鬼滅の毒使い   作:科学大好き人間

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下呂君視点です。上弦とバトります。最後に筆者の推し鬼が出ます。


11話 毒使い、上弦の鬼と連戦する

「悪い! 竈門! 時透! 妓夫太郎の時と同じだと早計に判断しちまった!!」

 

 

俺は宿で竈門たちや時透とくつろいでる最中だった。完全にリラックスしてたのだが、急遽部屋に上弦らしき鬼が入ってきて戦闘になった。

 

すぐさま三人で畳みかけたらあっさり頸は斬れた。なのにその鬼は二体に分裂して死ななかった。

 

妓夫太郎パターンかよと内心舌打ちし、毒薬(トキシン)(まいあし)】を打ってすぐさま二体の頸を同時に秒で刎ねた。

 

しかしそこで驚愕の事態になった。なんとその鬼は更に分裂した。四体の鬼の眼を確認すると、『上弦』『肆』と刻まれていた。

 

 

「下呂さん。ここは一人ずつ相手にしようよ。こっちも禰豆子を合わせれば4人だよ。丁度いいよ。」

 

 

時透は意に介さずそう静かに言い放つ。そのおかげもあり、俺は冷静さを取り戻すことができた。やっぱ柱がいると安心感が違うな。

 

 

「禰豆子行けるか!?」

 

「ムームー!」

 

 

兄貴に呼びかけられ、禰豆子はみるみる幼女のサイズから竈門に並ぶほどの背丈に大きくなる。禰豆子がどれだけやれるのか知らねぇが、確かに頭数は丁度四対四だ。

 

 

「とりあえず頸を刎ねずに倒す方法を考えねぇと!」

 

 

俺は一瞬で目の前の鬼の背後を取り、毒針を刺そうとしたが、天狗の団扇みたいなもんで仰がれる。

 

 

「っ!?」

 

 

毒針は刺した。しかし同時に凄まじい突風に襲われ、俺は建物の壁ごと遠くへと吹き飛ばされた。

 

 

「下呂さん!!!」

 

 

竈門の声がした気がするが、あっという間に距離が離れていく。俺は里の端にある森林地帯まで飛ばされ、何とか着地する。

 

 

「急いで戻らねぇと!!」

 

 

毒薬(トキシン)(まいあし)】を打ってるので、今の俺は柱よりも足が速い。すぐに戻れると高を括っていたが、途中で小鉄が巨大な足の生えた魚のような化け物に襲われているのを発見した。

 

 

「っ!! 下呂さん!?」

 

「小鉄。しっかり捕まってろ。このまま里まで向かう!!」

 

 

俺は一瞬で小鉄を肩に担いでその場を去る。戦ってる時間が惜しい。小鉄を秒で他の里の奴らがいる場所まで避難させ、すぐさま竈門たちと合流する。そう決断したのだが・・・

 

 

「待って!! 鉄穴森さんも襲われているんです!! 鋼鐵塚さんが刀の再生で・・・」

 

「場所は!? すぐ向かう!!」

 

 

時間は惜しいが人命優先だ。俺は小鉄の発言を頼りにその場所へ速攻向かう。

 

 

「おお!! 下呂殿!! 助かりました!!」

 

 

目的の場所に小鉄の時と同じく魚の化け物がいたので毒針を打ち込む。やはり鬼と根本は同じなのか、藤の花の毒でそのまま倒れて動かなくなった。

 

 

「アンタが鉄穴森か。あとは鋼鐵塚って奴だけだな。場所は?」

 

「はい! あの小屋で研磨しています!! すぐに案内を・・・っぐえ!?」

 

 

鉄穴森が目的の小屋に向かおうとした途端、俺は気配を感じ襟を引っ張って止める。すると小屋の裏から変な壺が現れる。

 

 

「ヒョッヒョッ! 素晴らしい! まさか刀鍛冶の里を見つけた上に、毒使いの鬼狩りにまで会えるとは!! これであの御方も一層私を評価してくださるに違いない!!」

 

「誰だよ、お前。」

 

 

俺が声を掛けると、壺の中からランプの魔人みたく変な姿の鬼が現れた。顔面は気持ち悪いことに、口と目が正反対の位置についている。加えて胴体の手は異様に小さい。異形の鬼だ。

 

 

「ヒョッヒョッ、私は上弦の伍、玉壺と申す者なり。お会いできて光栄だ、毒使いの鬼狩り。」

 

「なぜ俺のことを知っている?」

 

「ヒョッヒョッ! あの御方は配下の視界を共有することができるのだ! 私たち上弦の鬼もな! 貴様が妓夫太郎を毒で殺したこともよ~く知っているぞ?」

 

「なに・・・? 視界を共有だと・・・?」

 

「ヒョッヒョッ、鬼狩り共に与している割に肝心なことを聞かされておらんのだな? そうだとも! 故にお前が溜めの長い業で上弦すら殺す毒を生成することも知っている!

