その鬼神、ルビコンにて再び家族を作る   作:高橋ヒナタ

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今回、早くもあの人が出てきます。

もう少し出番あっても良かったんじゃ…?って人。
そういうキャラac6に多くないですか?ラミーといいメーテルリンクといい…あと五花海とかホーキンスとか。
スウィンバーン?アイツはキャラが濃すぎるから例外よ。



輸送路安全確保

 

 

 

『617、621。仕事の時間だ』

 

目的地へ向かう輸送ヘリの中で、私達2人は改めてミッションブリーフィングを確認する。

 

『独立傭兵レイヴン、独立傭兵イーターの御二方へ。これは、ベリウス・アプライド・ウェポン・システムズ、BAWSからの依頼となります。我が社の商品を配送中の輸送部隊が、進路上に多数のドーザー所有MTが展開している為に立ち往生しています。あなた方には、そのドーザー勢力を奇襲し排除して頂きたいのです』

 

先日も軽く確認をしたが、目標はドーザー集団のMT部隊。場所はグリッド086近傍にあるファウナ峡谷。

 

BAWS製の4脚MTやRaDから闇市経由で流れたカスタムMTも何機か確認されているとのことだが、私と621であれば対処可能なレベルだ。

 

 

 

『よし、ミッション開始だ』

 

ウォルターからの声に、私は待機状態だった愛機に火を入れて峡谷の一角へと降下する。

 

私達の愛機は幾つか雑多なミッションをこなして稼いだ資金を使ってアセンブルを組み替えていて、私は──

 

R-ARM:MG-014 LUDLOW

L-ARM:Vvc-770LB

R-BACK:BML-G1/P20MLT-04

L-BACK:BML-G1/P20MLT-04

 

HEAD:HC-2000 FINDER EYE

CORE:CC-2000 ORBITER

ARM:EL-TA-10 FIRMEZA

LEG:NACHTREIHER/42E

 

BOOSTER:BST-G2/P04

FCS:FCS-G2/P05

GENERATOR:AG-E-013 YABA

 

となっている。

 

土着企業の1つであるエルカノの製造した軽量フレームFIRMEZAの腕パーツを採用した理由としては、反動制御と射撃武器適性、格闘武器適性が程よい数値で纏まっているという点もそうなのだが、何よりも見た目が好みだったからというのが大きい。

NACHTREIHERフレームは他パーツも後々購入しようと考えている訳なのだが、あの射撃武器特化の腕パーツだけは近接戦闘主軸の私には合わず、別パーツを採用する予定だった。そこにFIRMEZAがちょうど良かったのだ。

 

 

一方で621の方は──

 

R-ARM:RF-024 TURNER

L-ARM:HI-32:BU-TT/A

R-BACK:BML-G1/P20MLT-04

L-BACK:BML-G1/P20MLT-04

 

HEAD:HC-2000 FINDER EYE

CORE:CC-2000 ORBITER

ARM:AR-011 MELANDER

LEG:LG-012 MELANDER C3

 

BOOSTER:AB-J-137 KIKAKU

FCS:FCS-G2/P05

GENERATOR:DF-GN-06 MING-TANG

 

と、ベイラム系列のカスタム2脚パーツとEN補充性能に優れるジェネレータを加えた構成に変えたらしい。順当に基礎スペックと快適性を底上げしたバランスのいい中量2脚ACに仕上がっていた。

 

中でも目を引くのはMELANDER脚のカスタム品。これはベイラム専属AC部隊での採用を基本としているのもあってか193,000COAMとやや高価なのだが、中量2脚パーツの中でも比較的軽快な足回りは621にとってはぜひとも欲しい品だったとのこと。

 

 

 

『今回は2方面からの挟撃となる。ペースを合わせていけ』

 

「了解」

『りょうかい』

 

作戦開始地点に到達したら、軽く周囲を確認。

 

所々にグリッドから落ちてきたと思しき残骸が転がっている以外は殆どが赤茶けた岩に囲まれており、ボナ・デア砂丘ほどではないが強風に砂塵が混ざっているため一帯の空気は茶色く染まっている。強烈な高低差も相まって、あちらとは別の意味で視界は最悪だが、奇襲には打って付けだろう。

 

 

 

そのまま機体を進めていくと、オープン回線に声が乗り始める。

 

 

『──どうだ?BAWSの輸送機は来たか?』

 

『いや…報告は来てねぇッス。やっぱ気付かれてるみたいッスよ』

 

『そうか。ちっとばっかし暴れ過ぎちまったか』

 

襲撃計画を立てたドーザーの一員のようだ。少なくとも私や621の存在は露見していない。

 

 

『ザザッ…なっ、今の音は何だ!?』

 

『敵襲ッス!向こうの部隊が襲われてるみたいッスよ!』

 

『何ィ?仕方ねぇ!ここは俺らも加勢に──』

 

 

ここだ!

