0人目の嘘吐き彼女   作:モーン21

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アニメ3期終わりましたね。

Bパートの予想は的中しましたが、まさかラストのラストでアレをやるとは思っていなかったので大変満足でした。

アニメ4期の為に私ができるのはマンガ原作やグッズ、アニメBDを購入することだと思うので財布と要相談しながらいきたい所ですね。
それとついでに拙作の更新も頑張りたいところ。

それでは本編どうぞ。


30話-2 メイドの忠義

「そういえば“嬉しい時”人の目は平常より開(ひら)かれるって聞いたことあるな」

 

「銘(めい)戸(ど)さんはどう言う時嬉しいんですか?」

 

「羽々里(ははり)様の幸せが私(わたくし)めの幸せです」

 

「お母様の幸せとは」

 

「恋太郎(れんたろう)ちゃんや皆といちゃいちゃする事かしら♥」

 

「なるほど…」はむはむ

 

 私と羽々里さんのASMRによる銘戸さんの後遺症が落ち着いた頃、恋太郎くんと羽香里ちゃんが目を開かせる為の考察を始めた。

 『考え事の際に口元に手をやって、時々唇で指をはむはむ』する、羽香里ちゃんの考え事に熱中した際の癖を久しぶりに見るなぁとボンヤリしていると。

 

 

 

「では唐(から)音(ね)さん、お母様といちゃいちゃしてください」

 

 

 

「おめーがすりゃいいだろ!!!!」

 

 

 

 羽香里ちゃんの策は、『唐音ちゃんと羽々里さんがイチャイチャすること』だった。どういうこっちゃ。

 

「いや…私じゃ近親相姦になっちゃうじゃないですか」

 

「どこまでやらす気だよ」

 

「優しく…してちょうだいね…」

 

「もう喋んなバカ親子!!!」

 

 正直羽々里さんの『恋太郎(れんたろう)ちゃんや皆といちゃいちゃする事』からして、恋太郎くんといちゃいちゃさせるのが一番だとは思うけれど。

 …まぁ、唐音ちゃんの反応面白いし。羽々里さんもノリ気だからいっか。

 

 羽香里ちゃんにぐいぐい押される唐音ちゃんと両手を広げて待ち構える羽々里さん。2人の間の距離がジリジリと近づいて、あわやキスできる距離になった所で―

 

 

 

「何本当にしようとしてるんですかッッ!!!!」

 

 

「どうさせてーんだおめーは」

 

 

 

 唆した張本人である羽香里ちゃんの手によって止められた。

 

「羽香里(はかり)…やきもちやいてもぶん投げちゃあいけないよ…」

 

「ちちちちがちがちが」

 

 それにしてもなんで羽香里ちゃんはギリギリの所で止めたんだろ。恋太郎くんの言った通りやきもちをやいたから?

 羽々里さんが私たちとちゅっちゅしたがるのはいつものことだから、もしかして唐音ちゃんにやきもちを?

 

 ……へぇ

 

「ライさん!違いますからね!?」

 

「大丈夫、ちゃんと分(・)か(・)っ(・)て(・)る(・)から」

 

「絶対分かってませんよね!!?」

 

「寸止めなんて残酷すぎる仕打ちだわ!!」

 

 羽香里ちゃんを揶揄っているとキスを直前で止められた羽々里さんの慟哭が屋上に響き渡る。自分へのプレゼントを直前で取り上げられたと捉えると少し羽々里さんがかわいそうに思える。どう声をかけようかと思っていると。

 

「楠(くす)莉(り)達がいちゃいちゃしてやるのだ!」

 

「『元気をお出しよ』」

 

「「ふわわわわ幼女バーガー」」

 

「ブッダよこれが救いだ」

 

 

 

 パシャパシャパシャパシャパシャ

 

 

 

 気がつけば、泣き叫ぶ羽々里さんの元へ静ちゃんと楠莉ちゃんが両側から抱きついている、かわいい3人の姿をあらゆる角度からスマホを構えて連写する女子高校生の姿がそこにはあった。

 

 ていうか、私だった。

 

 

 

「違うからね?羽香里ちゃん」

 

「大丈夫ですよ。ちゃんと分(・)か(・)っ(・)て(・)ますから」

 

「……やり返されちゃったか」

 

「ライちゃん!さっきのデータもらえないかしら!!?」

 

「もちろんです、羽々里ママ」

 

「幸せそうですね、お2人とも」

 

「なんとお幸せそうな羽々里様…!」

 

 ……コホン。

 

 突如超弩級の『可愛い』を浴びたことで暴走してしまったね。

先ほど手に入れたデータを羽々里さんに送った後、私は1回息を吐いて落ち着くことにした。

 

 羽香里ちゃんの案である『羽々里さん(お母様)の幸せ』を見てもらうというのは紆余曲折あったけれど、結果的に羽々里さんは幸せそうにしているしそれを眺める銘戸さんも確かに幸せそうにしている。けれど、肝心の銘戸さんの瞳は開く気配すらなかった。

 

 驚かすのもダメ。喜ばせるのもダメ。

 

 最早手詰まりかと思われたところで、恋太郎くんが1つの案を出した。

 

「笑わせるってのはどうだろう…!」

 

「……?笑ってどう瞳が見えんのよ」

 

「目を開けて笑うタイプの人である事に賭ける」

 

「悪役だけだろそれ」

 

「それ、全然銘戸さんのイメージに合わなくない?」

 

 

 

 

『楽しかったぜェ~!お前との従者(メイド)ごっこォ~~!!』ははははは!!

