次の7話は裏話になりますが、おそらく1話か2話で終わるとは思います。
6/5 21:30 『細胞を(顕微鏡使用時)観察できる』に変更。
「“張り出されし試験結果”」
「早く来なさいよ
「結構人多いね…」
「皆考えることは一緒みたいですね」
「大丈夫?ライちゃん。俺の背中貸そうか?」
「唐音ちゃんがいるから大丈夫。気遣ってくれてありがとうね恋太郎くん」
昼休み。この間の中間テストの結果が張り出されたので、恋太郎くん達と一緒に見に行くことになった。予想よりも人が多くて少し気圧されてしまったけれど。
ちなみに私は
まぁ、アイマスクを外せばすぐ解決する問題だけれど。せっかく声を掛けてきてくれた唐音ちゃんに悪いからそれは黙っていよっと。
「ごめん机の上にスマホ忘れた。先行ってて…!」
「いいじゃない。スマホなんか今」
そう思っていると恋太郎くんがそう言った。私も唐音ちゃんと同意見だったから恋太郎くんの方へ振り向いた。ちなみに今の恋太郎くんは右手に羽香里ちゃん、左手に
「あれは皆との写真や思い出が詰まってる命より大切な宝物なんだっ!!」
キュン!!!!♡♡♡♡
恋太郎くんによる熱烈コールに私達4人とも耐えきれなくなり、『ん゛んっ……!』と胸を抑えることになった。
そういうことなら仕方ない。恋太郎くんが教室までスマホを取りに行っている間、恋太郎くんを置いて私達が先に見に行く訳にもいかないから空いているスペースに身を寄せ合って恋太郎くんが来るのを待つことになった。
「それにしても、あんた人混みも苦手なのね……。よくそんなのでこれまで生活できてたわね」
「これまでアイマスクを付けたまま生活することなんてなかったからねぇ…。ま、
「っ!!?そ、そういう事なら私があんたと手を繋ぐ意味無かったじゃない!!あんたも、そうなら最初から言いなさいよ!!」
「手を貸してくれた唐音ちゃんの好意を無碍にしたくなかったから……」
「そっそういう事なら?…まぁ…」
「もう半分は…」
「ん?」
「私が困っているのをすぐに察して手助けしてくれた、唐音ちゃんの優しさにもう少し甘えたかったからだね」
「はっはぁっ!?何恥ずかしいこと言ってんのよあんたっ!!?…あぁ、理解したわ。どうせ、それもあんたお得意の嘘なんでしょ!!こんな風に慌てる私を見たくてあんな恥ずかしい事言ったんでしょっ!!?」
「……嘘じゃない。さっき私が言ったのは嘘じゃない」
「……本当?……は、はんっ!仮に本当だとしてもそ、そんなこと言われたからって、全然嬉しくなんかないんだからねっ!!」
「じゃあそのニヤケ面はなんなんですか、唐音さん」
「『身体は正直みてーだな?』」
そんな風に4人でおしゃべりしていると、恋太郎くんが教室から戻ってきた。
全員揃った所で中間テストの結果を見に行く。多少時間を置いたからか、先程よりも人は少ないようで少しだけホッとした。
「240人中…25位でした!…ってえぇ!!?」
「あ、私も25位。羽香里ちゃんと一緒だ。羽香里ちゃんイェーイ」
「“四十四番目の刺客であった”」
「わっ私だってあんたより一つ上の87位なんだからっ!」
「皆頑張ったなー!」*1
まさか羽香里ちゃんと点数が一緒だったなんて。羽香里ちゃんとハイタッチをして喜びを共有していると、頭を誰かになでられる感触が。
恋太郎くんかな?と思ってちらっと後ろの方を見る途中で右側の光景がチラッと見えた。右側では隣の羽香里ちゃんとその向こうの静ちゃんと唐音ちゃんも私と同じように恋太郎くんに撫でられているみたい。
ん?
と、いうことは……。私達4人の後ろを恋太郎くんが移動して、4人全員の頭をなでなでしているっていうこと……?