 

ブゥン…ッ

 

 

「なっ…!コイツどこから!」

 

「アニキッ!」

 

ドーザー達が慌て始めるが、もう遅い。

レーザーブレードのチャージを解放、2回連続の大回転をぶちかます。

 

ズバァン!ズバァンッ!!

 

「「ギャアーーッ!!」」

 

 

621が"始めた"ようだ。私も勢いのまま敵部隊の殲滅にかかる。

 

主な敵は、BAWS製のガードメカや軽MT。そこにグリッド086近辺でよく見るRaD製のカスタム機「パンチャー」や「キッカー」が混ざっているような形だ。あとは所々にミサイル砲台が設置されているくらいか。

 

 

「621。そっちはどう?」

 

『じゅんちょう。へいき』

 

621も殆どAPを削られることなく敵部隊を殲滅しているようで、モニターには絶え間なく敵撃破時の追加報酬が表示される。

 

 

 

更に少し峡谷を進んでいくと、モニターにターゲットマーカーが現れる。

 

『617、621。付近にBAWS製4脚MTの反応を検知した。殲滅しろ。ただし今までのMTとは性能が違う。油断はするな』

 

私達が4脚MTを容易く殲滅出来る実力があるのはウォルターも知っているだろうに、しっかり広域レーダーをチェックし注意喚起までしてくれるだなんて、やはりウォルターは良い飼い主だ。

 

ただし、注意通り油断はしない。熟練のゴッドイーターも小さな油断であっさり命を落とすことだってあったのだ。ここで言う所の軽MTやガードメカ程度の脅威でしか無いはずの小型アラガミに殺されてしまうのも珍しくない。

確か神薙さんアインさん曰く「エリック」と言ったか。アラガミとの激戦区だった極東支部でゴッドイーターをしていた男だったらしいが、ある日"とある新人"との協働ミッションで本当にあっさり逝ってしまったとのこと。

 

「──621。気をつけようね」

 

『??…わかった』

 

無いとは思うが、621にも注意喚起してから4脚MT排除に取り掛かった。

 

 

 

 

 

そうして敵部隊を殲滅していくこと数分。

 

 

『…617。お前に接近するACの反応が検知された。気をつけろ』

 

「AC?」

 

ログハント対象になっていたトイボックスを含め粗方敵を殲滅し終えた辺りで、ウォルターから接近する機体がいるとの情報が入った。

 

あとは近くに潜伏している別働隊の殲滅だけという所で…。

 

 

『この反応は…!』

 

 

 

ウォルターの驚く声と共に機体COMも接近する機体を捉えたらしい。モニターに方角が表示される。

 

 

 

『617!退避しろ!』

 

 

「青いAC…?」

 

 

 

見えてきたのは、黄緑色のモノアイが特徴の青いAC。あの角張ったヘッドパーツはベイラムのMELANDERフレームのものだが、それ以外は流線的な形状をしたアーキバスのVP-40Sフレームで構成されている。パッと見では独立傭兵のようなフレーム構成だが──

 

 

 

「妙な動きをするACがいると聞いて来たが…お前がそうだな。そういう動きだ」

 

 

『何故V.Ⅰがここにいる…!』

 

 

そのACはアーキバスグループ強化人間部隊「ヴェスパー」の首席隊長にしてアリーナランク1のトップエース「V.Ⅰ(ヴェスパーワン) フロイト」の駆る専用機「ロックスミス」であった。

 

 

 

『仕方ない。V.Ⅰフロイトを撃退する。621、合流を急げ』

 

「了解…っ!」

 

 

 

「まずはこいつから試そうか」

 

フロイトが緊張感の無い声でそう言うと、左肩──こちらから見て右側の肩部兵装を起動し、そこから小さい飛行物体を射出した。

 

スラスターの蒼い光を放ちながらフワフワとこちら目掛けて飛んでくるソレが何なのかはすぐに分かった。

 

 

「ビット兵装!」

 

「…流石の反応だな。面白い」

 

すぐにその場から飛び退けば、直前まで自機がいた場所に複数発のレーザーが突き刺さっていた。ウォルター曰く、VCPL製のレーザードローン(Vvc-700LD)だという。

 

 

「そういう攻撃は、こう捌くッ!」

 

しかし、今まで数多のアラガミを屠ってきた経験が私に味方する。ああいう自機追尾型の包囲攻撃はサリエルで既に学習済みだ。頭部の第3の目から放たれるレーザーを前に足を止めればあっという間に射抜かれてしまうが、裏を返せば足を止めなければそう簡単には当てられないことでもある。

 

 

「対応してくるか…!いいぞ…!ならこれはどうだ?」

 

「ドローンが合体した?!」

 

フロイトは実に楽しそうに次なる手を打ってきた。

 

6基あった小型ドローンを3基ずつ合体させ、2基の中型ドローンとして扱ってくる。当然レーザーの威力は上がっているだろう。更には発射タイミングのずらしまで加えてくる。

 

 

「隙ありだな」

 

ドォンッ!!

