0人目の嘘吐き彼女   作:モーン21

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「オリキャラ」タグ追加。まぁ、オリ主の家族ですけどね。


裏3話-2 暴露

【唐音side】

 

「……つまり、去年の春休みにライさんを庇って自動車に轢かれて九死に一生の時に……」

 

「……突然どこからか飛んできた薬が“偶然”口の中に入ったと思ったら怪我が治って、身体も8歳の身体にまで縮んでしまっていたってこと…?」

 

「そういうことになるの」

 

「実は私その時パニックになっていたからよく覚えていなくて……でも、その薬の制作者さんとはその後お話できてお爺ちゃんと同じ事言っていたから嘘じゃないよ」

 

「……いやいや、どこのAP○X4869*1よ。身体が子供の姿にまで縮むだなんて」

 

「ちなみに、その薬は『不老不死の薬』の完成に近い強力な失敗作だったらしくての。『打ち消しの薬』とやらでも打ち消すことができないというのじゃ」

 

「『打ち消しの薬』って何!!?それがあるなら早く○ナン君にでも渡しなさいよ!!」

 

「大丈夫、唐音ちゃん?名探偵コ○ンはあくまでフィクションのお話で、実在しないんだよ?」

 

「んなの言われなくても知ってるわよ!!あんたに言われると余計に腹立つわね!!」

 

 からかってくるライをテーブル越しに睨み付けるもライはフフッと笑うだけでまったく堪えていない。胸ぐら掴んでやろうかとも思ったが、源さんの前だということを思い出して何とか思いとどまる。

 

 そんな私たち2人を置いて隣の羽香里が源さんに少し躊躇しながら尋ねていた。

 

「お爺様は良かったんですか?その…元の姿に戻れなくなるって聞いて……」

 

「まあ、死ぬ所だったのをこうして生きておられるのじゃから。これ以上を求めたら罰が当たるというものじゃ。それに、こうしてお主たちをからかうことも出来た訳じゃし、良いこともあるのじゃよ?」

 

 そう言ってカカカと笑う源さん。だが、この時私自身は知るよしもなかったんだけど、源さんは家族であるライにも嘘を吐いていたみたいで。

 

「(ま、実際は()()()()()()()()()()()で命の危機はなかったんじゃが…でもまぁ、『転んだ拍子に手に持っていた薬が飛んでいった』から薬の管理責任がどうとかで一緒にいた家族に怒られていた女子(おなご)が可愛そうじゃったし、儂も寝たきりのまま死んでいたかもしれぬからな。あながち嘘でもないじゃろ)」

 

 と、内心思っていたらしい。

 

 

 

 

 

「これで儂の説明は終わりでよいか?」

 

「…はい、態々ありがとうございました。……正直まだ耳を疑っていますけれど」

 

「こうして話を聞いてしまった以上信じるしかないじゃない…!」

 

「分かってくれてなによりじゃ」

 

 そう言ってお茶を啜った源さんはフゥと息を吐いた後隣にいるライの方を見て突然頭を下げた。

 

「中学校の卒業式と高校入学式、参列できなくて本当にすまんかった。どうしても抜けられない用事が出来てしまっての。全く…こんな老いぼれの手なぞ態々借りに来なくてもよかろうに…。」

 

「別に気にしてないから大丈夫。それに、お爺ちゃんの手、皺1つもない」

 

「カカカ、それはかの薬を作ってくれた()()に感謝しなきゃじゃの」

 

入学式より前からずっと不在だというのはここに来る間に聞いていたけれど、孫娘の卒業式にも出られない程源さんは忙しいのか。外見は子供だから騙されるけれど、この武家屋敷を構えるだけあって、結構会社でも偉い立場なのかしらね。

 

 そんな事をのほほんと考えていたからか、私はライの衝撃発言に動くのに少し遅れてしまった。

 

「お爺ちゃん、私好きな人が出来て今その人と交際してるの。愛城恋太郎くんって言うんだけど」

 

 ピタッ

 

 源さんの動きが止まった。

 

 それはもう、源さんの空気だけ周りから隔絶でもされたかのように。

 

「……なんじゃと?」

 

「それで、ここにいる羽香里ちゃんと唐音ちゃんは……」

 

「ちょ、ちょっとライ…!!」

 

「ライさん!!?」

 

 聞き返す源さんの口調は重い。が、そんな様子が見えていないのか。いや、()()()()()()をしているのか、ライはさらにとんでもないことを口にしようとする。

 

