その鬼神、ルビコンにて再び家族を作る   作:高橋ヒナタ

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概要の通りの作品です。
毎回それ言ってる気もしますが、現状気分転換用の作品なので完結予定はありません。

GE3女主人公のデフォルト容姿が、樹大枝細の銀髪美少女で、人を人とも思わないような実験(AGE適合試験)の被験者で、人間とは異なる存在と親しくて、戦闘能力がずば抜けてて…と色々似てる点があったので。これは書くしかない、と。




プロローグ

 

 

 

私はセラ。

 

数十年前に伝説を作ったゴッドイーターの1人。

昔は"クリサンセマムの鬼神"だなんて呼ばれたりした。

現れただけで"アラガミ"が素材を置いて立ち去った、なんて噂を立てられる位には大暴れしてた。

 

でも今じゃ影も形も無い。

私も、歳には勝てなかった。

 

 

「お母さん…」

 

家族の為だ、って無茶ばかりしてた私の旦那は一足先に逝ってしまったし、あの時私より若かった子達ももう皆おじいちゃんおばあちゃんになってしまった。

 

アラガミを狩り尽くさんと戦場を端から端まで駆け抜けたこの身体も、もう殆ど言うことを聞かなくなった。

 

 

「…今までありがとうね」

 

「おかあさん…っ」

 

でも、幸せだった。

 

沢山の、本当に沢山の家族に囲まれて。

 

 

 

「………ありがとう、おかあさん」

 

私たちみんなの娘のその言葉を聞いて、私は目を閉じる。

そうすれば、ゆっくりと意識が薄れていって。

 

 

 

私の一生は、幸せに包まれて終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

 

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……………

 

 

 

何かが聞こえる。

 

 

 

…………………

 

 

 

赤い光が見える。まるで、あの"灰"のような。

 

 

 

─────!

 

 

 

その光から、声のようなものが聞こえて。

 

 

 

 

 

「ホラ、起きなよセラ」

 

「っ?!」

 

私は、見ず知らずの地で目を覚ました。

 

体を起こす。

 

何の問題もなく起こせた。目を閉じる前は、もうベッドから起き上がることも難しかったはずなのに。

 

2本の足で地面に立つ。

 

何の問題もなく立てた。目を閉じる前は、そんなことなんて出来なかったはずなのに。

 

 

 

「生き…てる…」

 

手を見る。シワひとつない、白くて綺麗なままの手だ。

顔を触る。カサカサしてないぷるぷるの肌だ。

胸元を見る。曰く"ぷるんぷるん"なソレが存在感を放つ。

 

私はどうやら、2度目の生を授かってしまったらしい。

 

 

 

 

 

「何をボケっとしてるんだい?明日からはアンタの初仕事だよ!ま、そういう顔が可愛いってヤツもいるんだろうが…」

 

「………」

 

軽く辺りを見回す。

 

何だか懐かしい雰囲気だ。若い頃を思い出す。

金なり資材なりが足りない中で作られたであろう安っぽい壁に、どれを取ってもキズまみれな安物の家具。

まだ私達がクリサンセマムに拾ってもらう前に住んでいた、あの"ミナト(ペニーウォート)"や、そこに拾われる前にいた所によく似ている。

 

「明日から素敵な新人が入るってんで活気付いてるんだ。アタシもサポートしてやっから頑張りな!」

 

早い話が、娼館街の一角だった。

 

「…分かった。頑張る」

 

「可愛い顔するじゃないか。その意気だよ」

 

 

 

そうして、私はウン十年ぶりに娼婦として働き始めた。

前の"ミナト"にいた時も何度かやらされてた仕事だったから、今後の足掛かりとしては十分かなと思ってた。

 

…けど、そう長くは続かなかった。

 

よく考えなくても当たり前だ。私には旦那がいたから。彼ではない男を受け入れられなくなっていたんだろう。

それに、店へ来る来客は"独立傭兵"とやらが大半で、それもかなり底辺の傭兵ばかりなのかかなり酷い扱いを受けることも多かった。で、それにゴッドイーターの頃の感覚で反撃を見舞ってしまってトラブルになることも多々あって。

死んだような目になる頃には指名も殆ど入らなくなって。

 

 

「──セラ!?どこへ行くんだいっ!?」

 

「…っ!」

 

私は娼館を抜け出した。

 

 

 

行く宛ては無い。別にそれは構わない。あの時だってそうだった。

この幸の薄さもどこか懐かしい気分に浸れて悪くはなかった。

お前は何だか幸薄そうな顔してるな、ってよく言われたし。

 

でも、この世界はどこもかしこも殺伐としていて。

結局あちこち彷徨って見つけたのは、ある意味では懐かしい、人を人とも思っていないならず者の巣窟だった。

 

