鬼滅の毒使い   作:科学大好き人間

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しのぶさん視点です。冨岡さんの『凪』って銃撃戦でも無双できそうですよね。今回その描写をしています。戦い方が完全にジェダイマスターな気が・・・


11話 片羽の蝶、銃剣使いと会敵する

「おい!! 何をしている!! 相手はたった三人!! しかもうち一人はひよっ子の別府だぞ!? なぜ仕留められない!?」

 

「信じられねぇ!! 銃弾を躱すだけならまだしも刀で弾幕防ぐ奴が居るなんて・・・!! ひとまずをアイツを一斉掃射だ!!」

 

 

『真・銃使い』残党が隠れ住む郊外の廃病院内で、私たちは銃火器で武装した集団と戦っていた。

 

私は隠密行動しながら奴らを一人ずつ無力化するのかなと思っていたのだけど、冨岡さん曰く『面倒だ。俺が先行して引き付けたのちにまとめて殲滅する。』なんて言い出すせいでかなりの大事になった。

 

結果集団に囲まれて十字砲火を受ける羽目になる。しかし冨岡さんはそれに臆することなく歩みを止めない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー水の呼吸 拾壱ノ型 凪ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四方八方から押し寄せる弾幕を冨岡さんは日本刀一本で防ぎ続ける。その余りの隙の無さに、防御の技術だけなら大正時代の冨岡さん超えてるかもと私は思った。

 

とは言え流石に冨岡さん一人にまかせっきりなのも忍びないので、私は建物の中を高速機動で駆け回り、『真・銃使い』残党たちの背後を取っては毒針を打ち込むことを繰り返していた。

 

 

「WOW!! アメージングだぜ二人とも!! 片や弾幕を受け続け片や建物内の敵全員を仕留めちまうなんてな!! だがそのせいで俺の出番なくなっちまったじゃねぇか!!」

 

「お前は弾幕で蜂の巣にならないよう必死に逃げ回ってただけだろ? まあ俺はそれ以上をお前に期待することはないが。」

 

「WHAT’S!?」

 

「まあまあ二人とも。おかげで十人くらいはあっさり拘束できましたし別に良いじゃないですか。自白剤打って尋問したところ残り半分も居ないみたいですし。」

 

「HAHAHA!! これならあっさりミユキ姐たちがやられた御礼参りも済んじまいそうだな!! BANG!!」

 

「・・・『銃剣使い』さえ居なければ・・・ですけどね。」

 

 

そう。このような雑兵相手にミユキさんが率いるプロの使い手である『銃使い』組合が敗れるとは思えない。恐らく彼女たちを撃退したのは『銃剣使い』の仕業だろう。

 

なにせあの五大名家出身の元『鉄使い』。錐人さん程かはわからないが相当に鍛錬を積んできた相手であることは容易に想像つく。

 

そもそも有馬家の剣術に加えて『銃使い』組合から一目置かれた射撃技術も併せ持つのだ。もし出会った際は用心するに越したことはない。

 

 

「とりあえずわざと逃がしたあの人の後を追いましょうか。その先に残りの雑兵と『銃剣使い』が居るでしょうし。」

 

「ああ。気を抜くなよ。」

 

 

そうして私が敢えて気絶しない程度の毒で弱らせた人の行き先を確認しながらその後をゆっくりと尾行した。

 

やがて廃病院の屋上に出る扉の前まで辿り着く。恐らくこの先に『銃剣使い』が居る。

 

 

「俺が前衛を務める。扉を開けたら十中八九集中砲火だろうから俺が凌ぐ。そのうちにお前ら二人は外に出ろ。」

 

「了解しました。」

 

「YES!!」

 

 

そうして冨岡さんが勢いよく扉を開ける。しかし予想してた弾幕は一切浴びることはなく、怪訝に思いながらも冨岡さんは屋上へと顔を出した。

 

 

「これは・・・!!」

 

「え・・・」

 

「WHY!?」

 

 

私たちが見たのは目の前で戦闘不能になった『真・銃使い』残党たちの成れの果てだった。

 

その中心に髪をかき上げて小銃を担ぐ動作をする一人の男が立っていた。

 

 

「アンタらか。産屋敷家直属の『護り手』の連中ってのは。早速だが交渉しないか?」

 

 

全身特殊部隊のようなスーツに所々プロテクターのようなものを装着している軍人のような出で立ちで、()の男は桃色の髪をオールバックに整えながらそう呟いていた。

 

 

「交渉? 一体何の?」

 

 

冨岡さんは警戒を解かずゆっくりとその男に近づく。すると男はやれやれと肩を竦める動作をした。

 

