ラミー、何であの構成でランカー入りしてるんでしょうね?ダナムさんやツィイーちゃんにも言えるけど、やはりオマちゃんはポンコツ…
とりあえず、うちのラミーさんはオマちゃん補正を加味してもそれなりに実力"は"あるタイプとします。
今日のグリッド086は珍しく静かだった。他のドーザー集団からのちょっかいも無く、ついでに私の所へ来ていた依頼も一通り片付けてある。
「お、噂のビジターじゃないか!ジョギングか?」
「まぁそんなとこだね。今日は暇だし」
という事で私はこの広大なグリッド086を体力作りがてら巡り歩いていた。
「ガハハッ!MTとかACとかがあるとはいえここのグリッドは縦にも横にも広いもんな…!"外の企業"のヤツらなんざ簡単にへばっちまうんじゃねぇか?」
「違ぇねぇや!まぁ他所モンがここに乗り込む隙なんざ無ぇだろうがな!」
「…あー君たち、私も一応"ビジター"だからね?」
「あっいや違うんすよ!姉貴は別だぜ!」
「ラミーのヤツがボスの次に強ぇって認めたんだから例外だ、例外!」
まぁRaDの本拠地なだけあって、あっちへ行ってもこっちへ行ってもあるのは工場ばかりで娯楽施設の類は決して多くは無いのだが、ここのドーザー達のやり取りは見ていて結構楽しい。一度仲間と認めたからには過去の経歴など関係ない──そんな雰囲気がここにはあった。
「──そういやビジター。そのラミーに関して面白い話題があったんだよ!」
さて次はどこを見に行こうかと思案したそんな時、ドーザーの1人が何かを思い出したかのように話を続ける。あのラミーに関する話らしい。
「シミュレータルームへ行ってみな!今日は盛り上がってるぜ!」
「盛り上がってる?」
「行ってみりゃあ分かるさ!なぁ?」
「あぁ!きっと気に入るぜ!」
詳しい内容は教えてくれなかった。
ひとまず、シミュレータルームへ行ってみるとしよう。
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『ひゃーっはっはっは!消毒してやらぁ!』
「行けェーッ!!焼き尽くしちまえーッ!!」
『くそーっ!なんか機体がエラー吐いていやがる!』
「オラオラ!撃ちまくらねぇと負けっぞ!!」
そこは、何やらとんでもない事になっていた。
大型モニターに映し出されているのは、2機のACによる模擬戦の様子。「CC-3000
BASHOヘッドの方はRaD製の重機関銃「
「おいバーデン!てめぇに大金賭けてんだから負けんじゃねぇよ!!」
「へッ!バカのバーデンに賭けたのが間違いだったなァ!」
「うるせぇ!バーデンのヤツは今日調子が悪ぃんだよきっと!そういうてめぇが賭けたのもアホのアーロンだろうがよ!」
どうやら、シミュレータの対戦でどちらが勝つかで賭けをしているようで、凄まじい声量で歓声に声援に罵詈雑言に…ともかく聞き取るのが大変なくらいの声が上がっている。
ルールは2本先取。ここのシミュレータに登録されている製品のみで組んだアセンブルを使い、多少の遮蔽が設けられたフラットなフィールドで戦っていた。
火炎放射器ダブルトリガーのバーデンの方が勢い付いているようだが、よく見るとAP残量の割合は重機関銃のアーロンの方が有利なようだ。…私からしてみれば子犬のじゃれ合いも同然だったが。
「おや、ビジターじゃないか。アンタも来てたのかい」
いつの間にかカーラがすぐ隣に来ていた。
手にはRaDのロゴマークがでかでかと貼られたタブレットを持っている。
「ボス?!何故ここに?」
「何故って観戦に決まってるだろ?エンジニアとしては戦闘データはいくらあっても足りないからねぇ」
「なるほど。製品の改良に活かす、と」
「そういうことさ。面白いだろ?」
ベイラムはともかくアーキバスなんかでこんな事をしていたら只事では済まなさそうだが、ここはコーラルキマったドーザー共が集うRaD。中々に良いアイデアだなと感じる。さすがはカーラだ。
『いよっしゃァ!!俺の勝ちだァッ!!』
『どういう事だよ!攻めてたのは俺のはずだぜ!?』
おっと。シミュレーションの勝者が決まったらしい。
勝ったのはアタッシェダブルトリガーのアーロン。あれだけ威勢よく火炎放射を撒き散らしていたバーデンだが、撒き散らした火炎が自身の視界まで遮ってしまったのが敗因だった。
オッズはややバーデンの方に傾いていたようで、掛け金がパーになった事を嘆く声が多い。
「本日最後の対戦カードは…これだ!!」
進行役のドーザーがデカい声を張り上げつつ、モニターを弄った。
そこに書かれていたカードは──
「へっへっへ…次は俺の出番だなぁ…!」
「ラミー!?」
身体のデカさだけですぐ分かる。そう、無敵のラミーその人だった。
「今回も
「今回もラミーの圧勝だろうなぁ…でも俺はアーロンに賭けちゃうんだなァ!」
「へへっ、俺も挑戦者に賭けるぜ!こいつが大金に化けて帰ってくるかもしれねぇと思うと…うひっ…うひひひっ!」