 

「くっ…」

 

右肩の拡散バズーカ(SB-033M MORLEY)に当たってしまった。幸い被弾したのは5つの子弾のうちの1つだったためAPへのダメージは大きくないが、先程から頻繁にLUDLOWを引っ掛けてくるせいで衝撃値がキツイ。

 

 

だが、私とて伊達に歴戦の戦士ではない。

 

 

「…ミサイルの発射タイミングを手動でずらしてきたか。…面白いな」

 

両肩合わせて8発同時発射出来る肩ミサイル。これをマニュアル操作で連射した訳だが、その中の2、3発だけ僅かにタイミングをずらして発射してやった。

 

その結果、私よりも先にロックスミスがスタッガーに陥る。LUDLOWで衝撃値を溜めていたのはこちらも同じだ。

 

 

 

「帰って欲しいな!こっちとしては!」

 

ズバァッ!!

 

追撃はレーザーブレードノンチャージ。621とは違ってKIKAKUブースターではないが、威力の割に出の速さは悪くない。

 

 

「タキガワのブレードも悪くは無いが、そのレーザーブレードもいいな。戻ったらスネイルに注文するか」

 

「あのさぁ…」

 

「どうした?…あぁすまない、戦いの最中に余計な考え事だったな。さぁ、続きをやろうか」

 

「……………」

 

正直物凄くやりづらい。

 

 

 

 

 

「これがウォルターの猟犬か…!やはり面白い」

 

『フロイト!一体どこで油を売っているのです?!』

 

「──スネイル?今面白い所なんだ。後にしてくれ」

 

『待ちなさいフロ──』

 

「そうだ…!そのブレード捌きが見たかった…!!」

 

 

 

戦いが酷く長く感じられる。

 

フロイトも徐々に私の動きに適応してきているようで、攻撃の精度が確実に上がっていた。

 

[リペアキット 残数1]

 

「APがマズいわね…」

 

これ以上被弾を抑えようとすると今の機体性能では…。

 

 

 

だが、ここで諦めるわけには行かない。ひとつ、試してみるとしよう──

 

 

 

 

 

╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌

 

 

 

 

 

「いいぞ…もっと魅せてくれ…!」

 

 

 

その戦いは、ルビコンに来て以降味気ない戦いが続いて退屈さを感じていたフロイトの闘志に火をつけるに十分過ぎるものであった。

 

強化人間ですら好んで使う事のないマニュアル操作を、今まで見てきた誰よりも使いこなして、アリーナ1位である自分にここまで食らいついてきている。

今の機体構成はあくまでもアセンブル試行錯誤の途中だが、それでも自分の腕前が変わるわけでは無いのに。

 

 

 

「さぁどうする?ウォルターの猟犬」

 

あの機体構成であればEN容量特化のジェネレータでもない限りクイックブーストは出来て6回か7回。彼女はクイックブーストを6回以上吹かしていない辺りからして、限度はそこだろう。そして今、レーザードローンとLUDLOWを上手く使って6回目のクイックブーストを使わせた。右肩の拡散バズーカは既にクールダウンが終わっている。

 

あちらはスタッガー寸前。リペアキットを2回使っており、AP残量もそう多くはない。コア拡張機能は確認していないが、仮にアサルトアーマーやパルスアーマーを持っているなら既に使っているだろう。彼女は果たしてこの状況をどう切り抜ける?

 

フロイトは、実に面白そうな表情で拡散バズーカの引き金を引いた。

 

 

 

ドドドドンッ!!!

 

 

 

「まだよッ!」

 

「!」

 

彼女は、機体を素早く翻してそれを回避していた。

 

「なるほど…ジェネレータは容量特化か」

 

BAWSのHOKUSHIかあるいは大豊のSAN-TAIか。ここまで徹底的に7回目のクイックブーストを封じて戦い、この土壇場で7回目を切ったのか。

 

そう感心しつつも、もう殆どENの余裕が無いであろう彼女へLUDLOWで再び攻撃しにかかり──

 

 

 

ダンッ!

ダンッ!!

