TS魔法少女 響   作:ときんときん

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第2章 : 第12話

 

 

 

 

 

 

 

 昼休みが終わり、次の授業の準備をするざわつきの中、教室の扉が開いて、キョウが戻ってきた。すでにジャージ姿に着替えているその姿に、数人の女子が目を丸くする。

 

「あれっ、キョウちゃん、もう着替えたの?」

 

 声をかけてきたのは、よく話しかけてくれる明るいタイプのクラスメイトだった。キョウはちょっと気まずそうに笑いながら肩をすくめる。

 

「あぁ。俺、先にグラウンド行ってるから。」

 

「キョウちゃん張り切りすぎ〜!」

 

「体育好きなの?」

 

「そ、そうなんだよ、あはは……。」

 

 笑いながらからかってくる声に、他の子たちもつられてクスクスと笑う。キョウは頬を引きつらせながらも、その場をやり過ごす。

 

 そうして更衣室へと向かうクラスメイトたちを見送る。

 

(いや、普通に考えて駄目だろ……。)

 

 教室を出ながら、キョウは心の中で毒づいていた。いくら中学生とはいえ、女子更衣室に堂々と入るなんて選択肢は最初からない。

 

 だから、休み時間が始まったと同時に誰よりも早くトイレに駆け込んで、こっそりジャージに着替えたのだ。それも普通のトイレじゃなくて、多目的トイレである。

 

 (女学院だから、なかったらどうしようかと思ったけど……あって助かった。)

 

 少し汗ばんだ手のひらを制服のポケットで拭いながら、キョウは小さくため息をつく。まだ始まったばかりの学園生活、思っていたよりもずっと神経を使う。

 

  グラウンドに出ると、初夏の風がジャージの裾をふわりと揺らした。日差しはやや強かったが、空はどこまでも青く、雲一つない。キョウはベンチの影に腰掛けて、やや緊張したように周囲を見渡した。

 

 やがて、わらわらと生徒たちがやってくる。笑い声や話し声が広がり、いつの間にかグラウンドの空気がにぎやかに変わっていく。

 

「キョウちゃん、お待たせー。」

 

「今日は体力テストなんだって。」

 

 そんな声がどこかから聞こえてきて、キョウは小さくうなずいた。なるほど、それでみんな浮ついた感じだったのか。

 

(さっきは体育好きなんだって言われて曖昧に返しちゃったけど、実際体育は嫌いじゃなかったんだよな。)

 

 まあ、社会人になってからは運動なんてほとんどしなかったけど——。

 

 キョウは腕を軽く振ってみる。思ったよりもずっと、体が軽い。いや、軽すぎるくらいだ。全身がしなやかに動く感覚に、思わず笑みがこぼれた。

 

(若い体ってのはすごいな……。)

 

 しかも、魔法少女として動いていたとき、彼女は確かに感じていた。普通の少女より、ずっと身体能力が高くなっているという実感を。

 

(これは……いい記録、出せちゃうかもな)

 

 キョウの胸に、わくわくとした気持ちが広がっていく。久々に全力で体を動かせるのが、純粋に楽しみで仕方なかった。

 

「位置について、よーい……」

 

 ピッと笛が鳴る。キョウは勢いよくスタートを切った。

 

 ——はずだった。

 

「えっ……?」

 

 勢い込んで走り出した瞬間、周囲の女子たちが軽やかに加速していくのが視界の端に映った。あれ、こんなに速かったっけ? いや、むしろ自分が遅い?

 

(う、うそだろ……?)

 

 必死に足を動かすも、地面を蹴る力がまるで逃げていくようで、どんどん離されていく。胸が焼けるように熱くなり、呼吸が追いつかなくなる。

 

 ゴールテープが見えたときには、既に他の子たちは走り終えて振り返っていた。

 

「キョウちゃん、大丈夫!?」

「顔真っ赤だよ!」

 

 肩で息をしながらキョウはへたり込みそうになりながらも、「だ、だいじょうぶ……」と笑って見せる。だが内心では──

 

(こ、こんなはずでは……!)

