私事ですが、この休暇中私はsteamでセール中だった『魔法少女ノ魔女裁判』をプレイしていました。
あと少しで最後までクリアできるので頑張ります。
ちなみに私の一推しは、黒部ナノカです。
【2/1 16:32追記】サブタイトルを『大槻さん(正)』→『大槻さん(真)』へと変更しました。
気がつけば、私は自室にいた。
アメリカで暮らしていた頃の洋館とはまったく異なる、鼻腔をくすぐる樹木の香りを感じられる和風の邸宅。
その一室に敷かれた布団の上に、私はいた。
あまりにも日常と相違ない自身の周りの環境に、私はどこか取り残された気分がした。
…………
記憶に残るのは、
お爺様の部屋に置かれていた
部屋を飛び出した私を庇って、トラックに轢かれるお爺様。
そして、不思議な海の中を揺蕩っていたことも。
頭の中にある情景と、今の情景が噛み合わないせいで違和感がついて回った。
その時、私の中に1つの仮説が浮かんだ
……すべて、夢だったんじゃないか。
交換日記に書かれていた、家族の皆の悲惨な最期も。
私の代わりに、お爺様が大ケガを負っていた光景も。
不思議な海の中に私が存在していたことも。
すべて幻だったのだと、そう思いたかった。
……でも、その幻想はすぐに打ち消された。
その原因は、目の前にある私の名前が記された日記帳。
私が書いた覚えはまったく無いのに、私の文字だと分かる文字の集いは、
病院の先生からの指示で日記を書き始めることになりました。ミッカボウズ?にならないように毎日忘れずに書いていきたいです。
先ほど夢だと思いたかった甘い私を、目の前の日記帳が現実のことであるとたたきつけてきた。
▽▽▽▽▽
だから、私が気にすることは無いと
ただ、これまでよりも家に戻ることが多くなるということなのでそれは嬉しい限りです。
アメリカにいた頃からずっと
……こういうのを
いや、
今度のカウンセリングの日に尋ねてみましょう。きっと良い助言をもらえるでしょうから。
ウソは偉大、ですね…だね。
試しに愛城くんを相手にして、先生の助言を受けて研究してきた話し方を試してみたところ普段よりも少しだけ反応が良かったように思いま…思う。
まだ愛城くんとしかおしゃべりしていないし、私の方から話しかけることも出来ていない。
だから、明日。明日こそ、私の方から話しかけようと思う。
大丈夫。だって、私は
“イメージするものは常に最強の自分”だって、
……?誰が言っていたんだっけ?
まぁ、いずれ思い出すことに期待しましょうしとこ。
…………
物は試しにと、日記の文体も話し言葉のように崩してみましたが慣れませんね。
明日からは元に戻しましょう。
お爺ちゃん、愛城くん。
日記によく出てくる登場人物はこの2人がほとんどだった。
お爺ちゃんというのは、お爺様のことだろうか?
この日記に書かれていることが真実だとしたら、お爺様は『名探偵コ●ン』の主人公のように体が縮んでしまったらしい。
まぁ、正直信じがたい話だし。話半分に聞き流した方が良いでしょうけれど。
…………
でも、この日記が本当だとしたら……お爺様は生きているということよね?
よかった……
生きていてくれて……、よかった……
…………
気になるのはもう一人の方、愛城くんだ。
彼は家族であるお爺様よりも多く日記に名前が出てきている。
お爺様は多忙な人だった。
会長として、グループ全体の指針を指し示す立場の方だから高齢であっても多忙な人だった。
それは相談役に降格しても変わらなかったらしい。
その空いた
…………
▽▽▽▽▽
今日も愛城くんは女の子に告白して、バッサリフラれました。
知り合って間もない頃の私は関係無いからと無関心を貫いていましたが、最近ではあまりに不憫すぎてジュースを1本奢ってあげることにしました。
……たしかに愛城くんはお世辞にもお顔が整っている『イケメン』ではありませんが、それでも身だしなみを整えている所や普段の立ち居振る舞いを見る限りそこまで不快を感じることは少ないように思います。
頭も悪くないですし…運動も勉強もできている方ですし…こんな無愛想な私に対しても親切で気が利きますし、私以外の男女問わず人望もあって、真面目なのに気さくで接しやすい。
以上のことは、ちょうど愛城くんが告白の為に席を空けた際、愛城くんの友人と共有した愛城くんの良いところを語り合った際に出た結論です。そこまで過大評価ではないように思います。
なぜ、愛城くんに彼女はできないのでしょうか?