 

 

『あはは……えっと、それなりに楽しかったですよ。羽々里様との従者(メイド)ごっこ』あはは…

 

 

 

 

 突如私の脳内に溢れ出した2つの存(・)在(・)し(・)な(・)い(・)記(・)憶(・)を頭を振ることで追い出しながらそう答える。うん、なんとなく銘戸さんが高笑いするのは裏切った時って感じだけれど。銘戸さんが羽々里さんを裏切るのって恋太郎くんが彼女(わたし)たちを粗雑に扱うぐらい有り得ないことな気がする。

 

「それに急に笑わせるったって…」

 

「それはえっと……そうだ!ちょっとした失敗談なんですけど。この間楠莉先輩が10回クイズを出してきて――」

 

 ……ん?

 

 少し違和感を覚えたけれど、そのまま恋太郎くんの回想が始まった。

 

♥♥♥♥♥

 

「…トトロ、トトロ、トトロ、トトロ!」

 

「1月7日に食べる白くてドロドロの食べ物は?」

 

「『とろろ』!」

 

「ブーー!『七草がゆ』なのだ。とろろは3日なのだ~!」

 

「あー!」

 

「おいやめろとろろ食べたくなるだろ」くるくるくる

 

「胡桃ちゃん、よかったら私のとろろ食べる?」

 

「…ッ!!ありがとう!!」

 

「ふふっ、良かったね胡桃ちゃん。あーでも俺はむしろ見たくなってきちゃったな…」

 

「とろろろとろろ!」

 

「「「は?」」」

 

 

 

♥♥♥♥♥

 

「――10回クイズの影響で『となりのトトロ』って言えなかったんですよ」

 

「――ふふっ…!」

 

 おぉ、銘戸さんが笑った。上品に手を口に当てながらくすっと笑う銘戸さんはとても絵になるぐらいだった。あ(・)の(・)子(・)がよく絶賛していたけれど、それが誇張ではないってよく分かる。

 

 それはそれとして。ここに来てようやく私は恋太郎くんの狙いが分かった。

 

「…やっぱり笑っても瞳なんか見えないじゃない」

 

「とろろろとろろ!」

 

「ふふ…!とろろろ…!」

 

 

 

 

 

「まあでも実はそれ――俺じゃなくて羽々里(ははり)さんの話なんですけどね!」

 

 

 

 

 

 スン…ッ…!

 

 

 

 

 

 そう、その時私もいたから覚えている。今の話は全て恋太郎くんではなく羽々里さんだってことを。

 

 本当にうっかり言い間違えて。私と楠莉ちゃんと胡桃ちゃんに驚かれた羽々里さんの顔が途端に羞恥で赤らんで。珍しい光景に私もフォローに入るのが少し遅れちゃったんだよね。

 

 恋太郎くんの策は『メイドさんの特性を逆手に取ったやり方』。

相手は表情筋が固まってしまうほど常に微笑み続けるぐらいのプロフェッショナル精神を持つ銘戸さんだ。そんな銘戸さんだったら、恋太郎くんのウソとは言え『ご主人である羽々里さんの失敗談を笑う等言語道断!』と考えるのは必至。

 その本能により固着していた微笑みを解除させて瞳を開かせた、という訳だ。

 

「完璧な計画ですね♥♥」

 

 恋太郎くんの種明かしに羽香里ちゃんが興奮しながらそう返す。

 うん、全然思いつかなかった。仮にもウソを用いた解決方に一杯食わされたなーと思わないと言えばウソになるけれど。

 今はそれよりも…

 

 

「ほんとに虹色だったのだー!!」

 

「羽々里ママの言う通り、すっごい綺麗でした!!」

 

 

 楠莉ちゃんと一緒に銘戸さんの瞳への感想を述べる。うん、本当に綺麗だった。両親からの遺伝なのか突然変異なのか気になる所だけどそれはおいおい聞けばいいか。後でお姉ちゃんにお願いして虹色おめめに変身してもらおっと…

 

 ……ん?

 

 そんなことを考えていると銘戸さんの様子がおかしいことに気がついた。てっきり長い間閉じたままだった瞳が私達に見られたことが恥ずかしいからと思っていたけれど。少し違うみたい。

 それよりも、この感じはもしかして……恋?

