0人目の嘘吐き彼女   作:モーン21

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更新が約1ヶ月遅れました。

紳士版トモコレとポ○モンチャンピ○ンズに時間を奪われてました。反省はしている。

アニメ3期の情報更新されましたね。今から7月が待ち遠しいです。

【5/1022:40追記】後書きの外見に追記あり


裏22話 ライダー

【ライ(姉)side】

 

 恋太郎の胸に顔を埋め、ライちゃん(あの子)は泣き続けた。

 

 滝のように流れ続ける涙により恋太郎のシャツが汚れるも、恋太郎は嫌な顔1つもしないまま優しく頭を優しく撫でるのと同時に背中をポンポンと叩く。

 

 そんな2人を、私は内側でジッと見続けた。

 

 ライちゃん(あの子)が書いた日記でしか知らなかったこれまでも、ふわふわ(あそこ)で羊たちと戯れながら記憶を共有こそしていたが。目の前で見ることでようやく主観で分かった。

 

 ……ここまで喜んでもらえたのなら、プレゼントした甲斐があったというものね。

 

 そう感慨深く思っていると、不意に。

 

 意識が浮上した。

 

「……泣き疲れて眠ったみたいね」

 

「……ライ?」

 

「少しぶりね、恋太郎」

 

 どうやら意識を失ったライちゃん(あの子)の代わりにライ()が表に出てきたらしい。

そういえば子どもの頃誘拐されて意識を落としたと思ったら、いつの間にか解決していたことがあったけれど。もしかしたら今みたいに私が寝ている間にシロが頑張ってくれんでしょうね。

 

 目を少しずつ開きながら恋太郎に返事をする。が、ライちゃん(あの子)がついさっきまで号泣したことで今の私がとても人前に見せるような顔をしていないことに気が付き慌てて目を閉じる。

 

 泣き腫らした目をどうしようかと思っていると、恋太郎がハンカチを差し出して来た為お礼を告げた後受け取る。ある程度応急処置はできたものの、私はともかくライちゃん(あの子)は気にするだろうからと目をつむったまま()()恋太郎と手をつなぎながら階段を降りていく。

 

「ライっ!!?」

 

「……?エスコートしてくれないのかしら?」

 

「あっあぁ……そっか……」

 

 ……?

 

 手を繋いだ途端何故か恋太郎が慌てていたけれど、私を手すり側に誘導した時には落ち着いていた。

 

 それからも、恋太郎に手を引かれながら階段を降り廊下を進んでいく。そしてついに。

 

「……ライ、着いたよ」

 

「……えぇ」

 

 先ほどまで|家族≪ファミリー≫裁判を行っていた部屋に辿り着いた。

 

 ライちゃん(あの子)が起きるまでの間に彼女たちの所へ戻っていた恋太郎いわく、彼女たちは私たちが退室した後もずっとあの部屋に残ったままだったらしい。

 

『つまり、主人格である私が無事に目を覚ました以上、別人格であるニセモノはもう用済み

楠莉さんの睡眠薬で今も真相世界でぐっすりしているけれど、そう時間も経たずに消滅することでしょう』

 

ニセモノが私という主人格のことを、自分自身が別人格であることを()()()()()()()()こうはならなかったでしょう。

でも、事実ニセモノは自分自身がニセモノであることを思い出してしまった。

自分自身の役割がとっくに終了したことを自覚したニセモノだけでは何も出来ない。それが体調にも影響したんでしょう』

 

『そもそも、1つの身体に2つの人格が存在すること自体身体に何らかの障害が出てもおかしくない。だから大槻ライ()のこれからの為にも、ニセモノである“ライちゃん”が消える必要があるの

 

 …………

 

 あの時は、私かあの子。どちらかしか存在できないと思い込んでいたものだから、彼女たちに罪悪感を覚えさせない為にかなり演技していたものね。

 

 彼女たちにはついさっき恋太郎から()()()()話してもらったけれど。正直、彼女たちに会わせる顔がない。

 

 演技とはいえ、必要だったとはいえ。

 