それともう一つ疑問なのですが、2人して悩んでいると周りの視線が温かい目のように感じたのも不思議です。
まぁ、愛城くん以外の人に話しかけるなんてこと、怖くてできないのですが。
……まぁ、話しかけてこないということはそこまで重要ではないということでしょう。
とりあえず、今は傷心中の愛城くんを慰めること、ですね。
…………
そういえば、今日愛城くんの友人から『恋太郎は卵料理が好物』だとお聞きしました。
明日のお昼のお弁当、卵焼きでも愛城くんにお渡しすれば少しは愛城くんの気休めになるでしょうか?
さっそく明日、試してみることにしましょう。
最近、おかしいです。
愛城くんが女の子に告白するのは、普段と何も変わらないはずなのに。
最近、私の傍から愛城くんがいなくなる度に妙に心が苛立って、腹が立つように感じます。
このことを愛城くんの友人に尋ねてみた所、何故かすごく呆れられました。が、彼から『そんなの、大槻さんが恋太郎のことが
……好き?
私が、愛城くんのことが、好き…?
まるで、遠い昔に観たような恋愛映画の登場人物が言うような彼の答えは妙なことに、ストンと腑に落ちたように感じました。
別に、フィクションのお話のように劇的な出来事が最近あった訳ではありません。
朝、教室で出会ったら愛城くんと挨拶を交わして。
休み時間、たわいもない話で共に時間を過ごしたり。
お昼休み、愛城くんの友人と3人で弁当をつついて。
放課後、愛城くんが女の子へ告白に行くのを複雑な気持ちで見送って。
失恋した愛城くんを愛城くんの友人と共に揶揄う、といういつもの流れ。
…そうでした。
この日記を書き始めた以前は、1人でいるのが
今でも、他人と一緒にいると緊張するというのに。
いつの間にか、愛城くんと一緒にいることが
愛城くんの隣にいても、緊張しなくなりました。
愛城くんが私以外の女の子と話している所を見るだけで、胸が引き裂かれるぐらい嫌な気持ちになりました。
これが、人を好きになる…ということなのでしょうか?
今日、愛城くんへチョコレートを渡しました。
クリスマスはお爺ちゃんのグループの会食等多忙だった為、愛城くんに何か渡すことは出来ませんでした。が、今回は何故か元気がよいクラスの女子生徒から『愛城君にチョコレート作らないの?』とぐいぐい詰め寄られたのもあり、試しにと作ってみたのです。
……料理はともかく、デザートを作るのは
こんなものを渡した所で、愛城くんを困らせてしまうにちがいない。
そう思って渡すのを諦めようとしましたが、その女子生徒が『大丈夫!大丈夫だから!!』と、うるさかった為『なるようになれ!』と勢いに任せて渡しました。
結局、私の心配は杞憂だったようですが。
『美味しい!美味しい…!!』と涙を流しながら完食してくれた愛城くんを見ていると、私は何も食べていないはずなのにお腹がいっぱいになりました。
今度は、もっと上手く作れるようになりたいですね。
そして、愛城くんに……
おかしな、夢を見ました。
この屋敷の台所とは違うキッチン。そこで、
夢の中の私は、とても幸せそうでした。
そして、夢から覚めた後も。私は何故かそのケーキの作り方を
もしかして、これが。私が忘れていた
この日記を書き始める前、先生が言っていました。
『視覚や聴覚、嗅覚などの五感を刺激すると、失われた記憶が蘇ることがある』と。
もしかしたら、愛城くん用にチョコレートを手作りしたことにより記憶が戻ったのかもしれません。
……記憶が戻ったのは嬉しい限りですが。
どうせ思い出すのなら、愛城くんに
▽▽▽▽▽
ペラペラと日記をめくっていく。
日記には、
…何故か、中学校の卒業式から高校の入学式までの間は抜けていたけれど。
それも、それ以降はびっしりと文字で埋め尽くされていました。
日記から察するに、
けれど、それが無事解決されたからということで日記も再開できるようになったとのこと。
そして、私は無事に愛城くんの
……何故か、花園羽香里と院田唐音という、もう2人の女もほぼ同時に愛城くんの彼女になったらしいが。
彼女が複数いるって、一体どういうこと……?
愛城くんは、とんでもないクズ男だった……?