 

 そう思わずにはいられなかった。

 

 その後も体力テストは容赦なく続いた。

 

 ——球投げ。

 

 手のひらに乗せた鉄球がずしりと重い。まるで鉛玉のように感じられ、思い切り投げたつもりが、ぽとん、と手前で失速して落ちた。

 

 ——幅跳び。

 

 助走をつけて踏み切った瞬間、自分でも呆れるほど跳べていないのがわかった。見ていた生徒が小さく「あっ……」と口を押さえるのが見えた。

 

 ——握力測定。

 

 測定器を握るが、力が入らない。手がぷるぷると震えるだけで、結果は「17.5kg」。こんな記録見せられない、とキョウは即座に測定器のリセットボタンを押した

 

 ——シャトルラン。

 

 何回かは耐えたが、あっという間に息が上がり、足がもつれた。自分でも驚くほど早くリタイアの手を挙げた。

 

 (ちょっと、嘘だろ……俺、こんなに運動できない……?)

 

 プライドがじわじわと削られていくのを感じながら、そんなときに──

 

 「キョウちゃん、すごーい! めっちゃ柔らかいじゃん!」

 

 そう言われて顔を上げると、周囲の女子たちが長座体前屈の結果に感心していた。前屈したキョウの指先は、メジャーのはるか先まで伸びていた。

 

 「ほんとだ〜、体柔らかすぎ! うらやましー!」

 

 ぱちぱちと拍手まで起こる中、キョウは笑顔を作りながら、心の中で泣き叫ぶ。

 

 (違う……違うんだ……! こんなはずじゃないのに……!!)

 

 体力テストを終えたキョウは、グラウンドの隅に腰を下ろしていた。足は重く、息はまだ少し荒い。顔に貼りついた前髪を指でかき上げ、うなだれるようにして座り込む。

 

(……つ、疲れた……)

 

 自分でも信じがたい結果に、気力まですっかり削られていた。

 

グラウンド脇のベンチで、キョウはぐったりと腰を下ろしていた。汗で貼りついたシャツが気持ち悪くて、呼吸はまだ整わない。日差しは柔らかくなってきていたが、身体は完全に悲鳴を上げている。

 

「……キョウ。」

 

「わひゃっ!?」

 

 背後から突然声がかかって、キョウはびくりと肩を跳ねさせた。

 

「望月!! お前、びっくりさせんなよ……。」

 

「すまない、少し落ち込んでいるようだったから、気になってな。」

 

 望月はキョウの横に腰を下ろす。

 

「あぁ、まあ……。体力テストだったんだけどさ、全然ダメで。変身してる時はもっと動けてたんだけどなぁ」

 

 愚痴をこぼすように言うと、望月は僅かに顎を引いてうなずいた。

 

「魔法少女に変身している時は、魔力量に比例して身体能力が強化される。通常は微細な強化にとどまるが……お前の魔力量なら、その差異はかなり大きいだろうな。」

 

「……そういうことか。てか、それって素の俺が貧弱って話じゃね!?」

 

「……程度によっては、運動を習慣化するべきかもしれないな。」

 

「そうなるよなぁ……。」

 

 キョウは項垂れて、タオルで汗をぬぐう。変身してるときの自分と、今の情けない自分の差にちょっとだけ凹んでいた。

 

「……で、望月の方は? 魔力の採取は順調か?」

 

「ああ、大体の場所は終えた。だが……」

 

 望月は言い淀んだ。わずかに視線を落とすのを見て、キョウは首を傾げた。

 

「……どうした?」

 

「……いや、俺では入るのが難しい場所があってな。最悪、人がいない時間帯にこっそり入ろうかと思っている。」

 

「え、それって大丈夫なのか。 俺でも入れないところ?」

 

 キョウが訝しげに問い返すと、望月は少しだけ口を閉じて、迷うように言葉を選んだ。

 