 ライちゃん()の大切な友人達を傷つけた事実(過去)は、消えないのだから。

 

 当初恋太郎と2人で話をした時は、ライちゃん(あの子)の紹介で私が表に出る手筈だった。けれど、肝心のライちゃん(あの子)は熟睡中。事前にライちゃんは無事だと話は聞いているとはいえ、彼女たち自身今すぐにでもライちゃん(あの子)の無事を確認したいでしょう。

 そんな時に、ライちゃん(あの子)ではなく私が出るようなことがあれば。いらない誤解を招きかねない。

 

 その為にも、恋太郎が1人先に部屋の中に入って彼女たちへと話を始めた。しばらく外で待機していると、恋太郎に呼ばれた為覚悟を決めて扉を開く。

 

 …………

 

 部屋の中には全員がいた。

 

 花園羽香里に院田唐音、好本静に栄逢凪乃、薬膳楠莉に花園羽々里。

 

 それまで閉じていた目を開けて、1人1人と視線を合わせる。彼女たちの表情はとても不安に満ちていた。事前に話を聞いているとはいえ、実際対面してライちゃん(あの子)では無いということが分かったからでしょうね。

 

 そして、私は。

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい」

 

 

 

 

 

 

 彼女たちに深く、頭を下げた。

 

 ライちゃん(あの子)の演技をしていたことを。

 

 ライちゃん(あの子)が消えるかもと不安にさせたことを。

 

 ライちゃん(あの子)を残して消えようとしたことを。

 

 部屋から退室した後に起きたこと()()()()を私自身の口から彼女たちに伝えた後、主に上記3つのことを謝罪した。

 

「本当に、ごめんなさ……」

 

 

 

ドカンッ!!

 

 

 

 ッ~~~!!

 

 謝意の為に下げていた頭に走った鈍い痛み。

 

 いくら死角だったとはいえ、()()()私には()()が何なのかはすぐに分かった。だけど、甘んじて受け入れるべきだと判断した。

 

 そして、私にダメージを与えた要因は、

 

 

 

「いで~~~~~~~~~ッ!!!」

 

「ライッ!!?楠莉先輩ッ!!?」

 

「「「「「(薬膳)楠莉((さん))(ちゃん)!!?」」」」」

 

 

 

 薬膳楠莉が、私の頭に打ち付けてきた自身の頭を両手で抱えて痛みに悶えていた。

 

 薬膳楠莉。

 

 私の父方(シロ)の従姉妹であり2つ上の年上。けれど、彼女自身が開発した『不老不死の薬』の失敗作によって8歳の身体になった。

 ちなみに、お爺様もこの薬を飲んだことで交通事故による大ケガから回復することができた命の恩人だと、ライちゃん(あの子)の日記や記憶から読み取った。

 

 あの交通事故以来交流を重ねてきたライちゃん(あの子)は彼女を楠莉ちゃんと呼んでたいそう慕っていたみたいだった。彼女もそんなライちゃん(あの子)のことを可愛がっていたのは、2つの記憶媒体から十分に読み取れた。

 

 …………おそらく、彼女は私に怒っているでしょうね。

 

 

 

「認めないのだ!!」

 

 

 

 家族(ファミリー)裁判の最後、私を庇ったのが彼女だった。

 

 あの時は知る由もなかったけれど、記憶では彼女がライちゃん(あの子)の為に作った『嘘が吐けなくなる薬』によりライちゃん(あの子)が思い出してしまったことと、()()(ぞの)フラワーパークでのデートの帰り道。薬膳家に寄ってから彼女の善意からもらった彼女特製の『明日の朝までぐっすりな睡眠薬』で私が消えようとしていたことを。

 

 薬剤師を目指す彼女としてもライちゃん(あの子)と仲良くしていた()()としても、彼女には私に怒る権利がある。

 

 痛みに悶える彼女は、未だに痛みが引いていないのか涙目のまま立ち上がれないままだった。

 けれど、キリッと顔を引き締めたかと思うとスッと立ち上がって私と目と目を合わせて対峙してきた。

 

