マリッジトキシンの魅力が鬼滅ファンの皆様に少しでも伝わればいいなと思い、この度投稿させていただきます。
※文章は下呂君or城崎の一人称視点で書き進めます。
※場面は善逸が霹靂一閃・六連で蜘蛛鬼を倒してしのぶさんが駆け付けたところから始まります。
※下呂君と城崎の服装は基本ドレスアップしたような洋装です(婚活中のため)
1話 毒使い、蟲柱と出会う
「あ、貴方たちは誰ですか!? その子から離れなさい!!」
目の前で死にかけて横たわっている金髪の少年の解毒を試みていると、後ろより声が掛かる。
俺は振り返ると、そこには詰入りの制服のような格好に何やら蝶のような模様の着物を羽織った少女が立ってこちらを威嚇していた。
右手にはフェンシングで使うような非常に細い剣を持っており、俺の背中に真っすぐ向けている。
俺はゆっくりと立ち上がり手を上げて振り向いた。
「この少年の解毒を試みていた。ただ、見たこともない症状な上に毒の成分も不明だ。お前からも薬品の匂いがするが、お前は毒使い*1の傍系か何かか?」
「っ!! 貴方は鬼じゃないんですか!? 一体何者なの!?」
「・・・鬼?」
俺はいぶかしむ視線をその少女に送る。すると、死にかけの少年からか細い声が聞こえた。
「・・・じいちゃん・・・」
俺も目の前の少女もはっとするが、それよりも先に傍の城崎が反応した。
「ちょっと! いがみ合ってる場合じゃないでしょ!? この子今にも死にそうじゃん! 下呂君でも分解できない毒だけど、もしかして貴方はできるの!?」
「えっ!? ええっと・・・恐らく鬼の毒で蜘蛛にされている途中だと思うので、今からなら間に合うかと・・・」
城崎の問いかけに、目の前の小柄な少女は驚きながらも答え、少年の容体を確認する。そして、注射器を取り出し、薬のようなものを打ち込む。
「治せるのか?」
「はい。私は医学にも精通しているので・・・それに鬼の毒については鬼殺隊の中でも一番の専門家ですから・・・」
「鬼殺隊・・・?」
「はい。私たちが属する鬼という生き物を殺すことを生業にしている組織のことです。その様子だと貴方たちはご存じないようですね?」
「・・・」
俺は顎に手を当てる。仮にも使い手の中でも由緒ある五大名家の次期当主だ。そんな生き物がいれば、家の文献で読んだことがあるはず。
この俺が知らないということは、裏家業の者でも知らない余程の機密事項なのか。しかし目の前の少女はあっさりと情報を口にした。不可解極まりない。
俺が考えを巡らせていると、隣の城崎から横肘でつつかれる。
「下呂君、下呂君。今は考えるより、この女の子に話を聞いた方がいいんじゃない? きっと色々教えてくれると思うよ?」
「そ、そうだな・・・城崎、頼む。」
「え~? もう、下呂君ってば。相手は年下の女の子だよ? まだ中学生ぐらいの子にそんな緊張してるようじゃ婚活なんてやってられないよ。」
「いや、そういう訳じゃないんだが・・・俺より城崎の方が話し相手として安心してもらいやすいんじゃないか?」
「はあ・・・仕方ないなあ。あとで高い寿司おごってよ。それでチャラね?」
「ああ、頼む・・・」
俺は城崎に交渉を委ねる。
「自己紹介がまだだったね? 私は城崎メイ。でこっちの女の子に奥手な草食系男子が下呂ヒカル君だよ。貴方のお名前は?」
「え・・・? あ、はい。私はしのぶ。蟲柱 胡蝶しのぶと言います。鬼殺隊でもっとも高い階級の隊士です。」
「ん? 蟲? お前蟲使い*2の関係者か?」
「下呂君。余計な口挟まないでよ。へ~。貴方まだ中学生ぐらいなのに組織で役職ついてるなんて凄く優秀な子なんだね。」
「ちゅ、中学生・・・? あの・・・これでも私十七になるのですが、そんなに幼く見えますでしょうか?」
「ええっ!? 十七!? ごめんなさい!! 背丈がそんなになかったから私勘違いしちゃって・・・」
