前回もそうですが今回もまだ、微妙にしか変わりません。
さてさて、今回から一応原作開始の4月10日です。
原作のデアラと似たような文章が沢山あると思いますがご了承下さい。
では、まずは士道くんの眠れない深夜の話からご覧ください
「うがぁ……」
良い子も眠る丑三つ時。五河士道こと士道はめちゃくちゃ眠れていなかった。
いや、はっきり言おう今日(厳密には昨日)出会った「佐藤」という人間が
気になりすぎて眠れていなかった。
「あー.....。 くそ、なんでこんなに気になるんだ」
いやまぁ、近所の児童公園にあんな明らかに不審者な奴がいたら誰だって気になると思うが…
「さっさと寝よう。明日から学校だし……」
布団に包まって寝ようとしても眠気がなくて寝れなかった。
時刻を確認すると二時一七分、ひとつ夜風を浴びたいと思い。
寝間着の上にパーカーを着て家から出た。
〜〜〜◆〜〜〜
士道はサンダルを履いて散歩していた。
深夜徘徊だと通報されなくないので流石に大通りにはいかないが…
「気持ちいいな……」
ふと、士道は呟いてしまう。
歩き続けた。
そして、昨日佐藤と出会った公園が見え、なんとなくベンチに座り月を見上げた。
深い深い静寂に耳を澄ませ、少し落ち着くと。
「はっ…よくよく考えたら、なんでこんなしょうもない事ので眠れなくなってたんだろうな」
士道は苦笑し、眠気もきたので家に帰ろうとしたのだ…が、
『やあ、こんばんは。五河士道くん』
背後からその声が聞こえ即座に振り返った。
「な、なんで……」
狼狽し冷や汗をながす士道を他所に今回は仮面のみを付けている佐藤は軽く笑いながら言った。
『いやはや、偶然だよね〜。そんなことよりもさ、なんで君は”ここに居るの?"』
佐藤はこんな夜中になんで君は居るの?と聞いてきたんだろう。
だけど、士道には自分でも分からない別の意図で聞いているような気がしなくもなかった。が、今は息を落ち着かせて佐藤に聞き返した。
「佐藤こそ、こんな時間に何してるんだ?っていうか今もその仮面つけるのか?」
『あぁ、僕はね。ちょっと考え事をしてただけだよ、仮面はまぁ.....趣味かな?』
「なんだよその趣味。ていうか顔は見せてくれないのか?」
士道は呆れながらも言った。
佐藤は不思議そうに小首をかしげながら言った。
『ん?見たいの?特に面白味もない顔だよ?』
「顔に面白もクソもあるか?。ただ単に人と話すのにその仮面は邪魔だと思うんだが」
率直な感想を言った。
佐藤は士道の言葉が面白いと思ったのか、
『くひひ……。やっぱりお前は面白いな、まぁ安心しろよすぐに見れるさ。』
そう言い佐藤は去っていった。
士道はあのセリフよりも、「え、...笑い方怖いんですけど」と身震いしていた。
そして、『すぐに見られる』その言葉の意味をあまり汲み取らずに士道も公園を後にした。
因みに家に帰ると三時過ぎで士道は先程までの不眠が嘘のように爆睡した
〜〜〜◆〜〜〜
「おぇ……」
寝起きの気分は最悪だった....いや、良いと言えばそうなのか?
