女装癖男の娘とTS親友君   作:ゆずっこ

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「スカートとパンツ、どっちがいいかな?」

 

 とある休日の昼下がり。僕の親友────晴風ユウリは、我がもの顔で僕の家に居座っていた。

 

 それもそのはず。彼はある日突然、男子高校生から麗しい少女へと性転換してしまったことにより、戸籍が存在しない人間になってしまい、バイトを続けることもできずに借りていたアパートから追い出されてしまったのだ。

 

 

 あまりにも非現実的な事態に直面し、学校も休まなければならなくなってしまったこの状況に、精神的に参っているかと思いきや────

 

「そこでサンダー使ってくるなよっ!!!」

 

 ユウリは僕の視線に気づくことすらなく、ゲームに熱中していた。

 

「うーん……」

 

 ……とりあえず元気そうだからオッケー、なのかな?

 

 性転換してすぐのうちは精神的に不安定だったのか、極端に口数が少なかったり、僕に引っ付いて離れなかったりしたのだけれど……今はそんなこともないようで、ひと安心。

 

 ただ、一つだけ。どうしても気になることがある。

 

 それは僕が今目を向けている、ユウリの着ている服のことである。

 

 それはかつて、彼が通っていた中学校指定のジャージ。少しブカブカとはいえ、それが今彼が持っている服の中で、最もサイズの合う物なのだが────

 

「やっぱりもったいない……」

 

 化粧がなくても見惚れてしまいそうなほど整った顔立ちと、スキンケアをせずともスベスベでシミ1つないシルクのような肌。

 

 ここまで良い素材の魅力を、ジャージでは十分に引き出すことはできない。そう考えているのである。

 

 幸いなことに、僕は女装を趣味として様々な服を集めている。

 ユウリに似合いそうな服をいくつか見繕って、着てもらうことにしよう。

 

「ユウリー! ちょっといい?」

 

「ん」

 

 キリの良さそうなタイミングを見計らって、僕は提案してみることにした。

 

「スカートとパンツ、どっちの方が着たい?」

 

「はぁ!?」

 

 

 

 

 

「うんうん。よく似合ってるよ」

 

「うーーーん……まあ悪くはない、のかも?」

 

 ユウリが選んだのはパンツだった。

 

 『絶対に女物の服なんか着たくない!!!』と強く主張をするものだから、上はシンプルな青シャツにしてみたのだけれど、これがかなり良く似合っていた。

 

「でもこういうのはケイラが着た方が似合うんじゃないか……?」

 

「ユウリは自分の姿を今一度ちゃんと確認した方がいいよ」

 

 クールめな服装からは隠しきれない可愛らしさ。このちょっとしたギャップを僕が再現することは、そう簡単なことではない。

 

 ……薄々勘づいていたことではあるけれど、何を着せても可愛くなるんじゃないかな?

 

「おっ、おい? 無言で近づいてくるなよ」

 

 ノースリーブやカーディガン、ワンピースなんかも良いかな……でも今のままだとスカートは履いてくれないだろうし……

 

「あのー、ケイラさん?」

 

 うん。いつか必ずスカートは履いてもらうとして、今のところはボトムス中心にコーディネートしよう。

 そうとなれば、ユウリの小柄な体格に合った服をタンスの中から────

 

「何か言えって!」

 

「ごめん、つい熱中しちゃって……」

 

 気づけばユウリは壁に追い詰められて動けなくなり、僕は彼から数十センチ離れたところから、つむじからつま先までの全身を見つめていた。

 

 でもやっぱり、この姿のユウリを見て思うのは────

 

「可愛いね」

 

「かっ、かわっ!?」

 

 文句の付けようがないほどに可愛らしい姿。アイドルになれば数日で天下を取ってしまいそうなほどの輝きを放っている。

 

「そんなお世辞言うなって! こんな俺が可愛いだなんてこと、ある訳……」

 

「もしかして、鏡見てないの? そこらのアイドル顔負けの可愛さだよ」

 

「ほんとに…?」

 

 ユウリは懐疑心たっぷりの顔で姿見から自分の姿を確認すると、みるみるうちにその表情が変わっていくのが目に取れる。

 

「これが……俺……!?」

 

「ふふっ……」

 

 信じられないようなものを見る目で鏡の中の自分と視線を合わせながら体をペタペタと触るその姿に、笑いを堪えることはできなかった。

 

「とっても可愛いよ。良く似合ってる」

 

「ぐっ……でっ、でも俺は男だからな! あんま可愛いとか、言うんじゃない!」

 

 ユウリはプイっと顔を背けては、咎めるようにそう言い放つ。

 

 恥ずかしがってる顔を隠すためにそっぽ向いたんだろうけど……耳まで分かりやすく赤くなってるよ。

 

「ごめんごめん……じゃ、他の服も着てみよっか!」

 

「なんでそうなるんだよ!?」

 

「ユウリはこういう服を着るのは、いや?」

 

「…………別に、嫌いって訳じゃ」

 

「なら決まりだね!!!」

 

 早速僕はクローゼットの中から幾つか良さげな服を取り出してみては、あーでもないこーでもないとコーディネートを考えるのだった。

 

「ちょっ、ちょっと!? 頼むからスカートとかはやめてくれよ!?」

 

 ……そんなユウリの問いかけを、意図的に無視しながら。

 

 

 

 

 

 





不定期更新です。

早くユウリちゃんにスカートを着せたいですね。
2人とも女の子の格好をさせてデートさせるのも良いでしょう。

評価の分だけ更新が早くなる……かもしれません。
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