0人目の嘘吐き彼女   作:モーン21

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お気に入り数、100!!、ありがとうございます!!

これからも頑張ります!!

投稿が遅れてしまい申し訳ない。少しドタバタしていました。せめて1週間に1話投稿ペースに戻せるようにしたいですね。


逆転裁判、ダンガンロンパ。

上記の裁判系ミステリーゲームが私は好きです。『魔法少女ノ魔女裁判』もいずれプレイしたい所存。

数話前にもあげましたが、座席位置はこんな感じです。

    恋

  静   唐

凪       羽

  楠   マ

    ラ
11.15 17:40 一部誤字修正



嘘吐き-8 家族(ファミリー)裁判(上)

「それではギルさん、娘をよろしくお願いします」

 

「えぇ。承りました。ご息女はお任せください」

 

「ライも、ギルさんの迷惑になるんじゃないぞ?」

 

「うん。ダッド、行ってらっしゃい」

 

「あぁ、行ってきます」

 

「……行ったか。さて、ライよ。何をして時間を潰そうか」

 

「変身ごっこ、したい」

 

「ほぉ、そう来たか。であれば、我も負けてはいられないな」

 

()()もすごいね。()()()を飲んだ人は私以外の全員がハイジン?になったって聞いたのに」

 

「我を侮るなよライ。廃人化?は、我を廃人にさせたければその三倍は持ってこいというのだ」

 

「わかった。次来た時は3個持ってくるね」

 

「待つのだ、ライ。これは冗談というものでな」

 

「…?ボスでも無理なの?」

 

「……フハハハハ!!我に不可能の文字はない!!小娘の施しも受けられずして何がボスか!!ライよ、我は楽しみにしているぞ!!」

 

「うん」

 

「それでは早速始めようではないか!

そうだ、ライよ。昼餉には我の好物である麻婆を用意しているから楽しみにしているがよい!!」

 

「……あれ、辛いからヤ」

 

「好き嫌いをするでない!!それが良いのではないか!!」

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

「それではこれより、家族(ファミリー)裁判を始めます!」

 

「『始めろ』『と言われても…』『何を』『話せば良いのだ?』」

 

「この裁判の被告人である、大槻ライに直接聞くのが効率的」

 

「とりあえず、『嘘が吐けなくなる薬』*1飲ませれば一発なのだ!今ストックなくて作るのに1週間かかるけど」

 

「楠莉ちゃんすごいわ~。ナデナデさせて?」

 

「お母様、座席から離れないでください」

 

 

 

 …………

 

 羽香里の号令の下、皆がそれぞれ意見を出し合った。

 

 とりあえず、俺もやり方はよく分かっていないけれど。とりあえず気になった所を指摘させてもらおう。

 

 

 

 それは違うぞ!!

 

 

 

 『嘘が吐けなくなる薬』

 

 キオク 思い込み 

 

 

 

 BREAK!!!

 

 

 

「……楠莉先輩、あの日ライちゃんはこう言っていたんです」

 

 

 

『私がしたのは至って単純だよ?……私自身を男だと思い込んだ(嘘を吐いた)だけだ

 

『『嘘が吐けなくなる薬』*2で私が嘘を吐けたのはこの方法のおかげだよ。効果は恋太郎くん達も知っての通り』

 

 

 

「…だから、あの日と同じ効果の『嘘が吐けなくなる薬』を用意しても効果は薄いと思います。楠莉先輩には申し訳ないですが…」

 

「……そういえば、ライ本人からも言われてたの今思い出したのだ……」

 

「“楠莉さん…”」

 

「でも!いつかはライの嘘を見抜けられる薬を作ってみせるのだ!!それまで待っていろなのだ、ライ!!」

 

「…え、何の話?」

 

 ……え?

 

「…あぁ、あの日のあれか。…うん。期待しないで待っておくよ」

 

「ラ…ライ……?」

 

「あんたねぇ…その言い方はないでしょ!!」

 

「だって……薬がどうのって正直()()()()()()でしょ。まぁ、皆がそこを詰めて話したいのなら、それでもいいけどさ」

 

「だからって…!」

 

「もう、2人とも。ケンカはメッよ?」

 

「落ち着いてください唐音さん。…そうやって皆から嫌われようとしているんですね?ライさん」

 

「羽香里ちゃんはそればっかりだね。まぁ、それを明らかにする為の家族(ファミリー)裁判…だったっけ」

 

「…まぁいいや。ティーブレイクには丁度よかったんじゃない?楠莉ちゃん、お手柄だよ」

 

