思いついたものを勢いで書いているのでキャラ崩壊とかがあったら見逃してくださいお願いします(9等級国民感)。
あ、R-18描写とかは特にないです。
裏でもう一本書いてるんですけど、あまりにも長い間作品を出さないのはどうかなぁ…と思ったので妄想を書き出しました。
書いたきっかけはとある方のバニ(ー服のマル)フーシャさんのイラストですね。
ただし主人公はストレルカさんです…
でも視聴者サービスでストレルカさんがいたから許されますよね!?
あと勢いで書いたのでかなり展開が急です。特に終盤。
そびえ立つ本で出来た山々の頂上に読み終えた本を置いて、ため息を吐く。
窓を通して外を見やると、読み始めたころは辺りを照らしていた太陽が沈み切って、月明かりと遠くに見える電熱城の淡い赤色の光だけが黒色の空を色づけていた。
「…ふぁ…。そろそろ寝よう…」
ベッドの下段では、マルフーシャがすうすうと寝息を立てながら深い眠りについていた。
それを邪魔しないように気を付けながらボトルの中の水を飲み干して、電灯を消すために手をかける。
「熱っ…」
眠気のせいかランプの電熱線の覆いに触れてしまい、慌てて手を放す。
短い時間だったため火傷などは無かったけれど、触った瞬間の揺れのせいか電熱線の端が外れかけていた。
「…夜遅くまで読書も考え物だね。早く寝た方が良いかな…。」
直すのは…明日でいいか…
欠伸をしながらベッドの上段へ登って、布団に横たわる。
薄く硬い布団の寝心地は良いとは言えないけど、その布団よりも硬い床で寝る夜はマシと思いつつ目を閉じた。
頭の中で渦巻いている不安や疑問をなるべく考えないように拭い去りながら、明日それが更に増えないように祈って眠りにつく…
◆
「…ルカ。ストレルカ。起きて。」
おぼろげな声と共に体を揺すられる。
…目覚ましをかけ忘れたかな…
読書の時間は削れたけど、今日は非番で良かった。
眠たい目を擦りながら上体を起こす。
「…え?」
寝起きの擦りガラスのような視界が晴れた私の目に映ったものは、普段の同僚の様子ではなかった。
目の前のマルフーシャは布面積が異様に少ない衣装を身に纏って、その頭の上で大きな耳のカチューシャが躍っていた。
その耳はさながらウサギのようで、身体に目を戻すと白いふさふさとした尻尾がある。
一言で言えば、「バニー衣装」かな。
「…これは…趣味の悪い夢だね…」
「ストレルカ、もしかして寝ぼけてる?もう朝だけど…また遅くまで読書してたの?」
マルフーシャが普段とは一切違う服のまま、普段と同じ声色で私の顔を覗き込んでくる。
目の前の状況を理解しようとして、寝起きで回らない頭を必死で回す。
幻覚かと思って何度か目を擦ったけど、目の前の状況は一切変わらなかった。
「…今日って何かあったっけ?」
もしかしたら、何かの催し事があったことを私が忘れていただけかもしれないと問を投げかける。
けれど、返ってきた答えは望んだものではなかった。
「うーん…。非番ってこと以外は今日は特に何もない日だけど?」
マルフーシャが心配そうな顔をつくる。
…ますます訳が分からない。
まさかと思い、布団が被さった自分の体に視線を落とす。
「…良かった。」
その視線の先にあったのは、昨日まで着ていたものと同じ緑色の国民服だった。
少なくとも、私の身には何も起こっていないみたいだ。
突然布団の中を覗き込んだ私を、マルフーシャが怪訝な顔をしながら見つめてくる。
「良かったって?一体どうしたのストレルカ。まあ、とりあえず布団から出てきたら?」
「…そうだね。何が起こってるか確認しないと…」
マルフーシャの言う通りに布団を退かし、ベッドから降りる。
その姿を見ていたマルフーシャは驚きの表情を作り、震える声で私に声をかけてきた。
「ストレルカ…その服…」
「…服?」
「少し待ってて。ライカを呼んでくるから。」
そう言い残して小走りで廊下に駆けていく。
…やっぱり何かおかしい。
昨日までマルフーシャだって私と同じ服を着ていたし、寝る直前に見ているからそれは間違いない。
かと言って、バニー服を着ているマルフーシャの反応から考えると私の『国民服』がおかしいという事になる。
「…ライカの服が『普通』だといいけど。」
そんな私の望みは、近くに除菌液を垂らされたカビのようにあえなく崩れ去った。
マルフーシャと共に現れたライカは、黄色を基調としたバニー服に身を包んでいる。
「ストレルカ、マルフーシャから話は聞いたわよ。国民服を着ていないって。」
「…国民服?私が着ている物じゃなくて?」
「ストレルカ、何を言っているの?そんな服見たことも無いけど…」