 慌てて止めに入ろうとした私たちだったけど、

 

「同じ恋太郎くんの“彼女仲間”。所謂三股だね」

 

 ペラペラと流れるその口から流れる暴露を、私は止めることができなかった。

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

「あんた、いきなりなんてことに巻き込んでくれんのよ!!」

 

「ごめんごめん。今度お詫びに何か奢るから。それで許して?」

 

 ライの衝撃暴露発言から数分後。

 

 あの後のことというと。

 

 放心して背景に宇宙を背負った源さんは数秒間そのままフリーズしていた。口を押さえようと動いた私たちがライの隣にまで回り込んだ後もそれは続いていた。

 

 こうしてみると、最初の“源くん”みたいに子供っぽくて可愛らしいわね。

 

 そんなことを呑気に考えていると、

 

 

 

パシッッッ!!!

 

 

 

『…少し、頭を冷やしてくる』

 

 自身の頬を大きく叩いてそれだけ言うと、源さんは居間から出て行ってしまった。

 

 残された私たちはさっきまでの好々爺(こうこうや)然としていたのから一転、威圧感を抑えることなく垂れ流す彼からのプレッシャーに唯々圧倒されるしかなかった。

 

 

 

「あんたねぇ!久しぶりに会ったお爺さんに遠慮がなさすぎるわよ!!突然あんなこと言われて、もしお爺さんが若返ってなかったらショックで心臓止まってたわよ!!」

 

「そう?良かった。だとしたら薬様々だね」

 

「大体ね!そういうのは彼氏である恋太郎がいる時に報告するべき話題でしょうが!!なんで私たちしかいない時にしたのよ!!」

 

「だからだよ。もし、私と恋太郎くんとお爺ちゃんの3人で公認3股しているなんて言えば、恋太郎くんの命が危なかったから。正直私1人で話すべきだとも思ったけど、お爺ちゃんが次いつこうやって帰ってきて話ができるか分からなかったし」

 

「あんた実の家族(源さん)をなんだと思ってんのよ」

 

 思ったよりも物騒なことを考えていたことに(おのの)く。ライにもライなりの事情があるのは分かったけれど、巻き込まれた私たちからすればいい迷惑だ。

 

「ほら、羽香里も!!黙ってないで何かこいつに言いなさ……羽香里?」

 

 私と同じく文句があるハズの羽香里に水を向けるが、その羽香里は顔を俯かせたままぴくりとも動かない。

 

「ちょっと羽香里!どうしたのよあんた!!具合でも悪いの!!?」

 

「えっ、唐音さん!!?いきなり大きな声出すなんて…どうかされましたか?」

 

「いや…あんたの方がどうしたのよ。声掛けてもまったく反応しないし……」

 

「……あぁ、ごめんなさいお2人とも。少し考え事をしていました」

 

 どうやら具合が悪いわけではないことが分かってとりあえず一安心…なんか、してないんだからね!!?

 

「ライさん、私からもあなたに質問があります」

 

「ん、承った。何でも申されてみよ」

 

「急になんか偉そうになったわね、あんた…」

 

 少しだけ空気が軟化したけれど、羽香里の質問によってその空気にピシッと緊張が走った。

 

「……怖くないんですか?『そんな相手止めときなさい』とか『あなたおかしくなったの?』とか家族に言われたりしないかって……」

 

 そう振り絞るかのように羽香里はライに告げる。

 

 その気持ちは当然私にもあった。未だに私自身家族に恋太郎と付き合っていることすら告げていないのは気恥ずかしさもあったけど、連鎖的に複数交際がバレてしまう恐れがあったから。

 

 それなのに、目の前のライは事も在ろうに久しぶりに会えた家族に対して何の緊張もせずに暴露してのけた。目の前のバカ(ライ)の方が異常なんだ。羽香里をバカになんて出来る訳がなかった。

 

羽香里はまたしても顔を俯かせている。そんな羽香里をライはただジッと見つめて、静かに答えた。

 

「……お爺ちゃんなら大丈夫って打算が無かった訳ではないけど、それ以上にダイスキなお爺ちゃんにダイスキな恋太郎くんのことで嘘を吐きたくなかったからかな」

 

「……そう、ですか……」

 

「後、言い辛いことは早めに終わらせたいっていうのもあったね」

 