「……キョウなら、入れはするだろう。」

 

「じゃあ、俺が代わりに取ってきてやるよ!」

 

 キョウが胸を叩いてそう言うと、望月はほんの一瞬だけ黙り込んだ後、小さく息をついた。

 

「だが、その場所がな……」

 

「なんだよ、さっさと言えって!」

 

「……女子トイレと、更衣室なんだが……。」

 

「……え”っ!?」

 

 キョウの顔が凍りついた。筋肉痛も、疲れも、一瞬だけ吹き飛ぶ。

 

「いや、やっぱ採取は俺が行う。放課後、人のいない時間なら──」

 

「いやいや、ダメだって! 俺が行くから!」

 

 そう言ったはいいものの、キョウの声はどこか裏返っていた。

 

「……大丈夫か?」

 

「ま、まぁ……うん。大丈夫!」

 

 無理やり笑顔を作ってみせると、望月はじっとキョウを見てから、いつもの調子で一言だけ返した。

 

「……無理をしてないか?」

 

「心配しすぎだって! 俺もう戻るからな!」

 

「あぁ……。」

 

 言い返しつつ、キョウは望月と別れる。しかし、キョウは内心で頭を抱えていた。

 

(ど、どうする!? 人のいる時は避けないと……。望月が言ってたみたいに放課後まて待つか? いやでも部活動で人が残ってるから……。)

 

 望月とのやり取りを終え、キョウはグラウンドの中央に残っていたクラスメイトたちの方へ戻っていく。体力テストの余韻もまだ抜けきらない中で、彼の頭の中は「更衣室」と「女子トイレ」の五文字でいっぱいだった。

 

 ひとり頭を抱えそうになりながら戻ってくると、クラスメイトたちが妙にソワソワとした様子でキョウを見ていた。

 

 そのうちの一人、前髪を結んだ快活そうな女子が、おずおずと声をかけてくる。

 

「ねぇねぇ、さっきの……用務員さん? あの人と知り合いなの?」

 

「……え? あ、ああ……まあな。」

 

 とっさに肯定したキョウの声は、わずかに上ずっていた。なんとなくごまかすように答えると、それ以上深く追及されることはなかった。

 

 ただ、彼女の後ろにいた数人の女子たちが、ささやき合いながら少し距離を取り、こちらをちらちらと見ているのが目に入る。だがキョウ自身は、今まさに迫る“任務”のことで頭がいっぱいで、彼女たちの視線に気づくことはなかった。

 

(……トイレにしろ更衣室にしろ、ちゃんと誰もいないタイミング見極めて入って……さっさと済ませて、何事もなかったかのように出る。それしかないよな……。)

 

「キョウちゃんって、あの用務員さんと全く同じタイミングでここに来たよね。」

 

「涼宮さんって休み時間によくどこかに行ってるし、もしかしたら……。」

 

「まさか、禁断の……!」

 

 彼女たちのやり取りにも、キョウは気づくことは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 静かな校舎の片隅、物置のような用具室。電灯の光はやや心許なく、埃っぽい空気が満ちている。

 

 今日は授業が午前に早終わりして、部活動なども休みとなっている。それでも自主的に活動をしている生徒たちがグラウンドにいるが、校内には人影すら見えないほどである。

 

 キョウは扉を開けて中に入り、先に来ていた望月に小さく手を振った。

 

「おつかれー。ほら、例のアレ、取ってきたぞ。」

 

 制服のポケットから、キョウは小さなペンダントを取り出す。中には淡い光を帯びた結晶が封じられており、わずかに魔力が脈打つような気配がある。

 

「ほら、女子トイレと更衣室、それぞれで採取した魔力。」

 

 それを受け取った望月は、丁寧に頷く。

 

「あぁ、ありがとう……大丈夫だったか?」

 

 キョウは一瞬だけ目を逸らし、明るい声を作った。

 

