「都市伝説解体センター」解体小説   作:一般通過怪異

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一周年の盛り上がりに中てられ(特に「存在しない記憶」だらけのMVはずるい)、今日この日に投稿しようとプロット未完成のまま無理やり捻り出したため、次回投稿未定。閲覧注意。



それはそれとして――『Happy Birthday』





極個人的グレートリセット――『着任』

 

 

 

 

 

『あざみは…あの子は何も知らない』

『そんなあの子を』

『あなた方はどうする?』

 

 

 

 

 

 私こと福来あざみの趣味は二度寝と昼寝。特技は主にどこでも寝られること。

 まあ特技と言うか、どこでも気付いたら寝てるって感じだし、一度寝付いちゃったらそう簡単には起きないってよく言われちゃうので欠点でもあるんだけど。

 

 おかげで大学の講義とか人との待ち合わせとか、あとは最近始めることになった「アルバイト」に遅刻しないように、ちょっと、ううん。“かなり”強烈な目覚ましをかけてある。具体的には――

 

 

『朝だゾ――アザミ――!! 起きないカ――――イ!!』

「ぅひぃいいいっ!?」

 

 

 つんざくような爆音(おおごえ)を轟かせる、防音のしっかりした部屋じゃないとご近所迷惑待ったなしの“特注目覚まし”を。

 

 

 

「ぅぅ……この目覚まし(トシカイくん)、確かに目は覚めるんだけど、朝の清々しい気分まで吹っ飛ばしちゃうんだよなぁ」

 

 もちろん起きなきゃいけない時間に起きられないほうがダメだし、実際に何度か遅刻しちゃったこともあるから贅沢は言ってられないんだけど。

 

 それでも! もうちょっと寝起きの耳に優しい目覚ましを送ってくださいよ“センター長さん”!

 前に遅刻した時も“美桜”や“遊希さん”は笑って許してくれたけど申し訳ないし、社会人になった時に困るから何かいい目覚まし(ほうほう)ありませんかと尋ねたのは私だけど!

 

 まあ毎度頭の中で思うだけで、いつもの飄々とした笑顔で「あざみさんのご要望にお応えしただけですよ」とあしらわれる光景(ヴィジョン)が簡単に思い浮かぶから、実際に口にしたことはないけど。

 

 とりあえずこれ以上鳴ら(さわが)ないようスヌーズを切り、大きく伸びをして完全に意識を覚ます。

 ちょっと名残惜しいけどベッドから降りてまずは洗面所に行こうと思ったら、部屋の真ん中に置かれたローテーブルが色々な資料や小物で散らかっているのが目に入った。

 

 そう言えば今日の“調査”で必要になりそうなものを事前に整理しておこうと思って色々出したけど、途中でどうしても眠くなったからそのままにして寝ちゃったんだ。忘れないうちに鞄に詰めておくか。

 いつもの外出鞄(サッチェルバック)はどこかと見渡せば、壁際の勉強机の椅子に引っ掛けてあった。うわ、こっちはこっちで大学に提出するレポート用の資料が出しっぱなし。

 

 そのあたりの資料は後で必要になるかから隅に固めておいて、それから鞄を手にローテーブルへ戻ると、散らばった道具たちをしまってから壁掛けフックに掛けておく。ついでにその隣に同じく掛けられた、今日着ていく予定の洋服にしわや汚れが付いてないか、フリルが変に()れていないか確認する。よし、可愛い!

 他に何か忘れてるものはないかと()()()()()()()る「下手なワンルームアパート以上に広く充実した自室」を見渡してみるけど、ひとまずは問題なさそう。

 

 なので改めて部屋を出て洗面所へ向かえば、廊下から室内までセンサーライトで自動点灯。そして大きな鏡の備え付けられた広い洗面所とフカフカのタオル。

 まるでホテルで暮らしているような感覚になるけど、紛れもないマンションの一室なんだよね、ここ。ただし、私が知っているものとは全く別物の……。

 

 マンションなのにたくさん部屋があるし、至るところの高級感がすごい。おかげでここで暮らし始めた当初はあらゆる場所(こと)に戦々恐々としてたけど、今では普通に顔も洗えるようになって。

 最近は「人は慣れる生き物」って本当なんだなぁって実感する毎日だ。

 