「あ、いえ。・・・そうですよね・・・私は身体も小さくて、柱なのに・・・鬼の頸も斬ることができない不完全な剣士なので・・・」
「さっきから気になっていたんだが、その鬼っていうのは何だ? 俺の家じゃ聞いたことがないぞ?」
すると城崎及び胡蝶と名乗った少女が俺に振り向く。
「下呂く~ん。聞きたいことあるなら私に頼らず直接この子に聞いてよ。そっちの方が話早いじゃん。」
「ぬ・・・わかった。では胡蝶、改めて教えてほしい。その鬼という生き物について。そしてそれを相手にする鬼殺隊についても・・・」
「別にかまいませんが、まずはこの場にいる隊士達の救助と治療をさせてください。話はそれからでもいいですか?」
「ああ、頼む。救助に関しては俺も手伝おう。」
そうして、俺は胡蝶の指示通りに救助と治療を手伝った。驚いたのが、その場にいた多数の人面蜘蛛が元人間だったということだ。
丁度落雷のような音がしてこの場に駆け付けた時は、特にこちらに危害を加えてくる生き物ではないとしてスルーしていたが、一匹も相手にしなくて良かったと胸をなでおろした。
「すごい・・・私が教えたとおりに薬を調合できるのですね。貴方は一体・・・」
「俺は毒使いの人間だから、薬品の調合も得意なんだ。仕事の時はその場で調合するのが日常茶飯事だからな。」
「毒使い・・・? さっきも私をその傍系だか何かと言っていましたが、それが貴方の職業なんですか?」
「・・・そうだな。ここまで来て秘密にするのも可笑しいか。実は俺の家下呂家は、今よりずっと昔からある使い手の家系なんだ。使い手っていうのは・・・俗にいう殺し屋だ。」
「殺し屋・・・つまり堅気の人間ではないと・・・」
「ああ、こう見えてもう相当の人数殺してきている。正直褒められるような仕事じゃない。」
「・・・そうなんですね。それで貴方たちはなぜここに?」
「ああ、仕事終わりに城崎と合流した直後何者かに襲われたんだ。街中に居たはずなのに一瞬で視界が森に変わって、幻覚でも見せられたのかと思ったら傍に城崎もいたから、多分別の場所に移動させられたんだ。
正直何が起こったのか今でもわかってなくて・・・」
「それは恐らく・・・鬼の血鬼術の仕業でしょう。他者を別の場所に一瞬で移動させることぐらい、奴らの中にできる個体がいてもおかしくありませんから。」
「また鬼か・・・せっかくだから治療の片手間に教えてくれないか? 今後もしかしたら仕事で相手するかもしれないからな。」
「ええ、構いませんよ。鬼というのは・・・」
それから俺は端的にその鬼という生き物についての話と、それを狩る鬼殺隊の話を聞いた。やはりどれも実家の文献で読んだことがない内容だった。
ひとまず参考までに聞いておきたいこと聞いたし、この人たちの助力にもなれたので、頃合いかと思い、俺はその場を立ちあがる。
「それじゃあ俺たちはもう行くぜ。あまりアンタらの邪魔しちゃ悪いからな。」
すると隣の城崎がひそひそと声を掛けてくる。
「下呂君。せっかくだから胡蝶さんと連絡先交換しよっか?」
「ぬ!? 待て! どうしてだ!?」
「だって今後もしかしたら仕事先でその鬼っていうのが出てくるかもしれないんでしょ? だったら専門家の胡蝶さんの連絡先持ってた方がいいんじゃない?」
「むう・・・それもそうか・・・」
「それに、偶然出会ったとは言え、あんな綺麗で魅力的な子、婚活相手としてもありなんじゃない? 毒や薬について話も合うだろうし、今後お互い連絡していくうちに仲とか深まるかもしれないじゃん。」
「なっ!? 今日会ったばかりでそれはどうなんだ!? そもそも向こうは婚活なんてする年じゃ・・・」
俺がしどろもどろに言い訳していると、城崎は胡蝶の傍に移動していた。
「ねえねえ、胡蝶さん。連絡先交換しようよ。携帯って今持ってる?」
「ちょっ!? 城崎!! あくまでも俺は・・・」
「携帯? 携帯って何のことを言ってますか? 携帯食のことですか?」
