ついに期末試験が始まった。筆記試験の方は出来たと思う。
僕は8.5割ぐらい取れてるはずだから、百姉さんは15割ぐらい余裕でとってるだろう。
でも、本番はここからだ。演習試験がある。
今回の演習試験は例年と違い、二人一組で先生方と戦う形だ。
色々考慮してチームと相手は決まっているらしい。
としたら、相性の良さから百姉さんと僕だろう。相手は…オールマイトかなあ?
そいうかそれ以外の先生だと百姉さんの前では策もなにも意味をなさな
「まず轟と八百万がチームで俺とだ。」
僕の想像はいきなり成り立たなかった。というか、百姉さんと一緒じゃないの…?
一気に不安になってきた。
いくら"個性"が成長したからって作れないものはまだまだある。
相澤先生の封殺は無くなったにしても、ほかの先生との相性次第によっては
「相心と切島がチームで相手はセメントスがする。」
「おっ、創と一緒か。頼りにしてるぜ!」
鋭児郎君…頼りにしてくれるのは嬉しいけど…頼りにならないよ僕…
ああ、百姉さん…僕は合宿に行けないかもしれないです…お土産は
私にとってこの試験は超えて当然のもの…でなければ『百姉さん』失格ですわ。
「轟さん。とっておきのオペレーションがありますの。」
「わかった。どんな奴だ?」
「まず、轟さんの氷で相澤先生の視線を遮って…」
色々説明した轟さんは複雑な表情をしていました。
「…どうすればそんな作戦が思いつくんだ?」
「私の『頼れる人』は…『想像力が豊か』なんです。」
そう、あの人ならこれぐらいはやってしまうはず。
「閃光弾、催涙ガス、ショッキングな画像、果ては脱衣…エグすぎねえか?」
徹底的に『視覚』への対策をした私たちは、手早く相沢先生を捕らえました。
「相澤先生の目を封じることができれば…手数で勝てますわ。
今の私は手段を択ばない敵に、手段を選んでいる余裕はありませんわ。」
そう、少なくとも『頼れる百姉さん』でなければなりませんから。
「合理的だが…これからはもう少し手段を選べ。子供が泣くぞ。」
相沢先生が言うことはもっともですが…
「…もう少し余裕ができたら考えます。」
少なくとも、今はできないことです。
鋭児郎君と僕はセメントス先生の物量に押されていた。
「キリねーよオイオイ!ブッ壊してもブッ壊しても…壁生えてきやがる!!」
「生成速度が速すぎる…!僕の"想像"じゃ追いつかないよ…!」
セメントス先生のコンクリートの壁の前になす術がない。
「そうだ創!狂戦士になれないか!?あれなら突破できるだろ!?」
確かに狂戦士になれば突破できるだろうけど…問題はなった後だ。
「そのあと誰が止めるの!?僕じゃ止められない!鋭児郎君には何かあるの!?」
鋭児郎君がにやっと笑って答えてくれた。
「俺が何とか止めてやる!気合と根性でな!」
ああ…一番返ってきてほしくない答えだ…
「感情で止められるなら僕も苦労してないよ!ああ、百姉さん…助けて…」
こんな時、百姉さんだったらいい作戦を思いつくはずだ。
例えば…ああ、僕じゃ思いつけない作戦だって言うのに僕が考えたって
「最初の条件達成チームは轟・八百万チーム!」
やっぱり百姉さんは簡単にクリアした。頼れる百姉さんだ。ああ、一緒にいれば…
「百姉さん…やっぱり僕は百姉さんがいないとなにも出来な」
「百姉さん百姉さんって…いつまで自分から目をそらしてんだ大馬鹿野郎!!!」
鋭児郎君が思いっきり僕を殴る。すごく痛い。
「え、鋭児郎君…?」
「八百万がいないと何も出来ない!?
だったら八百万はお前とずっと一緒にいてくれるのか!?」
「そ、それは…きっといてくれる…」
「今いねえだろ!?もしヒーローになったとしたらもっと一緒にいられねえぞ!?」
鋭児郎君の言うとおりだ…もし、ヒーローになったら多忙の身になって
お互い会うこともなくなって、いつかは百姉さんは一人で頑張って、僕は
「お前は"個性"も強いし頭もいい!ちっとビビりだがいい奴じゃねえか!
八百万にできることはお前にも出来るはずだ!自信を持て!
『苦労の実行 ハンドレッド』がお前のヒーロー名だろ!名に恥じぬ活躍をしろよ!」
僕のヒーロー名。空論の実現 ハンドレット。
どんな数よりも大きくて、信頼できる数字なんです。
この名前だったら、何でもできると思ってこの名前にしました。
いつも一緒にいられる訳じゃないから、名前だけでも一緒にいたい。
そうだった。忘れてた。宣言して、心に決めたことじゃないか。
「鋭児郎君…僕のヒーロー名は…『空論の実現 ハンドレット』だよ!!!」
僕はメリケンサックを付け、鋭児郎君を思いっきり殴り返す。
メリケンサックが砕ける。メチャクチャ痛い。
「…その意気だぜ。創。」
鋭児郎君は余裕そうに笑っている。
「…鋭児郎君。狂戦士にはなれないけど…やってみたいことがあるんだ。」
いい案が思いついた。でも、それはうまくいくかわからない。
「いいぜ…このまま終わるぐらいなら、一発かましてやろうぜ!」
鋭児郎君が拳を突き出す。僕もその拳に突きつける。
「色は赤と黒、姿は…ちょっとエッチな服装…
誰よりもすごくて、誰よりも頼れる…百姉さんだ!
"創造想像(クリエイティ・イマジネーション)"!」
目線が高くなる。髪の重さに違和感がある。胸が重い。
手鏡を"想像"する。そこには百姉さんが映っていた。
「や…やったよ鋭児郎君!『僕の意思のまま』『別の誰か』になれたよ!」
僕は鋭児郎君に抱き着いて喜ぶ。
「止めろ創!その姿と声で俺に抱き着くんじゃねえ!」
僕の体を基に"想像"した百姉さんの力は思ったよりあるらしい。
「百姉さんの力を借りたんだ…負けるわけにはいかない…!」
脳をフル回転させる。
鋭児郎君の"個性"、僕の"個性"、条件達成、ゲートかハンドカフス…
「よし!これならいける!鋭児郎君!いい作戦…いやオペレーションがある!」
「分かったから離せ!いろいろとやばいんだよ!」
彼らがコンクリートのドームに包まれてから数分が経った。
破壊音は止み、何か言い争った後に、何か起きたようだ。
「…諦めたわけではないよね。油断せずに」
「「『烈怒頼雄斗砲(レッドライオット・キャノン)』!!!」」
コンクリートのドームから轟音と共に切島君が飛び出してくる。
ドームの中には大砲と…何故か八百万君がいた。
「な、何が起きているんだ!?いや、あの方向はマズい!」
ゲートに向かう切島君を止めるべくコンクリートを
「セメントス先生確保ですわ!…なんて、百姉さんは言わないか。」
俺の手にハンドカフスがかけられる。遅れて切島君がゲートから出ていく。
「百姉さんだったら…両方同時に達成できる作戦を思いつけるんですよ。」
なるほど、『いつも一緒にいたい』なら『自分がなってしまえばいい』か。
まさに『空論の実現』。相心君、お見事だよ。
創君の新技です。百姉さんの姿を自身に具現化する技です。
身体的な面よりも精神的な面でバフをかける技です。