 それから洗顔後、前は若さにかまけて――あとどうしても気になる洋服とかスイーツなんかを優先しちゃって――疎かにしてたけど、()()()()()()の高い美桜はもちろん“あの人”にも「せめて化粧水と乳液とかの基礎ケアだけでもやったほうがいい」って言われ。その上実際におすすめの品まで用意してもらっちゃってるので忘れず使っている。

 

 そうして朝の身だしなみを整えた後、朝ごはんを作るためにダイニングキッチンへ。「別に買い置きやデリバリーでもいい」って言われてるけどそれだと栄養バランスが崩れそうだし、なにより実質タダで部屋を貸してもらってるんだから炊事洗濯ぐらいは自分の手でやらないと!

 

 なんて意気込んだものの、人並みには器用だと思うけど料理が特別得意ってわけではないのでせいぜい簡単な炒め物とか、システムキッチンのオート調整機能で煮物なんかを作り置きしておくくらいしか出来ないから申し訳ない。

 とりあえず今日は“バイト”の日だし、自分の分はベーコンエッグにトーストとサラダで簡単に済ませて、“あの人”が起きてきた時に食べる分を何か作って冷蔵庫に入れておこう――

 

 

「相変わらず他人(ひと)のことばかりで、自分のことは後回しにしようとしてる?」

「うひゃいっ!!」

 

 

 何を作ろうか悩んでいたのもあって、死角から突然声を掛けられて思わず飛び上がってしまう。

 慌てて声のした方へ振り向けばいつの間に起きてきたのか。笑いながらダイニングテーブルに腰掛ける女性が一人。

 

「おはよう、あざみ。今日は寝坊しなかったね」

 

 私と同じボブカットで、パジャマ替わりなのかシンプルなTシャツに身を包んだこの人は「如月歩」さん。

 歩さんは私の――――

 

『私と同じ大学に通って』いる

『大学生活最初の友達』で

『部屋を貸してくれてる恩』人

 ……本当にそうなのかな? もう一度よく考えた方が――おっと、まだ早い――だよね!

 

 そうそう。私の友達でルームメイト――と言うか私が一方的に居候してる状況なんだけど――で、その上実は誰にも真似できないってくらいの“ある特技”を持ったすごい人なんだよね、歩さんは。

 

 出会いのきっかけは私が大学に入学したての頃。構内が広すぎて迷子になってしまって、それを見かねた歩さんが声を掛けてくれたんだ。

 ただ初めて会った時、私と歩さんの背格好や髪型、顔つきまでソックリで本当にビックリしちゃった。あとから知ったけど、そういう都市伝説――ドッペルゲンガーっていうのもあって、なんと自分のドッペルゲンガーと遭遇したら死んじゃうらしい…………怖い!!

 

 ま、まあ歩さんはもちろんドッペルゲンガーなんかじゃなく、色々お話もしてみたらなんと同じ情報学部で、さらには「幼い頃に両親が事故死して施設で暮らした」っていう共通点まであって、すっかり仲良しになったんだ。

 

 それに似てるって言っても見た目だけで、遠目から声をかけられる時はともかく、近くで顔を合わせた相手から間違えられることはほとんどない。歩さんのお兄さんである“努さん”や()()の遊希さんはもちろん、歩さんのすぐ後に友達になった美桜も分かってくれる。

 

 私はよく「雰囲気からフワフワしてる」とか「タヌキっぽい」とか言われる(これって褒められてる?)けど、歩さんは逆に内面の知性がはっきりと滲み出てるというか、いい意味で私とは目つきが違うというか、ものすごくキリッとしてる。

 自他共に認めるソックリな顔のパーツをしてるのに、見るからに“デキる女”もしくはクールビューティーな人なんだよね、歩さんは、って。

 

「歩さん、どうしたんです? (おでこ)抑えて、痛いんですか?」

「いや、別に、なんでもない……ただ、もう少し控えめにして欲しいってだけで……」

「えーと、控えめ? あ。朝ごはんを控えめにすればいいんですか!?」

「あー……うん、そうね。あざみの“見送り”に起きてきただけでまたすぐ()()から、私の分は作らなくていいよ」

「わかりました。確かに頬っぺたも少し赤く見えますし、体調悪そうなら無理しないでくださいね」

()()()()()じゃないから大丈夫」

 