 よってあの御方はお前の抹殺を命じたのだ! お前を殺せば私は今よりもあの御方に認め評価して頂くことができるだろう!! ああ! 考えるだけで胸が躍る!!」

 

 

そんな大事なこと、鬼殺隊の連中から聞かされていないんだが・・・もしかして全員知らないのか?

 

いやいや、そんな間抜けな話があってたまるか。もしかしたら入隊時の研修みたいなので教わるのかもしれない。俺は部外者だからその機会がなかった可能性もある。

 

しかし鬼側で情報共有できるとなるとまずいな。俺が鳴女とかいう鬼を追っているのがバレると、何かしら手を打たれる可能性がある。

 

あわよくばこいつから情報を聞き出すつもりだったんだが、これで迂闊に質問でもして、鬼の首領に折角の手がかりを消されても困る。

 

やはり聞き出すなら上弦ではなく、親玉に直接話を聞くしかないか。とにかくこいつはここで殺そう。

 

 

「小鉄、鉄穴森。こいつの目的は俺だ。俺が引き付けるから、お前らはあの小屋にいる鋼鐵塚って奴を救出して逃げろ。」

 

「っ!! しかし下呂殿!! 奴は上弦の鬼ですよ!? 勝てるわけ・・・」

 

「おおっと? 逃げる前に私の作品を是非見ていかれよ? このような貴重な機会などそう訪れるものではないぞ?」

 

「ん? 作品?」

 

 

すると玉壺と名乗った鬼は壺を出現させ、その中からおぞましい死体で作った塔のようなものを出現させる。

 

俺の後ろの小鉄たちがすくみ上っているのを見て楽しんでいるのか、意気揚々として作品について語って聞かせる。

 

 

「どうですか! 素晴らしいでしょう!? お前達もすぐ私の作品の一部に・・・」

 

「死ねよ、外道が。」

 

 

俺は注射器で毒を注入しようと一瞬で肉薄する。しかし、その鬼は壺に隠れてしまう。

 

 

「まだ作品の説明は終わって・・・」

 

 

気が付けば小屋の上に壺が瞬間移動していたので、俺は瞬きする間に接近し、壺を蹴り砕く。

 

 

「よくも砕きましたね、私の壺を・・・審美眼のない猿めが!!」

 

「作法や見映えを気にしてる奴が最前線で戦ってる奴にかなう訳ねぇだろ。お前が上弦の参より弱いってのは充分頷けるぜ。」

 

「黙れ! 確かに猗窩座殿が私以上の強者であることは認めるが、それは生きた年数の差によるものだ!!

 私の芸術を愛する心が貴様のような脳味噌まで筋肉でできている者に負けるはずがない!! 貴様は必ず私の作品の一部にしてくれる!!!」

 

 

すると玉壺は手のひらから壺を出現させ、さらにその壺から巨大な金魚を呼び出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

ー血鬼術 千本針・魚殺ー

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおっ!!??」

 

 

凄まじい物量と速度で錐のような太さの千本が俺に向かってくる。俺は建物の屋根の陰に隠れてそれから身を防ぐ。

 

そしてすぐさま毒薬(トキシン)(みる)】を首筋に打って、屋根から顔を出すが、金魚は今度、小鉄たちの方に向いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吸水性ポリマー 【(かため)】×【(こいめ)】×【(おおめ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は即座に小屋の外に置いてあった桶の水とコートに仕込んでいた粉体を混ぜ合わせ、強度も伸縮性も桁違いな透明なベールを作り出し小鉄たちを守る。

 

幸いにも、威力はサブマシンガン程度だったため、何とか防ぐことができた。俺は針だらけのベールを捨てて安堵する。

 

 

「なんと!? それがお前の作品なのか!? 一瞬で透明度の高い衣を生み出すとは!! それもまた良し!!」

 

「小鉄。鉄穴森。鋼鐵塚って奴は俺が救出するからお前らは先に逃げてくれ。正直庇いながら戦うのはキツイ。」

 

「は、はい! わかりました! どうかご武運を!!」

 

 

そう鉄穴森は言い残し、小鉄を抱えてその場を去ってくれた。これで多少は戦いやすくなるか?

