鬼滅の毒使い   作:科学大好き人間

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下呂君視点です。時系列的には無限列車編から一ヶ月後くらいです。それとタイトル変えました。ご不便をおかけして申し訳ありません。


5話 毒使い、遊郭に棲む鬼を探すために知恵を絞る

「宇随。ひとまず俺は遊郭に客として潜入しなくていいんだな?」

 

「ああ。つうか下呂お前、以前試しに店連れてったら震えて動けなくなった上に、あまりの挙動不審で他の遊女どもに警戒されてただろ? 潜入させたくてもできねぇっつうの。」

 

「ぬう・・・た、確かに・・・せ、せめて城崎が傍についてくれれば・・・」

 

「今回の任務ではお前には腕っぷししか期待してねえよ。それよりも周囲の気配を探れ。上弦らしき鬼の気配がしたらすぐに知らせろ。わかったか?」

 

「ああ、そっちに関しては問題ねぇ。」

 

 

俺と宇随は吉原遊郭の屋根の上で街並みを眺めていた。夜なのに怪しげな明かりで周囲一帯が眩く光っており、正直見てるだけでくらくらする。

 

とは言え、こうやって周囲の索敵を行うより、客として潜入する方が俺にとっては億辛だ。宇随と城崎の采配には感謝しかない。

 

 

「それじゃ別行動だ。頼むぜ、毒使い。」

 

「ああ、任せろ。音柱。」

 

 

俺達は夜の闇の中に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝になり、俺と宇随は再び合流する。城崎や宇随の嫁たちから受け取った手紙を読みつつ、情報を整理していく。そして夜になれば再び周囲の索敵。基本その繰り返しだった。

 

数週間それを繰り返すうちに、吸い上げた情報の中で気になる点があると宇随が言い出した。

 

 

「足抜けか。」

 

「なんだ? 足抜けって。」

 

「借金を返さずに遊女が男とどっかへ行方を眩ませることだ。」

 

「ちょっと待て。それ本当に行方眩ませたのか? 鬼に喰われたんじゃ・・・」

 

「まあ、怪しいっちゃ怪しいよな。ただ、現時点では判断つかねぇ。他の店については俺達の方で調べるぞ。」

 

「ぬ・・・待て。俺は店には・・・」

 

「お前は最初から頭数として考えてねぇよ。俺が客として調べて回る。お前は引き続き、外から鬼の気配を探りながら、街中で情報を集めろ。いいな?」

 

「おお・・・わかった。」

 

 

そして暫く情報収集と、そのすり合わせの毎日だった。しかし毒使いも本来暗殺を生業にしている使い手だ。入念な下調べを行うことについては慣れている。

 

俺は特段苦になることもなく、宇随と連携して情報を仕入れていく。そして更に数週間経過し、やがて俺たちは一つの結論を出す。

 

 

「雛鶴たちを潜入させた三つの店、ときと屋、荻本屋、京極屋が特に足抜けの頻度が多い気がする。」

 

「加えて、城崎からの報告だと、恋愛にのぼせ上がった様子もない遊女が突然失踪しているのが目立つみたいだ。特に・・・」

 

「特に?」

 

 

俺は城崎から受け取ったある手紙を手に取り、宇随に見せる。

 

 

「特に・・・容姿に優れた遊女が足抜けする頻度が多い印象があるとのことだ。あいつの観察眼はこの手の内容に関しては俺以上だ。まず間違いないだろう。」

 

「容姿の整った遊女ばかり食われてるってことか? それはなぜだ?」

 

「さあな。鬼にも好みとかあるんじゃねぇか?」

 

「あり得るな。しかしそうなると不味いぞ。」

 

「ん? どうしてだ?」

 

 

宇随の発言が引っかかり俺は聞き返す。

 

 

「どうしてって、そりゃあ雛鶴たちや城崎も例外じゃねぇってことだからだよ。もし鬼にそういう嗜好があるのなら、あいつらが鬼と会敵するのも時間の問題だ。」

 

「っ!! ならすぐにでも・・・!!」

 

「ちょっ!! 待て下呂!! 落ち着け!!!」

 