 そうは言うけど、やっぱり少し疲れが溜まってるみたいだから心配だな。昨日も夜遅くまで“仕事”をしてたみたいだし、あまり無理はしないでほしいけど……。

 

 歩さんの特技。それは私みたいな「なんちゃって情報学部生」とは違う、本物の「凄腕ハッカー」だってこと。それこそ世界的にも有名なIT企業とも関わる仕事をしたことがあるって聞いた時はすごく驚いた。

 

 そしてその報酬や今までに開発したプログラムの特許代とかで、同じ女子大生とは思えない金額をすでに稼いでいて。

 おかげで私たちが生活してるこのマンションの家賃も向こう数年分先払いしてるんだから、なんというか……もう、すごい。この部屋を選んだ理由も歩さんが高級志向とか贅沢したいからとかじゃなく、純粋に“セキュリティ上の問題”だって言うんだから、もはや別世界の話過ぎて嫉妬すら浮かんでこない。

 

 そんな天と地ほどに違う歩さんと私が一緒に生活してるのは、ひとえに歩さんの好意に私が甘えてるというか……。

 

 “施設”を出た後アパートで一人暮らしだったんだけど、大学に進学してしばらくした頃に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 慌てて新しい部屋を探したけど「いいな」と思ったところが()()()()()()()()()()り、かと思えば()()()()()()()()()()()()()()()()()()たり。とにかく住む場所が見つからなくて。

 

 でも退去(ひっこし)のリミットだけは刻一刻と近づいてきていて、もうどうしようと泣きそうになってた時に歩さんが「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から、しばらくそこで暮らす?」と誘ってくれた時は、まるで後光が射して見えた。

 しかも移転の手続きとか業者の手配とかまで「最近はネットで簡単に()()できるから」ってほとんどやってくれたのも、すっごく助かったんだけど……。

 

 引っ越し先として遠くから眺めたことしかないタワーマンションに連れてこられた時は、生まれて初めて絶句っていうものを体験した。

 それからエントランスとかエレベーターとかどこをどう通って来たのか()()()()()()()()()()し、()()()()()()部屋まで辿り着いてて、自分で自分にビックリしちゃった。

 

 当然、いくら余ってる部屋の一つとは言え好意で貸してもらうにはあまりにも申し訳なさ(高級)すぎるので、すぐに身の丈に合ったアパートを探して出ていくつもりだったのに――紆余曲折あって(いつのまにか)完全にもう“我が家”って感じになっちゃってて……これって本当に現実?

 

「あざみ。考え事するのはいいけど、時間は大丈夫?」

「……え? あっ! もうこんな時間!?」

 

 一人で食べるご飯は味気ないからと、()()()()()()()()()()()(打合せ?)をしながら私の朝食に付き合ってくれていた歩さんに指摘され時計を見れば、確かに予定より少し押し気味になってる。歯を磨いたり着替えたりすることも考えると、ちょっと慌ただしくせざるを得ないかも!

 

「すみません、歩さん! 食器は帰ってから洗います! もし歩さんも何か食べたら一緒に置いておいてください!」

 

 本当はきちんと片づけてから出発したいけど大目に見てください!

 なんて。我ながら(せわ)しなくしていると、後ろから歩さんに呼び止められた。

 

「あざみ」

「は、はい? 何かありました?」

「――気を付けてね」

「へ? ……あ、はい。ありがとう、ございます?」

 

 

 

 

 

 ――歩さん、どうしてあんなこと言ったんだろう?

 

 改札機にスマホをかざしながら通り抜け、人ごみに揉まれながらターミナルを抜ける。

 電車の揺れのせいか()()()()()()()()()()()()()()()けど、無事予定の駅で降りることができて安堵しながら歩いている最中に、フッとそんな疑問が浮かび上がってきた。

 

 別に歩さんに見送られたり、その時に一言二言声をかけられるのは珍しいことじゃないはずなのに、なんだろう? 今日のは少し違和感があったような?