「夏休みの宿題じゃねーのよ」

 

 ライは最後にふざけこそしたが、その前の言葉に嘘は無かったんだと思う。

 

 家族も恋太郎のことも大好きだから。家族の前で恋太郎のことで罵倒されるよりも、大好きな恋太郎への気持ちを自ら偽ることをライは嫌ったんだ。

 

 隣の羽香里は未だ顔を上げない。ライの言うことは理解できたはず。それなのに顔を上げないのは自分に同じ事は出来るだろうかと不安に思っているからだろう。

 

 私は……

 

「2人とも、悩みすぎるでない。ライちゃんの考えはあくまでライちゃんのもの。それを無理に模倣でもしたらいずれガタがきてしまうぞ」

 

「あ、お爺ちゃんお帰り」

 

「ライちゃんなぁ…。少しは儂のことも労ってくれぃ。ライちゃんに早く会いたくて用事を巻きで終わらせてきたというのに、危うく天に召される所じゃったぞ」

 

 どつぼにハマりそうになった所を源さんが止めてくれた。私もいつの間にか俯いていたようだった。全然気付かなかった……。

 

 隣の羽香里とほぼ同時に顔を上げると、ライの隣に座った源さんは怒っているようには見えなかった。

 

 と、いうことは…?

 

 ペチン

 

「……痛い」

 

「友達…いや、ライちゃんが言う“彼女仲間”に迷惑を掛けた罰じゃ。2人ともライちゃんが悪かった。ここは儂に免じて許してくれんかの?」

 

「…は…はい…」 「いや…別に怒っていた訳じゃ……」

 

「何にしてもケジメは必要じゃからな。……ちょっと罰が甘すぎるのは孫相手ゆえと見逃してくれると助かるわい」

 

 ライの頬を軽く叩いた源さんは私たちにそう謝った。その様子からして複数交際については特に何も思う所が無いと言っているみたいだった。

 

「……あの、お爺様?よろしいんですか?私たちが言うのもあれなんですけれど、『複数交際しています』なんて言われたら、普通怒ると思うんですけれど……」

 

「なんじゃ、そんなに儂の反応が意外か?」

 

「……まぁ、正直部屋を出て行く前に何かしらアクションがあるものだと思っていたわね」

 

「2人ともそう思うのであれば、そうじゃな。儂は保護者失格なんじゃろうな」

 

 そう呟いた源さんが天を仰いだと思うと私たちに向き直ってこう告げた。

 

「少し昔話をしてもいいかの?老いぼれの昔話ほど退屈なものはないが、聞いてくれると助かるわい」

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

「儂の家は代々土地貸しを主な事業として行っておっての。その家に生まれた儂も小さい頃からそういう指導を受けてきたものじゃ。

 大人になって会社を継いだ後もそれは変わらなかった。毎日が勉強の日々で息を吐く暇なぞ一切無かったわい」

 

「このお家はお爺様が生まれた時から持たれていたんですか?」

 

「いや、この家は曰く付きの物件だということで知り合いから譲り受けたものじゃ。良い家じゃろう?譲り受けた時はもう荒れ果てておっての、妻と2人で色々頑張ったものじゃ」

 

「奥さんって、どんな人だったの?」

 

「キレイな人じゃった…。儂には勿体ないと思うぐらいでの。儂が隣にいる時も道の男共が声を掛けてくる始末じゃ。本当あの時はハラハラしておったわ」

 

 源さんの昔話が始まった。

 

 途中脱線することはあっても、すぐに本人自ら軌道修正を入れる為横道にそれることはなかった。

 

 私たち2人はともかく、昔話を聞くのは隣のライも初めてなのか興味津々に耳を傾けていた。

 

「それで娘が生まれて。儂はそれまで以上に仕事に明け暮れた。大事な妻と娘を飢えさせることがないようにそればかりを考えておった。

 そして、とある日。娘が18の頃じゃな。1つ年下の男をこの家に招いたのじゃ。その男こそ……」

 

「私のダッド…父だね」

 

「話を横取りするでない、ライちゃんよ」

 

 それまで懐かしむように軽快に話を進めてきた源さんだったけれど。ここに来てそれが止まった。何やら言い辛いことがあるみたいだった。

 

「娘が男を家に招いたのは他でもない。儂等と男の顔合わせと高校卒業後アメリカに発つ際一緒に行くことを伝える為じゃな。もっとも、妻とは何回か既に顔を合わせておったらしいが」