「ま、まぁ、チョチョイのちょいよ!」

 

 ……とは言ったものの、内心では思い返していた。

 

(放課後、部活が終わるのを待って、それからこっそり採取したけど……警備員さんにちょっと怒られちゃったし。)

 

 安請け合いして、ちょっと損する。それは昔からの癖で、今更治るとも思えない。そんなことを思いながらも、キョウは努めて平静を装っていた。

 

 望月はペンダントを慎重に扱いながら、用意していたノートパソコンに接続された魔力計測装置にかける。画面には数値が流れ、グラフや波形が次々に現れては整理されていく。

 

 やがて操作を終えたのか、望月が小さく息をついた。

 

「よし、これで学院内の調査は一通り終わった。キョウ、これを見てくれ。」

 

 望月はノートパソコンの画面をくるりとキョウの方に向ける。そこには学院の校内図が表示されており、各地点ごとに魔力量やその性質が細かく記されていた。

 

「……うお、すっげぇ!」

 

 キョウは身を乗り出して画面を覗き込む。

 

 情報は屋外と一階にまとまっており、望月はタッチパッドを操作して別の階の画面を切り替えた。

 

「ちなみに、これは二階より上のデータだ。別にまとめてある。」

 

「すげぇな!」

 

 思わず二度目の感嘆が口をつく。

 

 望月は肩を竦めて言った。

 

「……まぁ、時任氏からもらった学院の地図データを、そのまま使っているだけだがな」

 

 そう前置きしつつも、望月の指先は幾つかの地点を示しながら、少し難しい顔をする。

 

「こうして全体の魔力量と性質を比較してみたんだが……。」

 

「なにかわかったのか?」

 

 キョウが期待を込めて尋ねると、望月はわずかに眉をひそめて首を横に振った。

 

「いや。魔物発生の手がかりになりそうな兆候は何もなかった。魔力量の差はどれも誤差の範囲に収まっているし、性質も大差ない。目に見える違いは……正直、無いに等しいな。」

 

 気まずい空気を断ち切るように、キョウが手を叩いて声を上げた。

 

「よし、せっかくだし校内を見て回ろうぜ。ちょうど今日は早終わりで、生徒たちもいないしさ!」

 

「……それもそうだな。」

 

 その提案に、望月はわずかに驚いたように目を瞬かせたが、すぐに頷いた。

 

 用具室の扉を開け、二人は静まり返った廊下へと出る。夕方の光が差し込む校舎内は、どこか非現実的な静けさを湛えていた。

 

「にしてもさ、魔力ってほんとどこにでもあるんだな。知らなかったわー。」

 

 キョウが、何気ない調子で言う。

 

「ああ。極微小ではあるが、魔力は空間全体に漂っている。魔物発生が確認されるようになった時期と、空間中の魔力の存在が知られるようになった時期はほぼ一致している」

 

 望月はゆっくりと説明する。

 

「魔物の出現によって魔力が放出された、という説もあるが……いずれにせよ、魔物発生以前の『魔力の有無』を示すデータは残っていない。そもそも、当時は魔力という概念すら存在していなかったからな。」

 

「へぇ……。」

 

 キョウは感心したように呟く。ふと立ち止まり、何かを思いついたように指を鳴らした。

 

「魔力が"漂ってる"ってことは、移動してるってことだよ? それなら……。」

 

 そう言って、キョウは手を前に出して魔法を発動させる。彼女の指先から伸びた光が、風鈴のような形を成していく。小さなガラス細工のような結界がいくつか、天井の梁から吊るされる。

 

 その風鈴に魔力を通さないようにイメージする。魔法はイメージだ。

 

 結界の風鈴は、まるでそこに風が吹いているかのように、ゆらゆらと小さく揺れていた。何も起こっていないはずの空間で。

 

「ほら、風鈴! おぉ、ちゃんと揺れてる!」

 

 得意げに笑って振り返るキョウに、望月は目を見開いたまま、言葉を失ったように沈黙した。

 

