“運命”の原典にしても、今丁度アニメが放送されている『Fake』にしても。
『真アサ●ン』とか『偽ア●シン』って名前からして格好いいよね!!という、中二心がうずいた結果です。反省はしている。
拙作の中で今話は特にニケさん制作の『キミのニセモノに恋をする』に影響を受けた話です。
ちなみに、今この作品のリメイク版開発の為のクラウドファンディングが行われているみたいですね。
30分程で全エンド解放できる為未プレイの方は是非プレイを、プレイ済の方は是非支援を。
私も支援したので
では、本編どうぞ
【2/22 11:55追記】 文末に選択肢のリンクをつけました
【ライ(偽)side】
あの日、全てを思い出し。
ドンドン!!と外に出ようとしたきり静かになった
きっかけはたしかにあった。
『いやぁすごいな!これが
最早恒例となった皆でのデート中の恋太郎くんをぼんやりと眺めながら。
今日が、
本能的に、悟ってしまった。
▽▽▽▽▽
私の名前は、大槻ライ。
新しく中学3年生になる春休みに交通事故に遭った。
幸い
どうやら、その際軽度の記憶喪失になったらしい。
といっても、日常生活に不備が生じる程のレベルではない。
失った物といえば…
父親と母親。そして、ベルノさん、シロさん、アルトリアさん、ケリィさんといった、もうこの世にいない人たちと過ごしたかつての記憶だった。
普通なら、記憶を失ったことに対して動揺すべきなのかもだけれど。私は特にそういったことはなかった。
だって別に、
これが今一緒に暮らしているお爺ちゃんとの記憶であれば違ったかもしれない。けれど、
……こんなことを考える私は、周りの人とズレていると思いながら。
けれど、
『……うん。俺は
『そりゃあ、正直忘れられるのは辛いよ。その人との思い出が
『でも、その人もきっと
だから、俺は
『それに、思い出なんて、これから幾らでも作れるんだから!その本人の前で暗い顔をするよりも、どうせなら楽しく明るく過ごしていきたいなって、俺は思うかな』
恋太郎くんのおかげで心がポカポカと暖まるのが分かった。
……今にして思えば、この時から恋太郎くんへ向ける視線が変わったのかもしれない。
恋太郎くんと、おしゃべりしたい。
恋太郎くんに、楽しんでもらいたい。
恋太郎くんの、色んな表情を見たい。
恋太郎くんと、ずっと一緒にいたい。
恋太郎くんを、他の人に奪われたくない。
中学3年生の彼と過ごしてきた日々は、記憶の中にあるどの1年よりも充実したものだった。
けれど、卒業式のあの日。私は……
晴れて恋太郎くんの彼女になったあの日から、私は。
恋太郎くんの、役に立ちたかった。
こんな私を彼女として迎え入れてくれた恋太郎くんにこの恩を返すには、それしか無いと思っていたから。
だから、慣れない人間関係の構築もがんばった。
本当は、恋太郎くんの傍に私以外の女の子なんて居て欲しくないけれど。
幸せになる事が出来なければ、
第一、 恋太郎くんは優しい人だから。
自分よりも他人を優先する、お人好しな人だから。
この汚い本音は、絶対に外に漏らしてはいけなかった。
だから、私は
恋太郎くんの運命の人である羽香里ちゃんと唐音ちゃんと仲良くなる為にも、生まれて初めて
時には嘘を吐いて、偶には演技をして。
グループ内で不和が生じないように、自分なりに頑張っていたけれど。
『と……言うわけで。
恋太郎くんは、
私には、何の連絡も寄越さずに。
回る口とは対照的に、私の視線はズズンと冷え切っていた。
…目隠しをしていて、本当に良かった。
…
『“
だって、そのお陰で静ちゃんたちを騙せたから。
……けれど、一難去ってまた一難。
『
学年1の才女が新しく恋太郎くんの彼女になって、
『…
『やーやーよろしく。薬膳楠莉なのだ!』
このままじゃ、いずれ私は
ましてや、これから95人もの
だから、楠莉ちゃんから貰った『嘘が吐けなくなる薬』で
『大好きな人とチューしたくてしたくてたまらなくなる薬』を飲んで羽香里ちゃんたちが恋太郎くんを追いかけに行きもぬけの殻になった屋上で、私は早速【変身】しようとした。
けれど、できなかった。
いくら力んでも、頑張っても。私は【変身】することができなかった。
