タイトルの元ネタはお察しの通り
──グレースヒルズ・道中──
「………そいや、自己紹介してなかったな。リノから聞いてるとは思うけど、日乃レイ。よろしくな。」
「ふ〜ん、マココは御来屋マココなのら。よろしく頼むのら〜。」
「アタシは岡野下イチゴ。よろしくね。」
拝啓 前世のおとうさん、おかあさん。今俺の目の前には初期アテナスメンバーが勢揃いしています。やばい、感動で咽び泣きそう。しかし惜しむらくはエンペラーことソフィアさんが
「そろそろ着くぞ、備えてくれ。」
「うぃーっす。」
──グレースヒルズ──
「すっげー!ここが金持ちの街、グレースヒルズかぁー!」
「おいおいリュウ、日はとっぷり暮れてんだ。あんまり騒ぐなよ。」
「あ、わりぃ。」
「……さてと。隠し通路はどこかなっと。」
「ここよ。」
里奈さんが噴水のスイッチを押す。するとゴゴゴゴゴと音を立てて床が引っ込んだ。絶対近所の人起きるよね?
「ひゅう。ロマン満載。海道サンも案外子供心忘れてないってことなのかねぇ。」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。ほらレイも行くよ〜。」
「いや待てってカリナ?引き摺らんといて!?首!首締まってる!!」
──海道邸・地下道──
「味方に殺されかけるとは思わんやん普通。」
「ごめんってばぁ!!」
あの後、俺&アテナス組とその他で別れ、地下道を進んでいた。目の前には高出力レーザーの壁。見たら分かる、ワンパンで死ぬやつやん。だが原作知識のある俺は当然対策を持ってきていた。
「頼むぜ、グゥエール。」
グゥエールを起動し、格子状になっているレーザーの隙間をすり抜けて向こう側へ。そこから制御端末まで行き、掌を当てて接続。
「さてと………。」
CCMと持参したPCを繋ぎ、LBX越しに端末をハッキング。警報を鳴らさぬまま、レーザーを無効化。
「これでよし。意外とプロテクト堅いけどこれくらいなら何とかなるわ。」
「すごいですね……。レイさんがこんなことまで出来るなんて。」
「ハッキングに関しては師匠がいるもんでね。まぁ、あんまり使うことはないけどさ。サヤカも教わればできるんじゃないかな。」
ちなみに清水さんには名前で呼んでくれと言われましたでござるんるん。
「……お前の交友関係、どうなってんだよ。」
「そこら辺は追追。スニーキングミッションの基本は慎重かつ大胆に迅速に、だぜ。」
道中の障壁を俺が無力化しながら進んでいくと、警報が。
「わ、私達何かしちゃったの!?」
「いいや、こいつは違うぜ、岡野下さん。……多分あいつらがマズったな。」
と、俺のCCMに着信。
『ご、ごめん!警備ポッドに見つかって………!』
『ひ、ひぃーっ!?』
『リュウ、郷田さんに抱きつかないで。』
「しょうがねぇ、こんな大所帯だ。拓也さん、警報止めるスイッチ、この辺りにない?」
『……ちょうどレイ達の近くにある。行けるか?』
「多分大丈夫。……ささっと行ってくっから、お前らはそこで待ってろ。照明の陰になってるから見つかりにくい。」
「でも、レイくんが……。」
「こういうのは少数精鋭が基本だ。……頼むから待ってろ。」
「……………待ってますから。」
「お腹の子と一緒にってか?」
「と、東本さんっ!?」
「ドアホ。シンプルドアホ。」
「ひっでぇ!?てかこんな漫才やってる場合じゃねぇだろ!」
「お前が始めた物語だろうがよぉ!?」
何言っとんじゃこいつはぁ!?思わず全力でツッコんじまったわ!