 

 

「ヒョッヒョッ! しかし! お前の作品は私の芸術には遠く及ばない!! それを今から証明してやろう!!」

 

「うるせぇ。」

 

「がはっ!?」

 

 

俺は瞬時に接近し足先のナイフで首を切断しようとした。しかし、それとほぼ同時のタイミングで俺の周囲に水の塊が押し寄せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー血鬼術 水獄鉢ー

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごっ、ごふっ・・・ふふっ・・・惜しかったな? 私の頸を斬りかけていたがあと一歩及ばなかったようだ。ヒョッヒョッ!」

 

 

俺は水中から脱出を試みるが、足先のナイフでは突破できそうもなかった。

 

 

「窒息は乙なものだ。美しい。そして頸を斬り落とされそうになった瞬間、今だかつてないほどにヒヤリとした。これはとてもいい・・・」

 

 

なんで頸を斬られかけて喜んでるんだこいつ・・・頭可笑しいのか?

 

 

「本来は鬼狩りの最大の武器である呼吸を封じるための術だが、お前にも充分に効果あったようだな? 毒使いの鬼狩りよ。ヒョッヒョッ!」

 

 

こいつはすぐに俺を殺す気がないようだ。この猶予で俺は頭を回転させる。

 

 

「そこで無様に小屋の中の人間が殺されるのは見ているがいい。貴様が溺死したらめでたく私の作品の仲間入りだ。ヒョッヒョッ!」

 

 

そうして玉壺は俺に背を向けて小屋に入っていった。それを見届けて、俺はコートに仕込んだ残りの吸水性ポリマーの粉体を容器から取り出して水中にぶちまける。

 

みるみるうちに水が吸われ、容積がなくなっていく。と同時に俺は厚みの減った水の壁を足先ナイフでぶち破り、外に出る。

 

 

「ヒョ!? 今物音がしたような・・・」

 

 

奴が小屋から顔を出した瞬間、一瞬で奴の頸をナイフで蹴り払った。

 

 

奴の頸は音もなく切断され、そのまま地面に転がった。

 

 

「ななななな!!?? いつの間に!!?? そもそもどうやって私の水獄鉢を!!??」

 

「吸水性ポリマーだ。自重の数百倍から数千倍の水を吸収することができる高分子材料・・・つっても聞いたことねぇか。

 それでもお前にはさっき、俺が一度桶の水にそれ混ぜてんのを見せてるんだ。あれでタネがわからないようじゃ、はっきり言って理解力がお粗末すぎるぜ。

 お前の方こそ脳味噌まで筋肉でできてるんじゃないのか? それか歪んだ自作の壺みたいに中身が詰まってないのかもな。」

 

「ば、馬鹿にするなぁああ!! 私の壺は歪んでなどいないぃいい!!! それは貴様の目が腐っているからだ・・・っがあ!!??」

 

 

俺は五月蠅いので、藤の花の毒を注射器で注入した。なんか頸も再生しかけてたから念のため邪魔しようと思ったってのもあるが・・・

 

 

「お・・・己・・・私の壺は歪んでなど・・・」

 

 

最後にそう言い残し、上弦の伍、玉壺は塵になって消えた。

 

 

「ふう・・・だいぶ時間をロスしたが、思ったよりあっさり殺せたな。このまま鋼鐵塚って奴を避難させてから竈門たちと合流して・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベベンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の背後に突如ふすまが現れる。俺が振り返ると、その中から、侍のような格好をした六つ目の鬼が現れる。

 

 

「まさか・・・妓夫太郎だけに留まらず・・・玉壺まで敗れるとは・・・お前は私が直々に殺さねばならんようだな・・・毒使いの鬼狩りよ・・・」

 

 

俺の後ろからそう呟く鬼の眼の数字を見て俺は驚愕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その眼には『上弦』『壱』と刻まれていたからだ。十二鬼月最強の鬼が、俺を殺しにやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 




兄上登場です。無惨に急かされているので殺意満々です。
はてさて下呂君の運命や如何に。次回へ続く。
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