 

俺はすぐに城崎がいる、ときと屋へ向かおうとしたが、すぐさま宇随に腕を掴まれる。

 

 

「待てっつうの!! 鬼を炙り出すためにあいつらが今必死になって情報収集に励んでんだろうが!!」

 

「だがっ!! 殺されてからでは遅いだろ!?」

 

「少なくとも城崎には例の救難信号出せる特注品の耳飾り渡してんだろうが!! 雛鶴たちなんてそんなもの持ってねぇんだぞ!? 俺の身にもなれ!!」

 

「っ!! ・・・済まない宇随。俺が間違っていた。お前の方が気が気じゃないはずなのに俺は・・・」

 

「別にいいって。それより早く鬼の居場所を特定するぞ。それさえできれば雛鶴たちの身の安全だって万事解決だ。」

 

 

宇随の言ってることは間違っていない。俺はそう判断し、その指示に従った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそれから数日後、宇随の嫁三人と城崎から、一斉に定期連絡が途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまん、下呂。俺はいくつもの判断を間違えたらしい。」

 

「いや・・・お前は間違ってねぇよ。そんなことより今はあいつらの安否を確認しねぇと。」

 

「だがどうやってだ? 客として潜入したところで裏の事情まで探れる訳じゃねぇ。雛鶴たちの行方をどうやって追跡する?」

 

 

俺達は現状の問題について解決策を模索していた。俺は顎に手を当てて考える。

 

 

「追跡か。スマホが使えれば位置情報で一発なんだがな。」

 

「お前らが未来から持ってきたっていう持ち運び可能な電話機か? けどこの時代だと使えないんだろ?」

 

「ああ。位置情報は人工衛星の存在しないこの時代ではまず使えない。そうなるとアナログで追う必要がある。小動物を使役する使い手がいれば屋根裏に潜らせて探索できるんだが・・・」

 

「それなら俺の忍獣ムキムキねずみを使うか?」

 

「なっ! 宇随! お前も獣使い*1だったのか!? まるで嵐山みたいだな!」

 

「いや・・・そんなんじゃねぇって。忍びの時に手懐けたのが二匹いるだけだ。数は少ない。」

 

「二匹・・・それじゃあきついな。仕方ねぇ。俺が毒薬(トキシン)(にくづき)】を使って、肌感覚で探すしかないか。」

 

「おい待て下呂。お前、そんなことまでできたのか?」

 

「ああ。ただ、肌感覚で探せる索敵範囲は相当狭い。店の中に城崎たちが囚われているとしたら俺が潜入しないと・・・」

 

「いや・・・お前、遊女に囲まれたら挙動不審になって絶対役に立たないだろ? その案は却下だな。」

 

「ぬぬ・・・しかし他に方法はないだろ? 宇随が音使いみたいに耳が良かったりするなら代わりに潜入してもらうのもありだが・・・」

 

「俺耳いいぜ? 音の反響で建物の構造とかも大体わかる。」

 

「っ! だったら宇随が潜入すれば・・・!」

 

「いや、無理だな。そもそも客として潜入するって案がうまくねぇ。店の中を調べまわることもできないだろうからどの道うまく追跡できる保証はねぇ。」

 

「ぬう・・・せめて俺や宇随のように感覚が秀でていて且つ遊女の振りができる隊士がいれば・・・」

 

 

俺達はそんな人間が知り合いにいないか考えを巡らせる。ふと俺は以前胡蝶としたある話を思い出し、はっとする。

 

 

「・・・っているじゃねぇか!! それも三人も!!」

 

「っ!! ほんとか!? 誰だそいつらは!?」

 

「ああ!! 竈門と我妻と嘴平だ!! 胡蝶が言っていたが、あいつらは嗅覚、聴覚、肌感覚が人一倍優れてるらしい! 追跡任務にうってつけだ!!」

 

「ああ?? 全員男じゃねぇかよ。遊女の振りなんてできる訳ねぇだろ。」

 

「城崎ができてるんだ。あいつらにも女装させればきっとできる。」

 

