ハリーと侍と賢者の石   作:近衛陸

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第13訓 朝食は大人しく食べましょう

 

 

さて、お次は生徒たちが一番待ち望んでいた授業だ。

 

ロンはみるからにワクワクとしていた。

 

「なぁ、ロン。なんでお前はそんなにワクワクしてるんだ」

 

銀時はチラッとロンを見ると聞いた。すると、ロンは何を言ってるのっといった感じに目を見開き興奮気味に言った。

 

「だって次の授業は闇の魔術の防衛術だよ!!どんな授業かほんと楽しみじゃないか」

 

ロンの言葉に銀時は首を傾げる。

確かに周りはワクワクしながら席に座って先生がくるのがまだか、まだかといった感じだ。

 

「確か、闇の魔術の防衛術の先生はクィレル先生でしたよね」

 

「「クィレル?」」

 

新八の言葉に神楽と銀時が首を傾げた。すると、新八の代わりに土方が簡単に説明した。

 

「クィレルって野郎はあれだ。歓迎会の時ダーバンを巻いてビクビクした弱々しい奴いただろ」

 

「あー、私覚えてるヨ。あの根暗っぽい先生の隣にいた奴アルな」

 

土方と神楽の言葉に銀時は思い出すように天井を見上げた。確かにいた。普通に見てると臆病でビクビクした感じなのに何故か時々感じられる狂気的な嫌なオーラを纏った人物だ。

何時もの銀時なら全く覚えてないのだが、その人物に全く似合わない狂気が引っかかり覚えていたのだ。

 

(土方は弱々しいって言ってるけど……弱々しい奴があんな狂気出せるのか。まるで、高杉みてぇな)

 

 

 

銀時はそう思い眉を寄せた。銀時がそんな風に考えていると周りがざわざわと騒がしくなった。

 

どうやら、先生が来たようである。

 

 

 

 

 

先生が来ると、生徒たちは期待に胸を膨らました。しかし、授業が進むにつれてその期待は無惨にも砕け散っていった。

 

何故ならクィレルは巻いているダーバンはやっかいなゾンビをやっつけたときにアフリカの王子様がお礼にくれたものだといったのだ。生徒たちは眉を寄せた、クィレルのダーバンはそんな高価な物に見えないからだ。

 

生徒の一人、シューマス・フィネガンが手を挙げてどうやってゾンビをやっつけたのかと質問すると、クィレルは赤くなって話をそらし、お天気について話しはじめたのだ。

 

 

 

そんなことをしてしまえば明らかに自分は嘘を付いてます!!と言っているようなものである。

その瞬間生徒たちは……

 

(あー、この先生ダメだ)

 

と思っていた。

 

しかし、銀時はそんなクィレルを気付かれないよう横目でチラチラ見ると何かに気付いたかのように突然見るのをやめ教科書に目線を移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は金曜日、銀時たちはいつものように、大広間で朝食を食べていた。

 

「今日はなんの授業だっけ?」

 

オートミールに砂糖をかけながらハリーが呟いた。ちなみに銀時は周りが引くくらいたっぷり砂糖をかけている。

まぁ、その隣でもっとどん引きな黄色い物を食べている人物もいるのだが……

 

「確か、魔法薬学ですよ」

 

ハリーの問いかけに新八が時間割り表を見ながら言った。すると、ロンが途端に顔をしかめた。

 

「ん?どうしたの?ロン」

 

ハリーが気付いて尋ねると、ロンは顔をしかめたまま話始めた。

 

「だって、スリザリンと一緒の授業だよ!!しかも、スネイプはスリザリンの寮監だからいつもスリザリンをひいきするってみんな言ってる!!」

 

 

ロンの言葉を聞くと土方は眉を寄せた。

 

「ひいきって……教師あるまじき奴だな」

 

「ほんとでさァ、まるで土方さんみたいにウザイ奴ですねィ」

 

土方の後ろからもう一つ声が聞こえた。ハリーたちはハッとしてその声のした方向を見た。

そこに居たのは沖田だ。沖田は土方を椅子から蹴り落とすと嬉々として銀時の隣に座った。

 

