"創造"と"想像"   作:神剣狩刃

20 / 57
第20話 百姉さんと一緒に買い物だけど、ファンの方が来たからどうしよう…

僕は今、合宿に向けて必要なものを買うため、

1-Aの皆と一緒に木椰区ショッピングモールに来ています。

「創さん、一緒に回りましょうか。」

ももも姉さんと巡っている真っ最中です…手を繋いで…

やばい。めっちゃ緊張する。エスコートしなきゃ。

ああでも、どこにどんなお店あるか知らな

 

「あら…もしかして、八百万百さんと相心創くんかしら?」

目の前から赤いジャージとゴーグルが印象的な女性が声をかけてきた。

「体育祭凄かったわね。ファンになっちゃったのよ。特に…1位の八百万さんの。」

この人はいいセンスをしている。間違いない。百姉さんを分かっている。

 

「…もしかして二人って付き合ってるのかしら?」

とんでもない質問に僕は即座に否定する。

「い、いえいえいえいえ!百姉さんが僕の彼女なんて役不足もいいところで」

「今は買い物に付き合ってもらっていますの。」

ああ、そうでしたね。交際関係的な意味合いで答える必要はありませんでしたね…

 

「…ちょっと八百万さんとお話ししたかったのだけれど…邪魔しちゃ悪いわよね。」

女性は自身の長く赤い髪を残念そうにいじっている。

「…ファンの方との交流もヒーローには必要ですわ。折角ですし、お話ししましょう。」

流石百姉さんだ。ヒーローの何たるかを分かっている。

「そうですよ。百姉さんは僕なんかよりもいい話をいっぱいしてくれますよ。」

僕は百姉さんを送り出した。…ちょっとむすっとした顔をしていたけど、何でだろう?

 

もう少し創さんは自信を持ってもいいと思います。

私と付き合ってることをあそこまで否定しなくてもいいと思います。

「…せっかくだから『百ちゃん』って呼んでもいいかしら?」

「もちろん構いませんわ。…貴女のことはなんとお呼びすればいいでしょうか?」

 

赤髪の女性はゴーグルを外しながら言いました。

「そうね…あたしのことは…いや、『妾』のことは『終さん』と呼ぶがよい。」

ゴーグルの下には創さんと同じ紫の瞳がありました。

「…!?な、なぜ貴女がここに…!?」

驚きを隠せません。『死んだ』とされている『相心終』さんが今ここにいるのですから。

 

「…『妾』を演じるのは面倒ね。とりあえず…初めに言っておくわ百ちゃん。

あたしに会ったこととや話したことは、人に言わない方がいいわ。特に…創には。」

もちろんそのつもりです。創さんのトラウマそのものですから。

「…何をお話しするつもりですか、終さん…?」

終さんはご自慢の髪を靡かせながら妖しく微笑みました。

 

「あたしは今、敵連合に所属している。」

「!?な、なんです」

「大声を出さないで。死柄木の奴も来ているから大事になると面倒なのよ。」

私の口を押えた終さんは中央を指さしていました。

そこには緑谷さんと死柄木弔が座っていました。

 

「通報しておいて。あいつが捕まればあたしも動きやすくなるから。」

「…敵連合に所属しているのではないのですか…?」

終さんの発言は不可解なものでした。身内を捕まえようとしているのですから。

それでも、私は衝撃の事実を胸に何とか詰め込み、スマホから通報をしました。

「通報終わった?…ちょっと貸して。カメラ機能どこ?…あったこれか。」

終さんは私からスマホを奪い、私とのツーショットを撮りました。

 

「百ちゃん、明日の朝一で相澤の所に行ってこの写真を見せなさい。

詳しい話はそこで色々するわ。あと電話番号教えて。

公衆電話からかけるから非通知設定切っておいてね。

…創の事よろしく頼んだわよ。『想像せよ』。『百ちゃんはフラッシュで目が眩む』。」

視界が戻った時には…終さんはどこかに消えていました。

 

翌日 雄英高校

 

俺は八百万から相談したいことがあると言われ、応接室を借りた。

「…この写真を見せろと言われましたの…」

八百万がスマホを見せる。

「どういうことだ八百万!?」

自分でも驚くほど冷静さを失った。

 

「き、昨日のショッピングセンターで…」

死柄木が現れたというショッピングセンターに終がいたのか…

八百万のスマホに非通知の番号からの電話がかかる。

俺は思わず電話に出てしまった。

 

「終なんだな!?」

「うるさいわね…山田のモノマネかしら?だとしたら似てないわよ?

あと、百ちゃんのスマホでしょ?雑に扱ったらグラブジャムンぶち込むわよ?」

この驚くほど自己中心的な言い回し…間違いない。相心終だ。

 

「今からいろいろ言うけど、あんたと百ちゃんの記憶にだけ残しなさい。

下手に媒体に残すと…あんた達が『内通者』の疑いをかけられるわ。」

終からの衝撃の発言に俺と八百万はフリーズする。

 

「前に雄英が襲撃されたじゃない?あたしは『内通者いたからできた』と考えるわ。

オールマイトを殺すために襲撃したのにオールマイトを殺せなかった…

これは『内通者』が『オールマイトがいる』ことを伝えた上で

『その時になってオールマイトが遅刻した』から起きた出来事よ。」

 

終の考えは筋が通っている。だが、あまりにも認めたくない。

 

「内通者の動機はなんだ…?」

「あたしが知るわけないじゃない。でも、雄英関係者が内通者になるとしたら…

よほどの状況なのかもしれないわね?例えば…人質を取られているとか。」

 

終は世界を統べる夢を持つような奴だが、的外れなことは言わない。

こいつがそう思ったということは、その可能性は十分あるということだ。

 

「あたしは敵連合に所属しているわ。

今度あんた達合宿行くでしょ?そこで襲撃を仕掛けるらしいわ。

生徒の誰かを攫うと言っていたけど…誰かはその場で伝えるらしいわ。」

「待て…情報を整理させろ…」

いくらなんでも情報が多すぎる。敵連合?襲撃?生徒を攫う?

 

「合理的にまとめなさいよ。あんた得意でしょ?今言えることはこれぐらいね。

…もう一度言うけど、記憶だけに残しなさい。

あんたはともかく、百ちゃんに疑いがかかったら…あんたを『事故死』させるわ。」

 

終は勢いよく電話を切った。

「…私はどうすればいいのでしょう、相澤先生…」

八百万が不安に満ちた声で訪ねてくる。当然だろう。

俺だってどうすればいいかわからない。

 

「…今日は休め。俺が適当に理由をつけておく。単位は気にするな。

そして…相談するなら俺に相談しろ。間違っても他の奴には言うな。」

問題を先送りにするしかできない自分が恨めしい。

終の奴め…合理的だが手段を選ばないところは弟と似ているな…




終姉さんが本格的に動き出します。
創君は、ヤオモモは、相澤先生はどうなっていくのでしょうか。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。