なんとかならないかもしれない   作:キケンなロウジン

2 / 5
2.なんだコイツ

 

 あの、その、

 

 原作の流れとかほぼ覚えてないんだよなぁ……必殺技やキャラとかなら覚えてるけど展開はその、10年近く前に見たっきりだし? インパクトとしては過去や未来、宇宙行く方があるじゃん? だからしょうがないっていうか……

 

 頭の中で散々一人で言い訳を並べて、口を半開きにして動けなくなっている。

 

 

 雷門中学が散々なことになってる。目の前では部員であろう選手が一人にボコボコにされ笑い散らかされていた。

 

 管理サッカーってなんだよ。

 八百長が罷り通ってるのか!? 中学サッカーで!? 全国の教育委員会にまで幅を利かせてるフィフスセクターってなんだよ。意味わからない。

 

 

 改造学ランを身につけた同級生っぽい男。剣城京介が雷門中学のサッカーの廃部を決定した。サッカー棟が本校舎並みにデカいのに廃部にするって……それはもう施設だけいい棺桶じゃん。

 

「……あの〜」

「あ?」

 

 とにかく、今廃部にされたら困る。

 

「サッカー部? 廃部にされたら困るんですよねぇ、わざわざ沖縄からここまで来たというか」

「うるせぇよ。これは【聖帝】の指示でここの理事長の許可も降りてる」

 

 不遜な態度で返事をしてくる。多分これ原作イベントだろうけど知ったこっちゃない。紫学ラン、剣城だろ流石に覚えてるよ。剣城はザコを蹴散らしたというのにまだ歯向かってくる奴がいて虫の居所が悪いようだ。というか聖帝って誰だよその変な奴。

 

「それともやるか? ここで、サッカーを。お前が負けたら雷門中学のサッカー部は廃部だ」

 

 剣城はボールをこちらに差し出してくる。これは……チャンスでは? 

 

 ボクは現在の状態である程度、必殺技や化身を持っている。何年も使える時間があって目標もイメージも出来てるのなら出来ない方がおかしすぎる。両親も応援してくれてるのだ。だが、それは条件付きで暴れられる必殺技というか……ぶっちゃけソロ専門だったりする。練習相手がいなかった弊害で自分の理想のプレイを押し付けるスタイルが身についちゃって……もう天馬というかザナークである。

 

「……ルールは?」

 

 ここは、しおらしく対応して油断を誘おう。気分は「まだだ……まだ堪えるんだ!」状態。指パッチンで仲間を呼ばれ即席試合開始とかになったら流石に負ける。サッカーはチーム戦なので。超次元? 知らんなぁ? 

 

「1on1……最初に点を取った方が勝ち」

 

 不意に頭を下げてしまった。待ってくれ、初期剣城君がチョロすぎる。絶対的な自信を持っているのだろう。微塵も負ける気が無さそうだ。

 

「どうだ?」

「やる」

 

 ルール的に得意なのでそりゃあやります。覚悟を決めたような顔でうなづいた。剣城君も大概機嫌が良さそうである。

 

「おい!」

「勝手に決めるな!」

「新入生だろお前!」

 

 ボクは頭を無言で下げて部員達を黙らせる。部員も真剣さが伝わったようで納得してくれたようだ。助かる。

 

 剣城から少し離れて間を作る。その動きを見た剣城が全くの初心者ではないのかと思いながらも警戒対象にならないと一蹴する。どうせこちらが勝つ、ならと天馬にボールを蹴って渡す。

 

 

「ほら、最初はお前からでイイぜ?」

「なら、遠慮なく【ツナミブースト】!!!」

 

「は???」

 

 誰もいないゴールにロングシュートを叩き込む。剣城は止めようとするが届かない。化身も出すのにタイムラグが発生する。

 

 大波がゴールに押し寄せる。ゴールネットが大きく揺れ、落ちたボールの跳ねる音で得点を取ったという現実を実感する。その様子を関係者は見ているしかできなかった。

 

 ロングシュートをかました松風天馬はとてもいい笑顔だった。

 

「これで! 廃部は無しですね!」

「…………オマエェェエ!!!!」

 

 

 激昂してる剣城が詰め寄ってくる。恥をかいたことを理解できたようだ。メチャクチャ愉快である。

 

 

 

 

 

「ほう」

「あれは、綱海君の【ツナミブースト】!?」

「……伝説のイナズマジャパンのシュート」

 

 私、音無春奈は新入生が放った必殺技を見て驚愕する。

 

 雷門のサッカー部で顧問を務める上で現在のサッカーの状況が悪い状態に傾いているというのは理解していた。

 

 フィフスセクターによる管理サッカー制度。その影響は日に日に強くなる一方だった。現在監督を務める久遠監督には雷門を世界一に導いた実績がある。その為抗うことは可能であったが、現状は良くならず遂に理事長は大鉈をふるい、フィフスセクターは使いを出した。

 

 その、絶対権力者の僕がまだ入ってもいない入部希望者に負けた。回復した部員達はその事実に驚いていた。

 

 しかし、私が注目するのはそこではない。

 センターサークルからゴールへと放ったシュート。あれは雷門にゆかりのある兄貴肌で頼もしかったDFの必殺技である。

 

 隣では久遠監督も驚いていた。周りの部員も凄いものを見たという風に新入生を見ている。

 

「お前たち、神聖なグラウンドで何を騒いでいる……!!」

 

 声が響く。

 

「ん?」

「アイツらは……!」

 

 騒ぎに気付いてやってきたのだろう雷門イレブン。そのリーダーである神童拓人。あれよあれよと話は決まり、現在の【雷門イレブン】とフィフスセクターの使者【黒の騎士団】が戦うことに……どうなっちゃうの。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。