この話は少し長めです。
「恋太郎…お前、大槻さんに何やったんだよ…」
「分かってたらこんなことになってねーよ…」
卒業式のあの日、大槻さんに一世一代の勇気を振り絞って告白をしたけれど返ってきたのは『ダイッキライ!!!!!』という強い拒絶だった。ここまでシンプルで強大な告白の断り文句は
大槻さんが小さい声で何やらブツブツと呟きながら立ち去った後、ようやく行動に移すことができた。震える手で友人に連絡して
「もう白状するけど、大槻さんお前よりも早く俺に相談しに来てたんだぞ。両片思いで環境も整えたっていう最高の状態だったのに告白失敗するなんて、お前がヘマしたとしか思えねーんだよ」
「ウソだろ…!全然気付かなかった……ちなみにいつ頃?」
「1月頭だな」
「俺よりも1月も早ぇじゃねーか!!え!?もしかして、もっと早く告白していれば良かったのか!!?」
「いや、それはない。『卒業式の桜の木の下』って告白の条件出したの、大槻さんじゃん」
「じゃあなんで【ダイッキライ!!】なんて言われなきゃいけねーんだよぉ……」
「それが分からねーから困ってるんだろうが…」
ミッ○ィーちゃんみたいな顔をしたまま電柱に突っ伏した俺はその場から動けずにいた。友人も不思議そうに頭をヒネっていたが、1つ考えに至ったのかおずおずと口を開いた。
「これはあんまり当たって欲しくねーんだけどさ…怒らないで聞けよ恋太郎…」
「なんだよ…その前置き…俺の存在からしてアウトとか言うんじゃないだろーな…」
「いや、それは……まぁ、あり得ない話じゃないけど…」
「そこは否定してくれよ、友人として!!」
いつもならこういう時笑顔になる友人が終始真剣な表情を崩さない。それを確認して俺もちゃんと聞かなきゃと思いようやく電柱から離れることができた。俺を待っていたらしい友人がようやく話し始めた。
「これは考えたくねーけど…、
「……あのウワサって……どのウワサだよ」
「ほら、アレだよ。『大槻ライは名前からして大嘘吐きだ』ってウ…っ!!」
ガッ!!!ドンッ!!!
友人が最後まで言いきるよりも俺が友人の胸ぐらを掴んで向かいの壁まで押しつけるのが先だった。
「いくらお前でもそれ以上は許さない……。大槻さんがそうじゃないって、俺たち全員分かってることだろうが!!」
「だから怒るなって前置きしたんだろーが!!話は最後まで聞け!!」
俺の大声に友人も声を張り上げる。友人の珍しい激昂に面を食らい、ようやく落ち着くことができた。胸ぐらを放すと友人はケホッと息を吐いて身なりを整えた。
「まったく…。いいか最後まで聞けよ!……大槻さんがウワサ通りの大嘘吐きで、恋太郎をコケにするために恋してるフリをしていたと仮定する。そうなるとこのクラスになってからずっと恋太郎を含め、俺たちクラス全員を騙してきたことになる。
……そんなこと大槻さんがすると思うか?」
「思わねーよ!!」
「……だよな、俺もそう思う。だから、お前等の間で何かすれ違いでもあるんじゃねーの?それか全く未知の要素が絡んでいるとか。
とどのつまり、ちゃんと大槻さんと話してこいってことだよ」
「うっ……でも……。なぁ、お前の方から大槻さんに連絡してくれないか?」
流石に告白を断わられた身である自分から大槻さんに連絡を入れづらい。友人に頼んでみるが、
「そうしたいのも山々だけど、多分大槻さんの連絡先持ってるのってお前だけなんだよ。クラスのヤツ等に確認してみたけど、俺含めて誰も持ってなかったから」
「ウソ…だろ…?」
「マジのマジ。いやぁ、愛されてんねぇ
「…………」
「でも、この反省会も今日で終わりかぁ…。…恋太郎、今日の告白を仮に失敗だとしたら今日ので何回目だったんだ?連続失恋記録」
「まだ、失敗だって決まってねーだろうが!!あと、そんなこと傷心の友達に聞くなよ!!」
