っと言うわけで第4訓です。
なんかタイトルに迷う。
銀時と神楽は婆さんの言った道筋通り歩いて行った。
すると暗い路地裏のような風景だった周りが明るくなっていった。
どうやら、無事にノクターン横丁から脱出したようだ。
二人はキョロキョロと辺りを見渡した。新八達がそばに居ないか調べたのだ。
しかし、ダイアゴン横丁はとっても広い……そう簡単に見つかるわけがない。
「銀ちゃん、待ち合わせ場所決めてなかったアルか?」
神楽の言葉に銀時はガシガシと頭を掻いた。そんな銀時に神楽はため息をつく。
「使えない男ネ」
神楽の言葉に銀時は口の端を歪ませ文句を言おうとするも……ふと、婆さんから貰った神楽の箱が光ってるのに気付いた。
「おい……その箱光ってんだけど……」
銀時は眉を寄せて箱を指差した。すると神楽が警戒も無しに箱を無造作に開けた。そして中に入っていた光ってるものを出した。光っていたのは真ん中に丸いガラス玉のついたシンプルな腕輪だった。
「銀ちゃん、腕輪が入ってたネ」
神楽は取り出して自分の腕につけるときっぱりと言った。銀時は神楽が腕につけている腕輪をじっと見つめた。
ちなみに先ほどまで光っていた腕輪は神楽が腕にはめた瞬間光らなくなった。
「ただの腕輪か?」
先ほどまで光っていたのだからただの腕輪ではないことは分かっているが、神楽の腕にはめた腕輪はあまりにも普通の腕輪のように見えるので銀時は思わずそう呟いた。
すると神楽は箱の中から、紙を取り出して銀時に渡した。
「銀ちゃん、これ……説明書みたいネ」
銀時は神楽の言葉を聞くと眉を寄せた。そして説明書を読み始めた。どうやら、神楽のつけた腕輪は捜し人を見つけ出す力があるようだ。使い方は至って簡単捜し人の顔を思い浮かべるだけだ。
銀時は読み終わるとじっと神楽を見つめた。神楽は瞳をキラキラと輝かせている。
「マジでか……凄いネ!!私早速やってみるヨ」
神楽はきっぱり言うと目を閉じて新八のメガネを思い浮かべた。すると腕輪が光り、ガラス玉の中に矢印が浮かんだ。
銀時と神楽は顔を見合わせガラス玉に浮かんだ矢印通りに歩いて行った。
しばらく歩いて行くと矢印はある店の中を差した。
銀時は店の看板をじっと見つめた。
看板には、『マダムマルキンの洋装店ー普段着から式服まで』っと書いてあった。
銀時と神楽はゆっくりとその店のドアを開けた。
中には藤色ずくめの服を着た、愛想のよい女がいた。
「おや、坊ちゃんにお嬢ちゃんもホグワーツなの?」
銀時が口を開こうとすると声をかけてきた。
「全部ここで揃いますよ……今、二人お若い方が丈を合わせてるからもう少し待っててね」
マダム・マルキンはそう言うと黒髪で眼鏡を掛けた少年の丈を合わせ始めた。
(ん?あれは新ぱ……ち?)