「そうなのだ!?」

 

「喜んでんじゃないわよ!」

 

 一瞬、空気がピリピリしかけたけれど。ライちゃんと唐音の間に割って入った羽香里や羽々里さん、それと無邪気に喜ぶ楠莉先輩のおかげでその空気は霧散した。

 

 

 

「たしかに、今の話は非合理的だった。早速本題に入るべき」

 

「『結局』『本題』『とは…?』」

 

「先ほど花園羽香里が言ったように、大槻ライの今日の行動を全て振り返る。過去は消えない。流石の大槻ライも過去の事象までは偽れないのだから」

 

「凪乃さんの言った通り、ひとまずは『この屋敷に来る前の行動』をお聞きしたいです。ライさん、よろしくお願いしますね?」

 

「はいはい。分かりましたよ、お嬢様」

 

 

 

 

 

 議論 開始

 

ラ「お昼寝から目覚めた私は諸々の準備の後、この屋敷へと向かいました」

 

「『諸々の準備』『とは?』」

 

ラ『それは逃亡生活に必要な色々だよ。結局無駄骨になったけれどね』

 

ラ「それで到着した後は、開いていたドアから屋敷に侵入して…」

 

マ「あらあら、戸締まりは毎日ちゃんとさせていたはずなのに」

 

凪「私たちが侵入したドアから入ったと考えるのが合理的」

 

ラ「その後は上の階が何やら騒がしい事に気がついて。誰かが窓から飛び降りたのが分かったから…」

 

ラ「私と一緒にいたダッドが窓を突き破って2人を助けたんだ」

 

 

 

 

 それは違うぞ!!

 

 

 

 『私と一緒にいたダッド』

 

 キオク 変身薬 

 

 

 

 BREAK!!!

 

 

 

「……ライちゃん、ライちゃんは確かにこう言ったよね?」

 

 

 

『…私が飲んだ薬は『変身薬』って言って、頭の中に思い浮かべた誰にでも変身できるんだ。人によって違う指紋や耳の形もまったく一緒にね。…』

 

 

 

「そして、実際に俺たちの前でライちゃんのダッド、大槻クロさんから変身する所を俺たちに見せてくれた」

 

 嘘発見器に腰掛けながら、カシャカシャと姿を変えるライちゃんの姿を思い返す。

 

 衝撃を受ける映像だったこともあり、今でも脳裏に残っている。それは皆も同様だろう。

 

「なのにどうして、むざむざこんな嘘を吐いたんだ?」

 

「…私なんかのこんな才能(変身)を皆覚えてくれているのかちょっと気になったから、あえてね」

 

「そんな…忘れる訳ないじゃないか…!」

 

「もう数話前の話だから、おさらいも兼ねて触れた方が良いかと思って」

 

「メタいこと言うんじゃないわよ」

 

 …………

 

 アンニュイな表情を浮かべながらそう告げるライちゃんだったけど、その後すぐに冗談を言うライちゃんを見て。

 

 その告白が本音か嘘か、判断がつかずにいた。

 

 ……でもまぁ ライちゃんが嘘を吐いた理由は、とりあえず理解できた。

 

 それで話は終わりかと思っていると。

 

「それです!!」

 

「…どれよ」

 

 羽香里がビシッとポーズを決めながらそう告げた。

 

「……ライさんは窓から落下する私と恋太郎君を身を挺して助けてくださいました。

 はたして、私たちのことを嫌いな人がそんな行動を取るでしょうか?」

 

「つまり…?」

 

「この行動の意味を何度考えても、ライさんが私たちを嫌っているとは…とても思えないんです」

 

 

 

 …………

 

 それは……たしかにその通りだ。

 

 もし、羽香里の推察通りなら。ライちゃんは羽香里の言った通り…

 

「残念だけど、2人を助けた事に特に意味は無い。助けられたから助けただけ。それ以上の意味は無いよ」

 

 が、そんな推察は先ほどよりも表情が抜け落ちたライちゃん自身により否定された。

 

「そんなはずありません!でなければ、ライさん自身が命を賭けた理由になりえません!!」

 

「あの時の私は大槻クロ(ダッド)だった。ダッドならそうした、ってだけの話」

 

「あの時の大槻さんはライさんです!!私たちへの思いが無いと、こんな行動が出来るわけがありません!!」

 

 羽香里の勢いは止まらない。きっと、羽香里もここだけは譲れないんだ。

 