 

 

「………妙だな」

 

彼女は更にそこから2回クイックブーストを使った。

 

ORBITERコアとSAN-TAIを組み合わせた時のEN補充遅延はフロイトも詳しくは知らなかったが、仮にジェネレータがSAN-TAIでコアがEN供給補正に優れるNACHTREIHERでもあれほど連続してブーストを吹かせばEN回復は追いつかないはず。

 

 

「少し、無理をしようか」

 

フロイトはその違和感を確かめるため、自身も更にブーストを吹かして食らいつき、クールダウンの明けたレーザードローンを射出した。

 

 

 

「それはもう見切った!」

 

「何故だ…?何故まだクイックブーストが使える?」

 

しかし彼女は更にクイックブーストを数回吹かしてドローンを振り切って見せた。

 

「まさか…!?」

 

あまりの異常性にフロイトはその理由を2つまで絞る。ひとつは、ジェネレータをオーバーロードさせている説。もう1つは──

 

そして、クイックブーストする瞬間に彼女の機体の背面を注視した。

 

 

 

 

 

「そういう動きもあるのか…っ!本当に面白い!」

 

彼女はなんと、機体をマニュアル操作で動かしてブーストを吹かさずに素早いステップを踏ませていたのだ。NACHTREIHER脚部の強力な水平跳躍性能にものを言わせた、クイックステップとでも言うべきモーション。それとクイックブーストを数回ずつ交互に使うことでENを回復させていたらしい。

 

「隙を見せたわねッ!!」

 

ガァンッ!!

 

「ぐっ…」

 

猟犬の予想外の動きに一瞬驚き動きを止めてしまった瞬間、アサルトブーストをも超える勢いでこちらへ跳んできて、タックルを仕掛けてくる。

 

凄まじい衝撃でスタッガーに陥るロックスミス。

 

 

 

「これで言い訳つくでしょ!!」

 

 

その隙を猟犬は逃さなかった。

レーザーブレードで右腕ごとライフルが持っていかれる。

 

 

 

 

 

「…仕方ない。ここは引くか。本気で殺り合えるのを楽しみにしている」

 

 

 

 

 

フロイトはこれ以上ないくらい楽しそうな顔で撤退するのだった。

 

 

 

 

 

╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌

 

 

 

 

 

『617、621。ミッション完了だ。戻って…よく休め』

 

 

 

「はぁーーーっ………疲れた…」

 

ミッション自体は特に問題なく終わった。ミッション自体は。

 

 

ゴッドイーターとしての必須技能、ステップとダイブ。それをACでの戦闘機動に取り入れる試みが功を奏し、アリーナ1位の撃退に成功した訳だが、これ以上無いくらいに疲れた。

 

正直もうフロイトの相手はしたくない。

 

 

 

でも、あの性格からして…。

 

 

ピピッ

 

 

[新着メッセージ 1件]

 

『今日は本当に楽しかった。またやろう。連絡先を教えておく。いつでも連絡してくれ』

 

 

 

だろうと思ったよ。

 

とりあえず、今日はウォルターの言う通りよーく休むとしよう。救援に向かうのが遅れて若干落ち込んでる621を励ましながら、ね。

 

 

 





//CHAPTER1
【輸送路安全確保】
CLIENT:BAWS
COMBAT ZONE:ベリウス西部-ファウナ峡谷
OBJECTIVE:敵部隊撃破
REWARD:
 COAM 160,000
 BATTLE LOG トイボックス×2
DETAIL:
・ファウナ峡谷に展開するドーザーのMT部隊殲滅
・敵撃破に応じて報酬加算
・途中合流する僚機あり(617or621)


フロイトさん、乱入。
なおエミュるの結構大変だった。
彼の今回のアセンはこちら。

AC:LOCKSMITH
識別名:V.I Freud

R-ARM:MG-014 LUDLOW
L-ARM:HI-32:BU-TT/A
R-BACK:SB-033M MORLEY
L-BACK:Vvc-700LD

HEAD:HD-011 MELANDER
CORE:VP-40S
ARM:VP-46S
LEG:VP-422

BOOSTER:FLUEGEL/21Z
FCS:FCS-G2/P05
GENERATOR:VP-20A

EXPANSION:PULSE ARMOR


ああそう、MELANDER C3は売却不可なせいで値段が分からなかったので、MELANDERの10%増しということにしときました。

少ないと感じていたゴッドイーター要素、追加。ステップとダイブ。どちらも強化人間(ゴッドイーター)の身体能力だけで可能な動きなので、ACで再現してもEN消費なしです。ゲームだったらぶっ壊れてますね。なおこれを多用するとフレームに負荷が掛かり整備士ブチ切れ待ったナシ。
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