 

「ライが小さい頃アメリカにいたっていうのは聞いていたけれど…そんな昔からしっかり考えていたのね…」

 

「娘は小さい頃から演劇に興味があったみたいじゃったから、劇団にも入らせた。『ハリウッドの大女優』になるって言っておったから英語はともかく、それ以外の言語も勉強させたりしたの」

 

「お爺様の会社を継がせたい…と思われなかったんですか?」

 

「他にやりたい事が無いならまだしも、やりたい事がある者を強制しても大成しないからの。娘が演劇に興味を持ち始めたころからその考えは捨てたわい」

 

 …少し脱線したの。そう小さく謝ると源さんは続けた。

 

「男は町でも有名じゃった。『高齢者の荷物を代わりに持ってやった』とか『高校の備品を無償で修理した』とか『どんな頼み事にも嫌な顔1つしないまま受けてきた』とか。好意的な声が多かったの」

 

「へぇ…なかなかやるじゃない。ライのお父さん」

 

「そうですね!まさに“ヒーロー”みたいです!!」

 

「「…………」」

 

 ん?

 

 私たちの反応を受けて源さんとライが渋い顔を浮かべている。どうしたんだろうか?そんなおかしいこと言った覚えはないんだけど……。

 

「話がある程度終わりに向かっておった時に儂は男にこう尋ねた。『娘と逢い引き(デート)中、目の前で子どもが車に轢かれそうになった時お主はどうする?』と」

 

「……ダッドは…なんて答えたの?」

 

「『なんとしてでも、目の前の子どもを助けます』……じゃったな」

 

「……その答えの何がおかしいのよ?」

 

「はい……()()な人だなとしか……」

 

 そう私たちが疑問に思った時だった。

 

 

 

 

 

ダンッ!!!

 

 

 

()()じゃと!!?そんな訳あるか!!あの男は、娘の父である儂の前で!!『娘とよく知らない子どもの2択で娘を捨てる』と言ったんじゃぞ!!?」

 

 

 

 源さんが思いっきりテーブルを叩いた。まだ中身が残っていた湯飲みが倒れ、お茶がこぼれる。それを見てライが布巾で拭き取る。

 

 けれど、私たち2人は動くことができなかった。ライちゃんの暴露に対しても冷静さを失わなかったあの源さんが急に激昂したことが未だに信じられなかったからだ。

 

「…たしかに、緊急性は子どもの方が高い。が、()()()()()()子どもに気付いた運転手がハンドルを切って歩道側にいる娘達の方へ突っ込んでくる()()()()()()。危ないのは娘も子どもと同様なのに、あろうことか男は娘を捨てて子どもを選んだんじゃ!!これを怒らない訳がないじゃろう!!」

 

「お爺ちゃん、落ち着いて。2人が怖がってる」

 

「…………。すまぬ、2人とも。大人げなかったわい」

 

「…いえ、失言した私が悪いので……」 「私も…」

 

 謝る源さんに応える私たち。少し気落ちしているようだったけれどそれでも源さんは話を続けた。

 

「男が固まると逆に娘が乗り出してきたわい。『私はそれでも構わない』と。『そんな状況でも子どもを助けようとするシロだからこそ、私は好きになったんだ』と。

 それを聞いて儂はある資料を取り出した。男についての素行調査票じゃ」

 

「素行調査って?」

 

「……特定の個人の行動や品行を客観的に評価し、信頼性や信用性を判断するための調査ですね。主に探偵を雇って行うものだとは聞いていますが」

 

 私の疑問に羽香里が答えてくれた。なんだか、名○偵コナンみたいな話だなと思った。

 

「調査票には色々書かれておった。『部活の大事な団体戦大会前なのに人助けをしたせいで大けがをしてしまい、大会を棄権したこと』、『男の無償の手伝いによって浮いた修繕費用で教師が私用でお金を使ったこと』、『ある日助けた女性に誘われて、ホテルに2人一緒に入ったこと(入る直前の写真付き)。……他にも色々あったわい』

 

「……」 「はぁ…!!?最後のやつって浮気じゃない!!?」

 

 私は思わず叫んでいた。最初の2つはまぁ仕方ないことなのかなとも思った。けれど、最後のやつだけはどうしても許せなかった。それって、ライの母を裏切っていたってことじゃない!!