「・・・え?」
城崎は固まる。俺も予想外の胡蝶の発言に一度冷静さを取り戻す。
「え、えっと・・・携帯電話のことだよ胡蝶さん。スマホでもガラケーでも何でもいいからさ。もし今持ってなければ電話番号だけでも・・・」
「すまほ? がらけー? 申し訳ありませんが、蝶屋敷にはまだ電話がないので、もし電話で連絡を取りたいのであれば、最寄りの自働電話は使うことになると思います。代わりに住所を教えましょうか?」
「え? 自働電話? なにそれ?」
「え?」
「え?」
「・・・」
俺は埒が明かないと思い、ポケットからスマホを取り出す。
「これが俺の連絡先だ。メモして後日かけてくれれば俺の通話履歴に番号が残る。それで・・・」
「え・・・なんですかこの光る板は・・・?」
「え?」
「え?」
「・・・」
城崎だけじゃなく俺もついには固まる。やがて城崎が胡蝶に一つずつ確認をしていく。
「胡蝶さん。これ見たことない?」
「はい。一度も・・・」
「胡蝶さんはこれと似たやつ持ってない?」
「いえ、持ってないです。」
「・・・ええぇ・・・」
城崎が途方に暮れ始めたので、俺は話を切り上げようとする。
「まあいい。いつか機会があればまた会うこともあるだろう。じゃあ俺たちはもう行く。
最後にここがどこなのか教えてもらってもいいか? 山奥のせいで圏外なのか、携帯の位置情報も使えなくて現在地がわからないんだ。」
「えっと・・・ここは東京の郊外です。」
「東京・・・?」
俺は胡蝶の回答に思わず聞き返す。東京の郊外だと? だったら携帯が圏外になるような場所とも思えない。しかし俺も城崎も携帯はどちらも電波が届いていないのが現状だ。
「・・・俺たちの携帯は壊れたのか?」
「いや待ってよ下呂君。さっきから胡蝶さんと一切会話が成立していない気がするし。ちょっとだけ確認させて。」
そういうや否や、城崎は胡蝶に振り返る。
「ねえねえ胡蝶さん。貴方は東京都民?」
「え? ええと・・・そうですね、東京府民です。」
「ん? 東京府?」
「はい。東京府在住です。」
「・・・えっと・・・スカイツリー知ってる?」
「え? なんて言いました? すかいつ・・・え?」
「・・・じゃあ東京タワーは?」
「東京たわー? なんですかそれは?」
「・・・えっと・・・テレビとか移すのに必要な電波塔のことだけど・・・知らない?」
「てれび??」
「・・・まさか・・・」
城崎は顔を引きつらせる。そして最後に突飛な質問をし始めた。
「じゃあさじゃあさ、これはわかるかな? 今の年号は?」
「はい、年号ですね。それならわかります。今は・・・」
俺と城崎は胡蝶の発言を聞いて開いた口が塞がらなかった。なぜなら、
「今は大正元年です。丁度明治から変わったばかりですよ?」
「まさか大正時代に飛ばされているとは・・・億
「びっくりだね、下呂君。ちなみにどうやったら帰れるのかな?」
「わからん・・・まさか時計使いの仕業か?・・・いや、流石にここまでの芸当はできないか・・・ぬう・・・」
私たちは今、鬼という生き物を秘密裏に駆除して回る鬼殺隊と呼ばれる医療施設に泊まっている。今いるのはその客間だ。
私たちはひょんなことから大正時代に飛ばされてしまったらしい。たまたま山奥で出会った胡蝶さんという女の子の発言内容からそれを認めるしかなかった。
私は下呂君の婚活アドバイザーを始めて、毎日とんでもな日々を送るようになって、何が起きても驚かない自負があったんだけど、流石に今回ばかりはびっくりした。
下呂君なんて昨晩からずっと寝ないで頭を抱えている。顔色も、私が無理矢理彼を婚活パーティーに放り込んだ時みたいに物凄く悪くなっていた。
「しかし参ったね。スマホが使えないとこんなに暇だなんて。現代人にとって情報端末は体の一部って話は本当だったみたい。」
「城崎・・・なんでそんなに冷静なんだ・・・」