「だから仮にだって言ってるじゃん。教えろよ、どうせ今日で最後なんだから」
「お前とのこれまでの日々が台無しだよ」
それから友人と交わしたのは他愛も無いことばかりだった。
今日のを含めたら失恋記録が100回目という大台に乗ったことで逆に友人から畏怖されてしまったこと。初めて告白したのが生後8ヶ月の時だと言ったら
そして別れ際には、
「…まあ…ともかく元気でな恋太郎。後、大槻さんと復縁できたら連絡しろよ。俺、お前が『卒業式の告白には失敗したけれど、高校の入学式後なんだかんだ付き合うことになった』でジュース1本賭けてるんだからなー」
「友達の恋愛事情で賭博してんじゃねーよ、この友人Aは!!」
特に湿っぽい別れなんてする訳もなく、いつもの調子で別れを告げる俺たちだった。
その後友人に言われたとおりに大槻さんに連絡を取ろうとしたけれど、あと1歩がどうしても踏み出せなかったから縁結びの神様に頼んでみた。『どうか…どうか…恋の神様仏様…!!ヘタレな俺に大槻さんと連絡を取る勇気をください…!!そして、いつかは彼女ができて幸せな学園生活を送れますように…!!』と。
その後突如出て来た自称神が突如賽銭箱から顔を覗かせて来た時は思わず叫んでしまった。その後も少し揉めはしたけど、その神から俺は高校で”運命の人”と出会うことになっていると聞いてとりあえず最後まで話を聞くことにした。
いわく、”運命の人”とは人がこの世に生まれた時に定められる"最高の恋愛パートナー”。運命の人同士が出会うと全身にビビーンと衝撃が走りたちまちお互いのことが好きで好きでたまらなくなる…
そして、この運命の人というのはそれぞれ定められた時期に必ず出会う運命になっているらしい。さっき、神が『高校で~』と言ったのもこれが理由らしい。人によっては運命の人がいないこともあるのになんて至れり尽くせりなんだと喜んでいると、それを凌ぐほどのとんでもないことを神は言ってのけた。
なんと…俺が高校で出会う運命の人は100人もいるんだと!!!
もう好きな彼女選び放題だという、男の夢と言える桃源郷に心が抑えられないでいると、
頭の中に過ぎったのは、大槻さんの姿だった。
…………
「……なぁ、1つ聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「む?何じゃ改まって…」
「さっき、『運命の人がいる人間はそれだけで非常に幸運なんじゃ』って言ってたよな?だったら、その運命の人が100人もいる俺はその幸運による何らかの皺寄せが無いはずが無いと思うんだが……」
「ギクゥ!!?」
「……神…、あんた何か俺に隠してないか?話さないというなら、この神社今すぐ燃やすが…」
「いくら疑わしいからって
俺の質問に明らかに動揺した神を脅すと、神はしぶしぶと話し始めた。
「……おぬしの言った通りじゃ。100人も運命の人がいる大幸運に全ての”恋愛運”がつぎ込まれたせいで、その反動として今までのおぬしの恋愛運はほぼ0と言ってもいいぐらい低かったのじゃ…。おぬしの
「なんてことしてくれてんだ、このクソ神がぁ!!」
「いいじゃろ、別にぃ!!そのおかげでおぬしの高校生活はバラ色確定なんじゃから!!」
「クソッ!……ん?おい、お前さっき
「ついに、神とすら呼ばなくなったか……。それがどうかしたのか、恋太郎?」
99回目に失恋したのはたしかバレンタインの日だった。逆チョコとしてチョコを用意しながら告白してみたけれど、あえなく拒否されたから嫌でも頭に残っている。
で、あるならば……
「今日の大槻さんの告白!あれは失恋としてカウントしていないってことだよな!!だったら
おぉぉぉ!!そうだった!!運命の人が100人もいるという衝撃情報で危うく忘れかけていたけど、そもそもこの神社に来たのも大槻さんともう一度お話をする決心を付ける為だったことをやっと思い出せた!
