"創造"と"想像"   作:神剣狩刃

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第4話 入学早々だけどやっぱり百姉さんはすごいや

鋭児郎君と一緒にクラスに戻ると教室が騒がしかった。

「そのような態度はよくないと思いますわ!」

「っせーぞポニーテール!」

百姉さんがめっちゃ怖い人と口論になっている。とっさに体が動いた。

 

「や、やめろよ!お、お前の態度が悪いのがいけないだろ!?

も、百姉さんに…ひ、ひどいこと言ったら、し、承知しにゃいじょ!」

がたがたに震えて、まともに言いきれなかった。でも、百姉さんを守りたいから。

 

「…うるさいな…喧嘩になる前に止めさせてもらうぞ。」

どこからともなく男性の声がする。入口の方からだ。…寝袋?から聞こえた気がする。

「…合理的にいくぞ。俺の名前は相澤消太…お前達の担任だ。

体操服に着替えてグラウンドに集合しろ。」

どこから見てもズボラな印象しかない担任の指示でグラウンドに行く。

 

己の"個性"を知るべく"個性"を使った体力テストが始まった。

最下位は除籍になるという…不安だ…僕の"個性"は強いと思うけど

"想像"できないものは具現化できないし緊張してうまくできなかったらそれこそ

 

「創さん、先ほどはありがとうございました。…嬉しかったです。」

百姉さんが僕の肩をポンと叩いてお礼を言ってくれた。

「お、あ、い、いやあ…そ、それほどでも…」

「ですから全力で行きます。創さんも…全力を出してください。」

 

百姉さんの眼にキッと力が宿る。…そうだ。いつまでもビビってちゃ駄目だ。

百姉さんと一緒にヒーローになるんだ。そのために僕はここにいる。

 

50m走

「「ジェット!」ですわ!」

「3秒ジャスト!」

「"個性"を使っていいなら…!」「こうなりますわね…!」

 

握力

「八百万、1.2t!」

「万力を使うのはどうかと思いますよ、百姉さん…」

「相心、測定不能!」

「それを言うならパワードスーツもどうかと思いますわ、創さん。」

 

立ち幅跳び

「大ジャンプからの…パラグライダーだ!」

「私の"創造"では出来ない生成速度ならではの連携…流石ですわ、創さん…!」

 

反復横跳び

「発条による高速反復横跳びですわ!」

「あれは自分の体から離せられる"創造"ならではだ…百姉さんはすごいや。」

 

ボール投げ

「大砲ですわ!」

「電磁砲だ!」

「…無限には勝てないか…」

「勝てませんわね…」

 

上体起こし

「鋭児郎君!しっかり押さえてて!」

「うおお…めっちゃ力つええ…!」

「芦戸さん!お願いします!はああ!」

「うへえ…筋肉に胸が付いてるじゃん…」

 

長座体前屈

「リ、リーチが足りない…」

「なんか作って伸ばすのはプライドの問題か?」

「む、胸がつかえて…」

(何でだろう。勝った気がしない。)

 

持久走

「百姉さん原付の免許取ったの!?」

「ローラーシューズとジェットも楽しそうですわね!」

「「「普通に走れよ二人とも!」」」

 

結果としては百姉が1位で僕が2位だった。ちなみに除籍処分はウソだった。

「今回は私の勝ちでしたが…次も勝てるはわかりませんね…」

「いつか…百姉さんに勝ってみせるよ…!」

 

放課後、百姉と一緒に帰る途中に鋭児郎君と芦戸さんと合流する。

「創に八百万、どっちもすげーな…ワンツーフィニッシュじゃねえか。」

「二人でぶっちぎりだったからねー…ちょっとすごすぎるかも。」

「そうでしょ?百姉はすごいんだ勉強もできて見た目も綺麗で…」

「創さんだってすごいですわよ?

私だけで"創造"のバリエーションはあそこまで増やせませんでしたもの。」

お互いを褒め合う形になってしまった。

 

「本物の姉弟みてえだな。」

「ね。微笑ましいね。」

鋭児郎君と芦戸さんがニコニコしながらこちらを見ている。

 

「そうだ百姉。ワンツーフィニッシュ」

「お父様とお母様にお伝えしましたが…お二人とも忙しいようで…」

「…そうですよね。毎回パーティーって訳にも」

「ですのでどこかでお食事会にしょう!切島さんと芦戸さんもぜひご一緒に!」

「「マジで!?ありがとうございます!ゴチになります!」」

ということで僕たちは某ゼリヤに向かうことになった。

 

「それでは…百姉さんと僕のワンツーフィニッシュ並びに

百姉さんと鋭児郎君と芦戸さんと僕の出会いを祝って…乾杯!」

「「「乾杯!」」」

僕の拙い音頭に合わせてグラスが鳴る。テーブルいっぱいの料理は壮観だ。

 

「この場のお代はすべて私が支払いますわ!遠慮なく召し上がってください!」

「流石ヤオモモ!」

「よーし、腹いっぱい食うぜ!」

「ありがとうございます百姉さん。では…いただきます。」

楽しいパーティーの始まりだ。

 

「…いや二人ともめっちゃ食うな?」

「どこに入ってるのそれ…?」

「そうかな?」「そうでしょうか?」

 

ドリア、パスタ、ハンバーグ二つ、サラダも二つでポテトも食べて…

「ピザとエスカルゴも忘れてはいけませんわ。」

そうだった。で、スープに青豆のサラダ…

 

まだスイーツ食べてないや。

「百姉さん、何にします?」

「お祝いですから全部食べたいですわ!」

「僕も全部にしよっと。」

「「…マジかよ…」」

 

百姉さんと僕の"個性"は体から物を作っている。

百姉さんは脂肪から、僕はエネルギーから作っている。

それにトレーニングもしているから食事量が多く見えるのかもしれない。

 

「…八百万はともかく、創の家のエンゲル係数ヤバそうだな…」

「私がママだったら怒っちゃうかも…」

「…僕がヒーローになったら、家への仕送りが最優先かな。」

そんなこんなでデザートがテーブルに並ぶ。まさにデザート砂漠。

…言わなくてよかった。絶対に面白くない。

ちなみに会計は5桁になったそうだ。百姉さん、ご馳走様でした。




この世界でのヤオモモはめっちゃ強いです。
体バキバキのメンタルつよつよ、人間性も十分と欠点らしい欠点がありません。
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