私の脳が目の前の状況を理解することを必死に拒んでいたが、ライカの服装を見たことでその考えを受け入れざるを得なくなってしまった。
考えていた限りで最悪の想定が確定してしまったことを確信して、頭を抱えたくなる。
――その想定。つまり、『今私が見ている世界はバニー服が国民服として扱われており、私の見知った緑色の国民服は存在すらしないことになっている。』
「…それで、そう言うなら私の『国民服』はどこにあるの?」
「そういえば…確かに見てないね…」
私の質問にマルフーシャが首を傾げる。
ライカも部屋を軽く見まわしてから、不思議そうな顔で首を傾げた。
「確かに見当たらないわね…。待ってて、備品倉庫を見てくるわ。」
「私も行くよ。」
そう言い残してライカとマルフーシャが部屋を出ていく。
一人残された私は、状況の整理をしようとベッドに腰を下ろした。
まず、国民服がバニー衣装になっている。
次に、マルフーシャやライカがそのことを一切気にしていなかった。
そして、普段の国民服を『見たことが無い』と言っていた。
真っ先に思いついたのは、一部の生物が持つ幻覚作用。CBRNE対策部隊にいた頃の私の専門分野。
けれど、何かが落ちた音や痕跡はなかったしそんなピンポイントな効果を持つ生物を私は知らないからあり得ない。
それに、あったとしてもわざわざそんなことをするなら毒で殲滅した方が効率的だからこれは無い。
次に思いついたのは、趣味の悪いドッキリ。
アリビナならまだしも真面目なマルフーシャやライカがそんなことをするとは思えないし、少しは恥じらいがあるはず。
それに私の着ている服も知っているはずだからこれも無い。
だとすれば……
「…電熱線の影響だね。」
そう小さく呟く。
電熱線には未知の部分が多い。
政府は『クリーンなエネルギー』を謳っているけど、なんの影響もなく莫大なエネルギーを生み出せるはずがない。
…まさか精神汚染があるとは思わなかったけど。
「フーシャちゃ~ん?ライカちゃ~ん?ストレルカちゃ~ん?いる~?」
「…アリビナ?」
遠くから足音が聞こえたかと思うと、不安が僅かに入り混じった声で私を呼ぶ声が聞こえた。
しばらくすると、扉の横からアリビナが顔を覗かせてくる。
「あっ、ストレルカちゃん!良かった~。ストレルカちゃんは普通だった~」
私の姿を見て、アリビナが安堵のため息を吐きながら胸をなでおろす。
その服装は私と同じ、緑色の国民服だった。
「エノスちゃんが起きたら変な格好しててね。『ドッキリ』かな?って聞いても不思議そうな顔してきてさ~。」
「…エノスも?」
「『も』ってことは、もしかしてフーシャちゃん達も?」
その質問に頷いて答える。
その様子を見たアリビナは、驚きの顔で私を見つめてきた。
「…とにかくマルフーシャ達の身体には何かが起こってる。」
「そうだね~。あっ、私は何もしてないよ?」
「…顔を見れば分かる。」
…こんなことを言ったはいいものの、可能性のある解決策はその断片さえ思いついていなかった。
マルフーシャとライカ、エノスの3人は少なくとも何かの影響を受けている。
私とアリビナはなぜか影響を受けてない。
そして、フェリセット、ベルカ、ビオンについては分かってない。
「…アリビナ。ビオン達は当番で合ってるよね?」
「うん。そのはずだよ!」
「…それじゃあ、昨日…それか今日、いつもと違うと思ったことは何かある?」
アリビナが思い出そうと虚空を見つめる。
しばらく考え込んだ後、何かに気づいたように手を叩いて話しだそうとした瞬間…
「ストレルカ、用意して来たよ。」
「あら、アリビナもいたのね。一応用意しておいてよかったわ。」
マルフーシャとライカが部屋に戻ってきた。
その手にはきれいに畳まれた服とウサギ耳のカチューシャが乗っている。
…あるとは思わなかった。
正直、今すぐにでもこの場から離れたい。
あんな羞恥心を煽るような服を着て過ごすなんて、私の精神が持つとは思えないし…
そんな私を逃がすまいと、マルフーシャとライカが扉の前に陣取っている。
「ストレルカちゃん…受け入れるしかなさそうだよ…」
「…ライカ。その服が私に似合うとは思えないんだけど?」
「国民は国民服を着るのが義務よ?ほら、早く着替えないと非国民として等級を落とされるわよ?」
「…っ…」
いつの間にか背後にいたエノスに両腕を掴まれ、風呂場の方に引き摺られる。
「ストレルカも、等級を落とされたく、無いはず。」
逃げ場を失った私は、あえなくマルフーシャ達と同じバニー衣装を着る羽目になった。
布の面積狭いせいで肌寒く、今すぐにでもコートを羽織って隠したくなるような
…待って。私、今何て考えてた?
