「…なぁ、霊夢さんや」
「何よ?」
「離れてくんない?暑いんだわ」
「嫌よ。ここが心地良い場所なんだから」
「…さいですか」
はじめまして。僕は
え?なんで「元」なんだって?実は僕、異世界に転移?転生?したっぽいんですよね。原因は思い出せないけど、まぁ死んだとかじゃないかな?誰かをかばったとか、人生に嫌気が差して身を投げたとか、そんな感じかな?覚えてないのがある意味救いかもしれないけど。あと、ここに来る前は学生だったのは覚えてる。ここに来てからはもう学生でもないけどね。
「古海、今日はどうするの?」
「今日は畑の様子見て、寺子屋の手伝いかな」
「若いのに働き者ね」
「あんたもほぼ同じぐらいでしょーが」
「魔理沙も古海の姿を見習ってほしいわね」
「魔理沙には無理じゃんネ☆」
「ふふっ、そうね」
んで、転生されたこの世界は『幻想郷』って世界で、何かいろんな人…人?がいる。妖精とか、妖怪とか…いっぱいいるんだよね。びっくりしたよ。
黒い靄に吸い込まれそうになったり、何か某薬品会社の化け物みたいなのに襲われかけたりで怖かった。
逃げた先がこの「博麗神社」だったのが運が良かった。それからは博麗神社の加護を受けながら人里で働いてる。
もとの世界に戻る話もあったけど、戻ったところで僕のことを知ってる人はいないし、ここで生きていくほうが楽しいから残ることにした。あとは…まぁ色々あったね。
「そういえば、あんたがここに来てどれくらい経つかしら?」
「急だね…多分2年かな?」
「もうそんなに経ってるのね」
「早いもんだよね〜」
人里に住んでからはいろんな仕事をした。そのおかげで今じゃ一人暮らしができて、畑を肥やして野菜を売るくらいのことはできるようになった。
「あっという間だよね。時間なんて忘れるくらいここは豊かで、平和だ」
「…そうね」
「……」
あ、紹介が遅れたね。僕の背中でもたれながらお茶をすすっているこの娘は博麗霊夢。博麗神社の巫女で、この幻想郷の異変?を解決してるらしい。異変に立ち会ったことがないからどんなものかはわからないけど。
赤いリボンと…なんて言えばいいかな?露出がちょっと激しい巫女服に見を包んでるよ。
今は見慣れたけど、初めてあったときは痴女かと思ったよ。さらしがチラって見えたときはドキッでしたし、色々目に悪かった。
「…さて、僕はそろそろ行くよ。野菜はここに置いておくから」
「いつもありがとうね。おかげでお腹が空くことがなくなったわ」
「人里で重要な神社の巫女が腹を空かせるってどういうことなのさ…?」
ここに来てからは2年は経つけど、この神社は霊夢しかいないんだよね。あと神社といえば…確か守矢神社だったかな。そこに人が結構行ってるから寂しさが感じるんだよね。
僕は助けてくれた霊夢に恩返ししたいからずっと参拝してるけど、流石にお供えぐらいは持っていったほうがいいんじゃないかな?罰当たらない?
「仕方ないでしょ。参拝客なんかあんたぐらいだし」
「でもさ…」
「それに、腐れ縁の魔理沙とかもいるし、寂しくはないわ」
霊夢はあっけカランと話し、お茶を飲んだ。
「そっか…ならいいけど」
「ていうか、あんたはいいの?守矢神社なら多少のご利益はもらえるんじゃない?」
「ん〜…」
確か守矢神社って神様がいるんだっけ?そんでそこの巫女様はすごい奇跡を起こすとか。たしかに凄いよ。僕は神様なんて信じなかったけど、幻想郷に来てからは前世の常識を半分くらいは消したよ。
「…それでも僕はここがいい。ここが居心地いいから」
「…そう」
背中に持たれてるから顔は見えないけど、後ろから霊夢の嬉しそうな声が聞こえた気がした。
「じゃあ、僕は行くよ」
「えぇ、またいらっしゃい」
僕は縁側を離れ、石造りの階段をゆっくりと降りていった。