「あぁたまらねぇぜ…!バクチはよぉ!」
何度もラミーと戦っている私からしてみれば意外も意外だったのだが、RaDの中ではラミーは相当上澄みの方らしく対戦相手に勝機はほとんど無いような扱いをされていた。オッズも明らかに挑戦者側が凄まじい高倍率になっている。
…それを分かっていながら、大金目当てで挑戦者側に嬉々として賭けるのはさすがドーザー。カーラが「あいつらは総じて頭のネジが緩い」と言う理由が改めてよく分かった。
『ヒャーッ!!インビンシブルだぁーっ!!』
試合結果は、ラミーの圧勝だった。
右手のショットガン「
………基礎は出来ている…のか?……仮にもランカー、鍛えれば…強くなる…かも?
熱狂冷めやらぬシミュレータルームを後にした私は、グリッド内の売店に立ち寄り、試作ミールワーム料理の材料を買い漁る。伊達に数十年母親していない。料理にはそれなりに自信があるのだ。
そんなこんなで軽く買い出しを終えた時。
「お、いたいた。ビジター、この後時間あるかい?」
カーラと再び出会った。
「ミールワーム料理を試作してみる以外特に予定は」
「そうかい。なら、話はビジターの部屋でしようか」
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「──アンタは、ラミーの機体をどう思う?」
料理の下準備に取り掛かるやいなや、カーラがそう切り出した。
ラミーの機体、マッドスタンプについてか。
………
………
……………
「アレ組んだのひょっとしてラミー本人ですか?」
「その通りさ。あれはアタシが組んでやった機体じゃない」
そうだよね。あまりにもクオリティが低すぎる。
カーラと、あとチャティも専用ACを持っているのを聞き、アセンブルを見させて貰ったことがあるが、その完成度はラミーとは比較にならない。武装は両手両肩キッチリ積まれているし、FCSも
にも関わらずラミーがあの有様という時点で、マッドスタンプのアセンブルにカーラが関与していないのは確定的だ。
「そこでアンタに相談がある。…内容は…言わなくても分かるか」
「マッドスタンプのアセンブルを考えてくれ、と」
「そういうことさ」
という訳で始まったマッドスタンプ強化計画。
早速疑問がひとつ。
「肩武器って何で載せてないんです?」
マッドスタンプは何故か肩武装をひとつも載せていない。よほどキテレツなアセンブルをしていない限り、武装は4箇所全て埋めるのが基本だ。確かに重量は重くなりジェネレータのENに対する負荷も大きくなるが、手数や汎用性が減るというのがあまりにも痛い。
マッドスタンプは積載状況にもEN負荷状況にもまだ十分余裕があり、総重量も約70,000と見た目の割に中量級程度の重さしかない。では何故肩ミサイルのひとつも積まないのか?
「あぁ…それはね…使いこなせなかったのさ」
「えっ?」
返ってきたのは、思わぬ答え。
「前に新武器のテストも兼ねて積んでやったことがあるんだ。けどラミーの奴は一回もソレを使わなかった。んで、改めてソイツを使うよう指示したら、今度はショットガンとチェーンソーを使わなくなっちまいやがった」
「えぇ…」
曰く。コーラル酔いで思考能力が低下しているせいか、肩武器まで頭が回らないのだとか。素面の状態なら使うこともあるらしいが、ラミーは大抵コーラルをキメてから出撃するため基本的に未使用のまま終わってしまう。
ゆえに重量やEN負荷の軽減も兼ねて未搭載のまま放っといているのだとか。
「つまり、だ。肩武器無しかつ中立企業製品主体でコイツを強化していくって訳さ」
む、難しい…。
「まずはチェーンソーを軸に考えようか」
「近接格闘ですね」
最初に手をつけたのは、ラミーと言えばこれ!なチェーンソー周りの改善から。取り回しに難があるとはいえ、メインウェポンであることには変わりない。
「腕はBASHO一択でしょう」
「BAWSの旧型ACのパーツか。ビジター、分かってるね」
その中でも、腕は真っ先に変える。元のパーツ「AC-3000 WRECKER」はずば抜けた反動制御能力を誇る反面近接武器適性が完全に終わっている。これでは肝心のチェーンソーの火力が全く上がらない。しかも右手武器はショットガンなためWRECKERの高い反動制御も恩恵が薄いと来た。
それを、
「なら、ブースターも変えようか。RaD製じゃなくなっちまうのは惜しいが、KIKAKUの性能は折り紙付きだ」
続けてブースターを変更。「AB-J-137 KIKAKU」、621も使い始めたという近接格闘推力トップクラスのブースターへ。その高さたるや、速さを追い求めて止まないアーキバス系列企業シュナイダーが開発した
実はこのブースター、BASHOフレームに標準搭載されているブースターだったりする。BAWS驚異のメカニズム!