ちょっと時間かけすぎたかもだけど、今の時間ならまだ大丈夫だろうとすぐに大槻さんに連絡を入れようとすると…!
「ならぬ」
いつになく真剣な様子な神に驚いてケータイが手から離れ、地面に落としてししまった。
「……これは誠に言い辛いんじゃが、ここまで来た以上言わない訳にもいかなくなってしまったの……」
「なんだよ…、何か問題があるのか…?」
「今日お主がその大槻とやらに告白した後、何か違和感を覚えたことはなかったか?」
「そりゃあ…」
『ダイッキライ!!!!!』
「……俺自身はよく分からなかったけど、周りからは彼女が俺に好意的なのは明らかだったらしいんだ。だから俺の友人も告白に失敗したことが信じられなかったみたいで……」
「……少し話が変わるが……、普通の恋愛と運命の人との出会い。2つの出会いが同時に起こった場合、おぬしはどちらを選ぶ?」
「なんだよ、その質問……。そんなの、その時になってみないと分からないだろ?」
「それが分かるのじゃよ、恋太郎。この場合選ばれるのは運命の人の方じゃ。ちなみに100%じゃ。運命の強さは時にそれまでの他者の絆すらも打ち消してしまう程なのじゃ。仮に普通の恋愛で婚約を結んで2人の間に子どもが既にいたとしても、運命の人との出会いがあればそっちを優先してしまうのが運命の性なのじゃ。
だからかの、この世界で離婚や不倫の問題に
「こんな所でそんなドロドロした話、聞きたくなかったよ!!」
昼ドラでよくありそうな話を聞かされて少し気分が沈んだが、そんな俺を余所に神は説明を続けた。
「おぬしが高校で100人の運命の人と出会うのは最早決定事項じゃ。その運命の力が時間軸に背いてその大槻とやらの本心に何らかの影響があったとしてもおかしくはない。
例えばおぬしの事を異性として好いていれば好いている程、おぬしの顔を見る度に目や口で拒絶反応を起こしたり、生理的嫌悪を感じるようになったり、鳥肌が立つようになったり…といったぐらいかの?」
「…………は?」
……なんだよ、それ……
「さっきも言ったが、おぬしが高校で運命の人と出会うのは確定じゃ。その時大槻とやらと仲良くなっていた場合おぬしもその大槻も要らんキズを負うことになるじゃろうて。
だから、これは恋愛の神としての伝言じゃ。その大槻とやらは疾く忘れ、運命の人との出会いにのみ備えておくのじゃ」
帰宅して諸々の用事を済ませた後ベッドに横になった俺はあまりの怒りで狂いそうだった。結局の所友人が気にしていた通り全くの未知の要素が絡んでいたんだ。一刻でも早く何も知らないであろう大槻さんに伝えるべきだと頭では分かっていた。
でも、未だに大槻さんに連絡が取れないでいるのは、
因果があれとはいえ、今の大槻さんは俺のことが嫌いだ。そんな俺が話すこの荒唐無稽な話を大槻さんは果たして信じてくれるのか。そもそも、話を聞くことすら許してくれるのかすら分からなかった。
それに、
情けない話、大好きな大槻さんから『ダイッキライ!!!!!』と言われるのではないかと唯々怖かった。
結局、春休みの間俺の方から連絡を取ることはなかったし、相手方からの連絡もなかった。
そんな中迎えた高校入学式初日。クラス表を見ると大槻さんと同じ1年4組だった。教室に入ると中に既にいた大槻さんと目が合いそうになった。が、すぐに目を晒されてしまう。原因が分かっていながら春休み中行動に移さなかった俺が悪いのは分かっていたけれど、こうして実際に再度体感するとやっぱりクるものがあるな……。
結局式が終わっても大槻さんと話をすることができず、午後からのHRの為に教室に戻る途中、曲がり角で2人の女の子と衝突してしまった。
ビビーーーーーン!!
