黒ずくめの男たちが一方的に斬りふせられていく。ローズ達の常識が、いや、魔剣士の常識が壊れていくような感覚。黒装束の集団が振るう剣は既存の流派にも当てはまらなかった。全く新たな流派だ。これほど流派が、これほどの集団が、何処から現れたのだろうか。
「今のうちに講堂を出るんだ!怪我人を運び出せ!」
生徒達は怪我人を運ぼとするが、少し煙臭い…。一体何が起きてるのだろう。すると、フードを被っているニューはシャドウに今何が起きているのかを報告する。火が回っているようだから、生徒達を早く脱出させた。
「シャドウ様、我々と一緒に脱出しましょう」
「ニュー達は先に脱出してくれ…。僕は確かめないといけない」
「……わかりました。ですが無理はしないでください」
ニューはそう言って、仲間たちを連れて脱出した。シャドウは目的の場所に急いで、向かうのだった。
副学園長室にはシェリーが戻ってきていた。だが彼女の顔はとても怯えた顔だった。黒幕の顔を見てしまったからだ。そう、自分が助けようとしていた父親が今回の黒幕だったのだ。嘘だと思いたかった。あの顔は黒幕が魔力で形成した顔だと思いたかった。しかし、次の一言で……
「おや?シェリーか…まさか見られていたとは」
そう偽物ではなかった。母親が亡くなった後に自分を育ってくれたルスラン副学園だった。
「どうして…お義父様…こんなこと…」
シェリーの問いに、ルスランは答えようとした。
「それはシェリーさんに強欲の瞳を完成させるためですね」
窓の外にベルが座っていた。いつから居たかは分からないが、シェリーはどういうことだと思っている。
「ほぅ…ベル・カゲノー君か…。君は何処まで私のことを知ってるのかね」
「貴方の部下から聞きましたよ。貴女は元ラウンズの一人だったということに」
何を言ってるの…ベル君。ラウンズ?私は聞いたことがない…それに私が知りたいのは強欲の瞳を完成させるという目的が気になる。
「2人は私がブシン祭で優勝し、頂点に立ったことは知ってるね?」
それは知っている。だがその後ルスランは病にかかり、一線を退いた。彼は魔力で病を治そうとしていた。しかしその為には膨大な研究と知識が必要だった。
「そんな時出会ったのが、シェリーの母、ルクレイアだ」
「私のお母様と……」
ルスランはシェリーの母親の力を利用し、共にアーティファクトの研究を行ってきた。そんなある日だった。ついに病を治せるアーティファクトを見つけた。それが強欲の瞳だった。
「これを使えば病を治すどころではない。富や名誉も意のままだ。」
ルスランは確信した。これで再び頂点に立てると。だが強欲の瞳が危険だと判断した者が居た。それがシェリーの母親、ルクレイアだった。彼女は強欲の瞳を国に託そうとした。
「まさか……!?」
「おや?勘付いたね。そうだ!シェリー、君の母親を殺したのはこの私だ」
「そんな……お義父様が……お母様を…」
「そうだ!手足から内臓へ徐々に刺し続け、最後に心臓を突き刺し捻ってやったよ」
育ててくれたルスランがまさか自分の母親を殺していたとは思ってもいなかっただろう。彼女の心はズタボロだ。ルスランはそこに追い打ちをかける。
「全く2人とも良いコマだよ」
「あ…あ…あ…あぁぁぁぁぁぁ!!」
シェリーは絶望してしまった。それもそうだ。自分を育ててくれた義父が自分の母親を殺し、自分と母親を利用していたと知れば、絶望するに決まってる。
「おや?ベル君、君は冷静だね?」
「冷静ですか?貴方にはそう見えるかもしれませんね」
そう、ベルは冷静ではない。この話を聞いて冷静でいられる訳がない。今でも手を出せる感情だ。
「貴方の発言は不愉快です。」
ベルは服装を変えた。黒いコート纏いフードを被った姿になった。それを見たシェリーは戸惑う。後輩がどうして先程、生徒会長であるローズを助けた人と同じ姿をしているのだろうか
「貴様はシャドウ!?まさかベル・カゲノー君!貴様がシャドウだったとは!!」
「それがなんだ?貴様には関係ない…」
「関係ないだと…!?」
「ああ…我が貴様を叩き斬るのだからな」
シャドウは何を言ってるんだ…?私はブシン祭で優勝し、頂点になった男。そして今では強欲の瞳を手に入れ、あの時以上の力を出せる!そんな私を叩き斬る?笑わせてくれる!その愚かな行為を後悔させてやろう!私は剣を抜き、シャドウも剣を抜いた。ククク、この勝負私の勝ちだ!
