通常より長くなりそうなので二つに分けました。
さて、なんやかんやありまして、ハリーや万事屋メンバーは土方たちと合流をしました。
「さて、皆揃ったし……最後の買い物杖でも買いに行くか」
銀時が代表していると皆はコクンっと頷いた。そして杖を買いに歩いて行……
「ちょっと待てェェエ!!なんですか!?これ……めちゃくちゃ話飛んでません!!」
新八が突然叫んだ。すると銀時は眉を寄せて新八を見た。
「おいおい、新八。言いがかりは止してくれない?」
「そうヨ。どこが飛んでるアルか」
「いやいやいや、飛んでますよ!!めちゃくちゃ飛んでるじゃないですか!!合流場面とか自己紹介とか」
新八の言葉に銀時と神楽は何のことだかっと肩をすぼめた。新八はその様子を見ると今度は土方たちに訴え出す。
「土方さん、沖田さん、桂さん!!良いんですか?こんななぁなぁで飛ばされてしまって」
新八が聞くと3人は一応反応した。
「あー……タバコ吸いてぇ」
土方はニコチンが切れたのか遠い目をしていた。
「早く読んで実行したいでさァ」
沖田は本屋で買った(脅した)闇魔術の本をじっと見つめていた。
「エ、エリザベスゥゥウ!!」
桂はいまだにエリザベスの名前を叫んでいた。
新八はその様子を見るとがっくりと肩を落とした。
ここには常識の通じる相手が居ないのかと思い始めたその時、遠慮がちに……しかしはっきりとした声がした。
「シンパチ」
そう、ハリーが新八を呼んだのだ。ちなみにハグリッドは用事でどっかに行っている。
「ハリー君……そうか!!ハリー君が居ましたね。もう、この人たちに言ってやってください」
新八がビシッと銀時たち5人を指さすとハリーが口を開いた。
「あのね、シンパチ。小説なんて主人公の所さえ書いてれば後はどうとでもなるんだ。だから早く先に進めよう」
ハリーの言葉に新八は愕然とした。その言い方ではまるで脇役に裂く時間はないと言っているようなものだった。
「え?ちょ……ハ、ハリー君?」
新八は動揺で目を左右に泳がした。そんな新八にハリーはにっこりと笑う。しかし、その笑顔純真無垢ではなく……黒々としていた。
「えぇぇぇ!?黒ォォオ!!」
新八は声高々に叫んだ。なんとハリーは腹黒いだったのだ。
さて銀時たちは最後の買い物……杖の売っている店へとやってきた。剥がれかかった金色の文字で扉に『オリバンダーの店ー紀元前三八二年創業高級杖メーカー』と書いてある。埃っぽいショーウィンドウには色あせた紫色のクッションに、杖が一本だけ置かれていた。中に入ると奥の方でチリンチリンとベルが鳴った。小さな店内に古臭い椅子が人数分置かれていた。銀時たちはチラッと椅子を見たが座らず店内を見渡した。周りは静かで、天井近くまで整然と積み重ねられた何千という細長い箱の山がある。
「いらっしゃいませ」
しばらく見ていると突然柔らかな声がした。ハリー、新八の二人はびくっとして飛び上がった。
その二人以外は気配に気付いていたのかそこまで驚くことはなかった。
柔らかな声を出したのはこの店の亭主、オリバンダーであった。
オリバンダーは、銀時たちを順々に見つめる。そしてハリーを見ると少し目を開かせた。
「おお、そうじゃ。そうじゃとも。まもなくお目にかかれると思ってましたよ、ハリー・ポッターさん」
ハリーのことを知っているようだ。
オリバンダーはハリーの両親の話を始めた。そして、ハリーに近付くと額の稲妻形の傷痕に触れた。
「悲しいことに、この傷をつけたのもわしの店で売った杖じゃ……三十四センチもあってな。イチイの木でできた強力な杖じゃ。とても強いが間違った者の手に……」
オリバンダーが言葉を続けようとするとゴトっと音が聞こえた。
オリバンダーやハリー、そして銀時たちはその音のした方へと振り向くと目を見開いた。
神楽が、杖を持ち罰悪そうに立っていたのだ。どうやら、オリバンダーの話が長くて退屈したらしく店内を捜索していたら杖が落ちてきたようだ。
