「ふぅ、改めてお疲れ様でした。直枝さん」
デッキをまとめながら西園が理樹にお礼を言った。
すると理樹はにっこり笑いながら、こちらこそと返す。
「お互いにいいバトルだった」
そういう恭介にありがとうと返す二人。
「さて、ここから残りの時間はデッキ調整タイムといこう。まだバトルしていない奴らも、観戦したことで得るものがあったはずだしな」
パン、と手を叩くとそう言う恭介。
「では、ミッションスタート!」
――――
Side:小毬&鈴&恭介
「小毬ちゃん、もっかいデッキを見せてくれ」
鈴がそう言うと、小毬は鈴にデッキを差し出した。
「んー、ものの見事に黄単だな…《絶甲氷盾》しか他の色が入ってない…」
「最初は単色で組んだほうがわかりやすいってネットに書いてあったからね。でもみんな混色だったねぇ…」
そんな会話を聞いていた恭介が、二人の会話に割り込んだ。
「まぁ、なんとなく流れはつかんだろうからな、小毬も他色を少し混ぜてみるといい。赤のドローが定番か、連鎖もあるからな」
ちょっと待ってろ。と恭介がカードの束を漁りだし、そして数枚カードを見繕った。
「小毬のデッキは"ペンタン"軸だから、あまりペンタン以外のスピリットを入れるのは気が引けるだろうが…こういうのもある」
そう言うと、恭介は小毬に1枚のカード、《イーズナ》を渡した。
○イーズナ
系統:戯狩 コスト:1(黄1赤1) <1>Lv1/1000 <2>Lv2/2000 <3>Lv3/3000 シンボル:黄1
Lv1・Lv2・Lv3
┗このスピリットの色とシンボルは赤としても扱う。
「わ、可愛いですねぇ」
「可愛いだけじゃないぞ?こいつの色とシンボルは赤にもなれる。ということはだ、赤のマジックを軽減できるようになるってことだ。そうなると、さっき言ってた《リバイブドロー》なんかも使いやすくなるだろう?」
「なるほど、なるほど」
「小毬ちゃん、最近はネクサスも2色のシンボルを持つのが多いから、それも入れてみるといいかもだぞ」
そう言うと、鈴は恭介の手から1枚のカードをひったくると小毬に見せた。
「えーと、《朱に染まる薔薇園》?」
○朱に染まる薔薇園
コスト:5(黄2赤1) <0>Lv1 <1>Lv2 シンボル:黄1赤1
Lv1・Lv2『自分のアタックステップ』
┗自分のライフが増えたとき、自分はデッキから1枚ドローする。
Lv2『自分のメインステップ』
┗自分の手札にある赤のスピリットカード/ブレイヴカードすべての軽減シンボルすべてを黄としても扱う。
「そうだ、効果もなかなかだしこれ一枚でシンボルが2つあるから軽減にも大助かりだ」
「ふむふむ…じゃぁ、このカードたち混ぜてデッキを組み直してみよう~」
「うん!」
――――
Side:クド&西園
「わふー、西園さんお疲れ様だったのですー」
「はい、能美さん」
クドと西園が軽く挨拶を交わすと。早速デッキの相談が始まった。
「しかし、お二人共強かったですね…」
「なのです。かうんたーのタイミング、防御のたいみんぐは流石なのですー」
「ドローすることが得意な赤と紫の特権みたいなものでしょうか、私たちの緑はコアブーストぐらいしか取り柄がありませんし」
「わふー、でもこあぶーすとは緑の特権、これを活かして赤のどろーと殲滅力を横取りするのです。特に西園さんは白の防御力と合わさって最強に見えるのです…!」
「見えるだけ、ですね。とにかく基礎からもう一度固めていきましょう」
「了解ーなのです!」
――――
Side:来々谷&理樹
「少年、とりあえずお疲れ様と言っておこうか」
「来々谷さんもお疲れ様。いいデッキなんじゃないかな?」
「なに、まだまだ少年たちには及ばんさ。紫はなんにせよコアが足りなくてな」
「それは赤も同じだよ。"ダークネスファング"発売以降、赤緑で組むことで多少は補えてるけどね。それでも多少だし」
「ふむ、先ほどのバトルでもコア管理には苦労していたようだからな」
「お互い手札は増えるんだけどね」
「違いない」
「ところで、デッキの問題点みたいなものは見つかった?」