「あのなぁ・・・城崎は特別だろ? あいつの女装は完璧だが、竈門たちは秒でバレんだろ。化粧でどうこうなるとは思えねぇが・・・」

 

「しかし、他にいい方法があるか?」

 

「・・・ちぃ・・・背に腹は替えられねぇか。気は乗らないが、一旦蝶屋敷に戻るぞ。」

 

 

俺のとっさの思いつきに宇随は物凄く微妙そうな顔をしていたが、渋々その案を採用した。そうして俺たちは蝶屋敷へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの・・・本気で言ってます?」

 

「ああ、竈門たちを遊女として遊郭に潜入させる。感覚に秀でた三人が店の中で探索を行えば、城崎たちを見つけられるかもしれない。」

 

 

俺は蝶屋敷に戻ると胡蝶を捕まえてそのような提案をする。胡蝶は顔を引きつらせて俺の提案に対し苦言を呈す。

 

 

「はあ・・・城崎さんの身に危険が迫ってるからって冷静さを欠いてるんでしょうか・・・そんな方法でうまくいくわけないじゃないですか。」

 

「ぬ!? しかし他に方法はないだろう? 宇随からも何とか言ってくれ。」

 

「胡蝶。代わりにお前と継子のカナヲに遊女として潜入してもらうのはどうだ? 下呂の派手に脳味噌爆発した案を採用するよりそっちの方が遥かにマシだ。ここは一つ・・・」

 

「死んでも嫌です。なんで私とカナヲが遊女として潜入しなきゃいけないんですか? 嫁入り前の女性に対する頼み事とは思えません。」

 

「そ、そうだぞ宇随! 胡蝶をあんな場所に送り込むなんてどうかしてるぞ!?」

 

「いや・・・下呂さんの案も大概ですからね? 少し頭を捻ればもっとマシな案ぐらい思い浮かぶと思うのですが・・・」

 

「ぬう・・・」

 

 

俺が返答に窮している様子を見て、胡蝶はため息をつき、俺の目を見て答える。

 

 

「もう・・・下呂さんが薬売りの振りして潜入すればいいじゃないですか。そうすれば、遊女ほどではないですが、店の中を調べることができると思いますよ?」

 

「流石胡蝶。下呂よりよっぽど頼りになるな。ついでにお前も来てくれれば言うことないんだが・・・」

 

「宇随さん。隙あらば私を遊郭に送り込もうとするのやめてもらえませんか? 怒りますよ? そもそも私は蝶屋敷の仕事があるので長期任務は難しいです。ご期待に沿えないのは心苦しいですけれども・・・」

 

「いや、助かる。・・・やっぱ胡蝶はすげぇな。俺達じゃそんな案思いつかなかったぜ。改めて礼を言わせてくれ。」

 

「べ、別に構いませんよ。・・・ただ、下呂君を遊郭に一人で潜入させて情報を吸い上げるのは少々荷が重いかもしれませんね。」

 

「あ~。確かに。下呂が遊女と会話できるとは思えねぇな。」

 

「待て、宇随。流石に俺も真面目な話ならテンパらず接することができるはずだ。心配無用だ。」

 

「いえ、信用なりませんね。お供に炭治郎君を連れてってください。彼は女性との接し方が下呂君と違って上手ですから。」

 

「ぬ!? そ・・・そうなのか?」

 

「まあ下呂よりはマシだろうな? よし、じゃあ炭治郎連れていくか。」

 

 

俺は宇随と胡蝶にそれほど信用されていないのだろうか。辛なんだが・・・

 

その後、薬売りの必要な準備を整え、炭治郎に了承を取って俺たちは再び吉原遊郭へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ちなみに鬼の候補は絞れてたりするんですか? 下呂さん。」

 

 

俺は炭治郎を連れて薬師の格好で吉原遊郭を歩いていた。俺は炭治郎の質問に答える。

 

 

「少なくとも城崎には救難信号用のピアスを渡していた。そして城崎はそれで助けを呼ぶ間もなく消息を絶った。つまり一番怪しいのはときと屋にいる城崎と一緒に働いていた奴だ。」

 

