攻撃したらその反動で死ぬぐらいのクソ雑魚だけど、どうにかしてこの死にゲーを生き延びたい 作:エターナルスランプⅡ
僕がこの力に気付いたのは、五歳ぐらいの時だろうか。外で遊んでいる時、森に魔物が出て来て何の力も無い唯の子供である僕は成す術も無く殺された。それで僕の人生は終わった。
──筈だった。精一杯の抵抗として、何の意味も無く瞑っていた目を開くとそこには僕を殺した筈の魔物はそこからいなくなっていた。夢だったのかと思い、家に帰ろうとしたら運が悪くさっきの魔物に会ってしまった。
そして避ける事も出来ず、魔物の拳が僕の体に刺さって死んだ。
それから少ししてまた意識が戻った。それで漸く、これが僕の
それから、数十回死んで、どうにか幼馴染が魔物をワンパンして休止に
前世での僕の事は別にどうでも良い。語るほど面白い所も無いし、普通の人生だったから。それより、この世界の事だ。この世界は前世で流行っていたゲームに似ている。と言うか、恐らくゲームの世界に転生したのだと思う。
ゲームの名前は【Re ポップ・ファンタジー】。タイトル通り、主人公の死が物語のカギと言う設定だった筈だけど。
このゲームは兎に角主人公がクソ雑魚すぎて、ストーリーに関係ない所で良く死ぬんだよね。勿論、ストーリーに関係ある所でも殺されるけど好感度上げをミスった仲間に殺される事もある。世界中から嫌われているのかってレベルで主人公の命は儚く、すぐ消える。主人公君って前世魔王だったりする?
あまりにも死にゲーすぎて、多くの人がクソゲー扱いして投げ捨てるほどのゲームだったと記憶してる。まあ、僕もその一人なんだけどね。
で、本題はここから。
なんと、どうやら僕はその死にゲーの主人公らしい。嫌だなぁ、死にたくないなぁなんて思っても仕方が無い。何でそんな主人公になってしまったんだなんて言っても、勝手に僕は死ぬしストーリーは始まるしそれはもう誰にも止められない。
どうにかなるべく死なずに、人生を全うしたいのが僕の本音だ。だから本当は家の中で引きこもっていたいんだけど。
「カイ!いつまで寝てるの?今日は貴方の十五歳の誕生日。先に旅立ったエレナちゃんに追いつく為、冒険者を目指すんでしょ?」
母さんにそう言われて僕の何十年にも及ぶ長い引きこもり計画は、初日で頓挫した。アレから僕は数え切れないぐらい死んだ以外は普通だ。歩くだけで転んで死ぬのだから。僕の体は弱過ぎる。こんなんで冒険者なんか出来るのか?
あ、でも最近記憶には無いけど魔物を倒せているからひょっとしたら実は強くなってるのかもしれない。魔物に会ったところまでは覚えているんだけどね。記憶がね、ちょっと消えてて。
いや、本当は知ってる。数日前の死でそんな事は無いと知っているんだけど、知らんぷりをしておく。辛い現実からはほんの少し距離を置いておくのが、長生きのヒントだ。
でもそんな日常を捨て、僕は幼馴染のエレナの後を追って冒険者として出なきゃ行けない。今エレナは王国騎士団からスカウトされて冒険者から、騎士になっているらしい。
Re ポップファンタジーは、やっていく内にエンドが変わるマルチエンディング式らしい。その中のトゥルーエンドが幼馴染エンドらしいので、僕はそれを狙っている。
まあ、上手く行くかは分からないけど、頑張るしか無いよね。それがハッピーエン……ドだよね?幼馴染に刺されるのがこの世界のトゥルーエンドですとか言わないよね?
ベッドから体を起こし、横に置いてあった衣服に着替え母が待つリビングに向かった。
「おはよう、母さん」
僕は朝ごはんを並べてくれている母さんにそう声を掛ける。因みに此処で外に出ずに引き篭もると、三日目に母さんの愛情が詰まった毒スープで僕は殺される。
その毒は致死性の毒では無く、ゆっくりと体に周りジワジワと蝕んでいくタイプの毒だった。
『貴方の為よ。貴方の為を思って結果、こうなったのだから仕方無いわね。やっぱり貴方一人で魔物を倒せるとは思えないの。いつも、外に出て魔物と戦った後、記憶が消えていたでしょ?あれ、私がやったのよ』
そんな切羽詰まったヤンデレみたいな事を母親に言わせて、そして強くなったという最悪な死に方を数日前味わったばかりだった。
だから僕は外に出て、幼馴染に出会い何もせずヒモとして生きるエンドを目指す他無いのだ。例え、攻撃をしようとするとその反動で自分がダメージを受けて死ぬ運命だろうと。僕は戦わなくてはならない。
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