 

「……っ!」

 

 なんとなくモヤモヤしたものを感じていたけど、駅から出て降り注いできた太陽の眩しさに一瞬意識を持っていかれ。

 それから私の名前を呼びながら近づいてくる人影に、さっきまで感じていた疑問は一気に霧散してしまっていた。

 

「あざみー!」

「美桜! ごめんね、待った?」

「ううん、全然。あざみの方こそ寝坊しなかった?」

「し、しなかったよ。って言うか、待ち合わせに遅刻したのはあの日一回だけだし、何度も謝ったでしょ、もお!」

「ふふっ、ごめんごめん」

 

 なんて謝ってくれるけど、顔が全然笑ってるよぉ。

 

 彼女の名前は佐藤美桜。学部は違うけど私と同じ犬神大学に通うお友達。

 濡羽(ぬれば)色って呼ぶんだっけ。キューティクルがしっかり光沢を持ったきれいな黒髪に、個人的にはメイクもいらないんじゃないかっていうくらい整った顔立ちが、ほんのりと乗せられたファンデーションやリップでさらに可愛らしく仕上げられてて、まるでアイドルやファッションモデルみたいなおしゃれ女子で大学でも結構評判。

 その大学のために田舎から上京したらしいから、東京(ここ)で暮らし始めてほんの数年なのに、正直東京育ち(わたし)よりよっぽど都会の“風景”に馴染んでると思う。って――

 

「な、なに? そんなに見つめて?」

「あ、ううん。その服初めて見るなって思って。すごくかわいいよ」

「気づいてくれた? そうなの! 実はこの前歩さんがプレゼントしてくれて、早速着てきちゃった」

 

 私が好きそうな服をわざわざ見つけてくれたらしくて、ここ最近では一番嬉しいプレゼントだったな。

 

 本当はただでさえお世話になってるから「貰えない」「お金は払います」って言ったんだけど、『前の“調査”で結構な無茶ブリされてたから、そのお詫びだと思って』ってことで押し切られちゃったのは心苦しいけど。

 でも実際、胸元のリボンや袖とかのフリルがとっても可愛くて、もしお店で見かけたら迷わず買っちゃうくらい私好みの服だから、これはもう家宝にするぐらい大切にしつつ着さ(つかわ)せて貰おうって割り切ることにしたんだ。その方が歩さんやこの服も嬉しいだろうし。

 

 そうして軽く雑談をして笑いあってたんだけど、一区切りがついた辺りで「それじゃあ行こうか、あざみ」って言われてビックリした。だって――

 

「行くって……まだ遊希さんが来てないよ、美桜?」

「あれ? 遊希君はしばらく努先生の手伝いをするから調査に参加できなくなったって、“センター長”さんからメッセージが来たんだけど……あざみは聞いてないの?」

「えぇえ! 何も聞いてないよ?!」

 

 慌ててスマホを確認してみるけど、特に通知は入っていなかった。

 

「昨日までそんな話なかったよね? 美桜にはいつそんなメッセージが送られてたの?!」

「ついさっき、だけど……時間的にはあざみが電車に乗ってる時かな?」

 

 美桜もスマホからメッセージが送られた時間を確かめてくれるけど、どういうこと? なんで美桜にだけメッセージを送って、私には教えてくれないんですかセンター長さん!?

 

 ――ピロンッ

 

「あっ! 今ちょうどセンター長さんから――」

 

『あまりにあざみさんの寝顔が幸せそうだったので無理に起こすのも忍びなく、美桜さんにのみメッセージを送らせていただきました。詳細はそのまま彼女からお聞きください』

 

 セ、センター長さん! また“千里眼”で覗き見を!? って言うか寝顔って、ちょっとウトウトしてただけじゃないですか! 普通に起こしてくれて構いませんから!

 

「……うぅ」

「と、とりあえず歩きながら説明するから、ひとまず出発しよう、あざみ?」

「うん? 確かに遊希さんが合流しないならここで待つ必要はないけど、“依頼者”さんとの約束の時間にはまだ早いよね。なんでそんなに急ぐ必要があるの?」

「えっと、本当に何も聞いてないみたいだから簡単に説明すると、来られなくなった遊希君の代わりに「調査のサポートしてくれる人員」を用意してくれたってことらしくて。だから先にその人との待ち合わせ場所に向かって欲しいんだって」

 

 遊希さんの代わりの人員……それって“新しいバイトの人”ってこと?

