TS魔法少女 響   作:ときんときん

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第1章 : 第9話

 

 

 

 

 

 

 

 街の夕暮れ。キョウはルミナと並んで歩きながら、時おり視線をさまよわせた。心のどこかに引っかかっている言葉がある。

 

 『結局、俺には何もできない。』

 

 望月の自虐の言葉を思い出す。キョウは首を振り、考えを追い払おうとする。しかし胸の中のモヤモヤは晴れなかった。

 

「キョウ、どうしたの? さっきから上の空だよ」

 

 ふわふわと飛んでいたルミナが、怪訝な顔でこちらを覗き込んでくる。

 

「いや、別に……。」

 

「ふぅん。」

 

 キョウはあからさまに誤魔化したが、ルミナは深入りせずキョウをじっと見つめるだけだった。

 

「そういえばルミナ! この前、俺が男だって他の妖精にバレて大変だったんだぞ! 妖精にバレるなら事前に教えてくれよ!」

 

「……キョウさぁ、男だってことがバレたのが自分のせいじゃないって本気で思ってるのかい?」

 

「……何が言いたいんだよ。」

 

 やれやれと首を振りながらルミナが続ける。

 

「普段の生活の様子から勘づかれたんだろう。思い返してみなよ。俺って言うし口調はガサツだし、座り方も大股だし……」

 

「うっ……」

 

 ルミナの口撃は止まらない。

 

「女子更衣室を使えないからトイレで着替えてるし、男の頃の感覚のままご飯を頼んで食べきれなかったり――」

 

「う、うるせえなぁ!? 人の悪口ばっか言いやがって、このゲーム中毒が!! 俺がこの姿になってから何度契約してる妖精に騙されてるって誤解されたと思ってんだ!! もっと部屋から出ろ!!」

 

「い、今こうやって出ているじゃないか!」

 

「自発的に出ろって言ってんだよ!」

 

「そんなの……。……!」

 

 ギャアギャアと騒いでいると、ルミナが突然何かを感知したように顔を上げる。

 

「キョウ、魔物だ! 変身してくれ!」

 

「……はぁ〜もう! 変身!」

 

 緊急事態にキョウも一言悪態をついてから、切り替えるようにして変身を行う。

 

 着ている衣服が光に溶けるようにして魔法少女の正装に置き換わる。刺繍の入ったショーツが胸元から肩を覆い、後ろに流れるようにドレープのついたスカート、そしてスニーカーが白いショートブーツになったところで変身が完了する。

 

「で? どこだよ、魔物。」

 

「こっちだよ!」

 

 少し不貞腐れたようなキョウの様子など気にもせずに、ルミナは魔物の発生に気を引かれているようだ。

 

 ルミナの背を追いながら、キョウはふと昨日やった研究について思い出す。確か、魔力量が多いとかいう話から、魔法を使い続けようと決めたのだった。それは、望月と話し合って決めたことだ。

 

(そうだ、結界張り続けるんだったな……。)

 

 キョウは自身と、ついでにルミナの周囲に薄く透明な結界を張る。結界というより膜のようなものだが、強度は確かなものだ。

 

(望月のあれ……俺に何かできること、ないかな……。)

 

 研究に関連することになると、望月のことまで一緒に思い浮かんでしまう。望月のあの日の言葉が、キョウの心に重しのようにのしかかっていた。

 

 キョウはフヨフヨと浮かぶルミナの後を追うが、いつまで歩いても魔物の発生時に同時に起こる空間異常が周囲に見られない。この空間異常は魔物を中心として発生するため、その空間異常が見られないということは、近くに魔物はいないことになる。

 

「おいルミナ。魔物いないじゃん。」

 

「あれぇ、おかしいな……この辺りに反応があるんだけど……。」

 

 気づけば俺たちは街から少し外れたエリアを歩いていた。周囲に人影も見えず、キョウもルミナも気を抜いていた。

 

 そこへ、曲がり角から黒い何かが飛び出す。

 

「フィイーーー!!!」

 

「うおっ!?」

 

 曲がり角から、四足歩行のスラリとした体格の獣がキョウに向かって突進してきた。キョウはそれに反応できなかったが、事前に張ってあった結界に阻まれ魔物は動きを止める。

 

「あっぶねぇなぁ!!」

 

 キョウは咄嗟に結界を尖らせて魔物に向けて発射する。胴体に当たった結界はそのまま魔物の体を貫き、その身体は塵のように崩れていく。

 

「え、終わりか……?」

 

「うん、今のが感じ取っていた気配の元のようだ。」

 

 あまりに唐突で呆気ない終わり方にキョウは周囲を警戒するが、魔物の姿も見えず、空間異常もやはり起こっていない。

 

 ルミナの言もあって、キョウは変身を解除して、そのまま魔導保全局に連絡を入れる。

 