その2人と目が合ったのと同時に全身に走った衝撃で分かった。この2人がアイツの言ってた俺の“運命の人”だと。
その後2人とも俺のせいで足をくじいたことに気付き己の不甲斐なさに怒りながらも肩を貸していると、
「あ…愛城くん…?」
「あ…、大槻さん……。久しぶり…」
向かいの方から歩いてきた大槻さんが声を掛けてきた。
卒業式以来の会話だというのに大槻さんに固さが見られないのは、おそらく俺たち以外に2人いることと依然として大槻さんが俺の顔を見ないようにしているからだろう。
それからお互いに自己紹介をしたんだけど、花園さんと院田さんの自己紹介がステレオだったのでもう一度聞けるチャンスを請うた。だけど現実は非常で、2人は足をくじいていたはずなのに何処かへと駆け出していった。
そして、2人が離れた以上当然残るのは…。
あの日以来録に会話すら出来ていない俺と大槻さんだった。
「「あ…あの!」」
だから、ここは男である俺が先陣を切るべきだと動くと大槻さんと重なってしまった。
それが、なんだかおかしくて。
「ふ…ふふふ…。あの2人みたいに言葉が重なるなんて…」
「偶然って怖いね…。2度あることは3度あるって言うから、もしかしたらもう1回あるかも?」
お互い自然に笑えていた。
……懐かしいな。中学の頃は当たり前のように2人で行動する事が多かったから。こうしてお互いが緊張した状態なのは4月頃ぐらいかな。
……そっか、もう大槻さんと知り合って1年になるんだな。
「愛城くん…あの日あんなヒドい言葉で告白を断わってごめんなさい。愛城くんは勇気を出してくれたのに。【ダイッキライ】だなんて、100歩譲っても言って良い言葉なんかじゃないのに…」
そう感慨にふけった俺を止めたのは大槻さんのあの日の謝罪だった。
「……うん。俺もあんな風に真正面から否定されたのは
少しだけ嘘を吐いて返す。どうやら大槻さんは心底俺のことが嫌いになった訳ではないみたい。その事実に少しホッとするのと同時に彼女に隠し事をしていることを心苦しくおもっていると、
「…あの2人がお爺ちゃん神様が言ってた愛城くんの運命の人?」
「うん、そうみたい…ッ!!?神様のこと知ってるの大槻さん!!?」
いきなり、とんでもないことを言われて気が動転した。気がつけば大槻さんの両肩を掴んでいる始末。……冷静に考えるとこれってセクハラだよなと後で重々反省した。
「う…うん。卒業式のあの日愛城くんにどう詫びたら良いかって縁結びの神様に相談しに行った時に会って…。その時に愛城くんと神様が会話したことと運命の人が100人もいるって話も聞いたんだ」
「そ…そうだったんだ。…あっ、ゴメン!!急に掴んじゃって…。痛くなかった?」
「気にしないで、愛城くん。大丈夫だから」
大槻さんから経緯を聞いて落ち着いた俺はようやく掴んでいた手を放した。いきなり迫ったことで怖がらせていないかと思ったけれど、大槻さんは目を詰むって顔を背けた以外特に拒絶することはなかった。
……そっか、今日再会してからずっと妙に顔を背けられることが多いなとは思っていたけれど。
俺から大槻さんに伝えなくてすんだことに少し安堵したのとアイツに対する憤りが収まらない。そして、このことについて俺から大槻さんに対しては何もできないことを痛感した。
「良かったね愛城くん。まだ少ししか話せてないけれど2人とも良い子そうだし。そんな2人からあれだけ好意を向けられるなんて。私が男の子だったら嫉妬してたよ?」
「そ…そんなのあり得ないよ。俺なんかが女の子に好かれるなんてことがあるはずないんだから」
「うーん、これは重傷だなぁ…。いや、原因には私も含まれているんだろうけれど」
大槻さんは目を背けながらも俺の方に身体を向けて会話を続ける。その様子からはあの日の告白は既に
