「負けちゃったねぇ…」
バトルが終わったあと、なぜか他人事のように言う小毬。
その後、じーっとデッキを見ている。
そんな小毬の肩に、来々谷は手を置きながら言った。
「まぁ、初めてのデッキ且つ初めての試合だ。頑張ったほうだとおねーさんは思うぞ」
「うん、ゆいちゃんありがとう~」
その小毬の感謝の言葉に、だからゆいちゃんはやめろ、と言いつつ来々谷はそっぽを向いた。
「わふー、しかし鈴さん強かったですねぇ…」
クドが感嘆の声をあげる。
「鈴ちゃんでこうだと、理樹君や恭介さんどんだけ強いんだろうネ」
ふとした疑問を呟く葉留佳。
それに理樹が考えつつ答える。
「んー、少なくとも恭介は負けたこと、ないよね?身内戦では」
そんな理樹の言葉に恭介がコアを片付けながら答える。
「そうだったか?まぁ、確かにそうだったような気もするが」
「理樹と俺がたまに追い詰めれるぐらいで、負けてはいないよな」
そんな真人の言葉に、周囲がざわめく。
「わふー、ともかく経験者組の強さがはんぱないですー…」
「これはもっと、頑張らないといけませんね」
クドと西園がそう言うと、健吾がまぁ待てと言葉を出した。
「確かにゲームなのだから勝ち負けはあるが、それよりも楽しむことが重要だ。目先の勝利にばかりこだわると、大切なものを見失うぞ」
健吾らしい言葉。
それに小毬がうんうんと頷き。
「そうだよ~。私負けたけど、楽しかったよ!次はもっと頑張ろうってなったよ!」
「うん、小毬さんらしいね」
小毬の言葉に理樹が嬉しそうに言う。
そしてデッキをケースにしまった鈴は小毬に言った。
「小毬ちゃん、後でもう一回デッキを見直そう」
「うん、ありがとー」
そんなやり取りの中で、こほんと大仰に咳をする来々谷。
「まぁ、その前に…おねーさんとしてはバトルしたいのだが」
「そうですね、今のバトルを見てたらやりたくなるのがカードバトラーです」
「わふー!私もやりたいのですー!」
来々谷の言葉に西園とクドが同意する。
「そうだな、まだ時間はあるし来々谷と誰かでバトルすればいいんじゃないか?」
そんな恭介の提案に、西園とクドがどうしようと相談する。
「えーっと、決まらない時はこれがいいよ」
そう言うと理樹は六面体のサイコロを一つずつクドと西園に渡した。
「出た目が大きかったほうが来々谷さんとバトルする。ってことで」
そんな提案を二人は受け入れる。
「いざ、だいすろーるですっ!」
というクドの掛け声で二人はサイコロを転がした。
出た目は西園が3、クドが5。
「わふー、ということで西園さん…」
「はい、今回はお譲りします」
しょんぼりすることなくクドに対戦を譲る西園。
「では、クドリャフカ君が私の対戦相手なのだな。おねーさん張り切っちゃうぞ」
と、ケースからデッキを取り出しシャッフルしながら来々谷は机に座る。
「ふっふっふっ、負けないのですよ!」
クドが対抗意識を燃やしながらデッキをシャッフルする。
「ところでクドリャフカ君、私のデッキはたいそう"えげつない"ことを先に謝っておく」
「え、えげつないのですか!?」
「うむ、えげつない自信がある」
「わ、わふー…」
そんな二人のやり取りを見ていた理樹が恭介に言う。
「うわぁ、来々谷さんのデッキ、大体想像が付いちゃったよ」
「俺もだ、能美がどこまでやれるか見ものだな」
そんなやり取りを尻目にふたりの準備は進んでいく。
「こあよし、手札よし、なのです!」
「うむ、おねーさんも準備ができた。先攻後攻はクドリャフカ君が決めていいぞ」
「いいのですか?ではこの手札なら…後攻を選ぶのです!」
「了解だ」
そして机の周囲に集まる他のメンバー。
「ではこれより、来々谷VS能美のバトルを始める。バトルスタート!」
その恭介の掛け声と共に、二人は声を揃えていった。
「「ゲートオープン(げーとおーぷん)、界放!」」
ということで、3話が無事終了しました。
今後、Cパートと名のつく話はこれぐらいの短さになることをご容赦ください。
次の対戦は来々谷とクドになりました。
初心者同士のバトルとなりますがそれはそれ、勝負というのは一瞬で決まるものです。
それでは、次回をお楽しみにください。