中々器用なことをしているね…と、なでなでを恋太郎くんからされたことによる安心感や特別感に身をゆだねていると、
「あの…1位の
恋太郎くんから私達に質問が来た。
なんで突然クラスメイトのことを……?と1つ疑問に思いながらとりあえず恋太郎くんに聞かれた質問に応えようと思う。
羽「同じクラスの方でしたよね?」
ラ「銀髪
静「“窓際で常に勉学に
唐「ああ…私は話した事ないんだけどなんか噂じゃ…正体は
恋「都市伝説かよ」
そんな話をした後、私達は昼食の為に屋上へ向かった。
その後もいつも通り恋太郎くんにあ~んしたり、羽香里ちゃんたちとおかずを交換しあったり。そんな恋太郎くんと彼女仲間である皆と有意義な時間を過ごした後、午後の授業の為に生物室へと向かった。
その道中2人きりになったタイミングで私は恋太郎くんに尋ねてみることにした。
「恋太郎くん、さっきはどうして急に
「えっ!!?い、いやぁ。さっきスマホを取りに教室に戻った時ちょっとね…?」
明らかに恋太郎くんは動揺している。嘘は吐いていないけれど何かを隠している。そんな様子だった。
「……はぁ。
「ご…ごめん」
「恋太郎くんが謝ることでも無いでしょ。でもまぁ、頑張ってね」
どうやら
ふぅん、
さっき恋太郎くんに栄逢さんの印象を聞かれた時にこの事を伝えなかったのは、栄逢さんと接するとすぐに分かるだろうからということと万一にも栄逢さんが恋太郎くんの“運命の人”だった時にネガティブな印象を持って欲しくなかったから。
なんならさっき会話したっていうなら、もう知っているかもだけど。
まぁ、恋太郎くんには要らない心配かな。
たしか、次の授業の時恋太郎くんのペアは栄逢さんだった気がする。だったら、嫌が応にも恋太郎くんは栄逢さんのことを知ることになるだろう。
▽▽▽▽▽
「タマネギの表皮細胞の観察とスケッチをします。机ごとに顕微鏡と両刃カミソリを――」
「
「は…はい…!お願いします…!」
ペアの子にそう声を掛けて席を立つ。棚から顕微鏡を取って戻る途中恋太郎くんのテーブルの方へと目を向けると、
「はい顕微鏡持ってき…栄逢さん…?実験だから教科書はいらな――
「
「そう言う問題!!?」
「いや、それじゃ実験の意味が…」
「実験なんて無意義。先人達の出した答えがあるのに再現するなんて時間の無駄」
「本授業を根本から否定している」
……うん!個性的なことで、なにより!!
なんで授業中に漫才してるんだろうね、あの2人は。でもまぁ、栄逢さんも見た限りは恋太郎くんを毛嫌いしている訳でもないみたいだし。まぁ、なるようになるでしょう。
自分のテーブルに戻ってセッティングを行う。ペアの華暮さんが既にタマネギの表皮を切ってくれていたおかげで他のどのグループよりも早く観察に取り掛かれた気がする。
イメージと違って結構器用なんだな華暮さん。
――うん。ある程度書けた。
大まかな形は捉えられたので華暮さんに顕微鏡を譲る。後はスケッチのまとめと実験結果の報告を書けば………。
待って。
いくらなんでも早すぎる。恋太郎くんたちのテーブルも羽香里ちゃん達3人のテーブルも未だ観察する段階だ。何か実験で見落とした項目でもあったかな?
「ふ…ふんっ!!別に細胞なんか見えたって、なんとも思わないんだからねっ!!」
「何と戦ってるんですかあなたは……」
「『なんと深い
その時、羽香里ちゃん達3人の会話を聞いて少し笑いそうにながらも私達ペアのペースが周りよりも早い理由に気付いた。
それは、私が録にクラスメイトと会話していないからだ。
中学の時もそうだった。1、2年生の頃はともかく、3年生の頃は恋太郎くんのおかげで徐々に私に話しかけてくれる子が増えていった。最初の頃は大した返答も出来ていなかったはずなのに、クラスメイトの皆はどこかニコニコと楽しそうにしていたのをよく覚えている。
でも、中学と高校は別。
高校に入ってからは私がアイマスクを付けて登校するようになったのもあって、周りから『ミステリアスな娘』と噂されているのは私の耳にも入ってきていた。何なら私が目を開くと
でもまぁ、今の段階では面白半分に吹聴されているだけみたいだし、遠目からチラチラ見られる程度ならアメリカにいた頃ダッドやマムと一緒に生活した頃何度も経験したことだから別に気にしなかった。
けれど、噂のおかげで恋太郎くんや羽香里ちゃん、唐音ちゃんや静ちゃん以外のクラスの子から声を掛けられることは大分少なかった。最初の頃は恋太郎くん達と過ごせる時間が増えるから助かると思っていたけれど、本当にそれでいいんだろうか?
中学の頃の傷が大分癒えてきた今なら、中学3年生の頃のクラスメイト程とは言わずとも
無論今は授業中。あくまで先生に咎められない程度の軽い雑談。正直誰かに話しかけるのが得意でない私にとってはそれぐらいの方がありがたい。
だからあくまで会話のジャブとして、私は華暮さんについて気になっていたことを聞いてみることにした。
「…華暮さん」
「はっはい!どうかしましたか、
「華暮さんはさ……」
「前髪すごく長いけれど、ちゃんと前見えてるの?」
「……え、え~っと……。大槻さん、ブーメランって知ってますか?」
……?