 

「俺は金さえ貰えればいいんだ。『真・銃使い』残党共を無抵抗で大人しく引き渡す。その代わり俺の指定する口座に要求する金額を振り込んでくれ。俺はそのまま行方をくらます。」

 

「ふざけているのか? お前は既に表社会の人間に被害を出している。お咎め無しで済む訳ないだろう?」

 

「お前らもミユキと同じ口か。本当に融通の利かない連中だよ。要求さえ飲めば大人しく無傷で帰してやるって言ってんのに。」

 

「・・・どういうことですか?」

 

 

私は気になり『銃剣使い』らしき男に質問した。するとその男は私に視線を向けて答えた。

 

 

「ミユキから聞いていないのか? ハア・・・わざわざ誰一人殺さず入院で済む程度で帰してやったていうのに。これじゃメッセンジャー残した意味なかったな。

 いいか? そもそも『銃使い』組合が誰一人死んでなかったのは俺が命まで取らないようにしてたからだ。あいつらにも交渉を持ち掛けたが如何せん金がねぇって言うからな。『ならせめて金ヅルになりそうなカモ連れてこい』って言ってボコボコにして送り返したんだよ。まあミユキ以外は今頃意識不明の昏睡状態だろうがな。大方あの女は産屋敷家に依頼して俺との交渉のことについては当主にのみ伝えたんだろう。

 まあ別に概ね狙い通りだからいいけど、まさかお前らが裏側の意図すら依頼主から秘密裏に教えて貰えない下っ端だったとはな。せめて産屋敷家の重役連れて来いよ。」

 

「・・・は?」

 

 

冨岡さんは苛立ちの余り思わず声を漏らす。一方、私は今説明された話の内容を頭の中で必死に整理していた。

 

つまり・・・ミユキさんは目の前の『銃剣使い』に返り討ちに遭い、その後金銭を要求されていた。

 

しかし『銃使い』組合ではその支払い能力がなく、仕方なく交渉役として私たち産屋敷家に頼み込んだ。

 

恐らくミユキさんは産屋敷家の資金力で交渉してくれるようお館様に依頼したのだろう。

 

そもそも『銃剣使い』は金払いさえあれば戦うつもりがないのだから、『真・銃使い』の完全な殲滅はそれで充分事足りる。

 

しかしお館様はそのような話を私たちに一切していない。それはなぜか。少し考えればわかることだった。

 

 

「いいか『銃剣使い』。俺達はお館様の命でお前を含めた『真・銃使い』残党を殲滅するよう言われている。即ちお前との交渉など聞く耳持たずにただ殲滅し捕らえろと仰っているという事だ。そもそも表社会で犯罪に手を染めたお前をはじめから見逃すつもりはない。」

 

「そうか残念。つまり交渉決裂か。しかしまいったな。『あの人』から頼まれていた御遣いがこれでは果たせなくなっちまう。これは後日なんて言われるか・・・」

 

「おいお前。一体何の話をしている? 状況がわかっているのか? お前は俺達が力づくで拘束し・・・」

 

「いやいや。お前らもう全員殺すから。目的が達成できなくなった以上生かして帰す必要もない。」

 

 

すると彼の両目が暗闇の中で薄赤色に淡く光った。瞳孔は十字を形取り、その気配は人ならざる怪物のよう。私はその様子に僅かながら動揺する。一方で冨岡さんは相手が仕掛けてくることを一早く察し既に先手を打っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー水の呼吸 壱ノ型 水面斬りー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬で間合いを詰め、峰打ちの横薙ぎで意識を刈り取ろうとした冨岡さんだったが、事態は想像だにしない状況へと進む。

 

 

「ぐっ!!??」

 

「おっそ。ウケるわ。こんなトロい動きで俺を仕留めるつもりだったのか? しかも峰打ちとか舐めすぎだろ?」

 

「冨岡さん!!??」

 

 

冨岡さんの横薙ぎに合わせるように、銃剣の切っ先が彼の腹部に向けられていた。そのまま串刺しになるところをギリギリで冨岡さんは躱していた。その瞬間、羽織が切り裂かれる。

 

 

「まあ咄嗟によけられたことは評価してやるよ。けどアンタじゃ『あの人』から授かったこの眼の前じゃ素人同然だな?」

 

「くっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー水の呼吸 肆ノ型 打ち潮ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冨岡さんは負けじと再度接敵しうねる様な剣筋で水の呼吸の型を放つ。しかし『銃剣使い』はそれを最低限の動作で躱し銃剣で捌く。まるで冨岡さんの動きが最初から分かっているみたいに。

