「邪魔するぜー!!」
「邪魔するなら帰って〜」
「はいよー…ってなるかぁ!!」
「チッ、引っ掛からなかったか」
どうも、古海鬨です。今日は家でのんびりしてたら、やかましいのがきました。
「んだよーせっかくこの霧雨魔理沙様が来てやったのに。お茶くらい出せよな」
「ぶぶ漬けぶっ掛けてやろうか?」
元気に玄関から登場した少女は霧雨魔理沙。この幻想郷の魔法使いだ。彼女は箒で様々な場所を巡っては借りパクしていくやべーやつって話だけど、あながち間違ってない。
元に僕のものまだ殆ど帰ってきてないし。
「固いこと言うなよ。あたしとあんたの仲だろ?」
「ドロボーと仲良くなった覚えはないなぁ」
「泥棒とは失敬だな!借りてるだけだぜ!」
以前、魔理沙には本を渡したときに魔理沙は「借りるだけだぜ!ちゃんと返すから!」と言ってほぼ強引に持っていかれたことがある。
そろそろ返してほしいが、魔理沙は覚えているのか。
「あのさ、かなり前に貸した本返してくれない?」
「本…?あ〜…あれかぁ…」
よかった。まだ忘れられなかったらしい。
「えっとさ……まだ借りていい?」
「えぇ…?もう1年は貸してるんだからそろそろ返してよ」
「いやぁ…」
どうも歯切れが悪い。そこまでして持っていたいものなのかな?
「…なんだったらあげようか?ここまで来ると必要ないし」
「いや!それはなしだぜ!ちゃんと返すから待っていてくれよな!」
「はぁ…もう何度目かなその台詞。はいお茶」
「お、サンキュー!」
何故か頑なに借りる(奪う)ことに固執してる魔理沙だが、僕のものだけは何故か本当に借りることにしているんだよね。
それはともかく、お茶だけ出してさっさと帰ってもらおう。その後はゆっくりと寝ようかな。
「…古海ってさ」
「…ん?」
「なんだかんだ優しいやつで、良いやつだよな!」
「おだてても何も貸さないよ?」
「ちっげーよ!そーゆーのじゃなくて…なんて言えばいいのかなぁ?」
突然褒めたと思えば、今度は腕を組んで「えっとな〜…う〜ん…あぁ〜?」と呟きながら百面相で悩んでる。どうも僕は彼女の魂胆が読めない。
「だってさ?あたしは…その…こういう性格だし、面倒だなーって思ってても、あんたはこうしてお茶を出して私の話を聞いてくれるだろ?」
「うん、一応客だしね」
「いや〜あたし的にはいいやつだなって思ってるんだよ」
「はぁ…それは光栄なことだね?」
よくわからないが、どうやら僕は気に入られているようだ。女の子に気に入られるのは、男としては嬉しいものだ。
「ふぅ…落ち着いたぜ」
「そう?それは良かった。今日はどこか行くの?」
「今日は…パチュリーとアリスから魔法の話があっから紅魔館に行くぜ!そこの図書室で色々借りてく予定だ!」
「得意げに言ってるけど、ちゃんと返しなよ?」
色々と話していると、時計は12時を指していた。
「もう12時か。魔理沙はどうする?」
「ん〜…古海の飯によるかな?」
「…うどんでいい?」
「頼むぜ!あ、汁多めで!」
「はいはい…」
魔理沙の遠慮の無さに感心しながら僕台所に向かう。ふと、魔理沙に貸した本のことを思い出した。
「ねぇ魔理沙、僕が貸した本の名前って覚えてる?」
「名前?えっと…ベルセルクだったはずだぜ?」
…やっぱりすぐに返してほしい。というか、そこまでして借りてでも読みたいものなのかな…?
そんな疑問を残しながら、僕はうどんを温めた。