「あ、アイマスク外すの忘れてた」*2。
「アイマスクって…は、外すの忘れるものですか…?」
「ほら口に当てるマスクとか長時間着けてると、つい着けてること忘れることってあるじゃない?それと同じ」
「た、たしかに…!そう言われてみるとそんな気がします…!」
「私はそんな経験無いけれど」
「!!????」
よし、楽しく話せたな*3。
▽▽▽▽▽
「唐音ちゃん…流石に細胞にツンデレするのはレベルが高すぎるって私も思うかな」
「はぁっ!!?私がいつ細胞にそんなことしたってのよ!!」
「さっきの授業中ですよ。もう覚えていないんですか?」
「『お主…記憶が…?』」
授業を終えて教室へと戻る。3人と合流するまではさっきペアを組んでいた華暮さんと一緒だったんだけど、3人に声を掛けるといつの間にかどこかへ行ってしまっていた。
話題の中心はさっきの授業の唐音ちゃんだ。流石に授業中だからか声のボリュームは抑えていたけれど、近くの席だった私の耳にもそれが聞こえてきたからこうして尋ねている訳だ。
ちなみに、恋太郎くんはこの場にいない。お互いに聞き合ったけれども3人とも見ていないらしい。もちろん私も。おそらくだけど栄逢さんに話しかけているんじゃないかな?
その後も唐音ちゃんの反応を見て楽しんでいると、話は昼休みに見た中間テストになった。
「にしても、
「“騎士団期待の”“両翼”」
「まぁ、家族から『勉強を怠っては駄目』とは散々口酸っぱく言われてきましたから」
「私は稼げる所で稼いだだけだよ。苦手な教科は苦手なままだから」
「へぇ、ライ。あんたの得意な教科って何よ?やっぱり英語?」
「『オイラも聞きてぇでやんす!』」
唐音ちゃんと静ちゃんから水を向けられたので、腰に手を当てながら返す。
「ふふん、聞いて驚け。なんと私、今回の英語のテスト100点満点だったんだ」
「満点って……すごいじゃないですかライさん!!」
「流石ね。帰国子女は伊達じゃ無いってこと?」
「『異国きっての』『才女だったか!』」
私の点数に3人とも驚いてくれた。ふふん、ちょっとだけ誇らしい。
けれど、すぐに苦手な教科の点数を言わなければいけないことに気付いて気落ちする。
「…でもまぁ、その分国語と社会の点数が悪かったんだけれど……」
「あぁ……成程……」
「帰国子女っぽい悩みね」
「“異文化コミュニケーション”」
3人は揃って似たような反応を返す。
本当に苦労したんだよ?日本語を勉強するだけでも大変なのに、急に両親の出身国とはいえ、まったく知らない国について勉強しろって言われてやる気を出すのも難しかったんだから。
あの時は無駄に時間が豊富だったから助かった。じゃなかったら、この高校に受かっていられなかったかもしれない。
「そう言う羽香里ちゃんはどうなのさ?」
「私ですか?私は特に得意な教科も苦手な教科もありませんから。大体全部似通った点数でしたよ?」
「はんっ!どうせあんたのことだから、保健体育のテストでもあったら満点間違いなしでしょうね!!」
「それは唐音さんもじゃないですかぁ?院田・ムッツリスケベ・唐音さぁん…?」
「誰がムッツリスケベよ!!」
「『落ち着きなされ』」
「2人って本当仲良いよね」
とりあえず私と静ちゃんで今にも取っ組み合いを始めようとする2人を止めることにした。
「とにかく、今日は中間テストお疲れ様ということで恋太郎君を誘って近くのカフェでお疲れ様会でもしましょうか♪」
「ふんっ!羽香里にしてはまぁまぁ良いこと言うじゃない」
「『我も異論は無い』」
「ごめん。私実は、『オシャレなカフェに入ると緊張で死んでしまう病』が……」
「適当な
……やっぱり、皆と一緒の方が楽しいな。
そんなことを思いながら私たちは教室に戻ることにした。
※今にして思うと、恋太郎の方から新彼女のことをこれまでの彼女に尋ねるのは
※ちょっと未来の彼女にも登場してもらいました。同じクラスだし多少はね?オリ主と
羽々里さんの台詞を1字表記する際何て書く
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羽々里さんの『々』
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羽々里さんは皆の『ママ』より『マ』
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羽々里さんは羽香里の『お母様』より『母』
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ヤツ(♀)より『ヤ』
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羽香里を『香』で羽々里さんを『羽』表記
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その他