「神楽ちゃん、何し……」
新八が神楽に向かって何かを言おうとするとオリバンダーが驚きと感嘆……そして喜びに満ちた声を上げた。
「おぉ……まさか、まさかその杖。お、お嬢ちゃん……お名前は?」
「神楽アル」
神楽が言うとオリバンダーは少し興奮したように言った。
「では、では、カグラさん……その杖振れるかね?」
神楽は頷くと杖を振った。すると周りに綺麗な丸い光が現れる。
「なんと……なんとまぁ……」
オリバンダーは感嘆をして呟いた。銀時たちは首を傾げる。そして新八が代表になって聞いた。
「オリバンダーさん、あの杖……なんか凄いんですか?」
新八の言葉にオリバンダーはコクンっと頷き語り始めた。
どうやら神楽の持っている杖には魔法力が数段に上がるある物質が入っているらしい。そのせいか、通常の杖より何倍も重いのだ。
そのため……今まで杖を振ることは愚か、片手で持つことも難しかった。
しかし、目の前の少女は持ちあげる所か振っているのだ……軽々と。しかも、杖との相性は抜群である。
オリバンダーはもう一度神楽を見た。そして銀時たちを一人一人見ていく。
よくよく見ればここにいる子供たちは皆不思議な魔力……っというか雰囲気を持っていた。オリバンダーは愉快そうに笑った。そしてポケットから巻き尺を出す。
「これは、これは楽しい杖選びになりそうじゃ……さて、子供たち拝見しましょうか」
さてさて、しばらく時間をかけて神楽を除く6人の寸法を測り終えた。まずは、ハリーから杖を選び始める。オリバンダーは、奥に入って行くと箱を持ってきた。そして中に入っている杖をハリーに持たせて振らせる。
すると相性が合わないのか店内にある箱が衝撃を受けたかのようバンバンと落ちてきた。
そのたびにオリバンダーはこれは、ダメだ。だの、合わないな……など言いながらハリーに合いそうな杖を探す。
何回か試すとオリバンダーは何かを思い出すかのよう、埃の被った箱を持ってきた。
そして箱の中から杖を取り出しハリーに渡した。
「これはめったにない組み合わせじゃが、柊と不死鳥の羽根、二十八センチじゃ」
ハリーはオリバンダーの言葉を聞きながら杖を振った。すると先程神楽が出したように丸い光が現れた。
『おぉー』
銀時たちはハリーに対して感嘆の声をあげる。するとオリバンダーは不思議そうに口を開いた。
「不思議じゃ……まさかこんな……不思議じゃ」
「ふむッ……オリバンダー殿、何がそんなに不思議なんだ?」
桂が首を傾げて聞いた。ハリーも同意見なのかコクコク頷いている。
「ヅラさん。わしは自分の売った杖はすべて覚えておる。全部じゃ……この杖に入っている不死鳥の羽根はな、同じ不死鳥が尾羽根をもう一枚だけ提供した……たった一枚だけじゃが。ポッターさんがこの杖を持つ運命にあったとは不思議なことじゃ。兄弟羽が……なんと、兄弟杖がその傷を負わせたというのに……」
ハリーは段々と身を震わせ始めた。その様子に銀時たちは顔を見合わせた。そして銀時は身震いしているハリーの手を握った。
ハリーは驚いて銀時を見る。すると銀時はオリバンダーに向かって口を開いた。
「じいさん、そろそろ俺らの杖を合わせてくれねぇ?」
銀時が言うとオリバンダーはハッとし、しゃべるのを一旦やめた。
「おぉ、そうじゃった。そうじゃった。では、次はギントキさんでいいかのう?」
銀時はコクンっと頷くとハリーの手を離した。するとオリバンダーは奥から箱を幾つか取ってきた。そして箱を開けて銀時に渡す。
「だ、ダメじゃ!!ダメじゃ」
銀時が杖を振ろうとすると慌てて止めた。どうやら相性が全く合ってないどころか銀時の魔力に杖が耐えれないだろうと判断をつけたのだ。
それから何回も杖を握らせてみたが振る前に止められてしまう。
オリバンダーは眉を寄せた。どうやらこの店には銀時の魔力に耐えれる杖が無さそうなのだ。これは銀時の魔力が数段にデカいというわけではなく、他の魔法使いと違って魔力の質が刀のように鋭いのだ。