 

「……一応そのホテルに入店したのは女性だけで男は肩を貸して付いていっただけだったようじゃ。けれど、その女は『既に()()()で予約を取ってしまったから泊まらないとキャンセル料を取られてしまう』と言っていたとホテルの従業員から確認が取れておる。

 が、2人とも察したと思うが女性は男を狙っておった。これと似たケースが軽く100は越えておったの」

 

「「…………」」

 

 私たちは何も返すことができなかった。

 

「素行調査票を読み切った娘が儂に言ったのじゃ……」

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

『……お父様は、シロと別れろって言いたいの?』

 

『……(スズ)は将来アメリカで大女優になりたいんだろう?アメリカでも日本と同じかそれ以上にマスコミによる監視の目が多い。そんなアメリカにこの人タラシの男を連れて行ってみろ。鈴は何も悪いことをしていなくても周りの目が厳しくなるということも充分考えられる』

 

『質問に答えて!!』

 

『……そうだな。別れてほしい…と、思っている。これはまったく根拠の無い戯言(たわごと)だが、ここ最近この男が鈴を殺す光景をよく夢に見るんだ』

 

()()()()()()()()()そんなことで、お父様は私たち2人のお付き合いを否定するって言うの!!?』

 

()()()()()だと!!?私は鈴が小さい頃からずっと育ててきたんだ。そんな大切な存在をこともあろうにこの男が毎晩毎晩違う方法で鈴を殺めていく。その辛さがお前に分かるか!!」

 

「そんなの、ただの妄想じゃない!!全然現実的じゃない!!()()()()()()お父様らしくない!!」

 

っ!!……お願いだ、私の大切な愛娘よ。その男のことを好いているのは知っている。だが、()()()なんだ」

 

「もういい!!!()()()()出て行ってやる!!!」

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

「それから…男が高校を卒業してアメリカに発つ1年間。娘が我が家に訪れることはなかった。色々必要な手続きは儂の代わりに妻が代わりにやっておったみたいじゃ。儂はそれをただ眺めることしかできなかった」

 

「「「……」」」

 

「アメリカに行った数年後、手紙が届いた。手紙には家を背景(バック)に笑いながら佇む娘と男と、娘の腕の中で微睡んでいるライちゃん、お主の姿が映った写真が添付されておったわい。妻が返信用の手紙を書いている時、末尾に『()()()()息災でいてくれ』と付け加えることしかできなかった」

 

「そうだったんだ」

 

「3年前アメリカで()()()()()、ライちゃんを日本に迎えた頃には既に妻も病気で旅立っておった。たった1人でライちゃんの世話を見ている間ずっと考えた。

 あの時、儂が男を拒絶しなければ違う未来があったのではないかと。ただ、あの日のことが気がかりで仕方が無かった」

 

「「「…………」」」

 

「ここまで、本当に長かったの。結局の所、儂がライちゃんの複数交際に強く言わないのは過去の失敗が未だに尾を引いているからじゃ。もしここでその愛城とやらを強く拒絶すれば、娘のようにライちゃんが儂の手からいなくなってしまうのではないかと。妻の仏壇に手を合わせている間、それが頭の中でグルグルグルグル回っておった」

 

「だから、花園の娘、院田の娘よ。お主等が家族に報告する時は慎重に動くことじゃ。()()の家であれば、大切な愛娘と()()()()()との交際を認める訳がない。せめて、その愛城とやらと親しくなった後に()()()で報告するべきじゃ。

 間違っても、今日の大槻家(儂ら)をマネしてはならんからな」

 

「「……はい」」

 

 ただ、そう応えることしか、私たちはできなかった。

 

*1
名探偵コナン1話で主人公が17歳から7歳の身体に縮んだ原因の薬




※この時、恋太郎は図書館で新しい彼女(好本静)と交際開始したので、無事“三股の蛆虫”から“四股の蛆虫”にランクアップしました。

※オリ主が家族に複数交際を自分からバラしました。“自分から”暴露した彼女は精々5人目の彼女ぐらいですから、これもpfpf同様原作の“初めて”を奪う形になりました。後悔はしていません。

羽々里さんの台詞を1字表記する際何て書く

  • 羽々里さんの『々』
  • 羽々里さんは皆の『ママ』より『マ』
  • 羽々里さんは羽香里の『お母様』より『母』
  • ヤツ(♀)より『ヤ』
  • 羽香里を『香』で羽々里さんを『羽』表記
  • その他
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