──2050年 日乃邸──
誰もいない静かな家の中に、工具の駆動音が響き渡る。それと同時に、何かの会話やモーターの音も。そして、その家を訪ねる少女が1人。
「お邪魔します。レイくん、いますか?」
返事がないのはいつものことである。静かで、独りで住むには広すぎるような豪邸。その部屋の多くは物置になっているものの、埃はなく豪奢なシャンデリアも1年前と変わらぬ煌めきを放っていた。部屋に近づくにつれ、会話の内容がはっきり聞こえてくる。
「ユ─ン
「そうですね…、そこは可─域─制限したく─い─ころで─が、どうして─硬さは欲し─ですね。なら複層─造にし─みては?」
「あ、そ─手があっ─か。さんきゅ。」
「いえ─え、大─な弟分ですから。どんどん頼ってください。」
がちゃりと、扉を開ける。
「レイくん、ユジンさん。お邪魔してます。」
「あっ、リノ。いつの間に。」
「おや、リノちゃんですか。……おっと、もうこんな時間。私は帰りますね。」
「了解。ありがとね、ユジン兄。」
「いえいえ。ではお邪魔しました。」
「……今日もやってたんですか?」
私はレイくんの手元を見る。レイくんの近くにはナイトフレームを一回り大きくしたようなコアスケルトン。そして、見た事もないようなアーマーフレームがありました。
「あぁ、まだまだ先は長いんだけどな。」
レイくんはアーマーフレームを照明に照らす。その横顔に浮かんだ満足げな微笑みに、ちょこっとだけドキリとしてしまったのは内緒です。
「……ユジンさんにも協力してもらってたんですね。」
「あぁ、正直俺なんかよりユジン兄のほうがLBXには詳しいし。」
ユジンさんというのは、以前レイくんと私がお世話になった方。レイくんとユジンさんのご両親同士が大学の友人で、小さかった私達とよく遊んでくれました。そのせいで、レイくんは中学生になった今でも"ユジン兄"と呼んでいます。今はアキハバラのほうで働いていて、既に就職し仕事も順調だそうです。
「ユジンさんのLBXの知識、凄いですもんね。」
「うん。ちょくちょく世話になってる。」
それは恐らく今レイくんが弄っているアーマーフレームのこと。去年、レイくんは大事故に遭いました。ご家族も、彼以外はみんな不運なことに。それでも彼はけろっとしてLBXの図面を引いていました。しかし、それはどこか空元気のような、そんな気がしてならなかったのです。だから、昔私が支えてもらった分、今度は私が支えたい。そう思「こんにちはー!!」
……どたどたと荒々しい足音。荒々しい音を立てて、ドアが開きました。
「やっほー、レイ!」
「お、カリナ。いらっしゃい。」
彼女は三日月カリナさん。中学校からトキオシティに来たようで、レイくんや私とは別のクラス……なのですが。その活発な性格で瞬く間に色んな人と仲良くなり、特にレイくんのことを気に入ったのかそこそこの頻度で上がり込んでいるらしく………。……私としては心配です。
「おっ、今日もやってるね!」
「まぁなー。こいつは俺のためだけのLBXだからな。自分で作ったほうが愛着も湧くだろ?」
「そうだねー。それにしてもすごいなー、LBXのアーマーフレームをフルスクラッチなんて。」
「いやいや、そんな大したもんでもないって。ナイトをフレームを元にしてタイニーオービットに依頼して作った独自フレームだから表面積比較的広いけど、フルスクラッチでストライダーフレームのLBX作った人知ってるから。」
ストライダーフレームは体格が細い分パーツが細かく、フルスクラッチには向いていない、という話を聞いたことがあります。レイくんの言うその人は、余程凄い技術者か、熱意を持った人なのでしょう。
「ストライダーを?すごいねその人!」
「だよな。俺も猿真似でこうしてフルスクラッチしてるけど、技術的なもんが全然足りない。すげぇよ、あの人。」
「尊敬してるんだね。」
「ん?…まーな。尊敬っていうより、あんな風になりたいって憧れに近いかも。性格は子供っぽいんだけど腕は本物で、本気になると背中で語るような人。」
「ふーん?ね、今度あたしにも会わせてよ。」
「えー?いいけど……、まぁそのうちな。」
「うん、それでいいから!絶対ね!」
というわけでカリナちゃん登場。果たしてエミュはこれでええんか……?
次のアテナスメンバー誰出そう?
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トウモト ケイ(クノイチ)
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ミクリヤ マココ(ジョーカー)
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作者の推し(???)
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その他(希望あればコメ欄まで)