 突然の彼女の行動に周りの皆は何も言えないでいた。恋太郎も行動を起こすつもりはないらしい。

 

 彼女と見つめあったまま数刻、視線が交わるだけで彼女から動く様子は見られない。私から切り出すべきかと口を開きかけた、その時だった。

 

「謝るのは、楠莉の方なのだ!!」

 

「……え?」

 

 何故か、彼女は私に謝ってきた。

 

「全部……、楠莉のせいなのだ……!!あの日楠莉がライに『嘘が吐けなくなる(あの)薬』を渡さなければこんなことにはならなかったのだ!!あっ!!でも()()ライが起きてほしくなかった訳じゃないのだ!!でも、記憶とはいえおじちゃんにも消えてほしくなくて……でもでも、誰かが消えないとライも()()ライもここにいられないなら、やっぱり……」

 

 

 

 ギュッ……

 

 

 

「楠莉……いや、従姉(ねぇ)さん」

 

 

 

『……ライちゃんよ。実は儂を助けたあの娘は、ライちゃんの従姉妹なのじゃ』

 

 

 

 何時ぞやの薬膳家での定期検診を終えたお爺様はライちゃん(あの子)にそう言っていた。ライちゃん(あの子)はそれを知ってからも彼女のことは楠莉ちゃんと呼び続けていたけれど。

 

 ……でも、そうね。

 

 ライちゃん(あの子)が呼ばないのなら、代わりに私が呼んでもいいわよね?

 

 

 

 

「ッ!!」

 

「大丈夫だから。言いたいこと、すべて聞くから。ね?」

 

 膝立ちになり、|従姉≪ねぇ≫さんのプルプル震える身体をそっと抱きしめてポロポロと眼から零れ落ちる涙を自前のハンカチでポンポンと跡がつかないように拭いていく。

 年上なのに、従姉なのに。8歳の肉体による感情に振り回される従姉さんを見て。

 つい先ほどまでの自分自身のような、小さい頃の自分を見ているような。どこか落ち着かない気がしたけれど。

 

 従姉さんの為にも、自分の為にも。こうするのが最善だとそう確信した。

 

 従姉さんは、ポツリポツリと話し始めた。

 

「……()()()()のライは怒らないのだ?楠莉の薬のせいで、ライももう一人のライも叔父ちゃんもこうなったのに……」

 

「……従姉さんの薬が無くても、きっといつかはこうなっていたわ。従姉さんの薬はあくまでキッカケにすぎない。だから、そう気に病まないでちょうだい。

 それよりも、私は従姉さんの苦しんでいるのを見る方が悲しいわ」

 

 ポンポンと、泣き続ける従姉さんの背中を優しく叩きながら言う。従姉さんは私の胸元に頭を埋めて身体を震わせる。けれど、それも段々と落ち着いてきた。

 

「……()()が言うのならそうするのだ。だって、楠莉はお姉ちゃんなのだ!!

 

「……えぇ。それでこそ従姉(ねえ)さんね」

 

「お帰りなのだ!ライ!!」

 

「えぇ、ただいま。従姉(ねえ)さん」

 

 未だに涙を流しながらも、私の我儘を叶える為に笑顔を浮かべる従姉さんに、私も笑顔で返す。

 

 

 

『感動した…!!』

 

「良い姉妹愛だなぁ…!!」

 

「そうね、静ちゃん恋太郎ちゃん!私も娘がもう一人欲しくなってきたわ!!」

 

「落ち着いてくださいお母様」

 

「これが『仲直り』という概念…」

 

「…………」

 

「…唐音さん?」

 

 

 

「ねえ、あんた」

 

 不意に呼びかけられる。誰だろうと顔を向ければ声の主は院田唐音だった。彼女は難しい顔をしながらも少しずつ私達に近付いてきた。

 

「なんかもう許すみたいな空気になっているけれど、私は皆みたいに甘くないから。あんたがさっき()()に扮して私達に言ったこと許してなんかやらないわよ」

 

「唐音……」 「唐音さん……」

 

「………」

 