「もしもし、魔法少女の涼宮です。魔物の対処が完了したので、報告のため連絡しました。」

 

「はい、ありがとうございます……涼宮さん、魔物の対処に際して、何か普段と違うことはありませんでしたか?」

 

「あっはい、空間異常が確認できなかったのと、あと、対処した魔物が普段より弱かった、ような……」

 

「……なるほど。」

 

 職員の問いに、キョウは言葉尻をすぼめて答える。空間異常は当然のことだが、魔物の強さについては完全にキョウの主観であり、自信過剰なように聞こえてしまわないかと少し恥ずかしくなったが故である。

 

 そんなキョウの考えなど知るはずもない電話先の職員は、キョウの返答にどこか重苦しい反応である。

 

「涼宮さん、一度魔導保全局へ来てください。お話ししたいことがあります。」

 

「えっ、まぁ構いませんけど、どうかしたんですか?」

 

「すみません。事情は直接お話しいたします。それでは失礼致します。」

 

「は、はぁ……。」

 

 通話が切れる。職員の少し焦っているような雰囲気を感じ取ったキョウはその違和感に困惑していると、そこにルミナが近づいてくる。

 

「報告だけにしては長かったね。」

 

「あぁ、それが、魔導保全局に戻ってこいだって。」

 

「そりゃなんでさ?」

 

「いや、わからん。直接説明するって言われた。」

 

 通話に対して首を傾げつつ、2人は魔導保全局へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 魔導保全局の建物に足を踏み入れた瞬間、キョウは違和感を覚えた。普段よりも施設内がざわついている。廊下や待機スペースには、見慣れない顔ぶれの魔法少女たちが集まっており、その誰もが落ち着きなく周囲をうかがっていた。

 

(……なんか、変だな)

 

 すれ違いざまに見た少女のひとりが、ソワソワと手袋を引き直していた。その場の雰囲気からただならぬものを感じていると、前から見知った人影が2つ見えた。

 

「キョウちゃん! やっと見つけた!」

 

「こんにちは。キョウちゃんもここに呼ばれたんですか?」

 

「あかり、みのり。あぁ、直接説明するって言われて来たんだけど、2人もそんな感じ?」

 

「私たちは、市内の魔法少女に宛てた一斉メールを見て来ました。そのメールにも詳細は書かれていなかったはずですが……。」

 

「そっか……てかそのメール、多分俺にも来てるよな。気づかなかったわ……。」

 

「まぁここにいるんだし、いいじゃん!」

 

「まぁな。」

 

 2人に会えて少し安心したキョウだが、それでもこの集まりが何なのかはわからない。首を傾げていると、後ろから声をかけられる。

 

「キョウ、戻っていたか。」

 

「んっ? あぁ、誠さん……!」

 

 声の主は誠だった。キョウが振り返ると、誠は少し緊張したような表情でキョウを見つめている。

 

「……どうしたんですか、今日。こんなに人を集めて。」

 

「……それは、この後すぐ話す。」

 

 誠はそれだけを短く言い、廊下に集まっていた魔法少女たちに向き直る。

 

「全員、大広間に集合だ。ついてきてくれ。」

 

 その言葉に、ざわついていた少女たちが一斉に立ち上がる。無言で、しかしどこか息を飲むような足取りで、キョウたちは施設の奥へと向かって歩き出した。

 

「なんなんだろうね?」

 

「さぁ……?」

 

 案内されたのは、通常は訓練後の報告会や式典などに使われる広い会議室――通称「大広間」だった。天井の高いその部屋にはすでに数名の職員が待機しており、壇上には保全局の研究主任として座る圭吾の姿もある。その傍らには、制服の胸に金の階級章をつけた見知らぬ幹部たちが数名立っていた。

 

 そして壇上を遮らないよう両脇に置かれたパイプ椅子に研究員達が座っているのも見える。その中には、自身の担当である望月もいた。職員を除いた魔導保全局に所属するすべての人員がこの場に集まっているのだ。

 

(あれ……本格的すぎないか、これ)

 

 何かただならぬことが起きている――その空気は、大広間に入った全員が一瞬で感じ取っていた。

 

 やがて壇に登った誠が、マイクを手にして前に出る。ざわめきが徐々に静まり、場内が誠に注目した。

 

「皆、よく来てくれた。突然の呼び出しだったにもかかわらず、対応してくれて感謝する」

 

 誠の声はよく通り、静まり返った広間に凛と響いた。

 

「本題に入ろう。今回、私たちは――未来視の能力を持つ魔法少女、時任澪から重要な情報を受け取った」

 

 名前が出た瞬間、場内のあちこちで「時任……」「あの人か」とざわめきが起こる。多くの魔法少女たちがその名に聞き覚えがあるようだった。

 