 あの時のクロさん、もといライちゃんは『私が飛び出さなくても、()ならきっと羽香里(彼女)を助けられただろう』と言っていたけれど、助けられた当人である羽香里としてはそうは思わない。

 

 だから、助けてくれたライちゃんが自分達のことを嫌うだなんてことは()()()()()と、ここにいる誰よりも強く思ったからこそだろう。この勢いの強さは。

 

 ……けれど、

 

「…羽香里ちゃん達を助けたい気持ちが、全く無かったとは言わないよ」

 

「でも助けることに、対象への思いや気持ちの強さは関係ない。これだけは譲れない」

 

 ライちゃんは語気を荒げることなく冷静に述べるだけだった。

 

「人を助けることに必要なのは、その人自身の知識とフィジカル、あとは運だけ」

 

「もし、気持ちの強さで人を助けられるのなら…」

 

「じゃあ、助けられなかった人の気持ちは、大したことなかったのかって話になるから」

 

「それは……」

 

 羽香里とは対照的に淡々と自らの考えを述べるライちゃん。

 

 『助けられなかった人の気持ち』が一体誰のことを指すのか、今までのライちゃんの話を聞いてきて推測はできるけれど。

 

 その言葉は、ライちゃん自身に語りかけている印象を受けた。

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

「…あの後、ライちゃん…いや、ライちゃんのダッド(大槻クロさん)は何をしていたんだ?」

 

「そちらのメイドさんともう一人のメイドさんと3人で、私が割ったガラス窓の修理をしたの。そう対して時間はかからなかったね」

 

「とんだ不倫野郎かと思ったらそんなことしていたのね…」

 

大槻クロ(ダッド)無自覚な女たらしだけど、一応一線を超えることは無かった……はず。無自覚な女たらしだったけど」

 

「2回も言ったのだ」

 

「実の娘である大槻ライの前で悪気無くやっていた可能性が高い」

 

「『英雄の運命(さだめ)』」

 

 …………

 

 羽香里の計画が破れた後、ライちゃんは依然変わらずの調子で説明をしてくれた。

 

 けれど、特に指摘できるようなおかしい所は見当たらず。その後は行動を共にしていたメイドさんに風呂を勧められて移動したらしい。その後俺と鉢合わせた、ということだ。

 

 風呂場での行動については一度話をしていたこともあって、特に詳しく深掘りされることはなかった。そうなった時、俺と一緒に右隣に座る静ちゃんが小さくホッと息を吐くのがチラリと見えた。

 

 最後まで説明を終えたライちゃんが俺たちを見回す。

 

 そのときだった。

 

「私からいいかしら?」

 

「羽々里さん…?」

 

 俺から見てライちゃんの左に座る、これまで議論にはあまり積極的に発言してこなかった羽々里さんの声が部屋中に木霊した。

 

「あなたが中学生の頃、あなたのお爺さまの会社で見かけた頃があるの。あなたは覚えていないかもしれないけれど」

 

「…………」

 

「…っ!」

 

 沈黙を続けるライちゃんとは反対に心当たりがあるのか、羽香里がビクッと身体を微かに揺らした。

 

「それでも、こうしてあなたと顔を会わせるのは今日が初めて。事前に情報を集めてはいたけれど、あなたのことを私は恋太郎ちゃん達と比べて何も知らないと言ってもいいわ」

 

「……何が言いたいんですか?」

 

「あなたが言った『私達のことがダイッキライ』も、恋太郎ちゃんと羽香里が言った『あなたが皆から嫌われようとしている』も。2人とは違って、私個人はどちらでも良いと思っていたわ。白状するとね」

 

 …………

 

「……じゃあ、放っておいてくれませんか?」

 

「そうはいかないわ。だって、私はママだから

 

「理由になってねーのよ」

 

「…………」

 

「だから、()()()()別れようと思ったのか、()()()()皆のことが嫌いになったのか。その動機を聞きたいの。

 私はママだから。あなたのことを、もっと知りたいの。

 

 羽々里さんは最後まで真剣な表情でライちゃんにそう言った。

 

 …………そうだ。たしかに、ライちゃんが俺と別れたい理由が『ダイッキライだから』とは聞いていたけれど。『ダイッキライ』の理由までは突き詰めていなかった。

 

 無意識に目をそらしていたのかもしれない。ライちゃんに『ダイッキライ』と言われて、中学時代までの度重なる告白失敗と、ライちゃんへの告白がトラウマとして蘇ってしまうから。

 

 情けない。

 

 静ちゃんを3人に紹介した時に、覚悟を決めたはずなのに。

 

 

 

 

 

 スッ……

 

 

 

 パンッッ!!!!