「え~? 別に冷静じゃないよ。これでも途方にくれてるもん。これは下呂君に責任取ってもらうしかないかな~。」
「なぜ俺が!? 俺に過失はないはずだろ!?」
「え~? だって私、鬼なんていう裏の世界の生き物に狙われる心当たりないし、絶対下呂君絡みで起きたトラブルでしょ? いつものことじゃん。」
「むう・・・否定できん・・・すまんな城崎。」
「いいってことよ。その代わり現代に帰ったら私の欲しいもの買ってもらうから。」
「現物支給か? まあ構わないが・・・」
私たちが暇つぶしの雑談をしていると、ふすまの向こうから声が聞こえた。
「失礼します。下呂さん、城崎さん。少しよろしいですか?」
「どうぞ~。」
するとふすまの向こうから三つ子っぽい女の子たちが入ってくる。正直、誰がどの子か全く見分けがつかない。
「先ほど柱合会議が終わって胡蝶様がこの屋敷に戻ってきたのですが、至急お話したいことがあるそうです。お時間頂いてもかまいませんか?」
「いいよ~。時間有り余って暇してたくらいだし。下呂君もいいよね?」
「ああ、構わないが・・・」
すると暫くして、部屋に胡蝶さんがやってきた。
「お待たせして申し訳ありません。どうしても最優先に対応しないといけない事案があったもので・・・」
「大丈夫。寧ろありがとね。こんな見ず知らずの二人を屋敷に泊めてくれて。正直今の私たち他に行く当てもないし。」
「いえ、困っている人がいれば助けるのが当然です。それに、下呂さんには隊士達の治療薬の調合を手伝ってもらいましたから。」
「俺はできることをやっただけだ。感謝されるほどのことじゃない。」
私はすかさず下呂君の脇腹に横肘を食らわした。
「ぐおっ!?」
「も~、下呂君さぁ。相手がお礼言ってるんだから、そこは素直に好意を受け取りなよ。私が教えて来たこと全然身になってないじゃん。」
「ぬ、すまない城崎。胡蝶、お前の力になれてよかった。こちらこそ一宿一飯の礼を言わせてくれ。ありがとう。」
「え!? あ、はい。こちらこそ構いませんよ。それでは・・・」
すると胡蝶さんは私達と正対する形で正座する。
「早速なのですが本題に移ります。・・・鬼殺隊に入ってはくれませんか?」
「え・・・?」
私も下呂君もあっけにとられる。その様子に胡蝶さんは少しバツが悪そうにして話を続ける。
「実は・・・今朝の柱合会議で貴方たちのことは報告したんです。昨晩、裏家業の毒物に精通する者と出会い、その人は私の治療薬をその場で調合できたと。
その報告にお館様が気に留めたようで、帰る目途が立つまでは鬼殺隊に協力してもらったらどうかと提案されたんです。」
「・・・」
「もし二人がよろしければ、是非私たちと一緒に・・・」
「断る。」
「っ!!」
「ちょっと、下呂君!!」
胡蝶さんの提案に対し、下呂君は即答で拒否した。私は下呂君に異を唱えようとしたが、彼は手を上げて私を制する。
「恐らくアンタらの長は毒使いの家のことを知ってるんだろう。五大名家の力添えがあれば、その鬼とかいう生き物の殲滅も今まで以上に進むんじゃないかとな。
だが、勘違いしないでくれ。俺は仮に次期当主という扱いではあるが、現当主の祖母とは良好な関係を築けている訳じゃない。俺の意向で家全体を動かすことはできない。
今だって、家の取り決めの見合いを断って、勝手に婚活してるくらいだからな。悪いが、お前らの期待に応えてやることはできない。」
胡蝶さんは下呂君の回答に困っている様子だった。私は彼女が何を言いたいのかを察し、下呂君に物申す。
「はあ~、下呂君さあ。勘違いしたまま勝手に話進めちゃだめだよ。きっと胡蝶さんが言いたかったのは、下呂君個人の力を貸してほしいってことなんだから。」
「ぬ? そうなのか?」
「は、はい。私個人としてもお館様としてもそのように考えています。」
「も~、下呂君さぁ。少しは相手の気持ちを察することができないと、婚活だってうまくいかないよ? 胡蝶さんが婚活相手だったら0点だよ、今の答えは。」