起きたのは朝の六時、眠気があるのに起きた気分である。
なぜだが知らない、無理やり起こされたわけでもないのに起きてしまった。
すると.......。
???:「およよ?寝坊助お兄ちゃんがもう起きてる。めっずらしいこともあるんだ〜」
ドアを半分開けてこちらを覗きながらそんな事を言うのは妹──琴里だった。
「あー…琴里。今日始めてこの部屋入ったか?」
士道は布団から降りながら言った。
琴里:「ほぇ?そうだよ?昨日頼まれたから起こしに来たんだけど…」
琴里は不思議そうに首を傾げ、「変なお兄ちゃん。じゃあ、起きてるんだったら早く降りてきてね〜」。そう言い残すと琴里は部屋を出ていった。
士道は、自分がこんな時間に外的要因無しで起きたのか?世の中には不思議なこともあるんだな〜と、思いながら服を着替えた。
〜〜〜◆〜〜〜
士道が寝ぼけ眼で降りてくると琴里は不満そうに唇を尖らせながら言った。
琴里:「お兄ちゃーん、起きたなら早くご飯作って〜 お腹ペコペコで死んじゃうー」
と、ゲル状のスライムみたいにソファに沿ってとろけた状態で。
「悪い悪い。すぐご飯作るから」
そう言って台所に立った。
二人揃って大手のエレクトロニクス企業に勤めている両親は、たびたび一緒に家を空けることがあった。 その際の食事当番はいつも士道が担当しているので、もう手慣れたものであるし、実際、母より調理器具の扱いには自信があった。
と、士道が冷蔵庫から卵を取り出すのと同時に、背後からテレビの音声が聞こえてくる。人型に戻った琴里が電源を入れたらしい。 そういえば琴里は毎朝、星座占いと血液型占いをハシゴするのが日課だった。
とはいえ大体の占いコーナーは、番組の最後と相場が決まっている。琴里は一通りチャンネルを変えたあと、つまらなさそうにニュース番組を眺め始めた。
が、その瞬間。士道はほんの少し目眩と頭痛がしてこめかみを手で押さえた。
アイスを食べて頭がキーンとする程度の痛みだ、すぐに頭痛は消えて士道は作業を続けた。
〜〜〜◆〜〜〜《
士道が高校に着いたのは、午前八時三十分を回った頃だった。 廊下に貼り出されたクラス表を適当に確認してから、これから一年間お世話になる教室に入っていく。
「げっ……。また、あいついるのかよ」
士道はクラス表にあったとある人物を見てため息を吐いた。
何とはなしに教室を見回してみる。 まだホームルームまでは少し時間があったが、もう結構な人数が揃っていた。 同じクラスになれたのを喜びあう者、一人机についてつまらなさそうにしている者、なぜか絶望している者。反応は様々だったが……あまり士道の知った顔は見受けられない。
「あいつ、まだ来てねぇのか?まぁ良いや先に席に座っとこう」
と、士道が黒板に書かれた座席表を確認しようと首を動かすと、
???:「──五河士道」 後方から不意に、静かで抑揚のない声がかけられた。
「ん……?」
聞き覚えのない声である。不思議に思い、振り向くと、そこには、細身の少女が一人、立っていた。 肩に触れるか触れないかくらいの髪に、人形のような顔が特徴的な少女である。そこは良いのだが、彼女の顔には表情のようなものが窺えなかったのだ。
「え……っと」
士道はきょろきょろとあたりを見回してから、首を傾げた。
「……俺のことか?」 自分以外のイツカシドウさんが見あたらないのを確認してから、自分を指さす。
???:「そう」
少女はさしたる感慨もなさそうに、まっすぐ士道の方を見ながら小さくうなずいた。
「な、なんで俺の名前知ってるんだ……?」
士道が訊きくと、少女は不思議そうに首を傾げた。
???:「覚えていないの?」
「……う」
???:「そう」
士道が言い淀んでいると、少女は特に落胆らしいものも見せず、短く言って窓際の席に歩いていった。 そのまま椅子に座ると、机から分厚い技術書のようなものを取り出し、読み始める。
「な……なんだ、一体」
士道は頬をかき、眉をひそめた。 何やら士道のことを知っているふうだったが、どこかで会ったことがあっただろうか。士道には一切なかった、というかあんな子と知り合いだったら嫌でも覚えていると思うが……。
その時……
???:「とうッ!」
「ふがっ」
と、士道が頭を悩ませていると、ぱちーん!と見事な平手打ちが背にたたき込まれた。