 

 

 

「うわビックリした何よ急にッ!!!!」

 

 

 

 自分への戒めとして、両頬を勢いよく叩くと左に座る唐音が驚いたのか大きな声を上げた。

 

 ごめん、驚かせちゃったな。

 

 そう唐音に告げ、俺はライちゃんを見据える。ライちゃんも他の皆と同じく驚いたのか目を見開いていた。

 

「俺からもお願いだ。ライちゃん聞かせてくれないか?」

 

「……いや、話すのはいいけれど。どうしていきなり自分の頬を叩いたのか、聞いてもいい?」

 

「これはライちゃんが俺を『ダイッキライ』になった理由を今の今まで放ったらかしにしていた俺への罰だ。ライちゃんは気にしなくていい」

 

「……そう」

 

 納得してくれたのか、ライちゃんは俺のことが『ダイッキライ』になった理由である、今日の()()(ぞの)フラワーパークでの事を話し始めようとした。

 

 けれど、その理由があの時俺自身に律した、『大切な人(ライちゃん)を傷つけた』ことが原因であれば……

 

 俺は部屋に置いてきたリュックの中の()()()の存在を脳裏に思い浮かべる。

 

 もしもの時は、そうする覚悟を心に決めながら。俺はライちゃんの話を聞いた。

 

 

 

 

 

 議論 開始

 

羽「()()(ぞの)フラワーパークって……私が提案した今日のデートが原因だったんですね……」

 

ラ「…………」

 

羽「…すいません、お時間を取らせました。ライさん、話を聞かせてください」

 

ラ「……うん。それは……」

 

楠「まさか、ライもお花のドレス着たかったのだ!!!?クジで外れて着れなかったから……!」

 

ラ「……じゃなくて、実は……」

 

唐「まさか……!私に殴られたから……??」

 

ラ「……でもなくて……」

 

「……『私が』『空に飛ばされて』『心配させたから』……」

 

ラ「…………」

 

凪「ブーケトスの際、大槻ライが1人別れた時に何かがあったと考えるのが合理的」

 

 

 

 

 

 それに賛成だ!!

 

 

 

 『大槻ライが1人別れた時』

 

 キオク ライちゃんが纏う空気 

 

 

 

 BREAK!!!

 

 

 

 

 

「あの時、ライちゃんはこう言っていたけれど……」

 

()()()連合…だったっけ?その人達が人を投げてぶっ飛ばされる所を間近で見ちゃったらパニックになっちゃって、無我夢中で走り回っていたら迷子になっちゃったんだ……』

 

「でも、あの時のライちゃんの纏う空気に俺は違和感を覚えたんだ。たしかに、パニックになったのかもしれないけれど、あれだけ見渡しが良いフラワーパークでライちゃんが迷子になるとは、到底思えないんだ」

 

「…………」

 

「その時、ライちゃんに何かがあったんだよね?教えてくれ、ライちゃん…!」

 

「……うん。凪乃ちゃんと恋太郎くんが言った通りだよ。ごめんね、皆に嘘吐いちゃった」

 

「ふ、ふんっ!!あんたが嘘吐いたことを謝るなんて意外も意外ね!!明日は槍でも降るんじゃないかしらっ!」

 

「唐音さんは『気にしないで大丈夫だよ』って言いたいみたいですよ、ライさん」

 

「気持ち悪い訳付けんじゃないわよ!!」

 

 唐音と羽香里が空気を和ませようとしている間も、ライちゃんは依然顔を俯かせたままだ。

 

 …………おそらく、これからライちゃんが話すことは俺には未知のものなのだろう。

 

 でも、それが俺に別れを告げた原因であるのなら。

 

 どんな理由であれ、まずは俺が受け入れなければ!!

 

 そう、俺は一人覚悟を決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴリラ……連合……?」

 

*1
11話 おひさしぶりのお薬少女参照

*2
11話で楠莉がライに渡した薬。摂取してから10分程度の間嘘を吐いた場合吐血する。

羽々里さんの台詞を1字表記する際何て書く

  • 羽々里さんの『々』
  • 羽々里さんは皆の『ママ』より『マ』
  • 羽々里さんは羽香里の『お母様』より『母』
  • ヤツ(♀)より『ヤ』
  • 羽香里を『香』で羽々里さんを『羽』表記
  • その他
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