「むう・・・そうだったのか・・・それは済まなかった・・・」
「あの・・・一つ私からもよろしいですか?」
「ん?」
私が下呂君の発言を諫めていると、胡蝶さんから不意に質問される。
「昨晩から何度か口にしているその『婚活』って何なんですか?」
ふいに下呂君が冷や汗を流し始め、後ろを振り向く。
「城崎、頼んだ。」
「ちょっと! も~、婚活に関わる話だとすぐテンパるんだから。しょうがないなぁ。」
下呂君が使い物にならなくなってしまったので、私は代わりに説明をする。
「胡蝶さん。婚活っていうのはね、結婚活動の略で、結婚相手を見つけるために色々行う活動のことだよ。この時代だとお見合いが主流だからあまり馴染みないかな?」
「えっ!? 結婚!? 下呂さんは結婚相手を探しているんですか!? す、少なくとも私はまだそういうことは考えていませんので、その・・・ご期待には応えられません!!」
予想外の話に胡蝶さんは取り乱し、両肩を自身で抱くようにして下呂君から距離を取る。私はその仕草に苦笑いするしかなかった。
「ああ、えっと、いきなり胡蝶さんとそういう仲にはなろうとしてないから安心してよ? 下呂君も胡蝶さんはまだ婚活するような歳じゃないって言ってたし。」
「城崎・・・思いっきり警戒させてるじゃないか・・・もう少しうまくやってくれると思ったんだが・・・」
「ふ~ん。じゃあ下呂君。私の力を借りずに胡蝶さんと話してみてよ。まあ、結果は火を見るより明らかだと思うけど?」
「・・・辛だな。これじゃあ見習い時代の方が1000倍マシだ・・・」
暫く沈黙が続くが、ふと胡蝶さんが口を開いた。
「そ、その・・・私はてっきり城崎さんが下呂さんの恋人だとばかり思っていたんですが・・・」
「ん? 私は下呂君の婚活アドバイザーで、そんなんじゃないよ?」
「え!? で、でも・・・その・・・とても仲睦まじく見えるのですが・・・」
「胡蝶、騙されるな。城崎は男だ。」
下呂君の回答に胡蝶さんが固まる。数秒の間沈黙が続いた。
「え・・・男? 城崎さんが?」
「そうだよ~。私今女装してるからね~。」
「え、ええええええええええええ!!??」
蝶屋敷全体に胡蝶さんの驚きの声が鳴り響く。
「き、城崎さんが男!? え、ええっ!? 信じられません!!!」
「そう? じゃあ念のため確認してみる?」
私はそう言って服を脱ごうとしたが、
「やめろっ!!!」
下呂君が目にも止まらぬ速さで部屋の隅の天井に逃げて背を向けて張り付く。虫かな?
「あはは~。冗談に決まってんじゃん。下呂君可愛い~。」
「おまっ、ちょっ、お前マジでふざけんな・・・!」
下呂君はそのまま壁を滑り落ちて部屋の隅に頭を着けて動かなくなる。
「まあ、そんなことは置いといて、私たちは貴方たちが属する鬼殺隊っていう組織に入ればいいのかな? 期間限定になると思うけど。」
「え!? ああ、はい。そ、そういえばそういう話でしたね。ええ、そうして頂けるなら・・・」
「じゃあ下呂君もそれでいいよね? ついでにそのお館様って人に、もとの時代に戻る方法も調べてもらおうよ? ギブアンドテイクって奴だね?」
「あ、ああ。そうだな・・・それで頼む。」
相変わらず下呂君は壁に向かって話しかけている。私の命を救ってくれたあの日の夜みたいになってるなぁ。まあいいや。
そうして私たちは、蝶屋敷に滞在している間、もとの時代に戻る方法を調べてもらうことを条件に、鬼殺隊のお仕事を引き受けることになった。
続く
マリッジトキシンの二次小説をハーメルンで探しても1件しか見つけられなかったので自分で書こうと思いました。早くアニメ化してもっと色んな人の目に触れてほしいと一読者としては思います。
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