もちろん他の子どもたちも鋭いのだが、銀時ほどではなさそうだ。
ちなみにこの鋭さの差は剣術の差である。
オリバンダーは困ったように頭を抱えた。そしてふと銀時の腰にある木の棒に目がいった。
「ギントキさん……それを見せてくれますかな?」
オリバンダーが棒を指差すと銀時は眉を寄せて相手に渡した。
「なんと……なんと不思議な木。ギントキさん……あなたの杖はこれで作ってもいいかのう」
オリバンダーが言うと銀時は少し考え込むも仕方なさげに頷いた。銀時が頷いたのを見るとオリバンダーは嬉しそうにした。見れば見るほど不思議な魔力が込められている棒だった。まるで妖精でも住んでるような神々しさもある。実際に住んでるのは髭面のオッサン仙人なのだが
オリバンダーは楽しそうに笑うと木の棒を持って奥へと入っていった。
オリバンダーが奥に入って一時間が経過した。どうやら奥で杖を作っているようだ。
「銀ちゃん、まだアルか?お腹すいた……もう限界ネ」
神楽はお腹を押さえて銀時に言った。確かに朝起きてすぐにこの世界に連れて来られたので朝食を取っていない。おまけに今は昼過ぎである。
「確かに……腹減ったなァ」
「そうですね……」
銀時の言葉に新八も頷いた。意識するとお腹がグゥーグゥーと鳴り始める。
「じいさん!!俺ら、ちょっと飯食ってくる!!」
銀時が叫ぶように言うと奥から返事が返ってきた。
銀時はその返事を聞くとハリー、そして土方たちを順番に見つめた。
「俺たちは飯食いに行くけど……お前らはどうするんだ」
「僕も一緒に行きたい」
「銀時!!親友を置いていくつもりなんて照れ隠しだなっはははっ」
「もちろん旦那に付いて行くに決まってまさァ」
「チッ……マヨネーズはあるんだろうな」
上からハリー、桂、沖田、土方である。ちなみに桂がしゃべった時に銀時から親友じゃねぇよ!!っと突っ込みがあったのは言うまでもない。
さて、オリバンダーの店を出た銀時たちは適当にレストランのような飲食店に入った。店内に入ると店員がやってきた。
「いらっしゃいませぇ~何名様ですか?」
「あっ、七名です」
新八が答えると店員は少し考えて席へと連れて行った。案内された場所について見るとそこは6人席であった。
「すいませーん……7人席は無いんで、この椅子で我慢してください」
店員はそう言うと椅子を置いて去っていった。
「銀さん……何ですか?あの椅子」
新八は店員の置いていった椅子を見ると眉を寄せた。そして突っ込んでいいのかどうか悩んだ。ここが江戸なら迷わず突っ込むのだが、ここは異世界。しかも魔法世界である……もしかしたらこれは普通なのかもしれない。
「さ、さぁな……まぁ、とりあえず沖田くん……座りなよ」
「えぇー!!銀ちゃんなんでサドアルか?私もあれ座ってみたいヨ」
銀時は椅子を見て座るに相応しいだろう人物を指摘した。もちろん神楽と沖田、そしてハリー以外はウンウン頷いた。
「プププッ、チャイナ残念だったな。旦那は俺をご志望なんでさァ」
沖田はニタニタ笑いながら、椅子に座った。ちなみに先程から話題に出ている椅子だが、普通の椅子とはまったく違う。そう、想像するならRPGに出てくる魔王が座りそうな椅子であった。
「怖いくらい似合う……さ、さぁ、皆さん!!早く何か頼みましょう!!」
新八がボソッと呟くと沖田の目がキラリと光った。すると新八は慌てて皆を座らせて言った。
最初に反応したのは神楽だ。椅子のことで不機嫌そうにしてたのだが、新八の言葉を聞いた瞬間嬉しそうに銀時を見た。
「銀ちゃん!!銀ちゃん!!どれくらい食べて良いアルか?」
「あ?……どうせジジイの金だ。お前らガッツリ食うぞ!!」
銀時がきっぱり言うと神楽はメニューの端から端まで注文した。他の皆も大量に頼みだした。もちろんその様子に店員とハリーは目をまん丸くして驚いていた。