ハリーと侍と賢者の石   作:近衛陸

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第18訓 隠せ、隠せ。そして証拠隠滅だ

 

 

ハリーたちは、グリフィンドールの寮へと急いでいた。

頭に浮かぶのは先ほど見た怪獣のような犬の目。

そう、銀時たちが色々やらかしてる間にハリーたちも色々やらかしていた。

 

実はフィルチに見つかり逃げてる時に、あの立ち入り禁止と言われた『禁じられた廊下』に入ってしまったのだ。

 

そして、そこで犬を見た。ただの犬ではない!!

 

床から天井までの空間全部が埋まってしまうほどの大きさ。頭が三つ。血走ったギラギラした目。三つの鼻をそれぞれの方向にヒクヒクさせている。

そして三つの口から黄色く鋭い牙をむきだしにし、間からヌメヌメした触りたくないよだれをだらしている。

 

ハリーたちを目に移すと、グァっと口をあけ雷のようなうなり声をあげた。

 

もちろんハリーたちが速攻逃げたのは言うまでもない。

 

グリフィンドールの寮へと向かう途中、ハリーは止まると小さく声をあげた。

 

「止まって!!誰かいる」

 

ハリーが言うとロン、ハーマイオニー、そしていつの間にいたのかネビルが足を止めた。

 

ハリーたちは息を潜め見つからないように隠れ、様子を窺った。

 

耳を済ませば何かを話しているのかボソボソと声が聞こえる。

 

 

 

 

 

フィルチをノックアウトさせた後銀時たちはどうしようか考えていた。

 

「おい、万事屋。これどうすんだ?」

 

「銀ちゃん、とりあえず起きる気配ないアルヨ」

 

土方と神楽に言われて銀時は考えた。新八はじきに起きるとして問題はフィルチだ。

 

このまま放置して行ってもいいように感じるが、明日犯人探しなんぞされたら迷惑極まりない。

 

「とりあえず、俺達がやったとバレないほうがいいよな」

 

銀時は呟くと、土方に視線を移した。

土方はコクンっと頷く。

 

「ってかよォ。話し中?に割り込んでくるコイツが悪くねぇ?」

 

「確かにな。話し中に割り込んできたKYさが事件の発端だからな」

 

銀時の言葉に土方が頷く。どうやら、二人に巻き込んだことへの罪悪感など一つもない。

 

新八が起きていたら色々と突っ込んでいるだろう。

 

「KY事故アルか……確かに事故なら銀ちゃんやトッシーが責任負うと可笑しいネ!!」

 

神楽がしみじみと呟く。

すると、銀時がフィルチをじっと見つめニタリと笑った。

 

「よし、証拠隠滅するか」

 

 

 

 

 

銀時たちの証拠隠滅が始まった。まずは犯人に一番繋がりやすい指紋である。

 

「万事屋、指紋つっても俺達はこいつに触れてねぇぞ」

 

「あっ、じゃあ指紋なんてついてないアルな」

 

土方と神楽の言葉に銀時は指を立てて軽く振った。

 

「二人とも甘いな。確かに俺達は触れてないが凶器(新八)が触れてるだろう?」

 

「あっ……」

 

「お、おい。万事屋。それじゃあ指紋ってのは……」

 

神楽が驚き、口元に手をあてた。土方はゴクッと息を呑み額に一筋汗を流させる。

 

銀時は二人をゆっくり見ると淡々と口を開いた。

 

「被害者(フィルチ)の命を奪った凶器(新八)は特殊だった。そう、調べればきっと出てくるはずだ!!眼鏡紋がッ!!」

 

「なんじゃそりゃァァァアア!!」

 

ビシッと指をさした銀時目掛けてスパァァンっと小粋の良い音をたててハリセンがヒットした。

 

「いつつ、おい。凶器(新八)いきなり何するんだよ」

 

銀時は叩かれた頭をさすりながらハリセンを持って仁王立ちした新八を見た。

 

「何するんだよじゃないわァァア!!人が黙って気絶してたらボケ放題で!!あんたこそなんだ?眼鏡紋って!!いや、それよりもフィルチさん死んでないですからね!!」

 

色々言いたいことがあったのだろう。

 

一気にまくし立てる新八であった。

新八はおもむろにため息をつくと眼鏡をクィッとあげた。

 

「だいたい、あの雰囲気なんなんですか?」

 

「いや、作者がよォ。なんかサスペンス的なもん書いてみたいなって言ってたような、言ってないような」

 

「そんな曖昧な理由であの雰囲気始めたんかい!!」

 

銀時の言葉に鋭く突っ込む新八。

やはり突っ込みと眼鏡しか存在価値のないキャラである。突っ込みがとてもしやすい。

 

「いや、突っ込みと眼鏡しかってどういうことォォオ!?」

 

ほら、ナレーションにまで突っ込むくらい突っ込み色だ。

 

「……っだ、大体土方さん!!あなた突っ込みじゃなかったんですか?なんで銀さんと一緒にボケなんか……」

 

どうやら、ナレーションに逆らうのは危険だと感じ突っ込み相手を土方に変えたようだ。

土方はフゥッとため息をつくと遠くを見つめた。

 

「突っ込まなかったらあとでマヨくれるって約束したからな」

 

「何、警察が買収されてんだァァア!!」

 

新八は大声で叫ぶ。

すると、そのせいか死体役のフィルチが身じろぎを始めた。

どうやら、目を覚ますのも時間の問題のようだ。

 

「オイオイ、どうするよ。新八がキャンキャンうるさいから起きそうだぜ」

 

「チッ、空気読め眼鏡」

 

「ちょ、二人して僕が悪いの!?それならほんとすいませんでしたァァア!!」

 

銀時と土方、二人の言葉にわけが分からずとりあえず新八は謝った。

 