この時になってようやく、目を逸らしてきた
私が、偽物だということを。
だから、【変身】できないんだということを。
その後は、恋太郎くんが来るまでずっと、『自分が男である』と思い込む力業で衝動を抑える事にした。
本物だったら、こんな惨めなことしなくてもすんだのに。
そんなことを、考えながら。
▽▽▽▽▽
ショックではなかった。
いつかこの日が訪れる事は分かっていたから。
それでも、残りの時間を考えると
焦る気持ちを抑える事はできなかった。
『あっ』
『“ライさん”『どうかしたのかい?』』
『あそこでサングラス落としちゃった。ちょっと取ってくるね』
『いってらっしゃいなのだ!』
恋太郎くんがタキシードを、羽香里ちゃんがウェディングドレスを着用しての皆での写真。
当初は2人のみのはずだったけれども、当たりを引いた羽香里ちゃんの計らいで皆が入ることになった。
今恋太郎くんの傍には羽香里ちゃん唯一人。
別れを告げるには、今が最後のチャンス。
そう思い2人の元へと向かっていたが、
「…恋太郎君……私と――」
「私とお別れしてください」
……そっか、バレちゃったんだね羽香里ちゃん。
あぁ…なんて運の悪い……
先、超されちゃった……。
▽▽▽▽▽
だから、
よろしく、お願いします
そこまで記し、日記帳を閉じる。
お爺ちゃんには、さっき直接全てを話した。
今日が、
明日が、
お爺ちゃんは何も言わなかった。ただ、顔を俯かせるだけだった。
私は居間にお爺ちゃんを置いて、自室へと戻った。
…………そうだよね。
お爺ちゃんにとっては、
だから、
けれど、
そうじゃなかったら……
最期に、
その時だった。
「ぐうゥあああアァッ!!!」
ガッ!!
その願いは、どこかに届いたみたいだ。
部屋に立てかけていた護身用の双剣を携帯して表へと向かう。
もしかしたら、倉庫にあるお爺ちゃんやダッドの集めた骨董品を狙った強盗かもしれない。
今のお爺ちゃんは唯の子どもだから。応援が来るまで対処できるのは私のみ。
勇気を出して音の発生源の元へと駆けつけると、そこにいたのは…
「恋太郎くん!?そんな所で何をしているの!!?」
最期に会いたいと思った、恋太郎くんだった。
運命のイタズラか、はたまた神様のお節介か。
私の最期の願いは、こうして叶えられた。
▽▽▽▽▽
恋太郎くんの様子がおかしい。
お爺ちゃんに紹介した時もそうだ。
いつもの恋太郎くんなら、あれぐらいの圧なんて物ともしないはずなのに。
だから、居間に案内した後事情を聞くことにした。
…まぁ、ある程度予想はついていたけれど。
羽香里ちゃんの母親に
…まぁ、過剰すぎる行動力だと言えばそうなんだけれども。
羽香里ちゃんの母親の性格と境遇からしたら、そう行動するのも致し方ない。
実際、この行動は悪い男から離れる為なら最善策とも言えるだろう。
恋太郎くんと離れたことにより、『近いうちなんやかんや不幸な目にあった後死ぬ』という障害が無かったらの話だが。
私は落ち込む恋太郎くんを元気づけながら、心の中で舌打ちする。
けれど、それは未来の話だ。
不幸な目にあうのは、少なくとも今日じゃない。
今日が最期の日である
今日という日は、自分にとっては最期の日でも、
それが少しだけ寂しかった。
バカだなぁ、私。
それが嫌なら、全てを恋太郎くんに暴露すればいいだけなのに。
そうすれば、羽香里ちゃんではなく
でも、それはどうしても出来なかった。
…………怖かったんだ。
恋太郎くんに、
恋太郎くんに、
恋太郎くんに、
それに、事情はどうあれ。
今の私は、恋太郎くんの
あの日の走り高跳びのことを例に挙げて。
……何も悔しくなんかない。
「これから屋敷に忍び込んで
「…どこまで…いつまで逃げられるかは分からない。でも、とにかく俺にできる事は…羽香里を幸せにするため“精一杯頑張る”事だけなんだ!!」
「今の俺にできる精一杯を――“全て”を懸けて!!!」
最期に恋太郎くんに迷惑をかけたくないと思った。
「うん、それでこそ恋太郎くんだ」
だって、どうせ最期なら。
▽▽▽▽▽
失敗した。
時間切れが近いからか動かない身体を恋太郎くんに補助してもらって羽香里ちゃん救助の為に用意した道具を渡す所までは良かった。