 

「つ、つまりこれから()()センター長さんの頼みで来てもらった助っ人さんに会いに行くってこと!? 私、全然何も準備とかしてないよ!?」

「私だってしてないよぉ。今日のメイク、ナチュラル系にしちゃったけど、もうちょっとしっかりしたのにして来ればよかったかな」

「美桜はもう十分可愛いよ! むしろそれ以上綺麗になられたら、隣に並ぶ私が余計に地味になっちゃうって……」

 

 なんて二人でしばらくやいやいと騒いでいたけど、さすがにこれ以上待たせるのは駄目だと気づいて急いで“その人”が待つ場所に向かうことに。

 メッセージに添付されてた位置情報だとそこまで遠くないから時間的には問題ない。でも()()センター長さんがわざわざ選んだ人っていうのがそこはかとない不安を煽り、急ぎ足で駅前の雑踏をなんとかかき分けていく。

 

「えーと、この辺りかな? ちなみに待ち合わせの人の特徴とかってメッセージにある?」

「そのはずだけど……特徴は明るい髪色の――」

「――おーい! そこでキョロキョロしてるお二人さん。ひょっとして君らが「福来あざみ」さんと「佐藤美桜」さん?」

「「えっ?」」

 

 唐突に名前を呼ばれ、美桜と二人揃って振り返る。

 そこにいたのは明るい色の髪をお団子で二か所にまとめた(ちょっとコロネに似てて可愛い)私たちより少し年上の、見覚えのないジャージ姿の女性だった。

 

「おー、やっぱりそうじゃん。()()で見たより美人さんだね」

「えっと、すみません。どちらさまですか?」

「あれ? “お宅の上司”から聞いてない? ここで待ち合わせのはずなんだけど」

「あっ! じゃあひょっとしてあなたが……?」

 

 “上司”“待ち合わせ”というワードで、彼女が誰でなぜ声をかけてきたのかに思い当れば「よかったよかった。これで不審者扱いされたらちょっとショックだったわ」と、軽い口調で笑いかけてくる。

 

 

 

「ま、とりあえず自己紹介ね――――止木(とまりぎ)休美(やすみ)よ。テキトーに“ジャスミン”って呼んで」

 

 

 

 

 

 




ネタバレ的先だしキャラ紹介


・如月歩(黒幕)

あまりに使いやすすぎるご都合主義こと「ギフテッド」が全てを解決した。

最近極個人的に嬉しかったこと:■■■――「404 NOT FOUND」



・平坂遊希(全部知ってる)

「あざジャス」章なので出番なし。“振り”にあらず、出番なし。

最近極個人的に嬉しかったこと:二十歳になった時のお祝い(パーティ)でお酒を飲んだら、歩より強かったこと



・如月努(ほとんど知ってる)

上と同じく残念ながら出番なし。

なお歩()()と一緒に暮らしていないのはあざみに秘密にするためなどの意図はなく、純粋に兄として妹の世話になるわけにはいかないのと、“将来”のことも考えて(お互いに)そろそろ兄妹離れをしたほうがいいと考えたから(あと資料として集めている“曰くつきの品”を持ち込むのに配慮した)。
ただしやっぱり心配なので、何かあったらすぐ駆け付けられる程度には近所に住んでいるのであまり意味はないかもしれない。

最近極個人的に嬉しかったこと:メガネのフレームが少しガタつきだしていたが、それを見た“妹たち”が新しいものをプレゼントしてくれたこと



・佐藤美桜(大体知ってる)

あざみはもちろん、遊希や歩とも友人。“同じ学部”ということで先に遊希と偶然に知り合ったが、遊希は「なんとなく見覚えあるな」と最初全く気付いていなかった(さすがに数年経って原作知識は薄れていた)。
歩は当然気付き、“情報”通りなら()()な女なので「兄や遊希以外にも自分の“事情”を知ってる人間がいたら楽だろう」という打算のもと近づく。

しかし()()()()ほどではないが目に見えた地雷に突っ込んでいく(人の言うことに流されやすい)性格の美桜を段々と放っておけなくなり、また“自分たちのこと”を知っても大きく態度を変えなかったことで晴れて「本物」の友人に(最初の頃の“すりこみ”で多少「イエスウーマン」なところはある)。