「な・・・なるほど・・・でも他の宇随さんの奥さんたちもほぼ同じ時期に消息を絶ったんですよね?」

 

「ああ、そこがひっかかる点だ。同時に城崎含め四人もの人間を襲うなんて芸当、鬼だからってできるか? 俺が犯人なら共犯者を雇って仕事を委託でもしない限り無理だな。」

 

「でも鬼は群れない生き物なので、複数の鬼で協力して城崎さんたちを襲ったとは思えないです。考えられるとすれば・・・」

 

「・・・血鬼術か。使い手の変性血統と違って、奴らは何でもありだからな。その気になれば分身とかも作れるのかもしれねぇ。」

 

「・・・下呂さんの解毒不可の血もかなり何でもありの芸当だと思いますけど・・・」

 

「毒使いのそれは何世代も掛けて身に着けた形質のようなものだからな。血鬼術に比べて習得には苦労してんだよ。」

 

「そ、そうなんですね・・・」

 

「それはともかく、鬼が複数の場所で同時に犯行に及ぶことができたとしても、誰かしら逃げるなり危険を知らせるなりできたはずなんだ。つまり、何か巧妙な仕掛けがあるはず。

 そもそも鬼はどうやって城崎達を鬼殺隊関係者だと見破った? どうやって三つの店を俺達に気が付かれることなく出入りした?

 考えたところでわからねぇ。ならこの際『どうやって?』よりも『誰が?』の方に問題の焦点を当てた方がいいかもしれないな。」

 

「それでひとまず、ときと屋に向かうんですね?」

 

「ああ、だが手あたり次第探しても効率が悪い。だから予め推理しておく必要がある。まず鬼は誰に化けているかだな。炭治郎、今回の場合、犯行に都合がいいのはどういう立場の人間だと思う?」

 

「え? ええっと・・・」

 

「少なくとも俺は客じゃないと思う。客なら城崎たちに限らず遊女を捕食ないし連れ去った時点で店の連中に速攻バレる。犯行を繰り返すことなど不可能だ。

 ということは店の中の人間ということになる。そして、働いている遊女がいつどこで何をしているかを把握できる立場となると、楼主や女将あたりが候補にあがる。」

 

「な、なるほど! じゃあその人たちを調べれば・・・!」

 

「しかしここで一つの疑問が湧く。店の運営を行いながら複数の犯行を重ねるなどできるか? 他に働いている奴らが気づくだろ普通。

 となると鬼は同じ遊女か下働きしてる奴らになる訳だが、他の遊女の居場所を把握できる立場となると、相当立ち位置の高い奴のはずだ。そうなると誰だと思う?」

 

「え!? ええっと・・・それは・・・」

 

 

「俺は花魁だと思う。確か宇随の妻の一人、須磨は既に花魁になってるって言っていた。

 その花魁である須磨の予定を把握できる奴は、楼主、女将、身の回りの世話をする禿、そして同じ店の花魁ぐらいになる。一旦ここで話を整理するぞ?

 楼主、女将は遊女や他の下働き含めて常に指示を出す立場だから、急にいなくなれば周囲に怪しまれる。

 禿は城崎だからこの際考えなくていい。

 そうなるとやはり候補として残るのは花魁ぐらいだ。そして、ときと屋にいる須磨以外の花魁は一人しかいない。つまり・・・」

 

「そういうことなんですね! つまりそのときと屋のもう一人の花魁が怪しいと!」

 

「まあ、そういうことだ。いきなり会えるかどうかはわからねぇがな。」

 

 

 

そう結論を出して、俺たちは鬼が隠れ棲むかもしれないときと屋へと足を運んだ。

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下おまけ:

 

 

 

 

 

・城崎遊郭潜入初日

 

 

「まあ! こんな綺麗な子うちに売ってくれるのかい! 須磨の時といい、アンタ毎度上等な子連れてくるねぇ。」

 

「じゃあ頼むわ、奥さん。城崎も達者でな?」

 

 

宇随にときと屋へ売りに出される城崎(変装済)。

 

その後、須磨がなんやかんや根回しして無事禿に抜擢される。

 

 