けれど、恋太郎くんがまだ目の前にいるこの状況下で消えかけるのは想定外だった。
だって、まだ終わっていない。
日記以外の恋太郎くんや皆との思い出も全て処分できていない。
やるべきことが、まだ、たくさんあるんだ。
「…っライちゃん!!?」
「……あぁ……ごめんねぇ、恋太郎くぅん……。実は丁度恋太郎くんが来る
笑えてくる。
こんな状況でも、自然に流れるように嘘を吐く
でも、少し嬉しかったりする。
こんなギリギリの状態でも、いつものように嘘を吐ける私自身に。
私にも、
「……私のことは気にしないでいいから。解決するまで、恋太郎くんは羽香里ちゃんのことだけに集中して……」
「……うん。本当にありがとう、ライちゃん」
これでいい。
駆け落ちが成功しようと失敗しようと、私はどちらでも良かった。
どちらにしても、恋太郎くんは
数ヶ月も経てば、
我ながら、ひどいやつだなぁ…
でもこれで、とりあえずできることは終わった。
……そうだ。
「…それと……お願いしたいことが…いい?」
「うん。何でも言って!!」
恋太郎くんの、色々な表情が見たかった。
恋太郎くんのあの絶望した表情を私は目の前で見たことは無かったから。
最期に試してみたかった。
それに、もう
最期くらい…ワガママを言っても許されるよね?
「…恋太郎くん……私と……」
「お別れしてくれる?」
言い終わってから、ようやく気付いた。
目隠ししているから、恋太郎くんの細かい表情まで私は見ることが出来ないということに。
バカだなぁ、私。
ごめんなさい、恋太郎くん。
大好きだよ…
▽▽▽▽▽
消えると、思っていた。
けれど、目を開けると目の前には
ここは
…………あぁ。
これが
私の感情は、何も揺らがなかった。
その事実が、私自身偽物であることを再認識させてくれた。
「……そうですか」
「ライちゃん?」
「……もう、いいんです。私にはもう、悔いはありませんから」
それは嘘偽り無い、本音だった。
本当だったら、
シロが
だから、恋太郎くんが
そして、それを受けた
……もう、いいんだ。
だって、最初からおかしかったんだ。
そうだ、唯でさえ恋太郎くんには100人もの
だから、正直恋太郎くんには
そうだよね。
恋太郎くんはこんな
だから、私は
そう、思って、いたのに。
「…入るよ」
「……ライちゃん」
あぁ。
ダメだ、こりゃ。
さっきの覚悟が、ガラガラと崩れ落ちるのがわかった。
やっぱり、恋愛は危険だ。
理性では、そんな事は出来っこないってわかりきっているのに。
本能が、そうして欲しいと叫んでいる。
でも、良い機会かもしれない。
良い子の
いくら優しい恋太郎くんでも、愛想を尽くしてくれるはず。
それに、これから恋太郎くんが
今ここで
『女の子はね、特別扱いされたがるものなの。もし、この時愛城くんが告白を受けでもしたら大変だよ?彼女が増えるだけでも大変なのに、“運命の人”でない“異分子”がグループに存在するだけで崩壊する危険があるの。百害あって一利なしね』
『そんなこと、俺が絶対させない!!』
『愛城くんは一人しかいないんだよ?どうしても目が届かなくなる場面が出てくる。“運命”レベルで惹かれる彼女ならともかく、そうでない人には耐えきれない場面が絶対出てくる。だから“普通の恋愛”をしたい女の子の告白は最初から拒絶するべきなの。愛城くんと運命の人たちだけじゃなくて、その女の子の為にもね』
そういえば、こんな事もあの日恋太郎くんの部屋で言ったんだった。
そうだ、所詮
だから、最初から破綻することは決まっていたんだ。
だからこれは、ただの授業だ。
恋太郎くんに
『背中に乳房のひとつやふたつ押しつけられても拒まなければいけない』という卑しい
だから、恋太郎くん。
恋太郎くんなら、
▽▽▽▽▽
【No side】
…………
しばらくの間、
2人の間に、沈黙が流れた。
これまで育んできた思い出や絆が、
恋太郎の心をどうしようもなく揺さぶる。
そして恋太郎は――
※次話が投稿されるまでアンケートを開設します。
※どちらも、最期は『ハッピーエンド』です。過程は異なりますが……
※是非皆さんの清き一票を、お願いします。
恋太郎は――
-
☠ ライちゃんの手を取った
-
ライちゃんの手を拒んだ