 

娼館で稼いだ金は直ぐに無くなって。

私は、そこに居た似た境遇の子供達と共にならず者のリーダーに対して反旗を翻し、そして失敗した。

 

 

 

その結果、私達は"強化人間手術"の実験台にされた。

 

 

 

 

 

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『──C4-617、仕事の時間だ』

 

 

 

目が覚めた時には、既に長い月日が経っていた。

 

私は、ハンドラー・ウォルターという男の元で、猟犬をする事になった。

アーマード・コア、通称「AC」と呼ばれる人型兵器を駆り、ウォルターの目的の為にミッションをこなす。言わば傭兵だ。企業所属ではない、独立傭兵だ。

 

 

『アーキバス系列企業、シュナイダーから依頼が来ている』

 

『独立傭兵各位。これは、当社系列企業シュナイダーからの依頼です。我々は先んじてのルビコン進駐を目論むベイラムグループに対し、大規模攻撃を行うことを決定しました。しかし、彼らの持つ戦力は決して侮れるものではない。そこで依頼です。ベイラム系列企業"大豊(ダーフォン)"の仮設基地を襲撃し、これを破壊して頂きたい』

 

アーキバスとベイラム。それぞれ、とある物質を求めてルビコンという星系への進駐を目論む大企業のうちのひとつで、どちらが先に目的の物質を手に入れるかで熾烈な競走が行われているのだという。

 

で、今回私が参加するのはアーキバス側からの依頼。ベイラム側の傘下企業である「大豊核心工業集団(コアインダストリーコーポレーション)」が所有する基地を襲撃し、そこに配備された戦力を破壊してこいというものだ。

 

 

『お前がシミュレータで見せた実力なら問題は無いはずだ。

思いっきりやってこい。617』

 

「了解」

 

 

 

 

 

[メインシステム 戦闘モード起動]

 

「…っ」

 

COMボイス(cv.安元洋貴)がそう告げると、全身の感覚が広がっていく。機体のシステムと私の神経系が接続され、より柔軟に、より高度にACをコントロール出来る、強化人間特有の機能。

 

ある意味では懐かしい感覚。あの時は"神機"を自らと一体化させて敵を斬り裂いていたが、一体化する先が人型兵器に変わっただけ。

 

 

 

ならば、することは簡単。

 

 

『てっ、敵襲!?』

 

『アーキバスの雇った独立傭兵か!』

 

「…まずはこれで」

 

まずは右肩の4連装ミサイルを飛んでいるヘリにばら撒く。

丁度4機。そこに飛んでいたヘリ1機につき1発ずつミサイルが飛び、綺麗に撃墜した。

 

『独立傭兵がここまでやるのか!?』

 

「邪魔」

 

続けて右手のライフルで近くにいたMT──「マッスルトレーサー」を撃破。小型でさえとにかくすばしっこくて少し目を離すと背後から手痛い一撃を見舞われるアラガミに比べれば、のそのそとしか動けず豆鉄砲をぱらぱら撃つだけのMTは余裕で対処出来る。

 

『盾持ちがいる。ブレードを使え。617』

 

「了解…ッ!」

 

HI-32:BU-TT/A。誰が呼んだか「必殺ぶった切り」。

タキガワ・ハーモニクス製のパルスブレードの2連撃で、盾持ちMTを盾ごと真っ二つにしてやった。

 

昔から銃よりも近接武器を多用する癖があった私にとって、そのパルスブレードの使い心地は最高だった。盾持ちMT殲滅に便利なのは勿論、弾薬費をケチる時にも使える。

 

 

 

『全ての目標の破壊を確認した。仕事は終わりだ。617』

 

そんなこんなで私の初陣は実にあっさりと終わった。

 

ついでに言えば、目の前に広がる惨状に対する感想もあっさりしたものだった。ウォルター曰く、強化手術の弊害だそうだ。

尤も、防備の薄いミナトがアラガミの襲撃に遭ったから助けてくれと依頼されて行ってみたら既に死屍累々だった、なんてことも前世じゃ日常茶飯事だったから特別驚く事でも無いけれど。

 

 

 

『617。仕事の時間だ』

 

『ベイラム系列企業、大豊から依頼が来ている』

 

『独立傭兵の諸君!これは当社系列企業、大豊からの依頼だ──』

 

ウォルターは続けてもう1つ依頼を持ってきた。

今度はアーキバスと対立するベイラムからの依頼。

 

 

『目標の撃破を確認した。帰投しろ。617』

 

『独立傭兵617!見事な働きだった!』

 

内容はアーキバス系列企業製ACとその所属基地の破壊とのことだったが、伊達に"鬼神"なんて呼ばれていない。

サクッと撃破し追加報酬もしっかりと稼いでやった。

 

 

 

 

 

『よくやった。617』

 

私のことを褒めるウォルター。

抑揚の無い声に聞こえるが、仕事を持ってきた時なんかと比較すると若干ながら声色に柔らかさを感じる。

 

(ユウゴ…?)