原作において具体的に“いつ”“誰に”唆されて〇〇活を始めたのか明言されていないが、進学のために上京した後だと思われるので、大学ですぐに遊希たちと知り合ったことでイベントキャンセル。
一時的に厳しい財布事情にはなるがしばらくして「金払いのいいバイト」を紹介され、時々“大変な目”に逢いつつも充実した大学生活を送っている。

最近極個人的に嬉しかったこと:教えられたり助けられてばかりだった歩から、化粧やスキンケアなどについて相談されるようになったこと



・止木休美(error)

「福来あざみ――じゃ、あざみーね。美桜ちゃんの方は……ミッチー……いや、配信だと桜だっけ? ならサッチーかな。苗字も()トウだし」
「えっと、普通に美桜で大丈夫ですよ?」
「わ、私は良いと思いますよ“みー”! 可愛くて!」

最近極個人的に嬉しかったこと: Now Loading...



・福来あざみ(何も知らない)

「上野天誅事件」を乗り越え()()()()()で心身共に充実している歩だったが、それはそれとして人間不信、「他人への嫌悪感」は爆増。“心を許した相手”以外とのコミュニケーションはもちろん、通学や外出中の人混みなども多大なストレスが掛かるようになる。

しかし大学生活を控え、今後も社会生活を送る上で一切の対人関係を持たないことは不可能であり、何より(いもうと)の意思や考えを尊重しつつも“人との繋がり”を重要なものと考える(あに)の存在も大きく――心配や不安にさせないために――自己防衛も兼ねた「対人コミュニケーション用」の人格が爆誕。
より正確には「ストレスにより“新しい人格”が発生する兆候」を感じていたため、(かね)てより()()()()()()()人付き合いのいい(うってつけの)人格としてあえて誕生させた。

記憶の共有はされていないが、大学における対人関係はもちろん講義の受講なども任せているので、そのために必要な知識はきちんと与えられている。
よって情報学部生でありながら「HDDってなんですか?」などと戦慄の質問を投げかけてくる恐怖の存在はいない。

なおそれはそれとして()()()()模様。以下一例。


「――あ、あのっ! センター長さんと遊希さんに聞きたいことがあるんですが!?」
「はい? なんでしょうか、あざみさん」
「どうしたの、そんなに改まって?」
「そ、その、なんて尋ね(いっ)たらいいか…………セ、センター長さんと遊希さんって、本当は“どんな関係”なんでしょう?!」
「えっ?」
「……あざみさん、何故突然()()()質問を?」
「今までのTKCチャンネルのアーカイブを見てて思ったんですけど……遊希さんは歩さんとお付き合いされてるって聞いてたのに、配信のコメントだと、その、センター長さんと、と言いますか……あっ。あとまるで()()()()()()()()()()()()()()()()みたいな投稿(はつげん)もあって、一体全体どういうことなのか……」
「えーと……それは……」
「……なるほど、そういうことですか――――あざみさん。“ソレ”は単なる()()()です」
「え? か、勘違いですか?」
「はい。まず単純に(わたし)(かのじょ)の名前が似ていること。そして「チャンネルを開設したのは歩」ですが「センター長として活動しているのは私」、廻屋渉なので、どうもその辺りで私たちを混同している視聴者が一定数いるようなのです。まあ“実害”もありませんし、殊更強い口調で是正する必要はないと放置していましたが、そのせいであざみさんを混乱させてしまったようで。()()()()()()()申し訳なく思っています」
「……な、なるほど! そういうことだったんですか! こちらこそ、早とちりしちゃってすみません」
「いえいえ、ご納得いただけたなら構いませんよ。それとあざみさん。先ほども言いましたが、私たちとしては特別視聴者(かれら)のコメントに“否”を唱えてまわる必要はないと考えています。(こちら)から悪ノリすることもありますし。なのであざみさんも“そのような発言”を目にしても都度訂正したりせず、生暖かい目で見守ってあげてください」
「生……? ……えっと、はい。センター長さんがそう言うなら……」
(渉が何言ってるのかこっちは聞こえないけど……ちょっとチョロ過ぎないかい、あざみちゃん!!)
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