「だから!!」

 

「あんたのことをこれからずっと、私達《b》恋太郎ファミリーに相応しいかどうか()()あげるわ!!だから、覚悟しなさいよ!!()()!!」

 

「唐音……」

 

 

 

 

 

「違うわ」 「は!?」

 

「私は(ライちゃん(あの子)の)お姉ちゃんよ」

 

「何の話!!?」

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

 彼女たちに許してもらえた後、私は彼女たちに連れられて寝室へと移動した。

 

 新しく彼女?になった羽々里さんや私との親交を兼ねてトランプをするとのこと。私は未だに起き上がらないライちゃん(あの子)の代わりにゲームに入らせてもらうことにした。

 

 途中羽々里さんが用事を思い出したと退室してから。しばらく経っても戻ってこないことを懸念した恋太郎が様子を見に行った。

 

 そして、2人が出て行ってからもトランプに興ずる私達だけれど。

 

「そういえば()()()()はまだ起きないのだ?」 スッ 

 

「えぇ、従姉さん。今日は大分参ったみたいで。おそらく朝になるまでは起きないと思うわ」 スッ パサッ 

 

「あぁ~~!!また負けたのだ~!!()()!!お前()()と違ってトランプ強えーな!!」

 

「それはきっと、私が強いのではなくて。ライちゃん(あの子)が弱いだけよ」

 

「そっかー。()()()()がトランプ弱いの知ってるのだな!!」

 

「私はお姉ちゃんだもの。妹のことについてなら誰にも負けないわ」

 

 

 

 

 

「いや、分からん」

 

 

 

 皆でもう何回目か分からないババ抜きをしている途中。従姉さんと会話をしていると唐音が突然叫び始めた。

 

「……たしかに、分かり辛かったわね。原作(マンガ)と違って、ハーメルン(ここ)では文字だけなのだからちゃんとどのペアが揃ったのか口頭で言わないと。今、最後に揃ったのは9の……」

 

「いや、それはどうでもいいんだよ」

 

「唐音さんが言いたいのは()()()ライさんの呼び方……ですか?」

 

「んー?そんなの要るのだ?」

 

「たしかに。どちらの【大槻ライ】への要件なのか判断に迷うことは非合理的」

 

 私の返答に唐音、羽香里、従姉さん(楠莉)、凪乃が順番に口を開いた。

 

 あぁ、そういえば。伝えるのを忘れていたわね。

 

「『じゃあ』“ライさん”と“ライ”“ちゃん”“さん”と?」

 

「それかあの子のことを【ライちゃん】、私のことを【お姉ちゃん】と呼ぶ方法もあるけれど…。

 ごめんなさい。私はライちゃん(あの子)のお姉ちゃんであって…貴女たちのお姉ちゃんではないわ…」

 

「ライの姉ですらねーんだわ」

 

「冗談よ。ごめんなさいね、伝えるのが遅れたわ。実はライちゃん(あの子)ともう話がついているの」

 

 嘘。

 

 ライちゃん(あの子)とお互いをどう呼び合うかを話し合ったことは事実だけれど。それも途中で頓挫したし、彼女たちにどう呼ばれるかについてはまったく触れられてすらいない。

 

 けれど、ライちゃん(あの子)に私の希望を言ったら苦い顔を浮かべることは想像に難くないから、ライちゃん(あの子)が意識が無い今のうちに既成事実を作っておくことにする。

 

 私の嘘に感づきそうな恋太郎も羽々里さんもいない、今しかない。

 

 

 

「私のことは、ライダーと呼んでちょうだい」

 

 

 

ライダー(rider)?ライは乗り物が好きなのだ?」

 

「えぇ、好きよ。アメリカにいた時はダッドに自動車にバイク、乗馬にヘリコプター等々。色々な乗り物を運転させてもらったものよ」

 

「『ハワイで親父(ダッド)に』」

 

「流石はアメリカ。自由の国」

 

「ふぅん。まぁ、いいんじゃない?」

 

「ですね。改めて、これからよろしくお願いします。ライダーさん」

 

