"創造"と"想像"   作:神剣狩刃

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第33話 必殺技でもあり合体技でもある…僕と百姉さんの新境地だ。

僕の"想像"は僕の経験のイメージから物を作り出している。

百姉さんの"創造"は百姉さんの知識から物を作り出している。

だから、存在しないもの、簡単に言うと想像上のものは作れない。

 

なのに今、百姉さんは『一口で目が覚める缶コーヒー』という、

想像上のものを"創造"した。

 

「…明らかにおかしいですよね…」

「ええ…私も初めての経験です…」

悩んでいても仕方がないので、僕と百姉さんは相澤先生に相談した。

 

「"個性"が成長することはよくある話だが…明らかにおかしいな。」

"個性"は使っていったり、性質を理解していくと成長することがある。

でも、本来の個性から大きく変わることはない。

 

例えば、『自分が変身して色々な技が使える』"個性"があったとして、

その変身先や技が増えることはあるにしても、

『その変身を他人に起こせる』なんてことは起きえない。

 

「…とりあえず、起きた事を説明してくれ。そこからだ。」

僕と百姉さんは相澤先生に色々説明する。

「…そうだな…『七色に光るドーナツ』とか作れるか?」

百姉さんが"創造"できたのは『七色のドーナツ』だった。

 

皆で食べてみる。色はあれだが、普通のドーナツだった。

「すみません…私の知識ではどうやればドーナツが発光するか分からなくて…」

「いや、ドーナツを発光させたいと思うやつはこの世にいない。安心しろ。」

あくまで、相澤先生は分かりやすい想像上のものを言っただけだと思います…

 

「…八百万、創の手を握りながらやってみろ。」

百姉さんが僕の手を握る。急だったからちょっとドキッとした。

改めて百姉さんが"創造"する。また、『七色のドーナツ』ができた。

色はあれだが、ものすごくおいしかった。

 

「となると…言いながら"創造"してみろ。」

百姉さんが『七色に光るドーナツ』と言いながら"創造"する。

すると、ゲーミングPCのように輝くドーナツができた。

皆で食べた。ものすごくおいしかった。

 

「なるほど…今までの条件から考えるに…

『創と手を繋ぎ』、『作りたいものを宣言する』とそれができるということか…」

正に八百万のものを"創造"することができる…百姉さんはすごいや。

「でしたら…創さんも同じことができるのではないですか?」

そうかもしれない。早速やってみる。

 

「『七色に光るドーナツ』!」

…何も出てこない。何度かやってみたけど、何も出てこなかった。

「そういえば、創さんはドーナツを作ったことがありますか?」

言われてみればない気がする。経験のない物は作れないということが抜けてた。

 

「『七色に光る百姉さん人形』!」

手のひらサイズの普通の百姉さん人形ができた。

「…想像上のものが作れるのは八百万だけか…」

それはすごい。僕と百姉さんがいたら何でもできるのは本当

 

「この力はしばらく使わないことにします。」

百姉さんは力強く断言した。

「ええっ?何でですか?便利で強力で」

「この力に頼ってしまうということは、

創さんに頼りきりになってしまうということです。」

百姉さんはかなり先を見据えていた。

 

「常に創さんが私の手を握れるとは限りません。

己の意志で扱えない力に頼るのはとても危険なことです。

それに…『相心創がいなければ八百万百は何もできない』と言われたくありません。」

 

「私は創さんを頼りにしています。

時には創さんの力が必要になることもあるでしょう。

それでも、私は創さんの『頼れる百姉さん』です。

まずは、私だけでしっかりとした力を持つべきです。」

 

やっぱり百姉さんはすごかった。

「…分かりました百姉さん。僕も…百姉さんの頼りになれるよう頑張ります。」

百姉さんと固く握手をする。僕と百姉さんにはこれが似合うと思う。

「ふっ…まあ、せっかく手に入れた力なんだ。

とっておきとして使うぐらいは良いだろう。」

相澤先生もやれやれと言った感じで認めてくれた。

 

訓練が終わり、せっかくだから百姉さんとドーナツを作ることにした。

「カレーパンって分類上ドーナツに含まれるらしいですよ?」

「…確かにドーナツの定義を考えたらそうなりますわね。」

それらしい会話をしながらドーナツを作る。

 

百姉さんは簡単に"創造"していたが実際に作るとなると難しい。

生地を作り、型抜きをして、油で揚げる。

言うのは簡単だが、実際にやるとスムーズにいかない。

揚げる際とか危険でうっかりしていると

「あっつ!!!」

「創さん!?」

こうなる。百姉さんが瞬間冷却材で冷やしてくれる。

 

「…やっぱり百姉さんと一緒にいると自信が湧きます。」

「創さん…私もです。創さんと一緒にいると心が温まります。」

僕は百姉さんと一緒に雄英に入ってよかったと改めて思う。

なんてことない日常も一緒にいれば特別な日々になる。

僕は百姉さんと一緒にいたい。守っていきたい。大好きだか

「あっつ!!!」

「創さん!?」

 

「おっ、創と八百万じゃねえか。早速いちゃついてんのか?」

「ん、この匂いは…ドーナツだ!いいなー!私も食べたい!」

鋭児郎君と芦戸さんがやってきた。それを皮切りに…

 

「わー!いいなあ!うちらも食べよ、デク君!」

「そうだね、僕たちも一緒に食べていいかな、創くん?」

「おいおい相心…そういうプレイ」

「慎みなさい峰田ちゃん。…私も食べたいわ。」

「ずりーぞ!俺にも食わせろ!」

「上鳴あんたねえ…でもウチも食べたいかも。」

1-Aのみんなが集まってきた。ドーナツパーティーの開催だ。

 

「チョコおいしい!シナモンも!」

「葉隠…口の周りべたべただぞ…」

「闇の帳が下りてからの甘味も…悪くないな。」

「ど、動物さん達には悪いけど…おいしい…」

「冷ますのに俺の"個性"は便利だな。」

「誇った顔してんじゃねぇぞ半分頭!」

意外な人も楽しんでいる。まだまだ揚げていく。

 

「君達!食べる個数は全員平等になるように」

「まあまあいいじゃねえか。プレーン頂くぜ。」

「"個性"でとるのはずるいんじゃないかな☆」

「なら"個性"でとり分けてやろう。チョコいるか?」

こうやって皆で楽しく笑っていけるように頑張ら

 

「お前達…非合理的だぞ…」

楽しいパーティーの時が凍る。相澤先生が来た。

 

「ドーナツにはアイスミルクだろ。」

相澤先生がカッと笑いながら牛乳を取り出す。

「「「めっちゃ乗り気だ!!!」」」

「悪いが俺はドーナツにはうるさい…満足させろよ?」

こうして僕たちの夏休みに楽しい思い出が一つ増えた。




ちなみに、作者はドーナツを作ったことがありません。
クッキーなら焼いたことがあります。
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