(時任澪……? 知らないな)

 

 キョウは声を抑えて、隣に座っているみのりに聞いてみる。

 

「なぁみのり。時任って誰なんだ……?」

 

「キョウちゃん、知らないんですか? 時任さんはその未来視で、間接的に多くの魔物の対処に関わっている方です。確か、魔導保安局に所属していらっしゃったかと思います。」

 

「へぇ……。」

 

 キョウは心の中で首をひねる。周囲の反応からしても有名な存在らしいが、局に来て日が浅いキョウにはまだ馴染みがない名前だった。それに、みのりの話から出た"魔導保安局"と言う言葉の聞いたことがない。

 

「彼女の未来視によれば――近く、強大な魔物がこのエリアに出現する。そして、その魔物には眷属がいる。既にいくつかの眷属が出現し始めている、とのことだ」

 

 誠がリモコンを操作し、背後のスクリーンに地図が映し出される。そこには魔導保全局のあるエリアと、隣接する市街地が示されていた。

 

「発生地点は、ここ。局からもそう遠くない都市部だ。現在、被害はまだ出ていないが、注意深く監視されている」

 

 キョウはスクリーンを見上げながら、誠の言葉に耳を傾ける。

 

「注意すべきは、眷属の性質だ。彼らは、通常の魔物と異なり、空間異常を伴わない。この中に、そのような存在を既に対処した者もいるはずだ。」

 

 その言葉に、キョウの背筋が僅かに強張る。

 

(空間異常を伴わない……さっき、俺が倒したあれも……)

 

 確かに、あのときは周囲に異常がなかった。不意を突かれた形での遭遇だったが、それがまさにこの眷属のことなのだと、キョウは直感する。

 

 壇上の誠が一息つくと、場の空気を見渡してから再び口を開いた。

 

「魔物本体の出現は――今日から一日後と予測されている。住民たち全員を外部に逃すのは無理があるため、その場で守る必要がある。」

 

 その言葉に場が静まり返る。魔法少女たちの背筋が自然と伸びるのが分かった。

 

「君たちには、当日までに発生するであろう眷属の対処、もしくは本体出現当日に起こる戦闘への参加、どちらかを選んでもらいたい」

 

 スクリーンが切り替わり、日付ごとの活動予定が簡易的に映される。

 

「魔物本体の対処は私が行う。だがその際、同時に多数の眷属が発生し、その勢いはこれまでと比較にならない。都市部での活動になる以上、迅速かつ確実な排除が求められる。状況によっては住民の避難誘導にも関わってもらう」

 

 誠の言葉は淡々としていたが、その内に込められた重みは誰の胸にも届いた。誰もが黙って、選択の時を待っていた。

 

「それを踏まえた上で――自分がどちらにあたりたいか、考えてくれ」

 

 少しの沈黙の後、広間のあちこちから声が上がり始めた。

 

「私は当日、戦います!」

 

「わ、私も!」

 

 多くの少女たちが、「当日に」と口にしていた。直接的な脅威に立ち向かおうという決意が、自然と空気を熱くする。

 

「私もやるよ!」

 

「私も、やらせてください。」

 

 横になって並んでいたあかりとみのりも声をあげていた。

 

 キョウは周囲を見回し、そっと拳を握った。

 

(俺も、こんなことが起こるのなら見過ごせない。それに……)

 

 それに、望月のあの言葉を、自身の活躍で否定してやりたくもなった。そのため躊躇いはなかった。

 

「……俺も、やります!」

 

 自分でも少し驚くほど、声が通った。誠がキョウの方へわずかに視線を送る。小さく、だが確かに頷いた。

 

「ありがとう。みんなの覚悟に、心から感謝する」

 

 誠は再びマイクを握り直す。

 

「このあとのチーム分けはこちらで行い、明日にはそれぞれに通達する。拠点の分担や通信の指示もあわせて出すから、それまでに装備や準備を整えておいてほしい」

 

 それだけ言うと、誠は壇上から一歩引き、締めの言葉を投げかける。

 

「強大な敵を前にすることに、不安がないわけがない。それでも――君たちがいてくれるなら、この局はきっと乗り越えられる。ありがとう。そして、頼む」

 

 簡潔で力強い言葉に、場内の魔法少女たちから拍手が沸き起こった。張り詰めていた空気がわずかに和らぎ、だがその目の奥にはそれぞれの決意が宿っていた。

 

 そのまま解散が告げられ、各々が次の行動へと移っていく中、望月が近づいてくる。

 

「キョウ、君も参加するのか。」

 

「あっ望月。まあな、ここで何もしないってのもありえないだろ。」

 

「そうか。」

 

