ハリーと侍と賢者の石   作:近衛陸

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第11訓 世の中にはスタンドより恐ろしいものがある

 

 

ハリーの組み分けが終わり、4、5人呼ばれるとマクゴナガル先生はクルクルと巻紙をしまい、帽子を片付けた。組み分けが無事終わったのだ。ちなみにロン、そして列車であったハーマイオニーとネビルは同じグリフィンドールだった。

 

マクゴナガル先生が下がったのを確認するとアルバス・ダンブルドアは立ち上がった。おもむろに腕を大きく広げ、嬉しそうににっこりと微笑む。

 

「おめでとう!!ホグワーツの新入生、おめでとう!!歓迎会を始める前に、二言、三言言わせていただきたい。では、いきますぞ。そーれ!!わっしょい!!こらしょい!!どっこらしょい!!ーー以上!!」

 

ダンブルドアは不思議な二言、三言を言うと満足げに席をついた。出席者全員は拍手をし歓声をあげた。

ハリーは苦笑いをしながらちょうど近くにいたグリフィンドール監督生パーシーに聞いた。ちなみにパーシーはロンや双子の兄である。

 

「あの人……ちょっぴりおかしくない?」

 

「おかしいだって?」

 

パーシーは一瞬ハリーの言葉に驚くもウキウキした様子で答えた。

 

「あの人は天才だ!!世界一の魔法使いさ!!でも……少しおかしいかな?うん。あっ、君、ポテト食べるかい?」

 

パーシーの言葉にハリーはあっけに取られた。いつの間にやら目の前に大皿があり、中は食べ物でいっぱいになっている。

 

ローストビーフ、ローストチキン、ポークチョップ、ラムチョップ、ソーセージ、ベーコン、ステーキ、ゆでたポテト、グリルポテト、フレンチフライ、ヨークシャープディング、豆、にんじん、グレービー、ケチャップ、マヨネーズ、タバスコ、そしてなぜかハッカ入りキャンディ。

 

ダーズリー家では飢え死にこそしなかったが、お腹一杯食べさせてはもらえなかった。

 

「わぁ、凄い!!凄いね、ギントッ!?」

 

ハリーは瞳をキラキラさせた、そして隣にいる銀時たちを見て止まった。

 

ハリーが見た光景は気持ち悪いほどマヨネーズを乗せた黄色い物体を食べている土方、そのとなりでは神楽と銀時が競い合うように肉をむさぼり食らっていた。

 

そして、そんな二人に

 

「肉ばかりでなく野菜もバランスよく食べて下さい」

 

なんて言いながらいそいそとタッパーに料理を詰め込む新八。

 

(シンパチ……そのタッパーどっから持ってきたんだ?ってかそれ詰めてどうするの?)

 

口元をひきつらせながらそんな風に思ってるだろうロンの顔。

 

ハリーはその凄まじい光景を見ながら苦笑いを浮かべる。

 

「ハッハッハッ、凄まじいですな」

 

「う、うん……って誰!?」

 

ハリーは突然聞こえてきた声に同意して頷き、声のした方を見て驚いた。そこに居たのは、ひだ襟服のゴーストだった。ゴーストはハリーの言葉ににっこり微笑んだ。

 

「私は、ニコラス・ド・ミムジー・ポーピントン郷といいます。お見知りおきを。グリフィンドール塔に住むゴーストです」

 

ピシッと銀時と土方の方から何かが固まった音がした。

 

「僕、君のことしってる!!」

 

ロンが突然口を挟んだ。

 

「兄さんたちから君のこと聞いてるよ。『ほとんど首無しニック』だ!!」

 

ロンが言うと、黄土色の髪のシェーマス・フィネガンが割り込んできた。

 

「ほとんど首無し?どうしてほとんど首無しなの?」

 

「確かにそうアルな。なんでアルか?」

 

神楽も食べる手を少しとめると聞いた。そんな二人にニコラス郷は眉を寄せた。

 

 

((こ、この馬鹿ども何聞いてんだァァア!!スタンド様眉よせてんじゃねぇか!!))

 

銀時と土方はそれを見て心の中で叫んだ。恐怖のあまり声が出ないのだ。

 

ニコラス郷は眉を寄せたまま自分の左耳をつかみ引っ張った。頭が首からグラッとはずれ、蝶番で開くように肩の上に落ちた。誰かが首を切ろうとして、やりそこねたらしい。

 

((ーーッ!?))