「そうだな、数点だけかな。やはり勝者は敗者より得るものが少ないよ。勝ってしまうと"これで問題ない"と錯覚してしまうからな」
「それでも問題点を見つけるあたり、来々谷さんはすごいよ」
「はっはっはっ。褒めても何も出んぞ、少年」
――――
Side:葉留佳&真人&謙吾
「やはー、お二人さん」
「ん、三枝じゃないか。珍しいな、俺たちのところに来るなんてよ」
「まぁ、あれですヨ。今日試合してない組ってことで」
「それを言うなら恭介もだが、あいつは神北の所でデッキ構築指南か」
「ところでお二人さんは何もしないんですかい?」
「そうだな、デッキ弄るにしてもどこいじっていいかわからんし」
「右に同じだ。まぁ、こうやって会話に耳を傾けるのも一興だ」
「そかそか」
やがて時間が過ぎ、そろそろ夕飯も近くなるという時間。
恭介が時計で時間を確認した後、皆に言った。
「さて諸君。そろそろ時間なので解散することにする。ちなみに明日は土曜日で半ドンなので、折角なので街に繰り出してカードショップに行こうと思うんだがどうだ?」
その言葉に葉留佳が手をあげて質問する。
「はいはいー!行くのはいいんだけど何が目的なのかな?」
その質問に恭介が答える。
「実は、だ。我々の環境…まぁつまり周囲のカードプールのことだな、数弾遅れている」
「な、なんですとー!?」
大げさに言う葉留佳を尻目に、来々谷が言う。
「まぁ、野球部の遺産なのだからそれは当然というべきか…ということは、新しいカード目当てなんだな?」
「その通りだ。現在出ているのが確か…"アルティメットバトル02"だったか…なので、みんなで金を出し合って01と02を2箱づつ大人買いしようってことだ。近日中に03が出るらしいのだが」
その恭介の言葉に、各々財布を確かめる。
「これは、さらば諭吉ぃ!なのかもしれないです…!」
財布の中身を見て戦慄するクド。どうやら細かいお金がないようだ。
「ちなみに、アルティメットバトルの目玉はなんといっても"アルティメット"だ!これはブレイヴに続く5種類目のカードで、こんなのだ」
そう言うと恭介は懐からカードを1枚取り出しみんなに見せた。
《アルティメット・ジークフリード》と書かれた金色の装飾が施されたカードである。
「わふー!きらきらしててかっこいいのですー!」
「これがアルティメット、なのですね」
カードを見たクドと西園のテンションが少し上がる。
「アルティメットはスピリットと同じくフィールドで戦うカードだ。召喚条件こそあるが強力な効果を持ち、初期レベルが3からスタートするのも特徴だな」
みんなに見せ終わった後、恭介はカードを再度懐にしまった。
「しかし、そのカードどうしたのさ恭介」
その理樹の問いに恭介はさらりと言ってのける。
「ちょっとした伝手でな、これ一枚だけもらったんだよ」
そっか、と理樹は納得した。
恭介ならそんなこともあるなと思ってしまったのだ。
「まぁ、箱で買ってもXレアやMレアのアルティメットにはそうそうお目にかかれないだろう。だが、コモンやアンコモン、レアの中にも強力なカードは多いからな」
「ふむ、アルティメットとやらを使う、使わないにしろそれでデッキの強化はできるということか」
「そういうことだ。尚、カードの分配についてだが基本未経験者が優先だ。そこらへん問題ないな?」
と、恭介が旧リトルバスターズの面々を見てそういう。
「ああ、問題ないぜ」
「勿論」
「うん、いいよ」
「おーけーだ」
真人、謙吾、理樹、鈴がそれぞれに賛同の意思を表すと恭介は満足そうに頷く。
「では、今日は解散!明日は昼飯食ったあとに街に繰り出すぞ!」
ということで5話が無事に終わりました。
アルティメットを出す布石を整えつつ、まだ少しだけお預けなのじゃよ。
アルティメットバトル02が出て、そろそろアルティメットバトル03が発売するよ!ってところぐらいの環境に設定しました。これでペンタンが強化されます(ここ重要)。
ということで、ここらへんから各々のデッキがかっちりしてきます。
でもキースピリットは変えません。ポリシーは大事。
このSSはイメージ重視で進んでいきます。