「ってぇ、何しやがる殿町!」 こちらの犯人はすぐにわかった。背をさすりながら叫ぶ。
殿町:「おう、元気そうだなセクシャルビースト五河」
士道の友人──殿町宏人。先程士道がため息を吐いたのもこいつがいたからである。
「……セク……なんだって?」
殿町:「セクシャルビーストだ、この淫獣め。ちょっと見ない間に色気づきやがっていつの間にどうやって鳶一と仲良くなりやがったんだ、ええ?」
そう言って、殿町が士道の首に腕を回し、ニヤニヤしながら訊いてくる。
「鳶一……? 誰だそれ」
殿町:「とぼけんじゃねえよ。今の今まで楽しくお話ししてたじゃねえか。俺はバッチリしっかり見てたぞ?」
言いながら、殿町があごをしゃくって窓際の席を示す。 そこには、先ほどの少女が座っていた。
ふと、士道の視線に気づいたのか、少女が目を書面から外し、こちらに向けてくる。「……っ」 士道は息を詰まらせると、気まずそうに目を背けた。
反して、殿町が馴れ馴れしく笑って手を振る。
鳶一:「…………」
鳶一とよばれる少女は、別段何も反応を示さないまま、手元の本に視線を戻した。
「ほら見ろ、あの調子だ。うちの女子の中でも最高難度、絶対零度とまで呼ばれてんだぞ。一体どうやって取り入ったんだよ」
もはや失礼にしか聞こえなかったが、
「はあ……? な、なんの話だよ」
士道は情報が汲み取れないかのように混乱しながら聞き返す
殿町:「いや、おまえホントに知らないのかよ」
「……ん、前のクラスにあんな子いたっけか?」
士道が言うと、殿町はまたも信じられないといった具合に手で口を覆って驚いたような顔を作って士道を見つめた。
「鳶一だよ、鳶一折紙。ウチの高校が誇る超天才。聞いたことないのか?」
「いや、初めて聞くけど……すごいのか?」
士道が首をかしげながら言う。
殿町:「すごいなんてモンじゃねえよ。成績は常に学年首席、この前の模試に至っちゃ全国トップとかいう頭のおかしい数字だ。クラス順位は確実に一個下がることを覚悟しな」
「はあ?なんでそんな奴が公立校にいるんだよ」
それが本当ならこんな所に居る人材じゃないと思うのだが。
殿町:「さぁてね。家の都合とかじゃねえの?」 肩をすくめながら、殿町が続ける。
「しかもそれだけじゃなく、体育の成績もダントツ、おまけに美人ときてやがる。去年の『恋人にしたい女子ランキング・ベスト13』でも第3位だぜ? 見てなかったのか?」
「やってたことすら知らん。ていうかベスト13? 何でそんな中途半端な数字なんだ?」
「主催者の女子が13位だったんだよ」
「……ああ」
士道は力無く苦笑した。どうしてもランキングに入りたかったらしい。
「ちなみに『恋人にしたい男子ランキング』はベスト358まで発表されたぞ」
「多っ!? 下位はワーストランキングに近いじゃねえか。それも主催者決定なのか?」
「ああ。まったく往生際が悪いよな」
「殿町は何位だったんだ?」
殿町:「358位だが」
「主催者おまえかよ!」
と、ひとしきり士道が叫んだあとに。
一年生の頃から聞き慣れている予鈴が鳴った。
「あ…」 そういえば、まだ自分の席を確認していない。
士道は黒板に書かれた席順に従い、窓側から数えて二列目の席に鞄を置いた。
そこで、気づく。「……」 何の因果か、士道の席は、学年首席様のお隣だったのである。
鳶一折紙は予鈴が鳴り終わる前に本を閉じ、机にしまい込んだ。 そして視線を真っ直ぐ前に向け、定規で測ったかのような美しい姿勢を作る。
「…………」
なぜか少し気まずくなって、士道は折紙と同じように視線を黒板の方にやった。 それに合わせるようにして、教室の扉がガラガラと開けられる。そしてそこから縁の細い眼鏡をかけた小柄な女性が現れ、教卓についた。
周りから、小さなざわめきのようなものが聞こえてくる。「タマちゃんだ……」「ああ、タマちゃんだ」「マジで、やったー」 「よっしゃー」 ──おおむね、好意的なもののようだった。
タマちゃん:「はい、皆さんおはよぉございます。これから一年、皆さんの担任を務めさせていただきます、岡峰珠恵です」