 

「ギャァァアアアッ!!」

 

なぜかスリザリンの方から叫び声がした。

生徒たちはニコラス郷というよりもスリザリンの声に驚いて目をまん丸くする。生徒たちはスリザリンの席に目を移した。

 

そこにはスリザリンの監督生が口を手で押さえて床にゴロゴロ転がっていた。

 

「な、何事ですか!!」

 

マクゴナガル先生が驚いてスリザリンのテーブルへと向かう。スリザリン生は何故か青ざめて今だ転がっている自分たちの寮のリーダー、監督生を見つめた。

 

「いったい、いったい何があったのですか?」

 

マクゴナガルが聞くと栗色の少年が出てきた。そう沖田である。

 

「すいやせん。先生……俺のせいなんでさァ」

 

沖田はしょんぼりとした声で悲しそうな表情のまま呟いた。

 

「ミスター・オキタ、何があったのですか?」

 

マクゴナガル先生は沖田をじっと見つめた。すると、沖田は心底後悔している風に話し出す。

 

 

 

「実は、俺……先輩と仲良くなりたくて、俺の国の文化的食べ物をあげたんでさァ。そしたら、先輩の口に合わなかったらしく……」

 

沖田は悲しそうに顔を伏せて肩を震わし始めた。

銀魂メンバー、そして少しの間でも一緒にいたハリーには分かった。あれは泣いているのではない、出そうになる笑いを押さえているのだと……

 

しかし、そんなことマクゴナガル先生が分かるわけがない。マクゴナガル先生は泣いているであろう沖田の頭を優しく撫でた。

 

「オキタ、大丈夫ですよ。先輩は保健室に連れて行くのですぐ大丈夫になります」

 

マクゴナガル先生はそう言うと床に転がった生徒を立たせて保健室に連れて行った。

そんな二人の姿を沖田はニヤリと悪意しかない笑いを浮かべて見送った。

その笑いを見てしまった不運な生徒は歓迎会中ずっとブルブル震えて青ざめていたらしい。もちろん一部始終見ていたスリザリン生はこれから始まる寮生活に多大な不安と恐怖を感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

さて、色々と事件の あった歓迎会だがそろそろ終わりに近付いているようだ。

その証拠に先生方が何かを耳打ちしながら動き出している。

 

「エヘンーー全員よく食べ、よく飲んだことじゃろうから。また二言、三言。新学期を迎えるにあたり、いくつかお知らせがある。一年生に注意しておくが、構内にある森に入ってはいけません。これは上級生にも、何人かの生徒たちに特に注意しておきます」

 

ダンブルドア先生は立ち上がって言うと、チラッと双子のウィーズリー兄弟を見た。

どうやら双子は特に注意する生徒の中に入っているようだ。

 

「管理人のフィルチさんから授業の合間に廊下で魔法を使わないようにという注意がありました。今学期は二週目にクィディッチの予選があります。寮のチームに参加したい人はマダム・フーチに連絡してください」

 

 

ダンブルドア先生は淡々と言うと最後にもう一度咳払いをした。

 

「最後ですが、とても痛い死に方をしたくない人は、今年いっぱい四階の右側の廊下に入ってはいけません」

 

その言葉にハリーは笑ってしまった。銀時たちは眉を寄せる。

 

「まじめに言ってるんじゃないよね?」

 

「さぁな」

 

ハリーは隣の銀時に向かって呟いた。銀時は眉を寄せたまま言う。

近くにいたパーシーが顔をしかめてダンブルドアを見ながら言った。

 

「いや、まじめだよ。それにしてもへんだな、どこか立ち入り禁止の場所がある時は必ず理由を説明してくれるのに……」

 

 

 

「では、寝る前に校歌を歌いましょう!!」

 

ダンブルドアが声を張り上げた。ハリーには他の先生方の笑顔が急にこわばったように見えた。

 

「みんな自分の好きなメロディーで、では、さん、し、はい!!」

 

歌詞を知らない新入生以外の生徒や先生方はそれぞれ独特のメロディーで歌い出した。

もちろん全員メロディーが違うのでバラバラである。

 

(何これ……え?これが歌なの?)

 

ハリーや銀時たちは口元をひくつかせた。

歌を歌い終わると大きな拍手が湧き起こった。

 

「ああ、音楽とは何にもまさる魔法じゃ」

 

ダンブルドアは感激の涙を拭いながら言った。もう突っ込みどころ満載である。

 

「さぁ、諸君!!就寝時間。かけ足!!」

 

 

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