「……?」

 

 キョウが不思議そうに首を傾げると、望月はゆらゆらとキョウに近づく。

 

「……キョウ。」

 

「な、なんだよ……?」

 

「……これは、すごい発見ができるかもしれないぞ! もっと風鈴を増やせるか!?」

 

 突然、キョウの両肩がぐっと掴まれた。

 

「うわっ……!」

 

 驚いて顔を上げると、すぐ目の前に望月の顔があった。いつも通り無表情ではあったが、その目は確かに――輝いていた。研究者としての探究心に火がついた、そんな光を灯していた。

 

 大きな手が、自分の肩をしっかりと掴んでいる。望月の背は高く、その存在感が自然とキョウを包み込む。距離が近くて、ちょっとだけ怖い。

 

「……っ。」

 

 一瞬怯んだ自分をキョウは自覚し、心の中で気合を入れ直す。そして望月の手を自身の手で横に逸らす。

 

「お、落ち着けって……。」

 

 それでも見つめる望月に、何か聞かれていることを思い出す。たしか、風鈴を作れるか、だったか……

 

「あー、風鈴なら、もっと作れるけど……?」

 

「そうか!」

 

 望月の手がぱっと離れる。次の瞬間には、パソコンの入ったバッグを手にして振り返っていた。

 

「なら校内に吊るして、動きを記録するんだ。どの空間で魔力の流れが強まるか、それがわかれば――魔物発生の前兆を捉えられるかもしれない!」

 

 珍しく声に熱を帯びさせた望月が、早足で廊下を進んでいく。

 

「お、おい! 待てってば!」

 

 その熱気にたじたじなキョウは、望月の背中を必死に追うのだった。

 

 その2人のやり取りを窓の外から見ていた生徒がいた。何を話しているのかは聞こえなかったが、男の用務員さんが、最近転校してきた子に覆い被さっているのが見えた。

 

その生徒は窓の下に隠れるようにして蹲っていた。

 

「う、嘘……あれって、き、キス……!?」

 

 顔を赤くしながら呆然とする生徒に対して、当の2人はすでにその廊下から去っていた。

 

 

 

 

 

 

 その後、キョウと望月は校内各所に結界風鈴を設置し、魔力の動きを記録していった。

 

 風鈴はまるで見えない風に揺らされるように、時折微かな音を立てて鳴った。それは魔力の流れそのもの――目には見えないはずの現象を、可視化した成果だった。

 

 そして数時間後、すべての風鈴の記録を集め、改めて学院の校内図に重ね合わせてみると――

 

「……見てくれ、キョウ。魔力の流れが、ここに集まろうとしている」

 

 望月が指さしたのは、旧校舎の裏手、使われなくなった倉庫のような一室だった。

 

「……ってことは、ここで魔物が?」

 

「可能性は高い。だが――問題は“いつ”発生するかだ」

 

 望月の言葉に、キョウも頷く。

 

「確かにな。まぁ俺が校内にいれば、結界を張り続けられるから、そんな難しく考えなくていいよ。」

 

 気軽な口調でそう言ってから、キョウは肩をすくめる。

 

「しばらくは立ち入り禁止にしてもらえばいいんじゃね? そういうの、できないかな……?」

 

「……そうだな。とりあえず、時任氏と学院に連絡を取っておく。それは置いといてだな……。」

 

 望月がキョウの方へ向き直る。

 

「この後、どこか寄らないか」

 

「え、別にいいけど。どうした?」

 

「……魔力採取の件、悪いと思ってな。無理をさせたんじゃないか。」

 

「え、あーいや別に、気にすんなって。」

 

「お詫びに奢るから、どこか食べに行こう。」

 

「あ、マジ!? それならラーメン行こう! 餃子もつけていい!?」

 

「いいぞ。」

 

「よっしゃ! じゃあ、さっさと行こうぜ!」

 

そうして、二人は学院を後にした。




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