そう言って、社会科担当の岡峰珠恵教諭・通称タマちゃんが頭を下げた。サイズが合っていないのか、微妙に眼鏡がずり落ち、慌てて両手で押さえる。 贔屓目に見ても生徒と同年代くらいにしか見えない童顔と小柄な体躯、それにそののんびりとした性格で、生徒から絶大な人気を誇る先生である。
と、次にタマちゃんは廊下にいる人物を呼び掛けるように口を開く。
珠恵:「今日は皆さんに良いお知らせがあるんですぅ! 入ってきて良いですよぉ」
そして、ガラガラと教室のドアを開けてパット見では士道には見覚えのない生徒が入ってきた。
珠恵:「はぁい!今年からこのクラスの仲間となる転校生の…」
珠恵の言葉を続けるように入って教卓の前に立った転校生は答えた
『佐藤です。これからよろしくお願いします』
その……佐藤と名乗る生徒───
いたって平凡で、どこにでもいそうでどこにでも溶け込めそうで、街中で見かければほんの十数秒で記憶から消えてしまいそうな、そんな凡庸な見た目の青年はペコリとお辞儀をする。
「………」
思わず士道は変な汗をかき固唾を飲み込む。
士道以外のクラスメイトは特段何を思うわけでもなく転校生を歓迎するように拍手をした。
珠恵:「えっと、じゃあ席はですねぇ〜。あそこの窓際の席が空いているのでそこに座ってくださぁい」珠恵は指を指した、折紙の一つ後ろの席を…。
佐藤は自分の席に向かう途中に士道とすれ違いざまに
『ね?特に面白みもない顔でしょ?』と言った。
色めきたつ生徒たちの中、士道は表情を強ばらせた。とにかく落ち着かない。佐藤が唐突に転校してきたのも、左に座っている折紙がじいっと士道を見てくることも。
「……な、なんなんだ一体……」 誰にも聞こえないくらいの声でぼやき、士道は頬に汗をひとすじ垂らした。
その瞬間……
ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ───────────
「…………ッ!?」 教室の窓ガラスをビリビリと揺らしながら、街中に不快なサイレンが鳴なり響いた。
「な……なんだ?」 殿町が窓を開けて外を見やる。サイレンに驚いたのか、鳥が何羽も電線から空に飛んでいた。
と、サイレンに次いで、機械越ごしの音声が響いてきた。
『──これは訓練では、ありません。これは訓練では、ありません。前震が、観測されました。空間震の、発生が、予想されます。近隣住民の皆さんは、速すみやかに、最寄りのシェルターに、避難してください。繰返します──』 瞬間、静まり返っていた生徒たちが、一斉に息を呑んだ。
──空間震警報。 皆の予感が、確信に変わる。「おいおい……マジかよ」 殿町が額に汗を滲ませながら、乾いた声を発する。 だが──士道や殿町を含め、教室の生徒たちは、顔に緊張と不安こそ滲ませているものの、比較的落ち着いてはいた。
少なくとも、恐慌状態に陥ったりする生徒は見受けられない。 この街は三〇年前の空間震によって深刻な被害を受けているため、士道たちは幼稚園の頃から、しつこいほどに避難訓練を繰り返しさせられていたのである。
加え、ここは高校。全校生徒を収容できる規模の地下シェルターが設えられている。
「シェルターはすぐそこだ。落ち着いて避難すれば問題ない」
殿町:「お、おう、そうだな」
士道の言葉に、殿町がうなずいた。 走らない程度に急ぎ、教室から出る。
廊下には、もう既に生徒たちが溢れ、シェルターに向かって列を作っていた。 と──士道は眉をひそめた。
そんな中に一人だけ、列と逆方向──昇降口の方向に走っている女子生徒がいたからだ。
「鳶一……?」 そう、スカートをはためかせながら廊下を駆かけていたのは、あの鳶一折紙だった。
「おい! 何してんだ! そっちにはシェルターなんて──」
「大丈夫」
折紙は一瞬足を止め、それだけ言って、再び駆け出していった。
「大丈夫って……何が」 士道は怪訝そうに首を捻りながらも、殿町とともに生徒の列に並んだ。
折紙のことは気になったが──もしかしたら忘れ物でもしてきたのかもしれない。
実際、警報が発令されたからといって、すぐさま空間震が起こるというわけでもない。すぐ戻ってくれば間に合うだろう。
が、しかし……
『なぁ、五河士道。』
そう言って士道に耳元で話しかけてくるやつが居た。
朝に空間震のニュースが無く、しかも空間震も朝すぐに起きた。さてさて「デート」の世界はどんなふうになるんでしょうねぇ