銀時は首を傾げて黒髪眼鏡の少年を見つめた。
「銀ちゃん、見つけた!!新八ネ」
神楽は黒髪眼鏡の少年に近付こうとするも銀時はガシっと神楽を掴んで止める。
「銀ちゃん?どうしたアルか?」
神楽は不思議そうに銀時を見つめた。
「新八、なんか違わねぇ?」
銀時が言うと神楽は首を傾げた。
「黒髪に眼鏡……新八の特徴ぴったりアル」
神楽が自信満々に言うので銀時は首を傾げながらゆっくりと新八?に近付いていった。
銀時と神楽はゆっくりと黒髪眼鏡の男の子に近づいた。黒髪眼鏡の男の子は隣にいる、青白い、顎の尖った男の子と話をしていた。
「新八!!その貧弱坊や誰ア……」
神楽は話していた二人のうち黒髪眼鏡の男の子に話しかけるも止まった。
「新八?」
「貧弱坊や?まさかそれは僕のことじゃないだろうね」
黒髪眼鏡の男の子は首を傾げ、青白い男の子は眉を寄せ文句を言っていた。
しかし、神楽は二人を無視すると銀時の方を向き驚いたように言った。
「銀ちゃん!!新八じゃないヨ。なんかこいつの周りキラキラしてるネ」
「あー、神楽。それは主人公オーラだ。銀さんの周りもキラキラしてるだろ?」
神楽の言葉に銀時は自分を指差し得意気に言う。しかし、神楽はブンブンと首を振った。
「銀ちゃんには全くダメなオーラ。略してマダオしか感じられないアル」
「マジでか……」
神楽の言葉に銀時は少し口の端を歪ませた。そうこう話していると黒髪眼鏡の男の子が話しかけてきた。ちなみに青白い男の子は親が迎えに来たのかいつの間にやら店から居なくなっていた。
「あの……あなた達は?」
黒髪眼鏡の男の子が首を傾げて聞くと、神楽がまず口を開いた。
「オイオイ、人に尋ねる前に自分が名乗るのが普通だろ?まぁ、仕方ないアルな……今回は特別に名乗ってやるヨ!!私は神楽ネ。そしてこっちのマダオが銀ちゃん」
「坂田銀時だ。まちがってもマダオじゃねぇからな」
神楽は銀時の口真似をして言うと、自己紹介をした。ちなみに銀時の自己紹介の時、銀時に頭を叩かれたのは言うまでもない。
「カグラとギントキですか?僕は……」
黒髪眼鏡の男の子が自分の名前を言おうとすると、店のドアが勢い良く開かれた。
「ハリー!!大変なことになった。どうやら、二人行方不明になったらしい」
ドアから現れたのは、ボウボウと長い髪、モジャモジャの荒々しい髭に隠れて顔がほとんど見えない大男が立っていた。
「ハグリッド!!行方不明って例の人達が!?」
黒髪眼鏡の男の子は目をパチクリさせて入ってきた大男に聞いた。すると大男は頷く。
そんな二人を見ながら銀時は首を傾げた。
「なぁ、神楽。ハグリッドって名前どっかで聞いたことねぇか?」
「……知らないネ、ハマグリの間違いじゃないアルか?」
神楽がそう言った時、大男の後ろから黒髪眼鏡の少年が現れた。
「ハグリッドさん!!やっぱり僕そこらへん探して」
「「新八!!」」
黒髪眼鏡の少年がハグリッドに言うも途中で台詞を遮られた。新八は自分が呼ばれた方向へと顔を向ける。
「ぎ、銀さん!!神楽ちゃん!!良かった……無事だったんですね」
新八は二人の姿を見つけるとホッと安堵の息を付いた。
新八はやっと合流できた二人としばらく話していたが、ハグリッドとハリーがこっちを見ていることに気づき慌てて紹介を始める。
「あっ、ハグリッドさん……この二人は行方不明者です。ほら、銀さんに神楽ちゃん!!自己紹介をして……あっ、ちなみに僕は志村新八です」
新八が言うと銀時は怠げに神楽は元気よくしゃべり出した。
「どーも、坂田銀時でぇーす」
「かぶき町の女王こと神楽アル!!」
そんな神楽の紹介にハリーとハグリッドは目を丸くさせた。
「え?女王?カグラはどこかの国の王族なの!?」
ハリーが聞くと神楽は胸を張り頷いた。
「いやいやいや、違うから!!神楽ちゃん、混乱するからやめて」
新八が違う違うと否定しながらハリーと神楽の間に入った。そして神楽に言い聞かせるように言った。
「むぅ……分かったネ。生産性の良い工場長で良いアル」
神楽は渋々とした感じで頷いた。するとハグリッドがしゃべり出す。
「次は、こっちの自己紹介だな。俺はルビウス・ハグリッド。ホグワーツの鍵と領地を守る番人だ。それでこっちが、ハリー・ポッター……お前さん達と一緒で今年からホグワーツに入学する」
ハグリッドが紹介するとハリーはペコッと頭を下げた。
「ハリーです。よろしく」
「おぅ、よろしく頼むわ」
「仲良くするアル」
「よろしくお願いしますね」