 

「あらあらあらあらあら!!?」

 

「もしかして銘戸…恋太郎ちゃんの素敵なお顔を見て一目惚れしちゃったんじゃないの!?」

 

「「「「えっ!?」」」」(すごい分かるそれ)

 

 ……なるほど?

 

 私以外の皆が羽々里さんの言ったことに思い当たりがあるのか固まっている。唯一一目惚れしていない私だけそんな皆の反応に面を食らっていた。

 

 ……ということは、銘戸さんも運命の人なのかな。

 ビビーン!!って当事者以外の人達には聞こえないんだね。知らなかった。

 まぁ、そもそもこの中だと私だけビビーン!!聞いたことないんだけどね!

 

 アハハハ!!!運命ジョーク!!!……はぁ。

 

「メイドのねーちゃん優しいから恋太郎(れんたろう)ファミリー入ったら嬉しいのだ!」

 

「『オイラも賛成でやんす~!』」

 

「いつもおいしいお茶淹(い)れてくれるし…」

 

「色々してくださってますもんね」

 

「見えない者同士色んな話を聞いてみたいです」

 

 自虐はとりあえず後にしよう。それよりも今は銘戸さんの方が重要だからね。

 

 これまではずっと、【恋太郎くんの彼女になってから恋太郎くんが私たちに紹介する】という流れだった。だから、今回みたいに彼女の皆の目の前でビビーンが発生するのはマレ…いや、羽々里さんのビビーンは唐音ちゃんがいたんだっけ?

 

 だから、皆の反応が気になる所だったけれど。そこは銘戸さんの人柄のおかげで問題なさそうで一安心だ。羽々里さん以来の学生以外の学生ではない彼女の加入にこれから楽しくなるなーと思っていると。

 

 

 

「いえ――主人(あるじ)である羽々里(ははり)様の恋人の方に想(おも)いを寄せるなど言語道断でございます」

 

「私(わたくし)めが愛(あい)城(じょう)様と恋をする事などたとえ死んでもありません」

 

 

 

『……そんな……銘戸さん……!!』

 

 

 

 ……あの神曰く、『運命の人同士が出会うと女は“その場ですぐに”男は“時間をおいて徐々に”相手を好きになる』とのこと。

 だから今の銘戸さんのさっきのセリフは自身の思いを《b》メイドという立場により閉じこめた上でのものだということだ。これまでで十分銘戸さんがそういう事をするタイプじゃないということは分かっているけれど。どうすれば銘戸さんに恋太郎くんと付き合ってもらえるのか…

 

 

 

 

 

「ダメよ銘(めい)戸(ど)自分の気持ちに素直になりなさい」

 

「かしこまりました」

 

「愛(あい)城(じょう)様私(わたくし)めとお付き合いをしていただけませんでしょうか」

 

『……そんな…銘戸さん……!!』

 

 ……ウソは、吐いてないね。

 羽々里さんに指摘された途端意見が180度変わるのはこれで初めてではないけれど、変わりすぎて驚きの方が強い。

 とりあえず、無事上手く行ったからいいのかな?

 

 

 

 

 

「妾(めかけ)でも構いませんので」

 

『……そんな……銘(めい)戸(ど)さん』

 

「いやぁ…銘戸さんは強敵でしたね」

 

「いきなり何言ってるのだ?」

 

 

 

 

 

♥♥♥♥♥

 

「それじゃあライさん、行きましょうか」

 

「うん。今日もよろしくお願いします」

 

 恋太郎くん達をお別れを告げた後私は羽香里ちゃん達花園家の3人に頭を下げ車へと乗り込んだ。

 大型トラックが我が家に突っ込んでからこうして羽々里さんのリムジンに乗車する機会が多くなった。何回か乗っていると我が家のそれとは違う所が見受けられて少し面白かったりする。あんまりジッと見ていると失礼だから少しずつだけれども。

 

 そして車の揺れをほとんど感じることなく皆と会話を重ねているうちに目(・)的(・)地(・)へと辿り着いた。

 

「今日もここまでありがとうございました」

 

「お礼なんて…!滅相もございません」

 

「銘戸さんの言う通りですよ。ね、お母様?」

 

「そうよ~あの日にも言ったでしょう?」

 

 

 

 

 

『今日から花園家(ここ)をライちゃんのお家だと思っていいのよ~』

 

 

 

 ……そう。

 

 あの日から私は花園家にお世話になっている。

 

 ……本当に、恵まれているなぁ。

 

カラオケ回でライダー(姉)とライちゃん(妹)がどう歌うか

  • ①ライダーとライちゃん2人で1曲歌う
  • ②それぞれ1曲ずつ歌う
  • ③(①と②どっちも)やってくれ、必要だろ
  • ④アンケートの結果だけ見たい人用
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