 

 

「いや、だからさ。無理だって。アンタが俺に勝つの。初見の業だろうが何だろうが俺には全部『視えて』るんだって。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー蟲の呼吸 蜂牙ノ舞 真靡きー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は自身の最速の型で一気に接敵し、大正時代に使っていた日輪刀と瓜二つの意匠の得物で突き技を放つ。しかし、

 

 

「ごふっ!!??」

 

「あ~痛そ。ご愁傷様。」

 

 

まるで私がそのタイミングその位置に来ることが初めからわかっていたかのように、私の移動先には銃剣の柄の部分が構えられていた。

 

余りに的確な動きに私は一切反応できず、そのまま突進し衝突する。その結果、腹部に凄まじい痛みと衝撃が走る。

 

 

「胡蝶っ!!」

 

 

私はそのまま倒れ込みそうになるが、驚いたことに既にその先には奴の足先があり、私はそのまま顎を蹴り上げられ、宙を舞うように後ろへとひっくり返った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー水の呼吸 弐ノ型 水車ー

 

 

 

 

 

 

 

 

私に追撃しようと『銃剣使い』が突進するので、冨岡さんはそうはさせまいと私と奴の間に割り込むように斬撃を放つ。しかし『銃剣使い』は斬撃が振り下ろされる前に突っ込むのをやめて背後に下がっていた。

 

 

「もうあっちの女は動けないだろ。多分臓器のどっかが内臓破裂しかかってる。それでもまだ続けるか?」

 

 

『銃剣使い』は不敵に笑う。しかし次の瞬間発砲音が聞こえたと思ったら血相を変えて大げさな動きで回避する。冨岡さんは後方へと振り返った。

 

 

「援護射撃は任せろ!! いくらでも牽制してやる!!」

 

「別府さん・・・」

 

「胡蝶!! アンタは『呼吸』っていう技術が使えんだろ!? なら痛手を負った内臓の損傷をどうにか抑えられるはずだ!! あとは俺とあの冨岡って奴と二人でやる!! 今は兎に角安静にしてろ!!」

 

「別府。そのまま銃口を下げるな。最悪俺を撃っても構わん。」

 

「HAHAHA!! このレオ様がそんなうっかりやらかすかよ!! 一発も掠らせず敵だけ撃ち抜いてやるぜ!! BANG!!」

 

 

そのやり取りを静かに『銃剣使い』は見ていた。やがて言いたいことがあるのか口を開いた。

 

 

「ミユキから聞いたよ。レオだったか? 射撃の腕は本物らしいがお前人撃てないんじゃなかったっけ?」

 

「うるせぇ! 俺はハニーとの出会いを通じて克服したんだよ! 今なら覚悟はできてる! 目の前の仲間の為ならいくらでも手を汚せるぜ!! BANG!!」

 

「『使い手』の癖に人殺すだけで手汚すとかほざきやがって・・・だからお前は皆からひよっ子って言われんだよ・・・元一般人の腑抜けヤローが。」

 

 

すると『銃剣使い』は小銃を構える。接近戦とは違う佇まい。どうやら射撃戦に切り替えるつもりらしい。

 

 

「別府。奴の狙撃は全て俺が防ぐ。お前は射撃で兎に角奴を仕留めろ。俺が命に代えてもお前と胡蝶には近づけさせない・・・!!」

 

「HAHAHA!! そいつは頼もしいぜ!! じゃあここはレオ様の出番だな!? 射撃の腕だけなら奴には負けねぇからよ!! BANG!!」

 

「言ってろひよっ子。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元々私たちだけで『銃剣使い』は倒すはずだった。しかし早々と私が戦線を離脱してしまったため、急遽冨岡さんと別府さんとで迎え撃つことになった。

 

私は床に伏したままその行く末を見守るしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 




今話で一番書きたかったのは、冨岡さんが弾幕相手にひたすら凪るところです。ジェダイの騎士みたいでカッコイイかなと思って描写しました。

因みに銃剣使いは完全なオリキャラです。モデルは某怪獣作品に登場する第一部隊長に似たキャラとして書いてます。一応某作品との関連はないです(念のため断りを)。加えて彼の強さの秘密はコンタクトレンズに理由があります(あっちの原作を知ってる人は察しがつくかも)。一応マリトキの黒幕キャラはテクノロジー系にも精通してる描写があるので、この手の兵器を開発してたら面白いかなと思い、本小説では採用しました。他作品のクロスオーバー要素、オリジナル展開要素が読者受け良いかはわかりませんが、原作の良さを引き出す演出として引き続き書いていけたらと思います。

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