あの2人が気になっているのは事実だけれど、アイツに言われた通り運命の人だとしても、俺が大槻さんが好きだというのは今でも変わらないというのに。
でも、これで良かったのかもしれない。これまででも失恋した女の子と友達として仲良くすることは少なくなかった。むしろ、あんなこっぴどい振られ方をしたというのに、謝罪をしてもらった上俺の次の恋愛を応援してくれる大槻さんの優しさに感謝するべきだ。
それに、大槻さんも高校で彼氏が出来て幸せな学園生活を送っても良い権利があるんだ。中学時代あんなことに遭ったんだから、その反動で高校では目一杯幸せになってもいいはずだ。俺はそんな大槻さんを
ズキリと痛む心を抱えながらそう結論を落とす。そこでようやく、大槻さんが口を少し開きながらも何も言葉を発しないことに気付いた。俺が不思議そうに眺めていたことが分かったのか、大槻さんが話し始める。
「……そうだ。もしどちらかが彼女になったら色々聞いてくれていいよ。女の子が考えることは男の子の愛城くんには難しいこともあったりするだろうから」
「……そっか。あの2人が俺のことが好きだなんて、未だに信じられないけれど…もしそうなったら遠慮無く頼らせてもらうね」
「うん!黒船に乗ったつもりでいてね!」
「大船だよ?」
「オォ…ニホンゴムズカシイデェス」
「わざとらしいカタコト!!」
気付けば中学の頃みたいに気の置けない会話が俺たちの間で始まった。大槻さんが調子を戻していってからはこんなスタイルの会話が多かった。大槻さんは人の反応を見て楽しんでいる所があるみたいで、嘘や冗談を交えて会話を盛り上げることが多い。そんな楽しそうに笑う大槻さんを眺めるのが大好きだ。
「そういえば…愛城くんは私に何を言おうとしてくれていたの?」
「あ…それは……」
俺が答えるよりも先に授業開始5分前を告げるチャイムが鳴り響いた。俺が言いたかったのはアイツに聞いたことだったから、既に知っている以上俺から改めて告げる必要はないだろう。
「……うぅん。なんでもない。じゃあ教室に戻ろっか」
「…?う、うん」
不思議そうに首を傾げる大槻さんと一緒に教室へと戻る。
……いや、本当に聞きたいことはある。でも、それが未だに俺自身でも事実かどうか確信していなかったからだ。
大槻さんが俺のことを応援するって言いつつ傷ついているように見えるのはなんで?だなんて。
新入生放課後
あの二人とまた話をしてみたかったけれど、途中でコンタクトを落としたという先生のお手伝いをしていたら気付けば四時間も経っていた、流石にもういないだろうと、明日話しかければいいかとふと窓の外を眺めたら裏庭で花園さんと院田さんが四葉のクローバーを探していた。
なんでこの時間まで探しているんだとか、もしかして俺に渡すためなのかとか考えることは山ほどあったけれど。2人のその一生懸命な様子に心を打たれて、2人分のジュースを差し入れに裏庭へと向かった。
そこで、2人と話したんだけれど。未だにあれが現実なのか俄に信じられなかった。
院田さんからツンデレの反応を返されたこと。
花園さんとあと少しの所で間接キスをしていたこと。
そして……
生まれて初めて女子から告白された。それに2人とも。
これまでの
でも、歓喜の現実逃避をする時間はすぐに過ぎた。
「「
不安そうに身体を震わせる2人を前にして、情けない事この上ないが俺は答えを先延ばしにした。
そして、返答を明日の朝にすることを約束して2人と別れる。
花園さんか…院田さんか…
告白をしては断わられるのが常だった俺にとって、どっちの娘を選ぶのかなんて贅沢すぎる悩みを持てたことに顔のニヤケを抑えきれないまま俺は家路についた。
そして……数時間後
どっちとの恋愛(妄想)も付き合いたさがMAXすぎて選びようがない。この選択が陽が落ちる今になっても結論が出ない程難しいとは想定すらしていなかった。