すると、神楽が首を傾げる。

 

「銀ちゃん。このオッサン起きるとヤバいアルか?」

 

「あー、そりゃ校則破ってるからな」

 

銀時が言うと神楽はじっとオッサンという名のフィルチを眺めた。

 

「ここはやっぱあれじゃねぇ?全責任取って新八が囮に」

 

「あー、なるほど。それは名案だな」

 

「いや、名案じゃないでしょ!!ってかどうして僕がッ!!」

 

「「眼鏡だから!!」」

 

「眼鏡だからって何ィィイ!?ちょ、神楽ちゃんもこの二人に何か言ってあげて!!」

 

グシャッ

 

「そう、グシャッ……グシャッ?」

 

言い争う三人の耳に神楽とフィルチのいる方から何か音が聞こえた。

 

三人は音を不思議に思い神楽のほうを向き、驚いたよう一声あげた。

 

「「「あっ」」」

 

三人が見た光景は、カニのように口からブクブク泡を吹いているフィルチがいた。

うん、ピクピクしている所を見るからに生きているようだ。

 

「え?ちょ、か、神楽ちゃん!!一体全体何したわけ!?」

 

「魔法で姉御のダークマターを出して食べさせただけヨ」

 

どうやら、魔法で江戸からあの可哀想な卵焼きを呼び出したようだ。

 

確かにフィルチの口元には泡の他に黒くジュウジュウいっている物体が付いていた。

 

「よくやった!!神楽。これで記憶なんざ飛んでるだろうし、証拠隠滅だな」

 

銀時は、グッと親指を立てて神楽の勇気ある行動を褒め称えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一部始終を見てしまったハリー達はブルブルと震えた。

 

「ね、ねぇ……あ、あの黒いのなんだったのかな?」

 

ロンがフィルチの口に付いた黒い物体をチラチラと見ながら呟いた。ハリーはロンの問いに知らないとばかりにプルプルと首を振る。

 

「と、とりあえず合流してみたらどうかしら」

 

ハーマイオニーがフィルチを見ないようにしながら言った。

このまま隠れていてもアレだし、相手は銀時たちなので一応大丈夫だと判断したのだろう。

 

ハーマイオニーが言うとハリーはコクンっと頷きゆっくりと銀時たちに近付いた。

 

 

 

 

ハリーたちが近付くと流石というか銀時たちはすぐに4人に気づく。

 

「おっ、ハリーじゃねぇか。ったく捜したぜ」

 

「あっ、良かった。無事だったんだね」

 

ハリー達、4人を見ると銀時と新八がホッとしたように言った。

 

「全く、どこで何をやっていたアルか!!」

 

「あまりルールは破るもんじゃねぇぞ」

 

神楽はハリー達を見るとマジックでフィルチの顔に落書きしながら言い、土方は何故かマヨネーズをフィルチの懐に忍ばせていた。きっとお詫びのつもりなのだろうが、フィルチにとっては有り難迷惑だ!!

 

「う、うん。ちょっと……」

 

ハリーはそれを見ないようにしながら口ごもらせた。

多分、一部始終を見てしまったとしても何してたか聞きたいのはハリー達のほうだろう。

 

 

とりあえず、8人は合流したので寮へと帰ることにした。

もちろんフィルチは壁に縋らせて放置である。

 

 

 

 

 

寮の談話室に着くとハーマイオニーは疲れたと言わんばかりに部屋に戻り、ネビルも色んな意味でプルプル震えながら部屋に戻っていった。

 

「ネビルの奴。なんであんな震えてんだ?」

 

「何か怖いことでもあったアルか?」

 

銀時が不思議そうに首を傾げると、神楽がハリー達に尋ねた。

ハリーとロンは顔を見合わせる。少し前ならネビルが怯えているのはあの怪獣犬のせいだと言えただろう。しかし、今は……

 

ハリーとロンはフィルチの状態を思い出しブルッと震える。

しかし、そんなこと神楽たちに言えるわけないので誤魔化すことにした。

 

「えっと……僕たちその犬に会って」

 

「犬?」

 

ハリーの言葉を聞くと銀時は首を傾げる。すると土方が腕を組んだままため息を付いた。

 

「あいつ犬なんかにびびっちまったのか?」

 

呆れたようにいう土方にロンが口を開いた。

 

「た、ただの犬じゃないんだよ!!大きくて頭が3つあって」

 

ロンは大きく手を動かし説明をした。ロンが説明を続けるにつれて神楽の目がキラキラと輝きだした。

銀時と新八はそれを見て嫌な予感がする。

 

「ねぇ、銀ちゃん。私その定春35号飼いたいアル」

 

嫌な予感的中である。

神楽の言葉に新八がブンブンと首を振る。

 

「いやいや、神楽ちゃん何言ってるの!!聞いた話だと頭が3つとかある犬なんだよッ!!」

 

「新八、酷いアル!!眼鏡の分際で犬差別アルか?眼鏡の分際で」

 

「いや、差別じゃないけど……って眼鏡の分際って酷くない!?しかも何で二回も!!」

 

「大事な事は二回言うとヨロシ」

 

「大事じゃないよね!!」

 

神楽の毒舌にショックを受けながら突っ込む新八。

そんな二人を見ると銀時はふわぁーっと欠伸を一つ。

 

「とりあえずよォ。もう、夜も遅いし詳しいことは明日にしねぇ?っつーわけで寝るわ」

 

銀時はきっぱり言うと立ち上がり自分の部屋へと向かった。

 

銀時が部屋に向かうとその場に居た者も皆、右習えといった感じに部屋へと戻った。

 

次の日、ハーマイオニーからあの犬は何かを守っていたからもう飼い主がいるのではないかと言われ神楽がしょんぼりとすることになる。

 

 

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