 こうして、大槻ライ()は【ライダー】になった。

 

 ライちゃん(あの子)だけの味方である、【ライダー】に。

 

 そうだ、これだけは彼女たちにも伝えておかないと。

 

 

 

 

 

「さっき、唐音に【恋太郎ファミリー】に入れるかどうか聞かれたけれど。ここではっきり言っておくわ」

 

 

 

 

 

「私は、決して恋太郎の彼女にはならないわ。絶対に」

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

「私達のことについて。あなたには()()()になってもらうわ」

 

 

 

 

 

ライちゃん(あの子)の日記には書かれていなかったけれど。記憶を共有したことで私も【運命の人】のことを知ったわ。

 ……貴方も難儀な運命を背負ったものね」

 

「…………」

 

「恋太郎は、ライちゃん(あの子)がどうして貴方の顔を見る度に【ダイッキライ】って言うのか、考えたことはあるかしら?」

 

「……いや」

 

「別に責めている訳じゃないわ。でも、これからはライちゃん(あの子)のことを蔑ろにしたら許さないから。そのつもりで」

 

「あぁ、分かった」

 

「……話が逸れたわね。あの邪神*1曰く、邪神自身のミスにより貴方の【運命の人】の人数は100人になった。

 そして、そんな大幸運に全ての“恋愛運”とやらがつぎ込まれたせいで貴方は中学卒業まで|()()()()()()()()()99人と失恋が連続した。

 ここまでは、貴方も知っているはずよ」

 

「うん」

 

「ここで問題。貴方がこれまで失恋してきた99人とライちゃん。2つにはどんな違いがあったのか」

 

「……もしかして……【多重人格】?」

 

「正解よ。こればかりはあの邪神も想定外だったでしょうね。本()も原因は分かっていなさそうだったから。許すつもりなんて、さらさらないけれど」

 

「……でも、どうして【多重人格】であることが原因になりえるんだ?」

 

「……端的に言えば。」

 

 

 

 

 

ライちゃん(あの子)大槻ライ(わたし)偽物だからよ」

 

 

 

 

 

 

「……ッ!!」

 

「……あの交通事故で主人格である大槻ライ()は意識を失い、その代わりに副人格であるライちゃん(あの子)が生まれ、表に出た。

 ここまではいいかしら?」

 

「……うん」

 

ライちゃん(あの子)が表に出てから約1年。それは決して短くない日々だけれど、それでも大槻ライ()の約14年とどちらが長いかなんて比べるまでもないわ。

 それ以外にも色々考慮箇所はあるでしょうけど、とにかく()()からは大槻ライ()本物ライちゃん(あの子)偽物と見なされた。

 …正直。この定義については私自身腹に据えかねているけれど」

 

「…………」

 

「そして、問題の中学校の卒業式。貴方はライちゃん(あの子)に告白した。普通なら貴方がこれまで告白した99人と同様、【運命の人】ではないライちゃんはあなたを振ることに()()()()()()()()()()()断るはずだった。

 ……けれど、そうはならなかった」

 

「……目を合わせたら、俺に対する好意が反転する……」

 

「えぇ。これは仮定だけれど……

 

 

 

 

 

【運命の人】による【修正力】はおそらく本物である大槻ライ()にしか掛からないはずだった。

けれど、肝心の大槻ライ()は未だに意識が戻らない。よって、【大槻ライ】に降りかかるはずの【修正力】は偽物ライちゃん(あの子)に向かわれた。けれど、本来他の99人とは違って貴方に対する好意が消えずに残っていたんでしょうね。

……それが良かったのか悪かったのかは、分からないけれど」

 

 

 

 

 

「…………」

 

「でも、こうして大槻ライ()の意識が戻った以上。

 ライちゃん(あの子)に向けられていた【運命の人】の【修正力】が大槻ライ()に向けられる。そうなればライちゃん(あの子)呪いは解除される。

 念の為、ライちゃん(あの子)に残っていた呪いはさっきのキスで吸い取れただろうから」

 

「さ、さっきのキスってそういう意味だったんだ……」

 

「あら、何だと思っていたのかしら?」

 

えっ!!?そっそれは……

 

「まぁ、ライちゃん(あの子)と、自分の顔を相手にキスすることに全く興味が無いと言えば嘘になるわね。

 ……もしかして、恋太郎も興味ある?」

 

「………えっ!?