もしかして、おかしいのは服の方…?それとも電熱線との相互干渉で異常性が…?
――違和感の答えを出そうと考えていると、私の後に着替えさせられていたアリビナが戻ってきた。
ただ、彼女の目は虚ろで放心しているかのような顔をしている。
改めて他の全員を見回すと、みんなどこか焦点の合っていない目をしていた。
…このままじゃまずい。
早くしないと私も『ああ』なってしまう。
私たちの思考を改変し、目の前の事象を何ら変とは思わなくなるなんて、考えある限りじゃ最悪だ。
今は服のことだけに留まっているけど、それが拡大すれば私たちの身に何が起きようとも不思議とは思わなくなってしまう。
それに、既に影響が出始めているし、あとどれだけ猶予があるかも分からない。
普段と違ったこと…些細な事でもいい。何かあるはず…
昨日寝る前…本を読んだあと水を飲んで、そのあと寝ようと思ってランプを消そうと…
……ランプ?
部屋の天井から吊り下げられているランプに目を向けると、中の電熱線の光が普段の赤色ではなく青色になって、僅かに明滅していた。
…間違いない。
あれを何とかすれば元に戻れるはず。そう思って電球に手を伸ばす…
「ストレルカちゃん、何してるの~?」
「まだ明るいし、ランプをつける必要はないでしょ?もしかして電熱線が焼き切れてた?」
「…そう…だね。大丈夫、問題なく付いてるから。」
マルフーシャ達に呼ばれて、伸ばしていた手を引っ込める。
…あれ?何をしようとしていたんだっけ?
まぁ、いいか。忘れるってことは特に重要じゃないことのはず。
――しばらくして、宿舎の前で防衛任務から戻ってきたフェリセットとベルカを出迎える。
ビオンは撃った薬莢の一部が見当たらないらしく、後から戻ってくるそうだ。
それにしても、フェリセット達は
早く『国民服』に着替えさせないと…
◆
「はぁ…やっと帰ってこれました…。もう陽が沈んじゃって…」
「ベルカさん達に迷惑をかけてしまいましたし…。早く見つけて謝らないと…」
「あれ…居ない?それに電球の電熱線が外れかかってる?」
「直しておかなきゃ…。少しでもお役に立たないと…」
「…ビオン、帰ってきてたんだね。」
「ストレルカさん?って何ですかその服!?」
「…私の服に変な所なんて一つも無いよ。」
「スススストレルカさん!こんなに寒いのにそんな服じゃ風邪ひいちゃいますよ!あっ別に趣味を否定するつもりじゃないんですごめんなさい!」
「…そんなことは気にしないで、ビオンも早くコレに着替えて。」
「ストレルカさん!目が怖いです!」
「…ほら、早く…」
「わわわ…逃げないと…うわぁ!?」
「うぅ…台の上ってことを忘れて…それに手がランプに…」
「あれ?ストレルカさん?」
「…ビオン…降りて…重たい…」
「ごごごめんなさいストレルカさん!すぐ降りますから!」
「…頭が…痛い…」
「ごめんなさいごめんなさい!なんでもしますから許してください!捨てないでください!」
「…いや…ありがとうビオン…。おかげで『戻って』これた。」
「『戻る』?どういうことですか?」
「マルフーシャ!何よその服!?」
「そう言うライカこそ!」
「私はこんな服着た覚えないわよ!上官に朝の報告しに行ってその後…」
「その後…何してたっけ…?」
「…こういう事。早くいつもの服に着替えたい…。」
「ど、どういう事ですか!?全然分からないです!」
「…分からない方が良いかもしれないね。」
―おわり―
ライカ「それにしてもこの服…意外と涼しいわね…」
エノス「最近、寒いから、風邪引くと、思い、ます。」
自分でも急展開すぎると思います。
かといってあそこから伸ばす方法を思いつきませんでしたごめんなさい。
「電熱線の影響だね」が書きたかっただけなんです10等級落ちだけはゆるs…