン!!」
帽子が叫ぶと沖田はチラッとスリザリンを見てニヤリと笑った。そして、ゆっくりとスリザリンのテーブルへと向かう。
その目は自分の獲物を品定めするよう光っていた。
今日この瞬間にスリザリンに恐怖のドS王子が誕生した。
もちろん被害者は同じスリザリン生なのは言うまでもない。
さて、ドS王子の次に呼ばれたのはチャイナ娘神楽だ。
神楽は呼ばれると嬉しそうに返事をして椅子に座った。
「ウム、なるほどなるほど……グリフィンドール!!」
帽子は神楽の頭の上で何かを納得して頷くと声を高々にして叫んだ。
神楽はグリフィンドールのテーブルに向かおうと椅子から降りるも視界の端に銀時を見つけ手をブンブン振った。
「銀ちゃーん!!銀ちゃんも絶対にグリフィンドールアルよ!!……あっ、新八はどうでもいいネ」
神楽が最後の言葉を言うとどこかから突っ込みが聞こえた。
さて、神楽が呼ばれた後にすぐ呼ばれたのもこれまた見たことがあるような人物だった。銀時は首を傾げ、土方やハリーやロンは眉を寄せた。
「あれ?アイツ……なんだっけ?」
銀時が呟くとハリーが説明する。
「ギントキ、あれだよ。列車で喧嘩売ってきたマルフォイって奴」
ハリーに言われて銀時は記憶を辿る。そういえばそんなこともあったような気がする。銀時はマルフォイに毛程も興味なかったし、おまけにゴーストに会うなんて恐怖体験をしてしまったため覚えてなかったのだ。
「スリザリン!!」
マルフォイが帽子を被るか被らないかで帽子は叫んだ。
どうやらマルフォイの寮が決まったようだ。
それを聞くと銀時は嫌そうにマルフォイを見ているハリーとロンの肩にポンと手を置いた。
「まぁ、列車では色々あったけど許してやろうじゃねぇか」
「え?」
「なんでだい?ギントキ」
ハリーとロンは不思議そうに銀時を見つめた。銀時は生暖かい目でマルフォイがスリザリンのテーブルに向かうのを見ている。そんな銀時に二人は首を傾げた。
「トウシロウ・ヒジカタ」
マクゴナガル先生の呼ぶ声が聞こえる。
土方は呼ばれた通りに歩いて椅子まで向かう。帽子を被ると帽子がブツブツと言い出した。
「統率力がある。頭も悪くない。ん?突っ込みよりボケに憧れてるようだ。目的はマヨネーズ王国に行くこと」
土方の思ってることが帽子に暴かれていく。ってかマヨネーズ王国とは本当にあるのだろうか?
「ウウム、スリザリンかグリフィンドールか」
帽子が困ったように呟いていると土方が口を挟んだ。
「グリフィンドールにしてくれ。こんなとこまで来て総悟に命を狙われる生活は嫌だ」
「分かった。では……グリフィンドール!!」
土方は帽子の言葉を聞くとグリフィンドールの席へと向かって行った。
「コタロウ・カツラ」
次に呼ばれたのは桂である。桂はスタスタ歩き帽子を被ると即座に要求した。
「帽子殿、俺をエリザベスに入れてくれ!!」
「エ、エリザベス?」
桂の言葉に流石の帽子も首を傾げるよう先の尖った部分を傾げさせた。
「エリザベスという寮はないのだが」
帽子の言葉に桂は目を見開いた。そして信じられないといった感じで帽子を見上げる。
「な、エリザベスがないだと!?帽子殿、嘘をつくのは止めるんだ。俺はずっと帽子殿がエリザベスエリザベス言うのを聞いていた」
これを銀時や新八が聞いていたらそれはお前のエリザベス中毒の幻聴だ!!っと突っ込むのだが、帽子は桂がエリザベス中毒だと言うことを知らない。
(エリザベス……エリザベス……もしやスリザリンと聞き間違いをしてるのでは)
「ス、スリザリン?」
と帽子は思い桂をスリザリンに入れた。もちろんスリザリン生はエリザベスエリザベスと呟いてこっちに近づいてくる桂を見て
(ど、どうしよう……変なの来た)
っと戸惑っていたのは言うまでもないことだろう。
「ギントキ・サカタ」
お次に呼ばれたのは我らが主人公その1坂田銀時である。ちなみにその1とは、この小説はハリーとのダブル主人公になっているからだ。
銀時は呼ばれると心底ダルそうな雰囲気を醸し出し帽子を被って言った。
「おい、帽子さんよォ。銀さんあれだわ、色々面倒だからあまり動かなくていい寮にしてくんない?」
初っぱなから主人公あるまじき発言である。
「は?君は何を言って……」
流石の帽子も驚いて銀時の言葉を聞き返した。すると銀時はハァっとため息をつく。
「だからよォ、銀さんどこぞの中2病ハゲ魔法使いとは面倒で会いたくない。だからあれ、パフパフだか、ブロックンが良いわけ」
だいたい中2病なんて高杉だけでいいんだっつーのっとブツブツ呟く銀時に帽子は苦笑いを浮かべる。
(パフパフかブロックンって……ハッフルパフとレイブンクローのことか?)
帽子は困ったように眉を寄せる。異世界入学者はスリザリンかグリフィンドールにしか入れれないのだ。っというか読者は何故銀時が既に例のあの人を知っているのかとも思うだろう。まぁ、それは銀時だからですまそう(笑)
「あー、すまないが、スリザリンかグリフィンドールに入れないといけないのだが」
帽子は尖った先をピクピク動かしながら言った。すると銀時は帽子を見上げた。
「マジでか!!……あー、じゃあスリザ……いやいやいや、断固グリフィンドールで」
銀時は帽子の言葉を聞くと即座面倒が少なそうな寮を口にするもスリザリンにいる最凶な沖田と桂を見てきっぱりと言った。
「よし、では……グリフィンドール!!」
帽子が叫ぶと嬉しそうに神楽がグリフィンドール席に銀時を連れて行った。
「次、シンパチ・シムラ」
新八は呼ばれると緊張した様子で椅子へと向かい、帽子を被った。
「あー、じゃあグリフィンドールでいいや」
新八が帽子を被った瞬間。帽子はどうでも良さげに言った。
「ちょ、いいやってどんだけ適当!!」
そんな帽子に突っ込みながら新八はグリフィンドールへと向かった。
「ハリー・ポッター」
ハリーが前に出ると突然広間中にシーっというささやきが波のように広がった。
「ポッター?今ポッターって言った?」
「あのハリー・ポッターなの?」
ハリーが帽子を被るまで広間中の人たち(銀時たちを除く)がハリーをよく見ようと首を伸ばしていた。
「フーム、むずかしい。非常にむずかしい。勇気に満ち溢れ、頭も悪くない、才能もあるし、自分の力を試したいとも思っている。さて、どこに入れたものか」
ハリーは帽子にささやくように呟いた。
「グリフィンドール。ギントキたちのいるグリフィンドールが良い」
「おや?グリフィンドールがいいのかね?」
帽子は小さく呟いた。
「スリザリンに入れば君は間違いなく偉大な魔法使いになれる道が開ける。だが、グリフィンドールが良いか。よろしい、君がそういうなら……グリフィンドール!!」
ハリーはその言葉を聞くと心底嬉しそうにグリフィンドール席へと向かう。グリフィンドール席では有名なハリーが来たのが嬉しかったのだろう、凄まじい歓声をあげていた。