Side ???
「配信♪配信♪配信♪今日は絶好の配信日和〜♪」
左目に分厚い眼帯を着けた少女が楽しげに歌いながら、薄暗い洞窟を歩いていた
ここは《ダンジョン》現代社会に突如として現れた神秘の結晶である。ダンジョン内にはモンスターと呼ばれるまさにファンタジーの異形が蔓延っていた。そのため、調査しようにも出来なかった。が、人間は適用する生き物である。ダンジョン内にのみ存在する魔力に適用し、ダンジョン内でのみ魔法という神秘を使えるようになった
そしてそれは現代社会にも影響を及ぼすようになった。魔法はダンジョン内でしか使えないが魔力を活用した道具《魔道具》を開発、そしてダンジョンを使い一発逆転の役職《冒険者》やその様子を世界に配信する《ダンジョン配信者》などが生まれた。他にも《ダンジョンモデル》や《ダンジョンアイドル》などの役職が生まれ、ダンジョンは瞬くして現代社会に馴染んでいった。だが、ダンジョンが脅威であることは変わらずに、今日も何処かのダンジョンでは常に命のやり取りが行われているのであった
そして今、そんなダンジョンで楽しげに歩いている少女、
「ヤッホーみんな今日もモンスターを調理しちゃうぞー」
コメント欄
·今日はどんなモンスターを調理するん?
·キタキタ、自称美少女wの料理配信
「ちょっとそこ、自称じゃない。正真正銘の美少女だよ!」
コメント欄
·じゃあ顔見せてよ
「嫌だよ。そんな簡単に美少女のご尊顔を見れると思わないことだよ!それより、今日の食材はスライム!このスライムでスライムゼリーを作るよ」
コメント欄
·今日はスライムか
·久し振りのスイーツ系だ!
·ゼロちゃんのスイーツはどれも美味しそうだからなぁ
「ふっふ〜ん、でしょだしょ!ボクはお菓子作りには力入れてるからねっ!」
レイはそう言いながらドヤ顔をした。レイは配信する時はいつも顔隠し機能をONにしているので顔にチャンネルのアイコンが映像越しに自動で着いているのに雰囲気で分かるくらい自慢気になっていた。これにはコメント欄も
コメント欄
·wwwすげぇw顔見えねぇのにドヤ顔してるのが分かるw
·美少女のドヤ顔は万病に効く……
·胸がある子が胸を張る……。ウッ!……ふぅ〜
「……変態がいる。……ハッ!気を取り直して、まずはコアを取ったスライ厶を用意します。ボウルを用意して、その中にスライムと牛乳300ccと砂糖大さじ2を入れて粘りが出るまで混ぜる。そして、粘りが出てきたらタッパーとかに入れて30分冷やす」
コメント欄
·今日のはお手軽系か
·ゼロちゃんの料理はハズレがないからなぁ〜
·しかも大体どのダンジョンの浅い階層にいるから初心者でも簡単に作れるからな
「でしょだしょーボクの作る料理は大体油断しなきゃ取れるからね。なのに、全っ然広まらないの!おかしくない!?今日だってスイッターでいつもの人達しかやってくれてなかったんだけど!」
コメント欄
·草wそりゃ、こんな物好きなこと誰もやらんわな
·モンスターを調理するなんて誰もやりたがらないよなぁ
·やるとしてもワイらやゼロちゃんぐらいやろなぁ
「あっ!でもね、最近ダンジョンに潜ってたらリスナーさんに会ったよ。しかも最近知って、実際にモンスターを調理してるんだって!」
コメント欄
·!?新規リスナーだと!?
·あ、あり得ない!?こんな寂れた地に新規のリスナーが現れるなんて……!?
·こ、こんなことが!?……ていうか、ゼロちゃんそんなこと言っていいの?身バレしない?
「?……ああ、それは大丈夫。最悪身バレしても顔隠し機能をOFFにして続けるだけだから」
コメント欄
·だったら最初から顔出したほうが楽じゃない?
「ロマンがないなぁ……隠してる方がインパクトあるでしょ」
コメント欄
·インパクト、とは
·分からん。まあでも、自分好みの美少女が美味いゲテモノ料理を作ってるって想像すると……ウッ!……ふぅ〜
·変態いて草w
「ゲテモノって……おっ、もう30分経ったね。じゃ、クーラーボックスから取り出して、そのまま、一口大に千切る。そんで丸めれば……スライムゼリーの完成!」
コメント欄
·おお〜ちっちゃいスライムだ
·スライム系の料理はコリコリ感があって美味いんだ
·食感はナマコみたいな感じなんだけどナマコより美味く感じる
「へぇーボクナマコ食べたことないから分かんないや。それよりこのスライムゼリー、スライムが砂糖に反応してミントみたいな清涼感が出て夏に食べたい一品なんだよね。じゃ、いただきまーす……うーん、美味いっ!スライムのコリコリ感にミントアイスみたいな味でチョコと一緒に食べるとチョコミントのアイスを食べてるみたいになるだよね」
コメント欄
·ほえー美味そう
·アイスかぁー探索中に食べるのが良さそう
·でも、スライムって消化悪いんじゃなかったっけ?
「その通り、スライムは消化が悪いから食べすぎないように。まあでも、探索中に食べるのはうってつけな食べ物だね。それじゃあ今日はここまで、また次の調理で会おう!サラダバー」
コメント欄
·サラダバー
·サラダバー
·サラダバー
「ふぅ〜……今日もあんまり来なかったなぁ」
ボクは配信を切り、残ったスライムゼリーを食べながら独り言を呟いていた。今日もいつもの3人しか観てくれなかったなぁ。新規リスナーの人にも会ったんだけどなぁ……ていうかあの人どっかで見たような……あっ!
「今日スミカちゃんの配信があるんだった!!」
ボクは急いでスマホに入ってるダンチューブのお気に入り登録してる欄にある
「はぁ~…スミカちゃん、マジ可愛いわぁ……はぁ~ボクも推しに認知してもらいたいなぁ……」
何を隠そうボクはスミカちゃんの大ファンだ。彼女に会いたくてダンチューバーに成ったと言っても過言ではないぐらいなのだから
「そういえばスミカちゃんってボクと同い年なのか……」
ボクもスミカちゃんも最近20歳に成ったのだ。一緒にお酒飲みたいなぁ……
「ダンチューバーになって2,3年…一向に人気になる気配がないけど……スミカちゃんに会うために諦めないぞー!」
なんて欲まみれな宣言をしていたらスミカちゃんの配信で何やらトラブルが起きていた
『な、なんでこんな所で《スタンピード》が……!?』
!?スタンピードだって!?今日ってスミカちゃんは何処のダンジョンに潜ってるんだっけ?取り敢えず緊急事態なのは間違いないね……!
『皆さん、今渋谷区ダンジョン17階層でスタンピードが起きています。もし、渋谷区ダンジョンに今潜っているなら今すぐ近くのセーフルームに避難して下さい』
スミカちゃん……こんな時でも取り乱さず冷静に判断を……てか、渋谷区ダンジョンってボクが今いる場所じゃん!?……助ければ関わりもてるんじゃね?
「よしっ!それじゃ推しを助けに行きますか!!……あわよくば、お近づきになれたり……」
ボクは私利私欲にまみれながらスミカちゃんを助けに行くのだった
赫塚レイ…見た目白髪黒目の美少女。だが、その心は私利私欲と下心中心で動いているヤベー奴。左目の眼帯は錬金術の実験の影響で着けるはめになった