四冠(半端者)魔導師 作:息抜き
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後になって聞いた話しだが
どうやら空系統の上級魔導
【ランブルクラッシュ】は
無事発動していたと見て
間違いないものだった
いやはや刻系統には
無限の可能性があるな
ランブルクラッシュは元々上級の中では
消耗が少なく済む部類の魔導である
例によって環境に依存する魔導故
大きな欠点ー『曇天』の時にしか
使えないのである
今回は環境が手伝ったが
ほんの少しでも条件が違えば
禍根を残すことになっただろう
『階位』になろうとしない限りは
先ず詠唱式にすら興味が湧かないだろう
とは言え中々に危ない賭けだったと
言わざるを得ない
改めて
少ない魔力で発動でき
環境による助力があったとは言え
発動するか不安だった魔導
問題なかったことは幸いだが
「しかし、こうなっては世話がないな」
行き当たりばったりではいつか
足元を掬われるな
何はともあれベッドの上で暇を
持て余す僕にとっては
これ以上ない議題と言えるだろう
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街の慌ただしさに危うさが混じる
それと言うのも僕が
ナナミの街手前まで乗っていた馬が
発見、回収されたようだ
持ち主を含めた調査が
行われているとのことだったが
大凡盗まれたモノである見通しが
立った結果
街の中で規模の大きな捜索隊が動いているのが
現状である
僕はそんな様子をベットから見れる
窓辺から眺めていた
名乗り出れば情報は出せないことはないが
今は何としてでも面倒ごとは避けたい
何故なら
【スカウトスコープ】
『ゼノス』
緋/2
蒼/5
翠/2
空/8
魄/1
刻/10
『魔力線 16』
「う〜む」
魔力線を通せたので
【スカウトスコープ】を唱えたが
これが悩みの種になったのだ
増えた文言を見る限り詠唱式には
問題がなさそうであるが
気になるのは才能が軒並み低いと言う点だ
思考を巡らせども考案者ではない以上
これが何を示すのか
皆目見当がつかなくなった
「はぁ…」
ため息が止まらない
【スケールシフト】に加えて
【スカウトスコープ】も不具合を起こすとは
さて、どうしたものか
「ゼノス君!」
「おや?クレア先生!と…!?」
惚けるが如く空を眺めていれば
人影がこちらに歩いてきた
黒の長髪と眼鏡にセーター姿を見て
クレア先生であることが分かり
手を振ろうとし、急いで身を屈めた
「あれ?ゼノス君?」
僕はクレア先生の傍を歩いている2人を見て
冷や汗が《ドッ》と出た
何故あの二人がクレア先生と
一緒に居るんだ?いや、それより
声を聞かれるのは
何としても避けたい!
クレア先生の傍ー歩いている2人の少女は
こともあろうに先日助けた2人だった
偶然などではなく手を引いている姿は
恐らく親族絡みの2人だろう
幼い方はまだしも
姉らしき方には声を掛けてしまっている
今街を騒がしている渦中に
僕がいることが知られれば
面倒ごとは避けては通れなくなる
「どうしよう」
様々な選択肢を弾き出す
そうこうしている内にもクレア先生は
家の戸へと近づいている
居留守を使うべきか?
いや、顔を見せてしまっている
どうにか策を巡らせようと躍起になる
が
どれも問題ありとして却下する
「ええい、ままよ!…【アクセル】」
僕はその場から逃げ出した