公安での一件があった翌日のホームルーム、相澤先生からあの話が出された。
「青山から皆に言いたいことがあるそうだ。全員真剣に聞け。」
青山さんは自身の口から内通者のことを話してくれた。
「最初はこの学園を去るつもりだった…でも、でも!
こんな僕でもヒーローになれると言ってくれた人がいた!
信じてくれる人がいた!だから、僕はこの学校を卒業してヒーローになりたい!
それが僕の償いなんだ!だから…僕をこの学園に居させてほしい!」
青山さんは涙を流しながら頭を下げた。
「まあ…事情が事情だ。俺達から処罰を下す必要はないだろう。
仲良くしろとはいわないが、不当な扱いをしたらヒーロー失格だ。いいな?」
相澤先生に言われるまでもなく、青山さんを否定しようという人は誰もいなかった。
改めて、みんなでヒーローになろうと結束を固めた。
「今回のビルボードチャートは公安がTOP3を独占するわね。」
あたしはバスローブで公安の自室でテレビを見ながらウキウキしている。
「ホークスはともかく、終と私はチャートに乗らないだろう。」
隣にいるバスローブの火伊那さんは夢のないことを言う。後でいたずらするわ。
結果として、我らがホークスはNo.2で、
No.1はむさくて熱くて加齢臭のキツイ、デヴァーのオッサンだった。
「何やってんのよホークス!というか、火伊那さんがいないってどういうこと!?
会長もなにオッサンをNo.1にしてるのよ!?絵面が映えないじゃない!
こんなの不正よ!許さないわ!でっち上げでもいいからあたしをNo.1にしなさいよ!」
あたしは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の会長を取り除かなければならぬと
「落ち着け終、支離滅裂だぞ…ほら、牛乳飲ませてやるから…」
火伊那さんが哺乳瓶を取り出してくれるがそれでは収まらない。
「かいなママのおっぱいをようきゅうしまちゅ!」
「それでいいから落ち着いてくれ…」
「おちちつつきまちゅ!」
かいなママのおっぱいでおちつくおわりちゃんはおりこうさんでちゅ。
ホークスがデヴァーと九州でチームアップすると聞いて、あたしは飛んで行ったわ。
「ふざけるんじゃないわよデヴァー!会長に体売ってNo.1になりやがって!」
「文句を言うためにわざわざ来たのか。公安も暇だな。」
こいつ、あたしの口撃に顔一つ動かさないなんて…
「マキナさん…そういうこと外で話すのもあれですから。店入りましょう。」
ホークスに焼き鳥屋に連れ込まれたわ。やけ食いしてやる。
ホークスが脳無がどうのこうの言っているが、あたしにとってはどうでもいい。
「いいデヴァー!?今すぐNo.1を辞退してあたしに譲りなさい!」
「食うか喋るかどちらかにしろ。それと、チャートは民意で決まる。」
それなら両方やってやるわ。『機械仕掛けの神』を舐めないで頂戴。
「もぐもぐ!むしゃむしゃ!ごくごく!ばくばく!」
「飲食の勢いをあげて抗議する人、初めて見ましたよ…」
デヴァーを破産させてやる。そうすればNo.1どころではないはずだ。
「このまま居座るって言うなら…あんたをNo.1から引きずり落としてやるわ!」
「ヒーローが恐喝とはな。公安も人手不足なんじゃないのか?」
「この人の手綱を握れる人が不足しているのは事実ですよ…」
デヴァーめ…あたしが本気を出せばお前のヒーロー生命を終わらせることが
「下がってお姉さん!」
「こんな時にあたしを口説くな!あたしには火伊那さんが」
黒い化け物、脳無が窓ガラスをぶち壊す。
「どレが一番強イ?」
「ここにいる加齢臭のすごいオッサンよ!」
とりあえず脳無をデヴァーに押し付けて、あたしは避難誘導を始める。
「手伝ってやれホークス!そいつだけでは足りないだろう!」
黙れオッサン。ホークスはもうとっくに動いているわ。
避難を終えたあたしは、脳無とデヴァーとホークスの戦いを地上から眺めている。
「色んな"個性"があるわね…あたしだけじゃ流石に無理だったわ。」
戦闘力ではあたしより、デヴァーに軍配が上がる。適材適所を譲るしかないわ。
「灼けて静まれ、プロミネンスバーン!」
あたしは脳無が灼けていく中、脳無が頭部を飛ばしたのを見逃さなかった。
「『想像せよ。』『脳無は頭部を羽で貫かれる』。」
ホークスの羽が"事象"によって動き、脳無の頭部を貫く。
「殺しに関してはあたしに軍配が上がったわね。」
「あたし達に訂正してもらえると嬉しいですね。」
余計なことを言うなホークス。あれ、見た目通りに痛いんだぞ。
地面に降りてきたデヴァーに文句を言う。
「あたしがいなかったら取り逃がしていたわよ?」
「俺のスタートに手を出すな。おかげで」
「初めましてかな?エンデヴァー。」
どこからともなく、荼毘くんが現れた。
「久しぶりじゃない荼毘くん。ちょっと相談があるのだけどいいかしら?」
「聞くだけ聞こうか。同じ釜の飯を食った仲だしな。」
交友関係が広いとこういう時に役に立つのよ。
「あたし、デヴァーをNo.1から落としたいのよ。協力してくれない?」
「ヒーローが敵とチームアップか。世も末だな。」
荼毘くんが手を叩いて笑っているからいいってことよね。
「荼毘くんの正体を世間に公表したいのよ。」
「…なるほど。ブラフにしては面白いこと言うな。」
荼毘くんは勘違いしているけど、あたしは本当に知っているのよ。
「ブラフじゃないわよ、『轟くん』。」
あたしのは発言に三人は驚いている。
「あたしの情報網と目標への意欲を舐めないでほしいわ。」
荼毘くん改め、轟くんは顔を抑えて笑っている。
「はあっはっはっは!こいつはおもしれえ!言ってみろよ終!
合ってたらこのまま引き下がってやるよ!」
本人からの許可が下りたから、あたしは思いっきり息を吸った。
「轟燈矢くん!!!瀬古杜岳で焼死したはずの轟燈矢くん!!!」
この叫びは辺りにいる人間なら間違いなく聞こえただろう。
ましてここにいる三人なら、聞き逃さないだろう。
「くっくっく…ひゃあっはっはっは!俺の楽しみを奪うなよ終!
折角隠し続けてきたのによ!でも大正解だ!
父親よりも先に正体に気付くとは流石公安だぜ!氏子さん!」
燈矢くんの口から黒い液体が出て、どこかに消える。
「じゃあな父さん!またいつか会おうぜ!できればヒーローでいろよ!」
残念だけど、燈矢くんの願いは叶わないと思うわ。
脳無と敵連合を退けたというのに、町は異様な雰囲気に包まれていた。
「貴様…ふざけるなよ…」
「言ったでしょデヴァー?あんたをNo.1から引きずり落としてやるって。」
あたしはデヴァーに近づいて邪悪な笑みを見せつける。
「…終さん。冗談にしてはたちが悪いっすよ…」
「じゃあ、真実としては完璧ってことね?」
ホークスにも邪悪な笑みを見せつける。
「さて、ドーナツとアイスミルクで祝賀会よ!
ホークスがNo.1ヒーローになるんだから、盛大にやるわよ!」
次のビルボードチャートが楽しみで仕方ないわ。
まだまだ続きます、ゲロヤバインターン編。