「貴方が城崎さんですね! 天元様から話は聞いてます! これからよろしくお願いしますね!」

 

「うん。貴方が須磨さんだね? へ~、宇随さんってこんな綺麗な奥さん三人も囲んでるんだぁ。自信家なだけあってなかなかやるねぇ。」

 

「えへへ~。それほどでもないですよ~? 城崎さんもとっても綺麗な女性ですね? 私びっくりです!」

 

「あー・・・そうだねー。まあそういうことにしておこうかー。」

 

「え?」

 

「ううん。なんでもないよー? こっちこそよろしくね~。」

 

 

城崎の正体を微塵も見破れない元くノ一の須磨。

 

 

 

 

 

・城崎遊郭潜入二日目

 

 

「わあ! メイちゃん凄い! 琴も生け花もなんでもできちゃうのね! 一体どこで覚えたの!?」

 

「まあ、金持ちのオジサンにウケが良いからね。お嬢様の振りするのに勉強しただけだよ?」

 

「す・・・凄いメイちゃん・・・」

 

 

花魁として禿に様々な芸を教えるも、すぐさまやってのけてしまう城崎の手際にドン引きする須磨。

 

 

 

 

 

 

・城崎遊郭潜入三日目

 

 

 

「メ、メイちゃん!メイちゃん! お店ですれ違った常連さんからメイちゃんに指名の要望が次々と・・・!」

 

「あ~・・・適当に捌いてもらっていいですか? どうしても断れないようならうまく丸め込んでおきますけど。」

 

 

店に来る客を次々に虜にしてしまう城崎。

 

例え相手にすることになっても花魁顔負けの手練手管で骨抜きにすることで深めの対応をせずあっさりとやり過ごす。

 

 

 

 

 

・城崎遊郭潜入四日目

 

 

「メ、メイちゃん!! 貴方を見受けしたいっていうお客様がっ!! どどどどうしよう!!!」

 

「あ~・・・流石に無理なんで断ってください。そもそも禿って見受けできるんでしたっけ?」

 

 

一週間も経たず見受け話にまで発展する城崎。その後須磨が女将にあの手のこの手でお願いをして何とかことを収める。

 

 

 

 

 

・城崎遊郭潜入七日目

 

 

「メイちゃんっ!! 女将さんがメイちゃんを花魁にするって言い出したよ!! どどどどうしよう!!!!!」

 

「あ~・・・どう考えても無理なんで断ってください。禿のままの方が潜入任務の都合上いいと思うので。」

 

「わ・・・わかったけど・・・それにしてもメイちゃん・・・なんて子なの・・・お店の常連客の半数近くを虜にしてしまうなんて・・・」

 

「え? まあ、そこはうまい感じに・・・あれ? 須磨さん?」

 

「うう・・・私ももっと頑張らなくちゃ・・・」

 

 

城崎が来るお客を根こそぎ骨抜きにしてしまい自信喪失する須磨。

 

 

 

 

 

・数日後の定期連絡

 

 

「お、須磨からの手紙だ。どれどれ・・・」

 

「宇随。なんて書いてる?」

 

「・・・マジかよ・・・」

 

「どうした? 何か不都合でも?」

 

「・・・ときと屋の売り上げがひと月で倍近く増えたらしい・・・」

 

「はあ? なんで?」

 

「なんでも城崎が潜入してから客が足蹴く通うんだとよ・・・加えて見受けの話が大量に押し寄せてるらしい・・・須磨がうまく断ってるようだがこりゃあ苦労かけるな・・・」

 

「・・・辛だな・・・」

 

 

須磨の心労を慮り、後日埋め合わせをしようと誓う宇随なのであった。

 

 

 

 

*1
獣使い:五大名家の一角。最強の使い手の家の一つ。使い手一人に対し一種類の動物を使役し操ることができる。例外的に他者の血を集め百種近い動物の形質を発現させたものもいる。




おまけについては城崎ならやれるだろうなという筆者の個人的見解です。
城崎の可愛さもマリッジトキシンの魅力だと思います(笑)
原作読んで思いましたが、あれで男とかマジで信じられないです・・・
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