「ったく……とにかく俺がいってくるから、待ってろ。」
「よろしく、期待しないで待ってるのら。」
「おいおい御来屋さんや、そりゃないぜぇ。」
はーやれやれとため息をつきながら、スイッチに向け進む。途中警備のポッドやLBXもいたが、当然スルー。まさかコレが有効とは思わんやん。
E:そこら辺にあった空のドラム缶
見事に警備をやり過ごしながら(途中吐きかけたが)、なんとかスイッチまでたどり着く。しかし普通に止めると異常を察知した警備に襲われるかもなので、障壁と同じ要領で警報解除。
あっぶね!?登録された指紋以外だとLBX呼ぶ仕掛けになってやがった!?原作じゃここまでじゃなかったよね!?バタエフェ(バタフライエフェクトの略)のしわ寄せか………?ひとまず拓也さんらに一報いれてからリノ達のとこに戻るか…。
「拓也さん、とりま警報止めました。でも安全になる保証は皆無っす。」
『わかっている、迅速に行かせよう。』
──海道邸・内部──
すごいな、いかにもなTHE・豪邸ってカンジ。
「で、進むのはどっちだっけ?」
『ナビゲートするわ。そこから──』
───────────────
そしてしばらく進んだ頃。
「ん?ありゃあ………。」
「──来ましたわね。」
「……片倉さん。」
「なんでここに片倉さんが………!?」
「この先には行かせません。」
マジかよ!?しかも警備LBXがワラワラと………!
「警備が!?……俺が出る。バン、お前らは先に行け。Dキューブ!」
「あぁ、頼んだ!」
ちょっと想定外だけど、やるっきゃねぇよなぁ!!
「……日乃さん。出来れば、貴方とは戦いたくありません。」
「私達は警備を担当します!レイくんは片倉さんをお願いします!」
警備LBXはリノ達が担当してくれる。良かったぜ、レギオニスはまだ温存しときたいからな!
「あいわかった!頼むぜ!」
「行きなさい、エンペラーM2!」
「さぁて初陣だ!疾駆しろ、『ケイローン』!」
バトルスタート──
黒い皇帝の前に降り立ったのは──半人半馬の異形のLBX。
「そのLBXは……!?」
「LBXツェンドルグ、その初号機。機体名『ケイローン』。」
ツェンドルグ。ナイツ&マジックに登場する半人半馬の
「下半身が馬のようなLBXなど、聞いたことも……!」
「当たり前だ!パンツァーフレームがあるんなら、こんな変わり種があってもいいだろうよ!」
ケイローンが駆ける。馬のような独特な機動に、エンペラーでさえ翻弄できている。……だが相応に癖が強いな。量産はあまり考えないほうがいいかもしれない。
ちなみに装備は槍と円盾。まぁかなりオーソドックスで面白みもないだろう。だがしかし。
「っ!?槍から機関砲が………!」
そう、この槍にはバルカンを仕込んである。口径は小さいが、その分手数がある。モチーフはミストルテインの槍だ。
「おっと、まだあるぜ!」
盾からビーム刃を発振し、投げつける。これにはビームカッターがいくつか内蔵されていて、回転させることで電動ノコギリのようになる仕組みだ。しかも簡易ビットになっているから、軌道をある程度操作できる。この時代だと、自在に操作できる機動砲塔なんてのは作れなかった。
「くっ、まさかこんな…!」
槍やバルカン、盾や後脚による蹴り。ビックリドッキリメカもかくやの変幻さに、エンペラーも為す術なく。
「決めるぞ、必殺ファンクション!」
アタックファンクション
ライトスピア
──バトルエンド
「……これで決着だな。」
ケイローンの前には、倒れ伏したエンペラー。もはや操作も受け付けない。
「そんな……私は…………。」
片倉さんは、地面に崩れ落ちる。そのただならぬ様子に、つい聞いてしまった。俺は膝をつき、目線を合わせる。
「……あんたが、そこまでする理由ってなんだ。」
「えっ………?」
「この先に大事なもんがあるのは知ってる。でも、ジンの許嫁なら海道義光の裏の顔だって知ってんだろ。……なんで協力してる?」
「…………それ、は。」
ソフィアちゃんは少し逡巡する様子を見せたが、意を決して口を開く。
「……私の父は、以前海道先生に借りがありました。先生は、それを帳消しにする代わりに、私にジン様の許嫁となり、先生の野望に全面協力するよう求めたのです。父に断る選択肢はなく………。」
「OK、大体わかった。……あかんキレそう。」
「日乃さん………。」
「片倉さん。」
「は、はい?」
「俺は、あんたが欲しい。」
ソフィアちゃんの背景周りは完全捏造です。装甲娘原作にはこんな設定はありませんので悪しからず。