 

「…へぇ。こういうのってカテゴリーとしては同一CPか、それとも嫁分身だったかしら。分裂薬もあることだし、次の機会に用意してあげてもいいわよ?」

 

「いっ、今はそんなことはいいよ!!

 それよりも!ライちゃんの呪いをライさんが受け取ったってことは……」

 

 

 

 

 

「えぇライちゃん(あの子)に代わって、私が運命(呪い)を負ったことになるわね」

 

「……そんなっ!!?」

 

「あぁ、大丈夫よ恋太郎。別に貴方のことを『ダイッキライ』なんて叫ぶことはないから安心してちょうだい。ほら、こうして()()()()()()()()会話できているでしょう?

 貴方のことは良い人だとは思うけれど、それはあくまでライちゃん()の彼氏としてだから。貴方は大槻ライ()からしたら義弟(おとうと)ね。男としては見れないわね。

 そもそも、ライちゃん(あの子)の記憶を除けば出会ってすぐの相手を大好きになる方がおかしいと思わない?」

 

「…………」

 

「だから、そう悲しそうな顔をしないでちょうだい。私はライちゃん(あの子)の幸福を望んでいる。ライちゃん(あの子)の幸福は貴方が彼氏としてずっと見捨てずに傍にいること。大槻ライ()ライちゃん(あの子)が好きだから。

 そうそう、このことはライちゃん(あの子)には内緒でお願い。ライちゃん(あの子)が知ったら私が何を言っても悩みそうだから。ね、共犯者(恋太郎)?」

 

「……ライさんがそう言うのなら……分かったよ」

 

「呼び捨てで構わないわ。もしくは貴方になら【お義姉(ねえ)ちゃん】と呼んでくれてもいいのよ?」

 

「お、お義姉(ねえ)ッ!!?」

 

「……冗談よ。これからよろしく頼むわ、恋太郎」

 

*1
「誰が邪神じゃ!!」




※この裏で原作通り恋太郎は羽々里さんと話をしたり、パパ里さんと邂逅したりしていました。

※最後に大槻ライ(姉)(ライダー)のプロフィールを書いて終わりにします。

名前:大槻ライ(姉)(ライダー)

呼称:(ライちゃん)ライちゃん⇔お姉ちゃん (恋太郎)ライ⇔恋太郎 (楠莉)ライダー⇔従姉(ねえ)さん
   その他例外を除いて、同級生に対しては呼び捨て。年上、年下に対しては名前+さん付け。

体重: りんご3個分*1 両利き(小さい頃から色んな人に変身してきた為)

目の色:ハイライト暗めの紫(ライちゃんと同じ)

髪色:茶色

生年月日:4月1日(15)

星座:おひつじ座

個性:嘘吐き・帰国子女・変身・姉

CV:天野聡美さん

外見:ライ、ライちゃん共々次回からFate staynightの間○桜のような髪型に変更。ライが表に出た時はマムから最期にもらった形見の【黒いリボン】を向かって右側に、ライちゃんが表に出た時は向かって左側に着けられるよう自動的に切り替わるようになる。その為リボンをよく落とす。
 制服はライちゃん(妹)がスカートの長さを腰までしているのに対し、動きやすさ重視の為か度々短くしようとしている。(新しく理事長に就任した羽々里さんに頼んですぐにライ専用のスカートを用意させた。)それ以外は、ライちゃん同様既存の制服の上に袖口が広い黄色の百合が刺繍された膝までの長さの羽織を着ている(BLEA○Hの隊○羽織)。
 【追記】ライちゃん時、ライダー時問わず目隠しは着けたまま。
○○のサイズ:15人目の彼女曰く、『ライダーさんの方がライさんよりも気持ち大きめなのです』モミモミ

*1
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