「ビジターならジェネレータはどれにする?」
「う〜ん…
ジェネレータはBAWSの
「どうせなら脚部も変えちまおうかね」
「スプリングチキンとかどうです?」
「そいつぁいい!グリッドは高低差も多い。姿勢安定性能は少し落ちちまうが…ブーストキックも付けてやりゃあ差し引きはプラスになるだろう」
あとは脚部をRaD製重量逆関節パーツ「RC-2000
[AC:MAD STOMP POWERFUL]
R-ARM:WR-0777 SWEET SIXTEEN
L-ARM:WB-0010 DOUBLE TROUBLE
R-BACK:NOT EQUIPPED
L-BACK:NOT EQUIPPED
HEAD:DF-HD-08 TIAN-QIANG
CORE:DF-BD-08 TIAN-QIANG
ARM:AA-J-123 BASHO
LEG:RC-2000 SPRING CHICKEN
BOOSTER:AB-J-137 KIKAKU
FCS:FCS-G2/P05
GENERATOR:AG-E-013 YABA
EXPANSION:NOT EQUIPPED
「…マッドスタンプにしちゃあ良い仕上がりじゃないか」
結果として出来上がったのがこれだ。
KIKAKUブースターと逆関節の水平跳躍性能を活かして300m付近からでもクイックブースト一回で容易にチェーンソーの有効範囲に捉え、BASHO腕パーツで強化された攻撃を叩き込む。そんな機体に仕上がった。
シミュレータに読み込ませたデータを使い私とカーラで軽く運用試験をしてみたが、軽MT部隊程度なら難なく殲滅可能、BAWS4脚MTでもリペアキットに頼ることなく安定して撃破出来るくらいの性能は確認できた。
「あとの問題は…」
「ラミーが乗りこなせるかどうかだね」
「大丈夫だと思いたいですが…」
不安は最後まで拭えなかったのだった。
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「617。久しぶり」
「621こそ」
マッドスタンプ強化計画を書き上げた数日後、グリッド086に621がやってきたことで、私達はルビコン密航以来の再会を果たすことが出来た。
相変わらず621は殆ど無表情のままだが、車椅子に乗ったままながらも私を抱きしめる腕からその喜びが伝わってきた。
「仕事の内容は確認した?」
「うん。ドーザーをせんめつしてあんぜんかくほ」
「よしよし、ちゃんと確認してるね。さすが621」
621がここへ来た理由は簡単。621、仕事だ。
グリッド086からでも眼下に見えるほど近傍にあるボナ・デア砂丘、その大量の砂の由来となる場所がその近くにある。アーレア海からの風が流れ込む「ファウナ峡谷」。そこが次のミッションの目的地なのだ。
「他所のドーザー達には悪いけど、これも仕事だから」
621との久々の共闘だ。派手に暴れさせてもらおう。
でも、この時の私は想像していなかった。
あんな強敵が現れるだなんて。
マッドスタンプ改修案、如何でしたでしょうか?
私はネストには潜っていないソロプレイヤーなので、ガチ対戦におけるアセンブルは全く知らないのですが、軽く触ってみたところそれなりに動ける感じはありましたね。
ラミーが肩武器無しな理由はコーラル酔いによる思考能力低下にしました。でもそのせいで拡散バズが積めなくなった…変人が採用することに定評のある拡散バズが…。スプリングチキンと併用したいのに…。
でもまだ強化の余地は残ってる。ラミーさんは今後もちょいちょい活躍させて行こうかなと思っとります。
デスキュベレイ突破しました。もう二度とやりたくないですログ回収とSランククリアは無理です諦めます。