「テメェ、総悟何しやがんだッ!!」

 

「ん?あれ?沖田くん」

 

「あっ、旦那おはようございまさァ」

 

怒鳴る土方を完全に無視して沖田は銀時に挨拶した。

 

そんな騒ぎに気付いたのだろう。

 

ガツガツと一心不乱にご飯を食べていた神楽が銀時に近づいた。

 

「サド、何しに来たネ!!ってか私の許可なく銀ちゃんに挨拶してんじゃねぇよッ!!」

 

「あ?なんで旦那に挨拶すんのにテメェの許可が必要なんだよ。クソチャイナがッ!!」

 

神楽と沖田は立ち上がり銀時の頭の上で火花を散らし合った。

 

「当たり前ネ!!銀ちゃんは、私の大切な家族ヨ。サドなんかと居たら教育に悪いネ」

 

「教育に悪いのは、お前だろ!!テメェこそ旦那から少しは離れたらどうでィ」

 

「んだとッ!!」

 

二人は銀時の頭の上でギャンギャンと言い合いをする。銀時は眉を寄せた、せっかく若返ったせいで糖尿病の心配がなく甘いものをたらふく食べれると言うのに……このままでは食べることに集中できないのだ。

 

「オイ、お前らいい加減にッ!?」

 

「銀ちゃんは黙ってるアル!!」

 

「旦那は黙ってて下せェ!!」

 

ガッシャンッ!!

銀時が怒ろうとすると二人は銀時の頭を思い切りテーブルへと叩きつけた。

銀時の頭が有り得ないくらいテーブルにめり込む。

 

「「ギントキィ!!」」

 

「銀さぁぁあん!!」

 

ハリーとロンと新八は叫んだ。

土方はもう我関せずといった感じにマヨネーズをすすっている。

 

新八は沖田と神楽の暴走にため息をついた。唯一二人の喧嘩を止めれそうな銀時がやられたのだ。

もはや、自分に出来ることはこれ以上被害が拡大しないよう祈るだけだ。そう思い新八がため息をつくと隣から笑い声がした。

 

「はっはっはっ、相変わらず銀時は子供に好かれるようだな」

 

そこに居たのは桂だった。桂はモグモグとオートミールを食べている。

 

「桂さん、いつからそこに!?……ってそれ僕の朝食なんですけど」

 

「いや、この朝食からエリとザべスな感じがしてな。食べちゃった、テヘッ」

 

桂は悪気もなくきっぱり言うと、舌をぺろっと出しコツンと頭を小突いた。なんだろう、めちゃくちゃムカつく。

 

新八は色々と突っ込みどころのある桂に眉を寄せた。そして、色々と不快だったのだろう……二本の指を立て桂の鼻に突っ込み投げた。新八の得意技鼻フックデストロイヤーである。

 

「テヘッじゃねェェエ!!」

 

桂は思い切り投げられ床へと顔面からスライディングした。

当たりにズザザザッと擦れる音が響く。

そして、ドカッと何かにぶつかった音がして止まった。

 

「新八君何するッ!?」

 

「何するはこっちの台詞ネ」

 

「桂ァ、良い度胸じゃねぇか」

 

桂は、新八に文句を言おうとするも固まった。そう、神楽と沖田が恐ろしい目で自分を見ていたからだ。

 

どうやら、さっきのドカッという音は喧嘩していた二人にぶつかった音のようである。

桂はサァッと顔を青ざめた。

 

「ふ、二人とも落ち着け、落ち着くんだ。ほら、このエリザベス人形をあげるから」

 

桂は二人を落ち着かせようとどこから取り出したのかエリザベスのぬいぐるみを取り出した。そのぬいぐるみは抱いて寝ているのだろう、よだれがべっとりついていて汚かった。

沖田と神楽は顔を見合わせた。そして……

 

「ギャァァァァアア!!」

 

周りの生徒が怯える中、桂の悲鳴が大広間に響いた。

 

 

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