…………
突っ込みたいことはあるけれど、それはひとまず横に置くことにしましょう。
これらの情報を取得していく内に私は2つの可能性に気づいた。
1つは、何らかの原因により交通事故から以後の間の記憶がなくなった、もしくは
そうであれば、この日記を書いているのは私自身といえる。
交通事故と同じくらいの衝撃を私がもう一度受けた。俄には信じがたい話だけれど否定もできない。
だって、この日記を見る限り
けれど、その可能性は日記の最後まで進めていくと否定されてしまった。
▽▽▽▽▽
気分が悪い。
私の身体の中から、誰かがドンドン!!と外に出ようとしているみたいです。
新しく
2つ目の方は私以外に飲んだ4人とも特に後遺症が見当たらない以上、おそらく原因は1つ目の嘘が吐けなくなる薬の方でしょう。
私は記憶に一部欠陥がある。
それはきっと、交通事故に遭ったショックが原因だと思っていたけれど。実際は違いました。
それもこれも全て。私が無意識に
こんな大事なことを、私は……私は……!!
我が身可愛さに、見て見ぬ振りをしていた。
自分自身に嘘を吐いて、
でもきっと、『身体を返せ!!』と類似したことを言っているのでしょう。
……当然ですよね。
私だって、そうするでしょうから。
でも……
でも…、もう少しだけ……お待ちください。
本物の私が戻ってくる前に、偽物の私が散らかしてしまった後片付けをしないといけませんから。
だから、お願いします。
私が、恋太郎くんと別れるまでどうか。どうか、もう数日だけお待ちください。
▽▽▽▽▽
可能性として、私がもう一つ考えたのは。
解離性同一性障害、二重人格。
交通事故による 物理的ダメージと家族が次々にいなくなった原因が私自身だったという精神性ダメージにより傷ついた私は、自分自身の精神を守る為に新しい自分を生み出した。
……これが、正解だったみたいね。
そうであれば、この日記を書いていたのは私ではない私…ということになる。
この日記を読んで私は……
想像以上に、
日記に書いていたような、私じゃない私に身体を使われていたという嫌悪感も特に感じないし。
偽物の私が消えてしまうことに対する寂寥感や罪悪感も特に感じなかった。
私の心の中に浮かんだ感情は、ただ一つ。
だから、
よろしく、お願いします
それだけだった。
▽▽▽▽▽
だから念のため、諸々の準備を終え、念の為
開いていたドアから屋敷へと侵入した私は、突如窓から飛び降りた恋太郎さんと羽香里さんを見て心底驚きましたが、気づけば私も窓を突き破って飛び降りていました。
ここで2人を見殺しにしたら、
……それから先は、正直私にもよく分かりません。
てっきり駆け落ちでもするのかと思っていたのに、いつの間にか羽香里さんの母親に恋太郎さんが認められたことも。
羽香里さんの母親も、恋太郎さんの彼女になったことも。
何故か私も、花園家にお泊まりすることになったことも。
監視の為にダッドに変身した私に付いてきたメイドと共に私が割ったガラス窓の修繕をしていると、もう一人のメイドから睨まれていたと思えば、いつの間にか熱視線に変わっていたことも。
恋太郎さんと共に入浴することも。
突如発生したトラブルにより静さんと共に
気がつけば、私への取り調べに発展したことも。
…………
……どうして、こんなことに……?
私はただ、
……でも、そのおかげで知ることができた。
私とは違い
家族を失い約1年と少し世界から隔絶した私とは違い、
今の居場所を築き上げたのは、私ではなく
……
それらを知ることができて私は、途中から行動を転換した。
『…
……いや、一人ではないわね。
羽々里さんには、きっと私の狙いはバレていたのでしょう。
こればかりは人生経験の長さ。私自身実年齢である15年よりも短い年数しか生きていない以上、
でも、羽々里さんは全て分かった上で
……本当に、感謝してもしきれないわね…。
本当にできるか分からないけれど、
幸い、楠莉さんからもらった
これを飲み私が
……恐れがないわけじゃない。
でも、これで私も同じになれる。
……アルトリアさん。
……ケリィさん。
……ベルノさん。
……ダッド。
……マム。
………………シロ
私も今から、そっちに行くね。
※100カノ18話のサブタイトル『嘘
※きっと私が上記のゲームをもっと前にプレイしていたら、拙作の内容も多少変化していたのではないかと思います。
羽々里さんの台詞を1字表記する際何て書く
-
羽々里さんの『々』
-
羽々里さんは皆の『ママ』より『マ』
-
羽々里さんは羽香里の『お母様』より『母』
-
ヤツ(♀)より『ヤ』
-
羽香里を『香』で羽々里さんを『羽』表記
-
その他