 望月は変わらない仏頂面だが、言葉数の少なさからどこか浮かないようにも見える。それもそのはずだ。望月は魔物の発生に巻き込まれた過去がある。強大な魔物の発生となれば気を落とすのも当然だろう。

 

「それより望月、魔力量の確認してくれよ。昨日言ってた通り、今日のパトロール中ずっと結界張ってたからさ。」

 

「あぁ、わかった。」

 

 キョウは横にいたあかりとみのりに向き直る。

 

「それじゃあ、またな2人とも。」

 

「ええ、それじゃあ。」

 

「お互い頑張ろうね!」

 

 そうしてキョウと望月は研究分室へと歩いていった。

 

 

 

 

 

 いつもの研究分室。低い駆動音と薬品の匂いが漂う静かな空間で、キョウは機械の前に立っていた。

 望月が調整を終えると、彼女の手首に取り付けられた魔力量測定装置が淡く光る。

 

「……やはり、ほとんど減っていないな。」

 

「“やはり”? なんで分かってたんだよ。」

 

 キョウが眉をひそめて問い返すと、望月は机に書類を置いてから、少しだけ表情を和らげた。

 

「君が疲れた様子をまったく見せないからだ。普通は結界を長時間維持しただけで、魔法少女は少なからず消耗する。魔力量が多くても、使えば反動はあるはずだ。」

 

「でも、私は平気だった。」

 

「ああ、ある意味で異常と言ってもいい。」

 

 望月はディスプレイに現れた数値を睨みながら、呟くように続けた。

 

「魔力量が異常に多いだけじゃない。消費した魔力の回復も早い……それに、結界の展開における精度や安定性も、通常とは比べものにならない。」

 

「……なんか、褒められてるのかバケモノ扱いされてるのかわかんねぇな」

 

「褒めている。君なら、先の任務でも活躍できるはずだ。」

 

「あぁ、そう……。」

 

 褒められているはずなのに、キョウはあまり素直に喜べずにいた。それはおそらく、自分がどれだけ活躍しても、望月はあくまでキョウの実力によるものだ、と言うと感じだからだ。

 

 だから、キョウは望月に伝える。

 

「……望月。俺さ、自分がこんなに魔力量が多いとか、知らなかったよ。」

 

「……まぁ、それは当然だろう。魔力量を自覚するのは難しいことだ。」

 

「そうなのか。後な、新しい結界の使い方も見つけたんだぜ。」

 

「……あのブヨブヨの結界のことか?」

 

「あぁいや、それじゃないって! 実戦で使えるようなやつ、あの後作ったんだよ!」

 

「そうか……。」

 

 望月はキョウが何を言いたいか掴みかねているのだろう。そのためキョウは本題を告げる。

 

「つまり、望月が手伝ってくれたから知れたり、新しいことができるようになったわけだ。……だから、"何もできない"なんて、悲しいこと言うなよ。」

 

「……すまない。俺の言葉で、余計な気を割かせてしまっているな。」

 

「余計じゃないって。」

 

 キョウの言葉を受けて望月は俯くように顔を下げた。表情は変わらないが、後悔しているような、そんな雰囲気だ。

 

 キョウは続ける。

 

「お前は変に謙遜するけどさ。俺は、望月のおかげだと思ってるんだよ。だから……。」

 

「……魔力量を測るのも、魔法の応用についてだって、俺じゃなくてもできたことだ。感謝する必要など、一切ないんだ。」

 

「……。」

 

 何を言っても自分の力ではないと、感謝する必要はないと言う。

 

 キョウは、いい加減面倒くさくなってきた。

 

「……はぁーーーーー。…………望月。お前さぁ、いい加減うざったいんだわ。」

 

「……!」

 

 キョウによる急な罵倒に望月は目を見開く。これまでキョウは男口調ではあったが、そんなことは言ってきたことがなかったため、望月は驚いていた。

 

「誰にでもできるじゃねぇんだよ! お前が魔力測って!! お前がアドバイスしたんだから!! お前のおかげに決まってるだろが!!」

 

 キョウが望月に怒鳴りつける。望月はポカンとばかりしており、状況を受け止めきれていないようだ。

 

 キョウが声を抑えて続ける。

 

「"何もできない"なんて誰にも言わせねえ。望月、お前自身にもな。」

 

 真面目な顔をしたキョウに、眉を少し顰める望月。望月のその顔から、キョウが言ったことを受け止めきれていないことがわかるが、キョウは自分の内に溜め込んでいたものを吐き出して、スッキリしていた。

 

「……はぁーースッキリした! じゃあな望月! もう変なこと言うんじゃねぇぞ!!」

 

「……。」

 

 望月の返事も聞かず、キョウは研究分室から出ていった。

 

 残された望月は両手を組み、項垂れるようにして、考える。望月には、キョウの言葉は眩しすぎたのだ。

 




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