「そこだぁぁぁぁぁぁ!!」
最初はお互いの剣がぶつかり合う。ルスランは一度後に下がる。強欲の瞳で力を得たルスランは猛スピードでシャドウの首を斬ろうとした。だがいつの間にかシャドウの姿がなかった、それだけじゃない、シェリーの姿もなかったのだ。一体何処にいるのだと思い、周りを見る。突然、後ろから斬られた。そう、ルスランの後ろを斬ったのはシャドウだった。
「貴様ぁぁぁぁぁぁ!!」
自分が斬られたのが腹が立ったのか襲いかかるが、蹴り技や拳で顔面や腹を何度も殴られる。流石の強欲の瞳でもそこまでは強化出来ていないようだ。シャドウはルスランに止めを刺そうとする。するとルスランは笑い出す。一体何が可笑しいのだろうか?
「終わるのはお前達シャドウ・ガーデンだ!」
ルスランはそう言うのだった。彼は何故、部下達にシャドウ・ガーデンと名乗らせたのか。それは全ての罪をシャドウ・ガーデンに着せるのだった。すでに証拠も用意されている。いくらシャドウが強くても世間に追われ裁かれることになる。だが、突然シャドウは笑い出す。
「それがなんだ?」
「な…に…?」
「元々我々は正義の味方になったつもりはない。我らはただ我らの道を往く者。もし貴様に出来るなら、世界中の罪を持ってこい。その全てを引き受ける」
「世界の敵にして恐れぬと言うか!それは傲慢だぞシャドウ!!」
再びルスランは襲いかかる。シャドウはルスランの右手を刺した。続いては足も刺した。次々と刺しまくり、ルスランの首を掴み、胸のところを刺す。ルスランは分かってしまった。彼がこれから何をするのか
「…最後は心臓を突き刺し捻るだったな…」
「やめ…」
言おうとしたが、ルスランは亡くなった。シャドウはルスランの首を離し、そのまま外に出た。
次の日になり、シャドウが指名手配されていた。ミドガル王国は彼らを捕まえるため、捜査している。一方のシャドウ・ガーデンは指名手配されているシャドウの事を話していた。
「…世界中の罪を持ってこいね、彼も面白いこと言うのね」
「そうだね…。でも主らしい、言葉だよ」
「我らも主様の為に力をつけましょう」
流石シャドウ(ベル)ラブ勢だ……。ゼータは新しい子を連れてくると言い、学園に行くのだった。アルファやガンマは色々と聞きたいことがあるのだが……(ベルのことで聞きたいのだ)
ミドガル学園はしばらく休むことになった。昨日ひどい事件が起きて学園は壊れており、授業も出来ない。そのため、早い夏休みになった。そして、ベルはシェリーと一緒に母親のお墓参りに来ていた。犯人が判明したので、お祈りをしている。
「…ありがとうございますベル君」
「いえいえ…シェリーさん。本当に良いんですね?」
「はい…覚悟も決まっています!」
「分かりました…シェリーさん。もうすぐ迎えが来ます」
そう言うと丁度ゼータが来た。そう、シェリーはシャドウ・ガーデンに入隊するのだった。昨日シェリーが途中で消えたのは、ゼータが安全な場所に連れてたからだ。シャドウがルスランを倒したことを確信しその場から去ろうとしたが、シェリーに呼び止められた。
『貴方もシャドウ・ガーデンですか…?』
『そうだよ…何の用…』
『私もシャドウ・ガーデンに入りたいです!』
シェリーがそう言ったのだった。最初は戸惑っていたゼータだが、彼女の目は本気だった。ゼータは彼女を受け入れ、シャドウやアルファに連絡をした。2人から承諾され、シェリーもシャドウ・ガーデンのメンバーになった。
「じゃあ…また組織で…」
「はい!ベル君またね」
シェリーはそう言って、ゼータと一緒にシャドウ・ガーデンの組織に行くのだった。
今回如何でした、強欲の瞳編はおわりです、シェリーは研究者なのでイータと一緒に研究します。次は聖域編です、楽しみに待っていてください。感想と評価お願いします、次回もお楽しみに
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