 

それが何だか父親のようで。今は亡き旦那の顔が思い浮かんだ。

ウォルターは他所からの評判は最悪らしいが、そんなことは無い。むしろ私の意思を尊重してくれている。この殺伐とした世界に似合わなさ過ぎるくらいに。

 

 

『そうだ、617。少し話がある』

 

『新たに618と619、620を雇う。情報には目を通しておけ』

 

強化手術のレベルが格段に進歩した今、私を含めた第4世代の強化人間をわざわざ買う価値は無いに等しい。実際に私もウォルターに買われるまで、ずっと冷凍保存されていたらしいし。にも関わらずウォルターは旧世代型の強化人間を買い、私達が最高のパフォーマンスを発揮出来るようサポートしてくれる。

 

(………ウォルターは…私が支える)

 

私は、そんなウォルターのどこか後悔の色を帯びた顔を見て、より優れた傭兵になることを決意した。

 

 

 

 

 

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「お前たちの先輩になる、617だ。しばらくはシミュレータでの訓練になる。彼女に、色々と教えてもらえ」

 

「よろしく」

 

「「「………」」」

 

それから少しして、ウォルターが3人の強化人間を連れてきた。

偶然かはたまた運命か、連れてこられた3人は全員私と同じような銀髪の美少女だった。それぞれ体格に若干の差異はあるものの、それでも私とそっくりだった。

 

618は平均的で特徴の少ない体型をしていながらも、元々そういう職に就いていたのか戦い慣れた気配が漂っている。

619は私に匹敵するんじゃないかというくらいのボディを持ち、背丈も3人の中では最も高い、お姉さん系といった容姿。

620はそれとは反対にかなりスリムな体型をしていて、618より少しだけ背が低く3人の中で最も背丈が低い。

共通しているのは、美少女であるということ。ジーク達が羨ましそうな顔でこちらを見ている気がする。

 

「617。シミュレータを使えるようにしておく」

 

「準備出来てるなら早速実力テスト、しようか。とはいえ、私もまだ拾われたばかりだから、先輩と言えるかは微妙だけれど…」

 

 

 

結果から言って、618達は充分に傭兵としての技術があった。特に618はそれが顕著で、少し鍛えれば私に並べるんじゃないかというくらいには素質があった。

私を含めれば最大4人パーティが組めるから、多少なり以前と同じような感覚で作戦遂行が出来るようになるだろう。

 

あとは、戦闘以外の面についても交流していくとしよう。

ウォルターも私に感情が戻りつつある──尤もそれは私が転生者である影響なのだろうが、ともかくそれを喜んでいたから、私との交流で618達の感情が戻ることにも期待して。

 

 

 

 

 

「617先輩。貴女は…逃げて…くださ……──」

 

[C4-618、生体反応ロスト]

 

でも、そんな小さな楽しみは、奪われてしまった。

 

スッラとかいう私達よりも旧世代型の独立傭兵に。

 

 

「617。後は頼みま──」

 

「行って!617っ──」

 

惑星封鎖機構の砲台に。大型兵器カタフラクトに。

 

私は機体をボロボロにしながらも何とかミッション目標を達成し、ウォルターの元へ帰る事が出来たけれど、輸送ヘリの駐機スペースは1つを除いて空になってしまった。

 

 

 

 

 

「621…あなたは私が守ってみせる…ッ!」

 

 

これから密航するルビコン3でのやる事は決まった。もう1人補充戦力としてやってくる強化人間C4-621を何が何でも守り抜き、ウォルターと一緒に幸せになってもらう。勿論、その場に私も一緒に居られれば嬉しい。あとスッラは今度出会ったら徹底的に叩きのめしてやる。

 

 

 

『617、621。仕事の時間だ』

 

 

 





うちのGE3女主人公さんは、元娼婦。
あんなむちむちボディと殺伐とした世界観で、そういうことさせられてないわけが無い。
初めてプレイしてペニーウォートの環境を見た時絶対そういう過去抱えてそうと感じまして。

今回のGE3主人公、もとい617のアセンは621初期機体と同じ。まだトレーラーの構成になってないと言った感じ、なお617が別人になったのであの構成にはならなかった模様。


この作品が面白いと思っていただけましたら、感想高評価して頂けると嬉しいです。完結まで書いて欲しいという方がいらっしゃいましたら、私がAC6をクリア出来るよう応援して下さい。
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