どうすればいいのか悩みに悩んだ俺は、
“運命の人”について詳しいアイツの下へと訪ねた。
「そりゃそうじゃ。“運命の人”である以上おぬしにとってどちらも“最高の恋愛パートナー”なんじゃ。最高と最高ではいくら比べても平行線。選びようなどあるはずもない」
「…!やっぱりそうなのか…っ」
その答えは半ば予想できていた。仮に“運命の人”に序列があるとしたら、それはもう運命なんて言えないだろうから。
「じゃあ…他の人は一体どうしてるんだ…!?俺みたいに…二人の運命の人と同時に出会っちゃった人は…」
そう、俺が聞きたかったのはこっちだ。人類はもう何千年も前からいるんだ。俺と同じケースが怒らなかった訳が無い。先人の知恵を参考にさせてもらうのが
が、
「…そのことなんじゃがな…」
どこか先日同様言い辛そうにしたアイツは俺に告げた。
本来、一人の人間に対して“運命の人”は一人しかいない。
コイツがラピュタの初見バルスだったからというバカみたいな理由で、1人と設定する所を100人としてしまったとのこと。
コイツのせいで俺や彼女たちの人生を狂わされたことに頭を抱えていると、それまでの情報以上に信じられないことをコイツは告げやがった。
「実はの…運命の人と出会った人間は…その運命の人と愛し合って幸せになる事が出来なければ…近いうちなんやかんや不幸な目にあった後死ぬのじゃ」
「…前にも言ったが運命の人がいる人間はそれだけで非常に幸運なんじゃ。しかし…その分そこに一生分の“運気”を費やしてしまうのでな。その幸運を逃してしまえば必然的に不幸な運命しか残されなくなると言う事なんじゃ」
「じゃあ…つまり…俺があの二人のどちらかと付き合えば…」
「ああ…もう一人は死ぬ」
「そんなもん選びようがあるかあああああああ!!!」
俺の大声が境内中に鳴り響く。すると、後ろの方から何かが倒れたような音が聞こえた。慌てて振り向くと、この夜中に見るとは予想すらしていなかった存在が目に入った。
夜中に出歩くとは思えない軽装で前のめりに倒れた女の子の名前を気付けば叫んでいた。
「大槻さん!!?」
※神様の株が原作以上にストップ安に。神様ファンの方お許し下さい。まぁ、原作でも諸悪の根源なのは事実だしいっか。
※普通の恋愛と運命の人については個人解釈マシマシで書きました。でもまぁ、態々神様が「おぬしの運命の人は大人になってから出会うから、それまで恋愛するの禁止な」とか言うはずもないので、こういったケースは少なからずあるのではないかと思います。
6人目の彼女や16人目の彼女みたいに正解が無く重い問題だから、原作に出てこないよね…?の精神でこの二次創作は進めていきます。
……大丈夫だよね…?原作の破天荒ぶりを思い出して、ちょっと怖くなってきました。
羽々里さんの台詞を1字表記する際何て書く
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羽々里さんの『々』
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羽々里さんは皆の『ママ』より『マ』
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羽々里さんは羽香里の『お母様』より『母』
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ヤツ(♀)より『ヤ』
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羽香里を『香』で羽々里さんを『羽』表記
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その他