ハリーと侍と賢者の石   作:近衛陸

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第16訓 聞くは一時の恥、聞かぬは……

 

 

沖田が目を覚ますと銀時たちは医務室をあとにした。ちなみに、ネビルも起きたのだが、今日は大事をとって医務室に泊まるらしい。

 

「それにしても、酷い目にあったわ」

 

銀時はコキコキと首をならしながら夕食を食べに大広間まで向かう。

 

「本当でさァ、これは後で八つ当たりしに行かなきゃいけやせんねィ」

 

沖田の言葉に土方は眉を寄せた。一体誰に理不尽な八つ当たりをするのだろうかっと疑問に思ったのだろう。

しかし、土方は聞かなかった。聞いたら最後八つ当たりのターゲット決定である。

 

「それにしても、なんか騒がしくねぇ?」

 

銀時は歩きながら首を傾げる。生徒たちがいつもより騒がしいのだ。時折、ハリーの名前が聞こえるような気がする。

 

銀時たちは、不思議に思うも本人に聞けばいいかっと思い大広間へと入っていった。

 

 

 

 

 

「あっ、銀さん!!それに沖田さんも、良かった。無事だったんですね」

 

銀時の姿を見つけた新八が安心した様子で駆け寄ってきた。

銀時たちはコクンっと頷き、周りの騒がしい理由について何かを知ってるか聞いてみた。

 

「なぁ、新八……なんでこんな騒がしいか知ってるか?」

 

銀時の言葉に新八は口元に手を当て、何かを考えるような素振りをした。そして、分かったのかコクンっと頷き口を開いた。

 

「あぁ、これは多分。ハリー君がシーカーに選ばれたからですよ」

 

 

「「「「「シーカー?」」」」」

 

(((((何それ?)))))

 

五人の言葉と心がシンクロした。

しかし、新八が知ってることを聞くのはなんか勘にさわる。

銀時は、ゴホンっと咳払いをした。

 

「あー、シーカーな。シーカー……はいはい。あの暑い島国にある獣の置物の」

 

「銀さん、それシーサーです」

 

新八は銀時の言葉にきっぱりと言った。

沖田が何かを思いついたのか前に出た。

 

「旦那。あれですぜィ。ほら、よく売ってるじゃないですかィ……サラダの前についてる」

 

「沖田さん、それシーザーサラダのことですか!?」

 

またもや新八にはっきりと言われた。

 

「ふふふ、銀ちゃんもサドもダメアルナ。こういうのは私に任せるネ。金曜ロー○ショーで鍛えた、この私に!!」

 

「あっ、神楽ちゃん。ラ○ュタのヒロインはシーターだからね」

 

神楽は自信満々で出るとまたもや新八がきっぱり言った。

 

「…………ホワチャァ!!」

 

「ぐはっ!!」

 

新八の言葉を聞きしばらくの沈黙のあと、神楽は思い切り新八を殴った。

ある程度殴り終えると電波……桂が前に出てきた。

 

「全く、リーダーに新八くん落ち着くんだ。あれだろう?白い身体にパッチリおめめ、黄色いクチバシが特徴のエリ」

 

「「「ただのエリザベスじゃねぇかァァァアアア!!」」」

 

「ギャァァァアアア!!!!」

 

銀時、沖田、神楽の三人は台詞をハモらせ桂をリンチし始めた。

 

そんな四人を見て新八はため息をつく。そして、自分だけでは突っ込みきれないと思い土方に声をかけた。

 

「はぁ、土方さん。土方さんも何か言ってやってください」

 

「え?」

 

新八の言葉に土方は驚いた。そして、困ったように眉を寄せる。

 

「あー、テメェ等落ち着け!!それにシーカーってのはあれだ……ク、クリスマスにソリをひいてやってくる」

 

少し頬を染め一生懸命言う土方。

そんな土方を見た三人は桂をリンチするのをやめ、きっぱり言った。

 

「とりあえず腹も減ったし飯食いながら話すか」

 

「そうアルナ」

 

「今日のご飯は何ですかねィ」

 

三人はスタスタと夕食を取るためテーブルに向かった。

新八はチラチラと土方を見ると、申し訳なさそうに言った。

 

「あの、土方さん。むちゃぶりしちゃってごめんなさい。えっと……それじゃあ」

 

パタパタと銀時たちのもとへ向かう新八の背中を見ながら土方は目から雫がこぼれそうになるのを耐えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

銀時たちは、テーブルに着きモグモグと夕飯を食べながらシーカーについて聞いた。

 

「なるほど、つまりそのクィドッチってスポーツのポジション的な感じか」

 

「銀さん、クィディッチです」

 

銀時の言葉を訂正する新八。

 

神楽は話半分で聞いており、沖田は八つ当たりの相手を見つけるのに忙しい。

桂は普段通り電波を発し、土方はまださっきのショックが残っているのかボォーとし料理にブチュブチュっと大量にマヨネーズをかけている。

 

「なんか、凄いらしいですよ。普通一年生はダメらしくて最年少とか」

 

「あっ、神楽。そのケーキは俺のだぞ」

 

「知らないネ。取ったもん勝ちッッッ!?」

 

新八の言葉を聞いているのかいないのか、銀時は神楽にケーキに手を出さないように言う。

しかし、神楽は気にせずケーキを口に頬張り顔を真っ赤にした。

 

「ゲホッ、ゴホッな、からっ、からっ」

 

神楽はせき込むと近くにあったドリンクを飲み干した。

 

よくよく見てみるとケーキに赤い液体が大量にかけられている。きっとタバスコだろう。

 

「テメェ、サド殺すッ!!」

 

「証拠もないのに俺のせいですかィ。チャイナは失礼だねィ」

 

「うるさいネ。こんなことやるのお前くらいしか居ないアル」

 

神楽はキッと沖田を睨みつけた。沖田は痛くもかゆくもないといった感じにニヤリと笑う。

 

「あの、僕の説明聞いて……」

 

新八が尋ねようとするも、それを遮り銀時が眉を寄せて言った。

 

「オイオイ、沖田くん。ケーキにタバスコとか俺が食べたらどうしてくれるわけ?」

 

「侵害でさァ、旦那。そんな失敗するほど俺は馬鹿じゃないですぜィ」

 

銀時の言葉に沖田はニタリと笑う。

神楽は、沖田をキッと睨みつける。

 

「やっぱ、テメェじゃねぇかッ!!」

 

「当たり前だろ。馬鹿じゃねぇか」

 

沖田は神楽に向かって馬鹿にするように鼻で笑う。

神楽は、額に青筋を浮かべた。

 

「上等ネェェエ!!泣かせてやるヨ」

 

そして、叫ぶと沖田に向かって飛びかかった。

 

「話……聞いてないですね、うん」

 

そんな騒がしい二人の様子を見て新八はため息をついた。

 

「そういやよォ、ハリーたち居なくねぇ?」

 

銀時はモグモグと他のテーブルから取ってきたケーキを頬張り小さく呟いた。

 

 

 

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