ハリーの言葉に三人は口々に答えた。それを見るとハグリッドは満足そうな笑みを浮かべた。
「はいはい、もう良いですか?そろそろお嬢ちゃんと坊ちゃん方の制服を合わせたいだけど、そっちの坊ちゃんは待っててね」
マダム・マルキンが新八に話しかけてながら銀時と神楽の手を取り踏み台の上に立たせた。
新八は言われた通りにその場で待つ。
「じゃあ、ハリー。俺達は買い物を続けるとするか」
制服の丈合わせなどは長くなりそうなのでハグリッドがハリーに向かって言うもハリーは首を振った。
「ハグリッド……その……僕はもう少しここに居たいな。シンパチも待つの暇だろうし」
ハリーの言葉にハグリッドとは少し驚くも頷いた。
「じゃあ、俺は本屋にあいつらを迎えに行ってくる」
ハグリッドはこうして本屋に向かって行った。
「ねぇ、シンパチ……あいつらって」
ハグリッドが行くときの言葉が気になったのかハリーはドキドキしながら新八に話し掛けた。ちなみにドキドキしているのはハリーにとって初めての友達になるかもしれないからだ。
「あー、あいつらってのは……僕達と同じ入学生ですよ。……ってかあの人達ほっといて本当に大丈夫なんだろうか」
ハリーの質問に答えながら新八は凄く不安になった。
しかし、もうどうすることも出来ないので……考えないことにしてハリーとしゃべり続けた。
ハリーと万事屋の三人がマルキンの店で楽しく話しているその頃、フローリシュ・アンド・ブロッツ書店では小さな騒ぎが起きていた。
「何ィィイ!!それは本当か……くぅ……まさかあの大人気エッセイ桂とエリザベスの攘夷日記が売ってないとは……エ、エリザベスゥゥウ!!」
大きな声で言っているのは電波男桂である。ちなみに探しているのは、桂の頭の中だけで人気絶讃発売中の『桂とエリザベスの攘夷日記』という名の本だ。
内容は、タイトルから想像がつくように攘夷活動を日記にしたような感じだ。ちなみに、3日に一回は万事屋に現れては銀時を攘夷活動に誘って殴られるという内容が書かれている。
そして、しつこいようだが、そんなものが江戸で人気になったことは一度もない。いや、これからもなることはないだろう。
土方は、目当ての本が無いことにがっくりと肩を落とした桂を見るとため息をはいた。
「チッ、こんな近くに標的が居るのに捕まえられないとはな」
土方は軽く舌打ちをして、不服そうに呟いた。そう……桂が土方の上に落ちてきた後色々とあってこの世界では桂を捕まえないと約束をしたのだった。
あ?色々が何かだって……適当に想像をしてくれ。
とりあえず……まぁ、色々とあったのだ。
「それにしても……あの野郎は……馬鹿か」
土方は桂を見ながら眉を寄せて呟いた。まぁ、それも無理はない。桂は土方の上に落ちてきてしばらくはエリザベス、エリザベスとマジでうざかった。敵味方関係無しに殺意がわくほどだ。
そして今もエリザベス、エリザベスと店員を困らせている。
(あんな野郎に俺ら真選組が手こずらされてたなんて……)
土方はそう思うと今日で何度目かのため息をつく。
「おい、総……あ?」
そして、沖田に話しかけようと隣を向くも……居なかった。
土方は眉を寄せると辺りを見渡した。
すると、少し遠くで店員と話している沖田を見つけた。土方はゆっくりと沖田へと近付いていく。
「……え?そんな本ですか?」
「えぇ、頼んだ通りそんな本が欲しいんでさァ」
少し近付くと沖田と店員の話しが聞こえた。どうやら、沖田も桂と同じで何かの本を探しているようだ。
「しかし、そんな本となると闇の魔術に……」
「闇?覚悟は出来てまさァ……だから瞳孔マヨネーズ野郎を滅するまほ……」
「総悟ォォオオオ!!」
沖田の台詞を遮って土方が沖田の名前を叫んだ。
そして、沖田を追っかけだす。店員は慌てて止めようとするが、それは止まるものではなかった。
店員は自分だけではダメだと感じ、もう一人の店員に助けを求めようとするもダメだった。
もう一人の店員は、エリザベスと叫んでる厄介な電波を相手にしていたのだ。
店員はため息をつくと魔法で応対しようかと杖を取り出しそして止めた。今日は教科書などを買いにくる生徒や親達で店内は混雑している。ただでさえ相手は器用に人の間を走り回っているのだ。こんな状態で魔法を使うなんて……出来ない。そう、店員が出来ることと言えば追いかけて止めることのみ……
「お、お客様おやめ下さい!!」
泣きそうな店員の声が店内に響いた。
ちなみにこの騒動はハグリッドがやってくるまで続いた。